星空に夢を浮かべて眠るの
不揃いな文章ですがどうか、目をつぶってやってください。
仮ですが、この作品には【こんな時、誰かに甘えたいな】と思った時の女性の気持ちや心情を書いていきたいです。うまく言えないのですが。
――乙女、夜に眠れ――
星の綺麗な夜だった。
雨の切ない匂いが漂っていた。
私の心もきっと、切なさで一杯だったに違いない。
だってこんなにも胸は苦しくて、何度も何度も、冷たい感触が心揺さぶる。
4階の窓からはその感触とよく似た冷気が部屋と外を行ったり来たりしている。
頬につっ――と、かする冷たさにうっとりとする。雨が降り終わったあとの冷たさは私に安らぎを与えてくれる。
なぜ、そうなるのかはわからないけれどこの瞬間が生きている中で一番の潤いを包んでいる気がする。
自分でも、何を言っているのかわからない、何を思っているのかすらよくわからない。
そういう時が誰にだってあるのかはわからない。
私は私でその時がある。
この潤いに身を任せて時を流れさせて、すべてを捨て去るようにして日頃の雑念をどこかに飛ばし置いて無に浸る。
浸れば日頃の生活では見えるはずの見えないものが見えてくる、知らない音や感触、匂いに風景、星のようなとても小さく見えて儚い存在達が。
そして夢をみるの。
果たせなかった昔の夢。
過去の約束事を振り返ってみたり、過ちを思い出して泣いたり。
泣いたら、お母さんに怒られた後の子供みたいに星を眺めるの。
彼らはとっても綺麗で、今涙で目が霞んでいることをいじらしく思うくらいに。
濃紺の絨毯の上には雫のような点々としたビーズが自由に飛び交っていて空の動物たちは時が経過するとともに違う場所へ移動するの。
今日は私の星座はどこにも見えないけれど今日は別にいい。
また見える時があるから。
スーッと息を吸い込んだ。
雨の匂いと感触が体だけでなく私の心も伝っていく。
今日はもう寝よう。
明日はまだ誰にもわからないのだから。
さあ、寝よう。
そうして窓を閉めようとしたが星空と目が合い、私は困惑した。
こんなにも綺麗な夜とであったのは久しぶりだったからだ。
そして、その夜の記憶はそこで止まる。
私は眠りに落ちたのだ。
えらく深い眠りのように思える。
疲れているのだろう、よく眠れ。
自分に何かを言い聞かせることがひどく恥ずかしくなる時がある。
それは今の私だ。
網戸の外の世界はまだ輝いている。
目蓋がゆっくりと落ちていくのが見えた。
星空に夢を浮かべて眠るの