魔王
魔王
後ろのドアが煩いのは許してくれ。
経緯はこうさ。僕は画家になりたかった。だが叶わなかった。コネや権威――純粋な芸術を創るに、世は不純過ぎたんだ。
僕は絶望した。そんな時、僕は偶然にもこの色を創った。
色を見せると皆が言ったよ。これを知人にも見せていいか――それは感染だった。絶望のね。そして、ネットやTVで、それは瞬く間に世界に蔓延した。
今、色を見せた者は血祭りに上げられている。僕も後ろのドアが蹴破られたら、皆の幸せを殺した悪魔として処刑されるだろう。だから、この映像を残す。事の発端と――これを見る者に、この色を届けるために。
人の心を動かす。それが純粋な芸術で無くて何だろう? さぁ、君も絶望してくれ!
魔王