リルケゴール解体

リルケゴール解体

   



   



   



   



   



   



   



   

言葉が僕の言葉ではない


身体で動かしていない


響かない


打たない


僕のものを感じないのに


僕のなかでだけ反響


一人だけで


苦しいといえない


朝がまた何か引き戻す


きみとさんが嫌い


リルケゴールが虚ろ


僕のエゴが手に負えない


言葉も名前もなかった


荒れた雨、風、音


朝の最初でさっそく呼吸整わない


欲しいという身体を貫く情動


汚れているって思いで


今日が昨日から続く


欲しいが汚らしい


ペニスが汚らしい


ウェットなひとへの渇望が汚らしい


あんなにも疲れきった人を


なにも出来ないのに


僕だけが汚い


君への気持ち汚いとき


とてもつらい


セックスなんて


なければいいのに


僕のしてきたセックスと


君のしてきたセックス


なんてことないのに


つまらないこと 躓く


これからがあるのに


比べようがないと


選んでくれてるのに


燃えるように妬く


言葉こわい


想像の挙句に


固くなって


あるいは濡れて


自分で射精して


自分でオーガスム


互いに自分を慰めてきた


こんなにも欲しかったことあっただろうか


そんな日々


なにも感じさせられない


悶えさせられない


他の女、抱きたくないの?


君は無力さへの寂しさがあった


想像が苦しい


想像が殺そうとするとき


でも立ち戻らなければ


僕たちの性


いつか抱く


君も僕も


今までになく乱れる


求めて


声の限りで呼んで


貪るだろう


でも爛れちゃいけないね


朝から言葉が爛れる


こんな言葉だけ激しく生きてしまう


包容したいのに


静かさを得なければ


爛れた言葉に立ち戻る


爛れた想像に爛れる


言葉ってのは


僕の動作で動かなきゃいけない


Not penis but brain


あるいはmind, soul


今日だって電話でmindを君が乞う、僕が乞う


「学校に着いた、がんばってくる」


「トイレ行く、聴く?」


君らしいジョーク


うふふと笑う


はははと僕が笑う


笑いあえる余地


今朝もあった


これだけでいい


うふふと はははから


日を始めたい


弱って疲弊した君


僕らの笑いだけが救い


笑ってなかった


荒む


「いじめないで」


荒んだ


陰鬱


なじみの黒天使


半殺しの歌


待たなければならない


わからないまま


待つ


想いを疑う


地上はなにも詩がない


もう一度半分の地獄


半分のレボトミン頓服爆撃


おまえに向ける


言葉など


ない


いま


決着のつかない


陰鬱の死の歌


歌でさえない


言葉が無力だとか


そんな陳腐なもんじゃない


現に斬る言葉は動作し


汚ねえ情動の再現が苛む


短歌が救わない


誰も救わない


ゴミの広告


ケツ拭くちり紙


何の意味がある


言葉で惨殺する男が


言葉書きがなどやる


消したく思った


消えたらいいのにと思った


黒いから


吐く


凝固した憤怒


逆ギレの拷問タイムは豚のマンコでいいだろ、おい


整わない


整形するか?安定させない


クソ詩は


オン・ザ・ロックで


カナダドライでいいぞ


憤怒のまま


優しさなど


集中治療


呼吸しません


肺活量が無計画です


喘息音頭


さいじょうきみとですら


曖昧なのに


さいおんじりるけごーるなんて


儚いもんじゃないか


半年は生き延びた


ときどき


もう


消したい


消えたい


衝動


抑えてる


そもそも


なにかいてるの


なにかいてるの


あー


はじまった


おなじみの


バケモノ


Solitude.


投げ出したい


疲れた


「いろんな詩を書いてね」


刺される気分だった


何も分かってない


分かってたら


言えない


殺す言葉


くそったれ


消えたい


Isolation.


味方はいない


苦しい


苦しい


苦しい


苦しいが苦しい


「ころしてやりたい」


苦しさのない所業など


あるはずがない


どんなに解体されても


安楽だけで あるはずがない


「楽でいなさい」


若年性理想主義の


くそくらえ


命令調の幸福


くそくらえ



 れ


  なに


    書いている?


く そ 喰らえ


誰も救わないどころか読み飛ばされるべき詩歌


無惨に殺す人


残骸の詩書き


セックスも出来ねえ恋愛詩


チンカス溜まる
























  リルってだれ?







  “してもいいのよ”



  “しよう”



  “鬱さんの代わりに謝る”




引き留めてるのは、かえりたい始まり、あの頃よかった、自分だけ蝕んだが、誰も道連れでなく、優しい子が通りがかった。無垢だった。あのとき、よかった。あの湿りと潤い、陳腐じゃなかったさ、いまでも・・・・・・




アンナと名づけた少女だけを眺めていた。


   



   



   



   



   



   



   



   

リルケゴール解体

タイトルはどうでもよかった。

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先端KANQ38ツイッター https://twitter.com/kanq38

リルケゴール解体

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-06-14

Copyrighted
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