少年たちの秘密基地

初投稿なので、暖かな目でご覧ください。

日々のルーティン

「ありがとうございましたー」
はきはきした若い店員の声を後ろに聞きながら、新は店を出ようとしていた。たまにはと、働いている店とは別のコンビニでカップ麺や飲み物を買ったのだが、あまり大した意味はない。今日だって普段通りの毎日なのだ。昼間はぐーたら,夜はコンビニでバイト。何気なく始めたこのバイトも、すでに4か月が経とうとしている。そんな日々を送りながら、ほんの数か月前に送っていた日々が段々と消えていっているような感覚を覚えることがある。(俺はこのままでいいんだろうか…)と、朝の光とは対称に、行く先の知れない思いを感じながら歩く。それでも、今の新にこの日々を変える覚悟はなく、漫然と日々を続けている。

「お前は、そのままだとどこに行ってもやっていけんぞ」

未だにあの言葉が頭の中を行ったり来たりする。知るかよ、そんなこと…。

少年との出会い

歩いていて、ふと気づくと、ネコがいた。白に黒が混じったような柄で、首輪もしていなかった。外見に少し興味をひかれていると、歩道に沿いながらトコトコ…と歩いて行った。帰っても別段何もすることもないので、後を追ってみると、そこには、子供のころ遊んでいた公園に似た公園があった。
新は、大学進学と共に実家を離れたので、少しノスタルジックを感じながら、
「へぇ、懐かしい雰囲気だな」
そんなことを柄にもなくつぶやいた。

 さっきのネコを目で追うと、ネコが向かっていたのは、小学生ぐらいの子が乗っているブランコだった。新は、その子が立ち上がり、ネコを抱え上げる様子を見ていると、見ていたことに気づいたのか、その子と目が合った。小学生らしい無邪気な笑顔を見せてきたのを見て、子供の自分を思い起こした。あの頃は、こんな風に笑えていたんだろうな…なんて思っていると、
「ねぇ、このネコっておじさんのですか?」

おじ‥さん‥だと…。さすがに20半ばの男におじさんと言ってくる人はこれまでいなかったので、傷つかざるを得なかったが、よくよく考えてみると、このぐらいの年齢の子から見たら、年上の人はみんなそんな風に見えるのだろうと自分に言い聞かせ、ぐっとこらえた。
「いや、違う」
と、そっけなく言うと、
「えー、勘が外れたなぁ、ネコを追ってきたように見えたし…」
と言いながら、勝手に悔しがっているようだ。今更ながら、いい年をした大人がネコを追いかけてきた様子を思い浮かべ、我ながら恥ずかしくなる。
「いや、違う」
と、そっけなく言って、後ろを振り返り、帰ろうとすると、
「ねぇ、おじさん!」
と、呼び止めてきた。だから、まだおじさんじゃないのに…。

少年たちの秘密基地

続きも自分のペースで書きますので、少しでも興味を持っていただけた方は、よろしくお願いします。

少年たちの秘密基地

新は、ある会社の上司とのトラブルによって、会社を辞めた。それから数か月、やる気が起きず、何気なく日々を過ごすだけの毎日だったが、世間では夏休みに入っただろう頃のある日、目の前を通った猫を追いかけると、子供の頃によく遊んだ公園に似た公園で、一人でブランコをしている小学生を見つけた。ふとしたことで知り合うこととなった二人は、この夏に待ち受ける様々な出来事にぶつかっていく。

  • 小説
  • 掌編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-05-28

Copyrighted
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  1. 日々のルーティン
  2. 少年との出会い