ささきななこ@nanako_tanka 2016~2017

思い出になりたいだけの恋だった君のページは閉架書庫行き

エネルギー切れの音楽流れ出すそしていきなりポンコツになる

薄雲の裏から照らす朱の光にひと筋染まるひこうきぐも

紫陽花の花の盛りに君想う傘の内にも大粒の雨

紫陽花の花の盛りに君想う僕の時計はあの日止まった

逃げ出した過去が未来に座ってた「あれから君を待っていたんだ」

慰めにもならぬ言葉より遠く光る星の名ひとつ教えて

リア充になりたくて三○目 J S○ul Br○thersの曲を聴く

「“お子様”の、お子」とぬいぐるみに名前つけて未来を見ないふりする

安売りをしてもいつでも売れ残る早く製造中止にしてよ

致命的バグ発見につきこの「私」のリプレースを依頼する

「可愛い」のうそとほんとにはさまれて薄くなってく心臓ひとつ

こんなにも待っていたのに君のこと知らないままで終わりたかった

やっとこさ抜け出たように見せかけてまた来るスランプに怯えてる

それくらい不幸のうちに入らぬと知ったような口を塞ぎたい

高くても安くても売れ残るから未だつかめぬわたしのねだん

ひとりではどこへ行くにも大荷物必要なもの選り分けできず

ひとりではどこへ行くにも大荷物必要なもの君が選んで

無駄なことなんて一つもないよって言える驕りと強さの違い

無駄なことなんて一つもないよって言える強さと驕りの違い

この腕が吐息がすごく臭い気がして君の隣に居られない

幼い頃に蓋をした悪夢たちここにいるよと手招きをする

「愛してる」一時だけでいいんです、愛し続けは疲れるでしょう?

逃げないで向き合えばひらめき失くし最後のきらめきまで喪う

一枚の紙と〇〇○は突きつける。青い魔法で三度目の死を

おなかにもまだ泳いでるおやつたち。次のご飯のつぶらな瞳

「地球と宇宙の境目は?」はっきり分からないことはまだあります。

戦う覚悟はあるかい 泣かないでいられる場所を探したんだよ

戦う覚悟はあるかい 立ち上がり続けたものがいつか勝つのだ

「地獄なら前に見たからこの先は天国ばかり」? もっとよく見て

君に会えない時間に慣れたからこれからひとりで生きていくから

現時刻水曜日33時 曇り空からうぐいすの声

入梅や我のコミュニケーション能力いまだ熟さじ美酒も無し

「大丈夫」「大丈夫」だと言い聞かせ 置いてきたもの、たいせつなもの

あの日から待っているのに9年が経ってしまう時計よ動いて

しめきった窓の内から落ちてくる雨粒数える電車の旅

ひとりでは進む道が見えなくて光に集まる闇夜の羽虫

藤棚に 背をかがめつつ はなたばちゃん 張り付くシャツに一陣の風

はやぶさよ地球に堕ちるその時に何を見たのか教えてほしい

花束の似合う人になりたかった いまは一輪挿しを愛でつつ

暮れていく朱に吸い込まれる叫び 空の心は征く宛てもなく

あなたでもいいではなくてあなたがいいと言われるような人生を

これがわたしです、と言って心臓を、この魂を見せてあげたい

片想いよりも愛してくれる人 愛していくと星に誓った

いい子でなくても悪い子でなくてもいい「わたし」という新カテゴリ

古ぼけたノートに挟まれた四つ葉 40年の祈りを載せて

話す度 依存と恋のバランスで 「触れてはならぬ」警笛が鳴る

ささやかな間違いのためこの道を 夢のまにまに流され我は

じっと待つ心のたねの育つまで乾いた土に長雨沁み入る

そのままでいいよの言葉鵜呑みして頭うらはら心ばらばら

年重ね心とおでこ広くなり買えない物ばかりほしくなる

サイレンで空気震わせ夢乗せてすり鉢の中回る二輪車

ひさかたの天の川より星ひとつおまへを生かすために死ねない

蒸す夜明け 夢から覚めてさとりたり 生きていくのだ  春嵐止む

大人とは格好悪く生きること諦めでなく肯定すること (字余り)

頭から絞り出したる短歌たち遠く届けよ君のもとまで

しあわせをノートに綴じる母さまの少女時代と枯れクローバー

考える間もなく深く感じたい頭の中のざわめきを消す

しみじみと好きな理由を挙げられてまた1人心の中で消す

離さずに受け止める覚悟はできた おかえりなさいわたしの怒り

切り傷の痛み感じぬ日々抜けて白く残った跡に薬を

お前に価値があるとは思えない、と殴られたよな脳への一撃

「価値はない」......目をそらしても隙間から染み込んでくる過去のことだま

壇上の光、濃くなる影の中笑顔で拍手わらえてたかな

要らぬ子の周りを駆ける喜びのひとつひとつ傷口にしみる

見えぬ糸操る人も知らざりき選択肢いずくんぞあらんや

遠い場所目指し歩いた友へ。私を忘れて幸せになって

思い出になりたいだけの恋だった君のページは閉架書庫行き

とおくからお祭り眺め参加していることにして思ひ慰む

泣き腫らし揺れる瞳こそ我の星叶わぬ夢に咲けやリンドウ

とおくから聞こえる音の主たちの考えていることを知りたい

ステージの君の隣で見る夢はいつも光に包まれている

もう一度未来信じて風呂上がり手首の跡に薬塗りこむ

空仰ぐ目を見なさいと教えられ今度は見つめ過ぎと言われて

目の前の目と目を合わせあう人の向こうへ通りすぎる焦点

わたしには残ったものはことばだけ青い悪魔も返してくれた

目の前の目と目を合わせあう人の気持ちが分かるようになりたい

手首には傷があります背中にはハネはなくともいつか飛びます
(※畏れ多くも、@kurokiume_bot さんの短歌を本歌取りさせて頂きました。 本歌取り、もしお嫌いでしたら申し訳ございません。お手数ですがご一報ください。削除させて頂きます。)

押入れの可愛い服をかき集め 似合わぬ顔をうずめて泣いた

タイムマシン過去に戻って泣いているだいじなひと慰めてあげる

たこ焼きもチュロスもコロッケも決まるその油の種類が気になる

新鮮な油を使う文化祭黒字支える(人件費無し)

風爽かいちごみるくの池の底宝石のよに光るタピオカ

たこ焼きもチュロスもコロッケもキマるその油の種類が気になる

空の青、いちごのピンク、タピオカの、緑、黄、オレンジ、……(皆と一緒)
(秋空の下、いちごみるくタピオカを飲みながら)

りんご飴齧った中は腐っても君の笑顔の横で輝く

型抜きのクッキーのよに一定の形を作るコミュニケーション

リアルアイデアロールに成功してリアルSAN値が減った真夜中
(Q.成功したのは《アイデア》ではなく《図書館》では……? A.短歌なので、分かりやすさを重視しました。「図書館を振って成功」より「アイデアロールに成功」の方がピンと来ませんか?)

冬支度、あたらしい靴買いました。引きこもりには合皮がいいね

着ていけばすごい目で見られた服も あの子が着れば可愛がられる

骨格ぜんぶバラして組み立てたいあたまもプログラムし直して

脱ぎ去ってラクになりたい重ね着た一番下の見えない服も

もうずっとタンスの肥やしいろいろなもの我慢して買った服たち

同じことやっても君ははなまるを私は×を今日も更新

望み消ぬ作りしあたらしき夢にすがりて命つなぎたりけむ

信じるか、元に戻ったハンプティ、さすれば我のびょうきもなおる

真っ黒なこの箱に閉じ込めていた中身を逃したのは誰です?

ノりはする参加はせずに見てるだけそっと離れて結局ひとり

生きるため絞りだし続けた夢に重ねる5杯目のティーバッグ

前よりも強く魔法をかけなおす二度と封印解けないように

笑い方けなされてから調べて「あはは」と笑うと決めて生きてる

なおるまで眠らせていて幸せな夢を見させる機械繋いで

いままでのうまくいかないほとんどの原因を知らなければよかった

また書いた一緒にいきてほしいから 履歴書という名のラブレター

「気遣いが大事」こころを砕いても皆の期待とズレる悲しみ

怒りつつ(なんで怒る、)と内側のブレーキ効かぬこのコンピュータ

ずるいひとあいつの胸に永遠に住み続けてる勝ち逃げたひと

肩書きや出身校や見た目では分からぬ心だけで生きたい

一度には食べきれないくらいの量 この「幸せ」も冷凍したい

冷凍庫毎日覗き「まだある」と幸せになるアイスクリーム

教科書の無い問題を君と解く 答え合わせは最期の時に

性格はプログラム。修正可能。こわれてるのは機械そのもの

大丈夫語彙力なんてなくていい君の名前が呼べたらそれで

僕の名を呼んで笑ってその度にはじめて聞くような新鮮さ

同じもの売られていないこの機械なおせる技師もどこにもいない

ささやかな復讐、と言い、過去形で書いた手紙をポストに入れる

わがままや気まぐれならばこの歳で寝てる間に夜泣きはしない

仕分けする良くも悪くも公平な機械のように未練残さず

きのうまで分からなかったたくさんのことがいまさらあとのまつりで

生きる価値なくてもわたし生きていく生かしたことを悔やめばいいよ

積み上げた気づきあふれて昨日とは違う種類の涙を流す

芽の生えることを信じて耕して農夫はもみがらを土に撒く

どーなっつ、あなはあいてもクリームとどりーむ詰めてあしたもわらう

紅茶飲む湯気の近くで深呼吸 加湿器代わり鼻も潤す

なおるならもうなおってもいいはずと言えるくらいのことはしてきた

(もう無理だ)ぽろりこぼれる言葉たち気をゆるめたすきまにヒビわれ

手を離すあなたのことは忘れない未来を生きるための決別

ひとつ言う毎に信用失えば反省追いつかずに死すべし

反省を生かした次も間違いで物言わぬ動物になりたい

1日を無音のままに終えるとき泡になりゆくこころもちする

たそがれに電気を消して目を閉じて海の底ふかく沈んでゆく

朝いちのちいさな亀裂横に見て崩落の後対策しても

真っ暗な午前三時の北向きの部屋の寒さにただ泣き居たり

かじかんで凍えそうでも胸張ってひび割れる君もっと笑って

あたためてこの手にぎって北向きのだあれもいない部屋が寒くて

君のこといつも見ていたあの日からここに来るまで長い年月

さみしさを飼い慣らせずに放り出し行き着く先を見守る夜更け

でた後はふとん直行ばたんきゅー久々ふろでゆでダコになる

君のこと信じすぎたよ急激な温度変化でヒビが入った

ミルクティー、君の手のひら、あたたかな冬をこれから作りだすもの

真剣な眼差し白い指の先儀式めいてるクレープ選び

イカ焼きに似ている君の二の腕なめたら嫌われるから見るだけ

練習、と言っておもちゃの指輪はめ光る右手を空に掲げる

それぞれの具材かくして持ち歩く外側からは同じに見える

埋められぬ穴を抱えて着飾って「美味しくなあれ」魔法をかける

かたいとこ焦げついたとこそれもまた私をかたちづくるファクター

お揃いの花柄ワンピすれ違う片や家族と片やひとりで

知らなくていい悲しみは遠ざけてやわらかいとこ君にあげたい

【お知らせ】はなたばちゃんに致命的なバグが複数見つかりました

お正月はちきれそうなおなかには愛がたくさん詰まっています

オレンジの三日月の影溶け込んだ平和味わい尽くす夕方
#短歌 #tanka #jtanka オマール海老のビスク

すきなもの、はちみつ、うさぎ、お花柄、甘い思い出、これからのゆめ

じっくりとミルク温め待っている沸騰してはだめ感情も

手のひらにあてる包丁、湯の中にしずめる豆腐、料理は勝負
#短歌 #tanka #jtanka 自分との

手の中にこの冬だけのお楽しみ髪から香る花とはちみつ
#短歌 #tanka #jtanka 偶然にもすきなものの詰め合わせ#ワンダーハニー

誰かを助けたいと願うあなたの示す「誰か」に入れないこと

まだであってもいないだれかじゃなくてめのまえのわたしをすくってよ

君だけはわかってほしい「ほんとう」の理解得られたことはないから

崩れても倒れ臥しても揺るぎなくあなたの価値はただ此処にあり

邪魔になるかたいところも捨てないで時間をかけてうまみに変える
#短歌 #tanka #jtanka 牛すじの煮込み

何もかもイメージチェンジ満足も2倍以上にふくれあがった #短歌
#tanka #jtanka #スーパーカップ苺ショートケーキ

メリットのない個性など個性とは呼べぬそれなら代わっておくれ

種を蒔き、育てて、刈って、全部食べずにとっておき、また種を蒔く。

手を合わす二度と帰らぬあの夏と君は私の永久欠番

サラダ食む忘れさられた注文のワイン煮込みをじっと待ちつつ

後悔の積もりつもってぽたぽたと落ちたしずくで穿たれた穴

ひとりきり塞ぐ胸では笑えずに図星さされて引きこもる部屋

何もなく日がな一日ねてすごす畳の上の猫のよな君

(鳴いてみる)あなたの家のネコよりも好きだと言って壊れる前に

少しずつ違う世界の「あなた」との“もしも”の日々を味見したいの

手をつなぐ口実つくるふたりには桜模様はまだ早すぎた

関係をやり直すには遅すぎてその優しさを見ていられない

響くのは観覧席の人々のひとりひとりに呼びかける歌

激しさの奥に隠れた健全な魂感じ言葉をなくす

降り続く10年間の爪痕を体で知ったオリーブホール

あふれ出す涙の雨よ40日続けよわれを流してしまえ

May'nさんのLIVEを観に行ってきました短歌。会場にちなんで、橄欖石と観覧席を掛けたかったのですが難しかったです><LIVE最高でした。身体中で歌に込められた熱量を感じて意識が宇宙と繋がるかと思いました。初期の曲をバラードアレンジにした歌が特に良かったです。

熱気浴び観覧席も揺れている 揃う掛け声/秩序と平和

またいつか同じ痛みを見るときは余裕を持って受け止められる

神棲まう山ぞめでたき新芽吹く月の光も形を成せり

このままじゃ君への想いあふれ出しつぶれてしまうくらい重くて

ゲームとは違うゆるされたとしても過去はなかったことにならない

たちのぼる幻消して美しき獣棲む空さすゆびさきで

雪降る夜ブレーキランプ知らせてよここから先は行き止まりだと

あなただれ、ひとりふたりでせつめいのつかないかおがこちら見ている

閉じこめたものには閉じこめるだけの触れてはならぬわけがあるもの

振り切って開けてしまったその箱の意味を知り後悔してますか?

知りすぎてここまできたらひた走れ、引き返すにはもう遅いから

繰り返す思い出たちも消え失せて空いた胸から漏れ出すなにか

冷めたならあたためなおす何度でも私の愛で君の胸まで

吹きつける雪ガラス越し眺めてる正面からの風の形を

生きているはやさもみんなちがう気がつけば弟よりも年下

なにもかも思い通りにならぬなら悪い子になるいい子は終わり

このきぶん消えないうちに好きですと愛してますと伝えたいから

このきぶん消えないうちに好きですと愛してますと伝えたかった

いうことをきくよ配るよこのこころ切り分けた ア・ピース・オブ・ケイク

いたまないようにラップして冷やした感情もどこかにねむってる

吹き込んだ一陣の風、に紛れて(コッチヘオイデ)手招きをする

くちびるはシネバイイヨと動いてもそうはさせぬと鏡を睨む

起きてたら危険ですから寝かせます飛ばないように重石をつけて

心臓はひとつのはずと首ひねる頭と胸で2種類の音

疲れ切り救われたくてなにもかも捨ててしまえと寝ながらの禅

目を閉じる過去も未来も投げ捨てて【悟ることすら 目指さず】にただ

ありったけ素敵なものをつめこんで引きずるキャリーバッグとからだ

ネガティヴもいいねとありのまま受けとめる本物のポジティヴな人

恨んでも羨んでも仕方ないと諦めて見る手元のカード

「考えないこと」考えすぎてるどうにもならぬなやみよりまし

幸せよ終わらないでと祈りつつシャワーの陰に隠せし涙

冷めた湯は羊水となりお風呂からハッピーバースデイ・トゥー・ミー

とつぜんの夏の日差しにうろたえる わたし冬眠から覚めた熊

あのひとが飾ってくれたペディキュアを押し上げて消す新陳代謝

こすれども剥げぬ記憶とホログラムまだらになりて見苦しき爪

待ち合わせ2時間前についているまたは十分遅れのダッシュ

お揃いで持つべく用意した品の渡せぬままに別れゆく春

優しさに触れて点った胸の火を魂と呼ぶ(ぼく が うまれた)

こころではなくて頭で対処する機械と同じいきものでした

弾けもせぬギター背負いて歩く道色取るつつじ途切れても行く

天敵の陽気と日差しから逃げて冷凍庫で暮らせゆきだるま

雪玉に向けない気持ちから知った1+1は2ではないこと

連絡はもう待ちませんこれからは連絡します図太く生きよ

縁欠けたコップと似てる夢でした捨てられなくて怪我するような

生きてゆくために作った夢でしたすがりつくほど傷つけていた

すぐお腹すくの燃費がわるいので。至急「元気」の追加ください

恋じゃなく愛でもなくて3日目のカレーを食べるような関係‬

憧れのケーキアイスを前にしてワントーン明るくなる瞳

新作のパンケーキ食べながら買えたはずの本の影がちらつく

遠くから見ると綺麗な地上絵も夜景も君も幻と消ゆ

天空も地も同じこと一面に赤・桃・緑、光る星々

天空も地も同じこと一面に赤・桃・緑、うねる星々

遠くから見て美しい星だった知らないほうがしあわせだった

繰り返しまたはじめからすごろくやループものなら楽しめるのに

繰り返しまたはじめからループものと違い時は還らず進む

‪忘れてもいいこと忘れられることゴミ出しできたくらい晴れやか‬

‪忘れてもいいこと忘れられることやっとゴミ出しできて晴れやか‬

‪クリームを吸って皮だけ残されたシュークリームに似ているきもち‬

‪天国に行ってみたいよ君とならこのドライブが最後でもいい‬

‪マシュマロに似た髪の色たなびかせ雲の上にぞ君は行きけむ‬

‪爆音で気が遠くなり空っぽになる魂の抜けた人形‬

‪拍手するFPVをプレイしているのかLIVE会場なのか‬

‪叶わないから好きでしたなにもかも手に入らないものに焦がれた‬

‪精巧なビデオゲームを引き抜いて本物の人生過ごしたい‬

‪死ぬなとか一生かけて養って面倒見られないなら言うな‬

‪犠牲者になりたかったの責任をおしつけ泣いてもらいたかった‬

‪引き換えに脚を失ってもいいわマトモな脳をどうかください‬

‪金色の杖をひとふり叶えてよ薬酒に浸りチートス齧る‬

‪語るには足りぬ経験嵩増して身振り誤魔化し騙ってばかり‬

‪絶望も踏みとどまれる四階は地に近すぎるそら青過ぎる‬

‪生きていていいと言ってはくれまいか否定するのは我ただひとり‬

‪このひとがいるからがんばれるという生き神様をアイドルと呼ぶ‬

‪飛び降りる前に幸せ探すべく電子の海にダイブしてみる‬

‪慎みも毒になりはつもう誰も愛さぬ増えるなよカサンドラ‬

‪いつもそう、「自分が」ばかり、と言われてもドアスコープで世界は見えず‬

‪ドライヤーかけつつ泣いてる母様‬
‪だめよこっちの世界に来ては‬

‪つとむれど身の至らなさ嘆きせば人より愛を知る証にや‬
‪#擬古文 ‬

‪この道はどこまで続く僕たちはどこへも行ける鳴らせ靴音‬

‪放射線出して原子は定まらん我らのこころ何を出してや‬
‪#擬古文 ‬

‪久々に外に出たらばもう夏で季節に合わぬ服装恥じる‬

‪今日もまた全裸で待機冷める風呂足は紫また沸かさねば‬

‪(考えない考えない)のさなかに起こる頭痛ももはやいとしい‬

‪生まれるも死ぬのもひとり誕生日なのにと言って泣かなくていい‬

‪とこしえにともにあらむと信じなむ君の心は既にあきけむ‬
‪#擬古文 ‬

‪優しさの種類は多く知識量足りず野菜の見分けすらまだ‬

‪「また今度」、「今度」はいつも来ないこと知っているから涙も出ない‬

‪「なんでもいい、だれでもいい」のウソツキは さあさ どんどん しまっちゃおうね‬
‪#しまっちゃうおじさん‬

‪人肌に冷めたお湯から生まれ出づ毎夜ハッピー・バース・トゥー・ミー‬

‪ぷれぜんとあげたひとからもらえないことに悩んでやめたおいわい‬

‪おめでとう言い合うことを夢に見る日付管理のできないあたま‬

‪ともだちになったときには過ぎていて離れたときにまた来る四月‬

‪友だちの名前ながめて通知欄①が付くのをじっと待つ夜‬

‪歌、ダンス、文章、絵画、全部好き‬

‪じゃないほめられたいだけなのだ‬

‪うしみつに気づいてしまうホラーより恐ろしいことまるで喜劇で‬

‪「私ねえ、一生なおらないらしい」お願いだから嘘になってよ‬
‪#エイプリルフール ‬

‪あれじゃない? これじゃない? 等言い合えば味より君の声が美味しい‬

‪わがままに付き合わされる被害者でいさせてくれる君に落ちてく‬

‪好きだからつらいのだから花びらの終わりが「きらい」でありますように‬

‪浮き沈み波間に揺れる草舟に冷えた重石を落としてく君‬

‪爪を切る間も騒がしい脳を黙らせられる趣味をください‬

‪“このひとをたいせつにする”変更できない制限かけてみようか‬

‪本物を真似て一生懸命につくりました《愛》君にあげます‬

‪おめでとう君が勝つことゼロ歳の誕生日より前に知ってた‬

‪いまはまだかげもかたちもないひとに負けた気がしてお茶流しこむ‬

‪「大切な友達」積もり積もって静かにつぶれた。いちめんの白‬

‪「判別のつかないときはいい方をとれば楽しい人生になる」‬

‪どんな小さな○○でもいい、「○○の中で一番」にして‬

‪きらきらのみらいを語る君の目にうつるわたしを見たくなかった‬

‪つらいことあっても生きてよかったとまた思える力をあげたい‬

‪似合うねとあなたがくれたもの並べ耐えてる耳鳴りをききながら‬

‪引き換えにこの足失くしてもいいわマトモな脳をどうかください‬

‪これからもふつうに生きているだけで偏見と戦わねばならぬ‬

‪「言い訳はするな」「理由はちゃんと言え」「屁理屈言うな」「なんで黙るの」‬

‪生きているわたしと共にいることは偏見と戦うということ‬

形にもならず結果も出ず焦りじりじり焦げる笑顔の裏で

淹れ方も全く同じはずなのに今日の紅茶は胸に染みてく

‪ざわめきを消して勝手にこぼれてく思い出たちの蛇口を閉めて‬

‪あっけない幕切れこれでもう終わり何度泣いてもかえらないゆめ‬

‪嬉しくて泣いて、辛くてなみだ出て、花粉で泣いて、てぃっしゅもうない‬

‪解決に至らぬ無駄な悩みなど練って伸ばして焼いて召しませ‬

‪たいせつな夢の終わりを潔く、なんてできたらかっこいいのに‬

‪ゲームキャラ動かすように客観視したら笑われなくなるかしら‬

‪ぐつぐつと煮詰まり変になりそうだ薄めたいからお酒ください‬

‪「楽しい」と「どうして生きているのか」のハーフ&ハーフめしあがれ‬

‪やさしいとよく言われますそれいがいほめるとこないこと知ってます‬

‪「素敵だね」「明るくなった」ありがとうみんなのおかげ、薬のおかげ‬

‪人前で笑い、ひとりで泣き、家族の前で喚き、お酒と眠る‬

‪君とキスしたいと思っているうちがたぶん一番楽しかったよ‬

‪お祭りの準備期間のワクワクと同じ気持ちで片想いする‬

‪なんとなくこれで最後と知っていた声も目も優しすぎて逃げた‬

‪だめにした関係、生まれ直したい出会いからまたやり直したい‬

‪この腕は私のものじゃないのです終わりにしよう今までごめん‬

‪終わったら水に流せる排泄は沈む愚痴よりはるかにきれい‬

‪愛された記憶がほしい愛された記録と事実あるのに、ないの‬

‪服装じゃなくて姿勢で生き様で光るものを個性と呼びたい‬

‪愛してた愛してましたほしかったこころ思い出未来、さよなら‬

‪ツチノコや地底人らと同じ都市伝説だと思います。愛は‬

‪愛なんて本物を見たことなくて実在するかどうかも不明‬

‪鈍感になるお薬をくださいなまたはあいつの声を奪って‬

‪不合格通知重ねて部屋の隅建築中マイ・バベルの塔‬

‪かみさまにお目にかかってどの罪で遣わされたかヒントだけでも‬

‪突き上げる痛々しさに首を振り封印してく昔の日記‬

‪大丈夫元気ですよと強がりを言ってもひとり泣いてもひとり‬

‪見ないふりしてきたものと向き合ってやっと地に足ついた今こそ‬

‪年齢も性別もどうでもいいから愛してくれ愛しますから‬

‪恋じゃなく愛でもなくて3日目のカレーを食べるような関係‬

‪療養の日々の焦りと惨めさを乗り越え今を老後と信ず‬

‪大切な夢を諦め続けても諦め切れずすがり叫んだ

蓋された遠い昨日の奥にある熱情今は涙も出ない

この顔は誰のものかと手を触れる鏡の中に別人がいる

鳴り響く古い映画のオルゴール風邪ひき頭にセンチメンタル

滂沱と涙流れ落つ雨の降る音に紛る呼吸

手土産を駅のホームに置き去りに会いたい気持ちだけ持っていく

一人ではない証に焦がれているいっそ首輪と足枷つけて

実体のない「言葉」でも繋がれる君とあいつにあこがれ焦がれ

死んでから評価されるが世の常で若者たちは皆シニタガリ

ひとりでも褒め続けると決めている生きてる・ことが・いちばん・エライ

出遅れてしまったようだまたしても直後に気づく素敵な企画

書きたいことはたくさんあれど迷子になって筆を擱く
#都々逸

あと何度悔し涙を数えたら虹の麓へ行けるでしょうか

砂糖水すすり嫉妬に焼かれつつ虫ならこの身尽かましものを
#擬古文

お抱えの道化になって衣食住保証されたい王様いかが

投げられた言葉通りになっていく嘘でもいい可愛いと言って

投げられた言葉通りになっていく鏡に投げる「可愛い」の雨

壊れてるケーブル取り替えるように自律神経なおしてほしい

壊れてるケーブル取り替えるように自律神経なおしてドクター

こうやって失っていく人生の時間集めて冷凍したい

失った時間集めた冷凍庫心の中で空回りする

遠い日のいやな思い出おさえこむ小さな粒の有難きかな

蝉が鳴く夏になりぬと思えどもただ耳鳴りの響く七月
#擬古文

いままでの人生の中何が罪何が罰なの今は何なの

‪時間切れ過去がまたもや暴れ出し今と未来を隠してしまう‬

‪続々と不思議な縁が集まって行く先照らす光となった‬

‪振り付けを覚える前にそのポーズ体硬くて再現不能‬

‪「死に至る理由は必ずある」なら「理由なしには生きていけない」‬

‪毎日が光り輝く日々になり愛に溢れる世界になあれ‬
‪#七夕の願いごと ‬

‪作品を見て泣いてくれたと聞いてたぶんそのひとよりも泣いてる‬

‪薬学部落ちてしばらく薬局に行かれなかった夢の弊害‬

‪褒められてチャームポイント笑われてコンプレックスほくろの呼び名‬

‪愛玩と実験用と食用と涙をこらえ赤い目なのか‬

‪屍のひとつになってよかったと思い込んでも続く人生‬

‪散り果てぬ2番目でいいから推してという心と昼顔の花‬

三つ編みの長さ去年と違うこと夏が来たから気づいてほしい
#夏が来たから気づいてほしい

すずろなる嘆きばかりが蠢いて口から出るは羽化した懺悔

‪待っていたメール着信音が鳴る設定は君だけ夢心地‬

‪優しさをくれたあのひとを神さまどうか幸せにしてください‬

‪大切にしたい人ほど傷つける貧乏神のような人生‬

‪掴もうと叶えようと手を伸ばして壊してしまう‬

微笑んで指きり交わす「わたし嘘つかないからね」いまうそついた

遠くから見ているだけのほうがいい綿菓子ほどに繊細なひと

遠くから見ているだけのほうがいい綿菓子とメンヘラのあのひと

触れてみて真実を知りべたついた手に後悔をしても遅いの

‪触れてみてべたついた手に後悔をしても遅い洗う場所はない‬

綿菓子でべたついた手を気にしつつ祭りの続き楽しむ強さ

べたついた手も気にしない無頓着周りの被害祭りは続く

‪信じたいから信じてるふりをする。いつかまことになると信じて。‬

‪信じたいから信じてるふりをするいつかまことになると夢見て‬

‪辛いとき「辛い気持ち」を受け止めてくれるあなたに出会いたかった‬

吐き出した辛い気持ちを綺麗だと包んでほしい真珠のように

受け止めてくれるあなたはもうあなた
ではないさようなら愛してた

(泣かないよ)見よう見まねで懸命に作った似せの愛でごめんね

‪死ぬ前に一度咲く花の香りを小瓶に詰めて眺めていたい‬

いなくなる前の優しさ香るほどこれで終わりと胸締め上げる

‪本物と信じ化石かSFの恐竜を見る目で愛語る‬

‪「まだいける」それは【もう無理】休んでね。駆け込み乗車おやめください‬

‪「まだいける」【もう無理】早く休んでね。駆け込み乗車おやめください‬

‪かさばったスイカも切って分け合えば切らなくていい思い出となる‬

‪全力で動いた後にぷっつりと途切れた糸をいたわる三時‬

‪君のため死んでもいいと言ったとき怒った顔をまた夢に見る‬

‪「君のこと好きな私を傷つける、吐き気催すほどお綺麗ね」‬

‪行きすぎた自己犠牲では救えないツバメを殺したのは誰です‬

‪反吐がでるほどお綺麗な自己犠牲周りの人を傷つけている‬

‪「感謝されながら死にたい矮小なヒーローモドキ」僕の正体‬

‪寛容な植物になれTwitterやめて心も凍結させて‬

‪罪悪を過剰につくる午後四時の忍び寄る影振り切り笑え‬

‪臆病を拗らせ熱を出した蝉の声が響く午後一時過ぎ‬

‪2回目はない大切にされないのならばお金をもらっても無理‬

‪幸せな人のそばには幸せの種があるかも幸せ乞食‬

‪雨上がりたちのぼる湯気泣いている愛してくれと夏の亡霊

三つ編みの長さ去年と違うこと夏が来たから気づいてほしい
#夏が来たから気づいてほしい

すずろなる嘆きばかりが蠢いて口から出るは羽化した懺悔

‪待っていたメール着信音が鳴る設定は君だけ夢心地‬

‪優しさをくれたあのひとを神さまどうか幸せにしてください‬

‪大切にしたい人ほど傷つける貧乏神のような人生‬

微笑んで指きり交わす「わたし嘘つかないからね」いまうそついた

遠くから見ているだけのほうがいい綿菓子ほどに繊細なひと

遠くから見ているだけのほうがいい綿菓子とメンヘラのあのひと

触れてみて真実を知りべたついた手に後悔をしても遅いの

‪触れてみてべたついた手に後悔をしても遅い洗う場所はない‬

綿菓子でべたついた手を気にしつつ祭りの続き楽しむ強さ

べたついた手も気にしない無頓着周りの被害祭りは続く

‪信じたいから信じてるふりをする。いつかまことになると信じて。‬

‪信じたいから信じてるふりをするいつかまことになると夢見て‬

‪辛いとき「辛い気持ち」を受け止めてくれるあなたに出会いたかった‬

吐き出した辛い気持ちを綺麗だと包んでほしい真珠のように

受け止めてくれるあなたはもうあなた
ではないさようなら愛してた

(泣かないよ)見よう見まねで懸命に作った似せの愛でごめんね

‪死ぬ前に一度咲く花の香りを小瓶に詰めて眺めていたい‬

いなくなる前の優しさ香るほどこれで終わりと胸締め上げる

‪本物と信じ化石かSFの恐竜を見る目で愛語る‬

‪「まだいける」それは【もう無理】休んでね。駆け込み乗車おやめください‬

‪かさばったスイカも切って分け合えば切らなくていい思い出となる‬

‪全力で動いた後にぷっつりと途切れた糸をいたわる三時‬

‪君のため死んでもいいと言ったとき怒った顔をまた夢に見る‬

‪「君のこと好きな私を傷つける、吐き気催すほどお綺麗ね」‬

幸福な王子ツバメを引きとめて殺した罪はないものとする

‪行きすぎた自己犠牲では救えないツバメを殺したのは誰です‬

‪反吐がでるほどお綺麗な自己犠牲周りの人を傷つけている‬

‪「感謝されながら死にたい矮小なヒーローモドキ」僕の正体‬

‪寛容な植物になれTwitterやめて心も凍結させて‬

‪罪悪を過剰につくる午後四時の忍び寄る影振り切り笑え‬

‪臆病を拗らせ熱を出した蝉の声が響く午後一時過ぎ‬

‪2回目はない大切にされないのならばお金をもらっても無理‬

‪幸せな人のそばには幸せの種があるかも幸せ乞食‬

‪大切にされたいと願うあまりに君を踏みにじる丑三つ時‬

‪踏みにじる君の足音耳元で子守唄のように聞いていた‬

‪都合よくさみしさ埋めるスライムの気持ちを聞いてくれる者無し‬

‪あくまでも代わりなのだと思い知るバターになれる夢を見ている‬

‪必要とされたときだけ都合よく形を変える僕はスライム‬

‪心臓のペースメーカー見倣ってかけてください感情制御‬

‪今日だけは願う一緒に花火見て声をかけてと胸弾ませて‬

‪髪上げてカラリコロリと下駄蹴ってわたし鈴虫明かりの方へ‬

‪眼前に広がる空を切り取ってみれば迫力何分の一?‬

‪せっかくのパノラマビューを去年より澄んだまなこに焼き付けてみる‬

‪ごちゃごちゃと泣きたい理由止めどなく湧いた日々まで打ち上げられた‬

‪ひとりでもさみしいとすら思わないオフ会0人喜劇再び‬

‪亡霊のように愛してくれと泣く夏ももうすぐ終わりゆくのに‬

‪二次元も芸能人も嫉妬する心の狭い君に幸あれ‬

‪口だけの「応援してる」しんなりと塩かけられたキャベツの気持ち‬

‪君のこと嫌いになれて改めて良いところまた発見できた‬

‪泣きながら家を飛び出すたそがれの行き場の無さと追い来る家族‬

‪生きていることだけほめてそのほかはおまけのようなものだと知って‬

‪消えていく時間よどこに溶けたのか眠りの中か薬の中か‬

‪呆然と鏡の中で老けている白い幽霊(私の残滓)‬

‪生えてくる足の毛を剃る午前二時無心に夜が明ける日を待つ‬

‪愛してるならば買って1年分そして一生逃げ出さないで‬

傷ついて行くとこ見てる黙ってる何もできないわたしへの罰

‪言い飽きた死ぬ死ぬ詐欺を詐欺のまま放って散歩朝がくるまで‬

‪友達と思っていたのわたしだけ苗字で呼ばれ慌てふためく‬

‪バス停に置かれた宗教冊子にもすがりたいほど寄る辺ない夜‬

稼げる! と書かれた夜の冊子手に悩むわたしを誰か殺して

‪寂しさの隙間を埋める代用にされてばかりとやっと気づいた‬

大切な人の一番大切な人に次こそなれますように

‪「あの人のいない時だけ側にいて帰ってきたら君は帰って」‬

都合よく使われるだけ使われて泣いてばかりの迷子のこねこ

‪稼げる! と書かれた夜の冊子手に悩むわたしを轢いてトラック‬

‪「幸せになりましたとさ」映画ならここで終われる幸せのまま‬

‪自分にも優しくしよう深夜すぎおなかのためにアカディを飲む‬

‪心臓も魂だって売りましょう買ってくださる方募集中‬

‪心臓も魂だって売りましょう買ってくださる方‬いませんか

‪過ぎた夏諦めた夢軽くなる体動かずまるで抜け殻‬

‪会う人に一輪の花差し上げるために心に花束を持つ‬

‪予感する護られている弱い方だけ生き残るひどい逆転‬

物事は価値の分からぬ者にほど与えられてるのかもしれない

崩れ落ち世界が終わるその時もきっと独りで生き延びている

‪離れても巡りあうなら本物の運命だから今は泣かない‬

‪生かされるきっと世間のみなさまが下見て安心する用として‬

見ていてよ削り取られる自尊心風に吹かれる砂のお城を

‪若いとか綺麗だとかの消えてゆく理由で好かれても下がり眉‬

「綺麗だね」嘘だと知っているけれどそれでも跳ねる胸を恨んだ

‪滲み出る真の美しさを目指し今日もBBAは #80歳教 ‬
‪飲み込めぬ硬い葉っぱの柏餅優しい塩の味に遠い目‬

‪あえてチンせずに冷たいまま食べるひとりぼっちが盛り上がる夜‬

‪何度でも生まれ変わったその後で再びあえる日を信じてる‬

‪笑いあい一緒に罪を重ねたい生きてくことの共犯として‬

つらくても僕がいるよと合図するいたずらっぽくウィンクをして

‪百年後死んでいるなら今すぐに死んでおきたい善は急げと‬

「一人分酸素が浮く」と中学の時に言われたこと思い出す

‪少なくともわたしがいない世界なら月に6万税金は浮く‬

‪大丈夫どうせ死ぬ死ぬ詐欺だから笑い飛ばしてそして殺して‬

‪言葉ではどうとも言える行動がお前のすべて私のすべて‬

‪いい子だと鏡に向かいひとりごと寝言いわせて日々五里“夢”中‬

‪午前二時手づかみ食べるフルグラに生えてるカビは心に感染(うつ)る‬

‪雨上がりたちのぼる湯気泣いている愛してくれと夏の亡霊‬

‪むしゃくしゃをぶつける的はカップラーメンを夜中に食べる背徳‬

コンビニへ走るギブミーチョコレート生まれたことを喜びたくて

とけていく被害妄想まっている冷凍チーズケーキ食べごろ‬

とけていく被害妄想まっている冷凍チーズケーキ見つめて

‪逃げないで自分で決めたことだから後悔の味噛み締めている‬

‪幸福に倦めば不安を付け足してスパイス効いた味わいにする‬

幸福に倦めば付け足し味わいを深める不安というスパイス

‪みなさまの光が影を生むもっと強まれこの目焼ききるほどに‬

友垣の光の中で我の影見つけることの疎ましきかな

ひとりでも産んでみたいよ現代の聖母は精子バンクで作る

2枚ずつ一円玉も分けあって対等という友情を知る

口紅を直す願いを込めながら背筋を伸ばしチャンスをつかめ

しわしわにならぬ素材の服を着る一番楽なアンチエイジング

前向いて行くためちゃんとさよならをしよう強請るな媚びるな悟れ

古い夢捨てたら新しい夢が生えてくるかな脇毛のように

新しい夢に向かって進むのだ一年ぶりの美容室から

泣かないと思ってたのに気づかないうちに本気になっていたのね

全力で取り組んだから後悔は生まれてきたことただひとつだけ

叶わない夢に縋ってバカみたいそれでも生きてきたこと誇る

さよならをぐっと押しこめ「ありがとう」立つ鳥跡を濁さずとする

持っているつもりでいたのこの手には大きな穴が開いていたのに

ここにいて良いよのしるし来月のシフトを聞かれ心安らぐ

要らないと言われませんよう誰よりも掃除をするバックヤードにて

親に声掛ける知り合い会釈する我を無視して話すレジ横

高過ぎる親の期待もプライドも落ちるとこまで落ちたら変わる

気の毒な十八歳の娘さん夢も昔の私そのもの

経験に学べばいいさ今のまま進めば我の二の舞となる

上京を許す許さぬそれよりも大切なのは生きるか死ぬか

生きて行けやりたいことをやればいい会ったことない君にエールを

切なさと後悔あふれてくるのはきっとお腹が空いているから

コンビニへ走るギブミーチョコレート生まれたことを喜びたくて

肌荒れは気になるけれどチョコ食べるこの真夜中を生き延びるため

そう言わず明日も生きてみませんか私の中の私宥める

コンビニへ走るギブミーチョコレートこの真夜中を生き延びるため

‪沈んでる心ふわふわマシュマロで包んで‬お茶で流してあげる

吐き出したこの苦しみも綺麗だと包んでほしい真珠のように

‪ピンク色リボンのついた長靴を履くためだけにこの雨よ降れ‬

ここからは次のステージ切り替えて行くため夢は諦めました

誰にでもできるけれども誰でもはやらないことをやっていくだけ

もう夢に縋らなくても生きられる諦められたことを祝って

使わずに仕舞っておいた新品の付箋ぺたりと君の名前に

新品の皿一揃い二人分出番が来ないうちに破棄する

‪悲しみの上に悲しみ塗り重ね一億円の価値になるまで‬

ささきななこ@nanako_tanka 2016~2017

ささきななこ@nanako_tanka 2016~2017

2016年から2017年にかけて詠んだ短歌です。 Twitter @nanako_tanka #ななこ575

  • 自由詩
  • 短編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-05-22

Copyrighted
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  1. 思い出になりたいだけの恋だった君のページは閉架書庫行き
  2. 恋じゃなく愛でもなくて3日目のカレーを食べるような関係‬
  3. ‪雨上がりたちのぼる湯気泣いている愛してくれと夏の亡霊
  4. コンビニへ走るギブミーチョコレート生まれたことを喜びたくて