ぼくをしるひと
― おれ、知った ―
「適当におまえやりゃ、
おまえはいい、
がんばるな」
ルーリードに言われた
「あんさん、あほでよろし、えーかっこやめなはれ」
藤山寛美に言われた
― おれはおれをひろった ―
「ぼくをしるひとだけが、ぼくのほんとうを、みてくれたらいい」
朝にキス
― おれは弾けた ―
「得意芸?そりゃあもう、毎晩アンナと、泡踊り!」
アホになりたい
― おれはここから立ち上がる ―
「スノッブ?意識高い系?リベラル?どんな体位なの?」
ポジティヴに言う
「なにそれウケるマジそれヤバくないポエマーって」
謙遜して言う
「ジャージ着てタバコとエロ本買う、文句あるか」
言いたいことを言う
「るぺんの涙ともみのマン臭まぜしんぞーが抜く」
テキトーにディスる
「アンナぷらす藤山寛美とルーリードいたら無敵」
まじめに言う
― おれにはアンナがいる ―
「アンナ愛してるぜ」
「いつどこでもだ」
「ディープキスだ」
おれの歌のすべてさ
アンナに褒められたさ
朝を飲み込む
朝は消化にいいヨーグルト
― アンナ、愛してる ―
毛布かけてやる
人生なんてのでっかい歌ひとつあればいいさ
しくじったら朝焼けを歌え
朝焼けはすべておまえのものだから
いちにのさんで
街とびこえろ
これが始まり おまえってドラマのな
いつだって
ここから
描け
歌え
終わりはねえ
朝メシだけ忘れるな
一発の
たましい残りゃ
儲けもの
明日も明日 おまえを歩け
おまえが歌え
誰も歌えねえ おまえの歌だ
新しい歌だ
歩いてりゃ
新しい街 来るさ
新しい海 着くさ
何度でもな
新しいことだけが起こるんだ
これからってのはな
だから明ける日
細かいこと
気にすんな!
細かく
愛撫すりゃいいさ!
でっかくいこうぜ!!
おまえ おれにぬれて
おれ おまえにぶっとんだ
かんぺき
これできまった
静かに
見守りながら
実は
一万回キスしてる
会った日からな
― 人生蹴っ飛ばす ―
大音量
人生
演歌
夕方の暗いチャイムかき消した
威張ってない
謙遜人生だ
だって
おれって
レベル高すぎるし
― アンナとおれがいる ―
アンナさん
お得意様でお客様
だから神様です
「あはは」
「育ちいいのに意識してない、そんなリル大好きよ」
わからなかった
「だって変な努力しない。自分じゃわからないでしょ?」
わからなかった
「そのままのリルにとてもとても惹かれています」
それはとてもわかった
「頑張ってくる!行ってきます!」
おれ、わからなくても
おまえは
がんばれよ!!
― アンナとおれは日々を造っている ―
「おい、初めての恋じゃないのかよ!」
「あら?リルさん、あなた何度目の恋?」
「ごめんなSくんのことで不愉快させたな・・・・・・」
「・・・・・・いま愉快なんだけどな」
「たまに拗ねるかも」
「お互いな」
「そういうとき」
「うん」
「リル、ちゅうは?って言う」
「中出し人妻のことを思い出したら、ちゅうしてもらいますから」
「髪の毛!」
「ちゅ!」
「胸!」
「ちゅ!」
「抱きしめて!」
「はぐ!!」
「しらけないでね・・・・・・ねだりすぎても・・・・・・」
― アンナはおれが守る ―
「うつの薬、飲みすぎダメよ、そんな時こそ、このおっぱい」
「おまえ、かしこい」
「鬱にはふわふわおっぱい」
「飲み過ぎとかないしな」
「おっぱいで我慢よ」
「憶えてる。よく言ってた。“鬱だけど君に欲情してしまってる”」
「やっぱおっぱいなんだよね。特効薬。リル救うふわふわおっぱい」
― アンナはいつもおれが帰る場所 ―
おっぱい
さわってみたら
やっぱ ふわふわしてる
せいぎのみかた
それが おっぱい
こんな ふわふわ のうみその
あたたかく やわらかい やすらぎ
― アンナはおれが拾う ―
「おまえをしるおまえが おまえのみち まっすぐおまえで あるけたらいい」
ぼくをしるひと
構成を工夫してみた。
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