『パンのヒーロー、もういない』より

「お金持ちになりたいとか、ないものねだりとかそんなのじゃなくて、
怪我をした時に心配してくれる人とか、つらい時に支えてくれる人とか……
なくしてしまったものを取り戻す幸せくらいあっていいと思うの」
彼女は願い事を口にする様に不満を零した。
その言葉に僕は次の一秒を刻む前の秒針の様になった。元々何も持っていなかったけれど……

(略)もし僕が今でもパンのヒーローの様に生きていく事が出来ていたら
諦めていた世の中が少しだけでも変わっていたのだろうか。
そんなもしもを想像しようとしてやめたーー

『パンのヒーロー、もういない』より

幼少期ヒーローだった僕はいない。

『パンのヒーロー、もういない』より

人を助けてあげたい側が助けてもらう側になるとうまくいかない。 (一部抜粋)

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-06-02

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