無音の世界

お葬式が終わって
タクシーに乗る
霊柩車のあとを追って走りだしたとき
無音の世界が広がった

何度も来たいつもの風景がまったくちがってみえる
初めて遭遇するというより
自分の時間が止まっているような気配

沢山の人が来て
分刻みで次第が経過し
多くの思いが凝縮されたとき
時が細かく刻まれるのか

何かが静止し
また何かが動き出すまでの
その間に

そして
それぞれの日常がまた戻る
まるでなにごともなかったように

無音の世界

無音の世界

人の死は避けられませんが、そこからまた再生するものがあるとおもいます。お葬式って大事ですね。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-05-19

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