あなたはへび
あなたはへび。
なにをかんがえているかわからない。
「たべようとおもえば、いつでもたべられるんだよ?」と、私ののどもとにとぐろを巻いている。
わたしのくびに舌をはわせながら、わらっている。
確信的なことはくちにせず、こちらをためすようないいかたをする。
ずるい、とおもった。こわい、ともおもった。
獲れるえものはすべてたべてしまう。そしてゆっくりと飲みこんで、じぶん色に染めてゆく。
獲れるまで、あまりうごかず、ニタリとわらってこちらをみている。
そして、「君からぼくのほうへきたんでしょう?」と言うにちがいない。
ちろちろを舌先をだしてはしまって、だしてはしまっている。
こいに落ちるようにしかけている、すきになったら負けというものを上手くつかって。
するりするりと、あなたはすり抜けていく。
しゅるしゅるニタリと、あなたはわらった。
やっぱり、あなたはへび。
あなたはへび