あなたはへび

あなたはへび。

なにをかんがえているかわからない。
「たべようとおもえば、いつでもたべられるんだよ?」と、私ののどもとにとぐろを巻いている。

わたしのくびに舌をはわせながら、わらっている。
確信的なことはくちにせず、こちらをためすようないいかたをする。
ずるい、とおもった。こわい、ともおもった。

獲れるえものはすべてたべてしまう。そしてゆっくりと飲みこんで、じぶん色に染めてゆく。

獲れるまで、あまりうごかず、ニタリとわらってこちらをみている。
そして、「君からぼくのほうへきたんでしょう?」と言うにちがいない。

ちろちろを舌先をだしてはしまって、だしてはしまっている。
こいに落ちるようにしかけている、すきになったら負けというものを上手くつかって。

するりするりと、あなたはすり抜けていく。
しゅるしゅるニタリと、あなたはわらった。

やっぱり、あなたはへび。

あなたはへび

あなたはへび

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-06-08

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