魔王

魔王

 後ろのドアが煩いのは許してくれ。
 経緯はこうさ。僕は画家になりたかった。だが叶わなかった。コネや権威――純粋な芸術を創るに、世は不純過ぎたんだ。
 僕は絶望した。そんな時、僕は偶然にもこの色を創った。
 色を見せると皆が言ったよ。これを知人にも見せていいか――それは感染だった。絶望のね。そして、ネットやTVで、それは瞬く間に世界に蔓延した。
 今、色を見せた者は血祭りに上げられている。僕も後ろのドアが蹴破られたら、皆の幸せを殺した悪魔として処刑されるだろう。だから、この映像を残す。事の発端と――これを見る者に、この色を届けるために。
 人の心を動かす。それが純粋な芸術で無くて何だろう? さぁ、君も絶望してくれ!

魔王

魔王

あらすじ: 部屋に追い詰められた男は、カメラに向かって語る。事態の経緯を。しかし、それは……。 備考: Twitterで開催している「300字ss」に参加した際に書いた作品です。 お題は【色】。 超! のつく短編です。 ちょっと気持ち悪いお話。 さくっと読めますので宜しければどうぞ。 超備考: 新作書いたらTwitterで告知してます。宜しければ。 http://twitter.com/drawingwriting

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • サスペンス
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-06-15

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