SadoのSM小説 姦女真紅 第十九章 スタントハードコンパニオン

この物語はフィックションであり実在の人物機関とはなんらかかわりがありません。

 二千十四年立冬上元
 アベノミクスの鍍金剥れも明確に成り回復しない日本経済の実態が明るみに成って来た。
 それでも民自党政権は安泰である。だが、経済は徐々にではあるが確実に悪化して行く。
 何と言っても下層、特に日払い派遣クラスの給料が確実に下がって仕事も減っている。
 飲食店、コンビニなどの安い重労働のみ人が足りない。だが、日払い派遣の労働者に体力も無い。
 さりとて野党が代ってもどの党にも景気の良作はある筈もない。スローガンはもっともらしく庶民の心に訴えるように言う。
 しかし、その現実性を裏付ける論理はまったく無い。庶民もそこに気が付かない。
 スローガンだけで国民党を信じた。結果は何も成り立たなかった。成り立たない方がましなのである。何かやった結果は更に負の遺産だらけである。
 
 川越。帝國が買収して娼国がニューシティを拡大した街である。安形が経営する宴会場で経済の改善策が論じられた。
 帝國、娼国の進出する新都心。其処の自治を押さえる。
 本日は懐柔した日本の政治家を交えて女体盛り会議室である。
 北嶋真紀子娼国副主席が来ている。帝國は三河典子極東会長が夏木陽壱を随伴した。平佐和代議士、川越市長、袖ケ浦市長、各々の市会議員が同行している。
 完全に市の行政を押さえてニューシティの資本が市政を独裁する方向で進められる。
 風俗の規制大幅緩和が第一目的である。また市の経済を強く活性化させる。
 姉ヶ崎ニューシティ、新宿(あらじゅく)ミッドタウンの住人が一気に増える。その住人の利害を一気に絡ませる。
 夏木陽壱の参加が許されているのは湯野中資本も巻き込めるからである。
 真紀子と典子ではどうにも話は纏まらない。夏木陽壱を入れる事で協力体制が作れた。もちろん江崎の根回しがあったことは言うまでもない。
 これで川越、柏崎、静岡にも夏木陽壱の資本が介入できる。
 本日のコンパニオンは夏木陽壱の配下の企業から出されている。
 全裸の女躰テーブルが九体。普通のお膳二台を含めてコの字に置かれている。普通のお膳は真希子と典子の前だけである。
 配膳するコンパニオンも全裸に前掛け一枚。お尻は丸出し。細身の体型ばかりなのでみな後ろから女の局部が見えてしまう。
 触っても指を入れても文句は言わない。キスも受け入れる。
 真希子と典子には年配の仲居と女将が配膳する。
 スタントハードコンパニオンが呼ばれ残酷ショーが行われる。座敷の隣には看護師が待機する。診療所は二つ下の階に在る。
 R国で最近始められた特別ショーだが日本ではこの会場だけである。
 
 この宴会に先立って千葉で三者会議が行われた。
 湯野中資本の配下でも真紀子は以前から夏木陽壱の存在を知っている。
 典子が帝國の資本下に夏木陽壱の介入を認めた以上は夏木陽壱が娼国の進出した街に介入を認めないわけには行かない。
 バランスと均衡は必要である。
 以前から帝國には日本にニューシティが進出した市の行政を確保する意向があった。だが、今回は夏木陽壱から提案した。
 三つの資本が更に協力してニューシティを拡大する。工場を隣接部に増加してその他の仕事をシティ内に追加誘致する。
 派遣労働をもっと多くニューシティに吸い込む。
 元より派遣労働が安く将来に設計が持てないのは派遣会社が搾取し過ぎるからである。レートを上げれば簡単に集まる。それを一挙にやる事である。
 これまでも帝國、娼国系はレートが高い。かつ日払いもある。ただその労働者受け入れ態勢が少なかった。
 今後はニューシティを拡大して独身男性を多量に受け入れる。
 女性は水商売、風俗で受け入れる。家族の町も半分以上風俗で働く母子家庭の寮となる。
 其処のニューシティの利害に合った人口を拡大する。まだ残っている住宅地域の意見が反映しない市にしてしまう。
 帝國、娼国、R国に吸い上げる構造を更に確立する。
 集合住宅のみ水道料金を無料化して住宅部と差をつける。
 議会を乗っ取ったら議員定数を減らす。ニューシティの息が掛かった傀儡議員だけの少数議会にする。
 そして住民税を他の市の半額にする。
 市民税の半減、水道料金無料化を謳って票を集める。
 売春の自由化までは無理でも風俗の規制をぎりぎりまで緩和して県の規制も緩くさせる。県にも傀儡議員を増やす。
 市会議員は歳費なしのボランテアにして一般の成り手を減らす。
 傀儡議員は帝國、娼国の資本配下にある企業株を多量に所有させる。その配当で資金力を持たせる。
 ニューシティは元より人口の少ない県に進出している。そこにニューシティの利害に合った人口を拡大する。
 ニューシティ以外に新しい核家族の流入を抑える。古い民家を廃墟にする。家を売ってニューシティに移るか他所に引っ越すほうが良い状態に追い込む。
 県の行政にもかなり影響を与えられる。
 県政をある程度押さえれば路線価を上げない対策も出来る。固定資産税を下げる結果となる。
 風俗の規制は元より緩和されている。個人情報がほぼ完全に把握されているニューシティ内に宅配風俗が主体である。警察権は介入出来ない。
 更にそこを合法に近くするだけである。そして新たにソープランドを許可する。
 既に独身者の街と家族の町は区分されている。独身者の街を更に拡大する方向である。
 最終的には日本から代理母をR国に渡航させ海外で生まれた日本人の大量生産も検討されている。
 日本人の種と卵を体外受精して四つ子位をR国でその代理母に生ませる。愛人用及び風俗用美人の量産である。
 
 三つの資本が夏木陽壱の意見を取り入れて動く事で既存の傀儡議員の懐柔から始められた。それがこの宴会である。
 万一これが外に出たら議員らは政治生命を失いかねない。だが、これだけの国家規模の巨大資本が動けばマスコミさえ抑えられる。
 夏木陽壱はテロなど必要ないと湯野中に見せたい。
 しかし湯野中は形勢が逆転した時に世界を押さえる影の兵力は必要と考えている。あくまで夏木陽壱とテロの両面作戦である。
 木下優樹子元警視が世界に公開してしまった破壊兵器力を使いたくはない。だが、テロ活動で常に脅威を見せる事は効果的と見ている。
 真希子は今回の宴会に夏木陽壱の提案でスタントハードコンパニオンを使うことに異論は無かった。
 典子はやや躊躇った。
 夏木陽壱は議員らによりリスクの高い接待に浸けて結束を固めるべきとの意見であった。万一洩れれば世紀の醜聞と成ってしまう。
 典子が拒否すれば並木会長と最期の交渉で譲歩した内容に抵触する。この場合は已む無しと考えて反対意見は見合わせた。
 既に座敷は席に横たわる女体盛りコンパニオンと配膳のコンパニオンに政治家らのお触り弄くりが狂乱の状態である。
 平佐和は女体盛りコンパニオンに水差しで日本酒を強制的に飲ませる。
 飲まし方は実に巧い。咳き込んだりしない様に止められないようにゆっくり徐々に確実に流し込んでゆく。
 平佐和は帝國でもコンパニオンを急性アルコール中毒に泣かせ苦しませた。常習犯である。確かに女の酔った醜態を愉しむ虐めもある。
 市会議員は配膳のコンパニオンの股間に指を入れて配膳を妨げる。女体盛りコンパニオンの膣にも指を入れて遊ぶ。
 お膳代わりの女体盛りコンパニオンは脚を太腿と脹脛を併せて三箇所ずつ縛られて股間を開いたままの状態である。
 客席から真希子と典子以外には隣に横たわるコンパニオンの女の部分が丸見えである。
 コンパニオンは全員が剃毛されている。剃毛してもその部分が綺麗に見える女ばかり選りすぐっている。質は最上級である。
 多少、体型などはその席に座る政治家の好みに合わせている。
 一人の市会議員はコンパニオンの女の部分を広げて鑑賞しながら下座のお膳に用意された調味料の中からマスタードを持ち出し塗りこんでいる。
 川越市長の安曇はそれを奪い取って自分のお膳代わりのコンパニオンにも塗る。痒みに苦しむのを愉しむ嗜好である。
 女体盛りが御膳と雖も飲み物は横の小さなお膳に置く。更に会席の様に少しずつ運んで配膳のコンパニオンが前掛け一枚で盛り付ける。
 多少コンパニオンを弄っても料理が散乱することはない。
 此処にいる政治家の面々は既にこの先の立場を保証され経済的にも合法的な支援を得られている。
 彼らはばらばらに帝國、娼国、湯野中資本の株を手にする。十分な配当が期待できるものばかりである。
 本日のコンパニオンはこの街のコンパニオンではない。R国で代理母から生まれた日系人である。まったく日本人に見えるが日本国籍ではない。
 女将がハードSMショーの始まりを座に告げる。
 今回のスタントハードコンパニオンは乳首を高枝切りバサミで斬られる。
 納得の分岐点は臓器売買や長期風俗に勤めるのに比べて一回で済み身体の機能には影響ないからである。
 斬った乳首は整形され表面は元に戻る。他人から見た概観はまったく変わらない。
 帝國がやるのではない。テロ組織の医師でもない。R国から日本国内企業に派遣されて来てニューシティで活動する医師団である。
 帝國の様に乳腺までは再現出来ない。外観のみの再生である。それでもこの先のリスクは低い。高額の借金は一気に終る。
 スタントハードコンパニオンが控えの間から座敷に出される。
 「どなたか、彼女を全裸にしてください」
 夏木陽壱が女将と協力し合って司会を兼ねる。
 女は青ざめた顔で座敷の真ん中に正座している。
 名は滝本美緒莉と言う。
 黒のビジネススーツのスカートから太腿が半分以上露出している。
 川越市と袖ケ浦市の市会議員が一人ずつ立ち上がる。
 行き成り袖ケ浦の市議が滝本美緒莉の太腿を割って股間を掴む。下から掴み上げて滝本美緒莉の躰を立たせる。
 「ええーーーーー」
 よろめきながら押し上げられる滝本美緒莉。それを川越の市議が成り行きで躰を後ろから支える。
 「あ。あーー」
 袖ケ浦の市議がスカートのファスナーを下げる。そのスカートを腰で丸めて一気に下げる。
 ブラウスの裾はそんなに長くない。ストッキングの下に純白のショーツはその全容を現す。
 腰の形も脚の線も綺麗である。
 後ろから支えていた川越の市議がジャケットを後ろから剥ぎ取る。
 袖ケ浦の市議がブラウスのボタンを下から順に外す。滝本美緒莉は躰を僅かに震えさせながらやや荒い息遣いで堪えている。
 川越の市議がまた後ろから腕を後ろに持ち上げてブラウスを抜き取る。
 袖ケ浦の市議がストッキングを腰の両サイドで掴んで一気に捲り降ろす。
 川越の市議はその間にブラのフォックを外して後ろからブラのカップを取り上げる。乳房はそれなりの大きさで胸部に程よく収まっている。
 乳首も乳倫も薄いピンクで乳倫は二十五ミリ位の程よい大きさである。
 これを斬り落とす。二人の代議士の体に戦慄が奔る。
 平佐和は御膳に成っているコンパニオンに酒を飲ますのに夢中である。
 「直ぐにやっては詰まらんから、悦びを教えてやれ」
 川越市長の安曇が命令口調で要求する。
 「そうですね」
 夏木陽壱も納得する。
 直ぐに女将と仲居の手で道具が運ばれる。
 高枝切りバサミ、電マ、ドリルバイブ、ローションなどである。高枝切りバサミは先端を白い紙で巻き三方の上に置かれる。
 一瞬座に旋律が奔る。滝本美緒莉は覚悟していても青ざめる。
 夏木陽壱は全裸にされた滝本美緒莉の躰を高手小手に縛り上げそのまま仰向けに畳みに寝かせる。議員らが遊び易い様に配慮している。
 脚を広げて太腿と脹脛を合わせて三箇所縄で縛り合わせる。
 これで議員らは電マもドリルバイブも使い放題である。
 夏木陽壱とて今回の出し物であるスタントハードコンパニオンの様なやり方は本意ではない。典子は元より真希子も本意ではなかった。
 今回に限って湯野中側の影の押しを受け入れた。
 R国北側が既にスタントハードコンパニオンを米軍接待に使っていた。平佐和らもそれを知っている。
 それにスタントハードコンパニオンは半年も風俗を続けて返済できない事情を抱えている。その供給が溜まっていた。
 いま典子でさえ二人の市会議員や川越市長を見てこの作戦の効果を確信せざるを得ない。むしろこれを推奨した平佐和が会場に目を叛けている様に見える。
 平佐和は帝國にも真希子にも湯野中にも通じている。
 三十代の市会議員二人は嬉々と愉しみの表情である。
 滝本美緒莉はスタントハードで出るに他のSMプレイも承諾させられている。だが、早く終って再生手術も終ってほしい。
 袖ケ浦の市議がドリルバイブを抱えてスイッチを始動する。
 「えーーー」
 滝本美緒莉は驚愕の反応である。
 「こら。行き成り使うな。指で慣らして普通のバイブで慣らしてからだ」
 川越市長の安曇がまた命令口調で注意する。
 そこに袖ケ浦市長が面相筆を持ってくる。クスコで女を広げる。
 「いやーーーーーーーーー。なによーーーーーーーー」
 クスコを知らないようである。突然甲高い悲鳴になる。
 「そんなに使ってないま○○こだ。じっくり責めよう」
 袖ヶ浦市長が二人の若い市会議員に割り込んでクスコの中に面相筆を使う。二人の若い市会議員にも筆を渡す。
 「クリトリスを責めてください」
 川越の市議を促す。
 「あんたは俺と一緒に中を責めて」
 袖ヶ浦の市議に言う。
 席に残った平佐和、安曇、三人の市会議員はコンパニオンを弄りながら滝本美緒莉をちらちら見る。
 三人がかりで面相筆が敏感な部分を執拗に責める。
 滝本美緒莉の表情は一気に歪む。
 「やめてくださーーーい。いやーーーー」
 躰を揺すって藻掻き抵抗する。
 「何言っている。これも契約の範囲だろ」
 袖ヶ浦の市長がきっぱり断定する。
 「ああーー。ああーー」
 滝本美緒莉の顔は究極に行き詰まる。市議らは嬉々として責め続ける。
 「いやあーーー。へんになちゃうーーーーーーーー。ああーーーーー」
 滝本美緒莉は追詰められるように喚く。
 「ああーー。だめえーーーーーーーー。いやーーーーーー」
 「抵抗するな。素直にイッてしまえーー」
 袖ヶ浦の市長は滝本美緒莉の逝き顔が待ちきれない。
 「だめーーーーーー。どうしてイカすのーー。いやよーーーーーーー」
 「女の逝き顔を愉しむのも快感だ」
 「お○○こを弄るのも満足感だよ」
 「いやーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーー」
 「これもサービスだぞーーーーーー」
 「あはーーーーーーー。あはーーーーーーーーー。あはーーーーーーー」
 滝本美緒莉は堪えられず縛られた躰を暴れさせ続ける。
 三本の筆はクリトリスと膣の中を執拗に責め続ける。それぞれ片方の手は乳房と太腿を触り続ける。
 「ああーーーー。だめーーーーーーーー。ああーーーーーーーー」
 滝本美緒莉は叫び上げる。
 座敷はみな滝本美緒莉に注目している。
 躰を暴れさせるので濡れがピークになった。滝本美緒莉の女の液がクスコから流れ零れ畳に垂れる。
 代議士らはそこそこに遊んでいるがAVの男優から比べれば素人である。だが、滝本美緒莉は風俗などの経験のない女である。責めの効果は早い。
 「ああーーーーーーー。あ、ああーーーーーーー。あ、あーーーーーーーーーーーーーー」
 口からは涎が零れる。畳には女のどろりとして濁った卵の白身の様な液が玉に成って溜まっている。
 滝本美緒莉の目からは躰とは相反して責めに堪えられない涙が流れている。いま感じてしまう事は限り無く本位ではない。
 だが、涙と流れ出る女の液は市会議員らを滾らせる。
 「ああーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーーん」
 席に居る議員らも自分に付いたコンパニオンの女に指を入れる。コンパニオンの女の部分を弄りながらこの光景に注目している。
 弄られているコンパニオンさえも滝本美緒莉を見入っている。本来同業同士は見ないものである。
 「ああ、ああーーーーーーーーーーーん。ああ、ああーーーーーーーーーーーん」
 滝本美緒莉の躰は軋み続ける。涙でマスカラが溶け液は更に流れ落ちる。
 躰を捩り軋ませ責めから逃れんとする滝本美緒莉を市会議員らは押さえ執拗に弄くり続ける。
 そこへコンパニオンに酒を無理強いしていた平佐和が加わる。
 「前だけじゃなくアナルも責めよう」
 指にキシロカインゼリーを塗って滝本美緒莉のアナルに指を入れる。
 「やーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒莉は躰を引くように軋ませ悲鳴を上げる。
 平佐和は便の存在に気付く。
 「浣腸だ」
 「やよーー」
 滝本美緒莉は目を吊り上げて拒絶する。
 平佐和の言葉を聞いて安曇が仲居に要求する。大型の浣腸器とグリセリンが運び込まれる。
 「やめてーーーーー。何で浣腸するのよ」
 「アナルも同時に責めるためだよ」
 「やめてよーーーーーーーー。そんなの聞いてないよ」
 「契約に書いてある」
 夏木陽壱が断言する。
 「やだよーーー。トイレでさせてよーーーーーーーー」
 「馬鹿言ってんじゃないよ。浣腸して排泄を見せるのはSMの常識なの」
 「やだよーーーーーーーーーーーー。こんなところでうんこさせられるの」
 滝本美緒莉は躰を暴れさせごねる。
 筆を使っていた三名はがっちり滝本美緒莉の躰を押さえ直す。
 「ああーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒莉は縛られた躰を捩って暴れ続ける。
 夏木陽壱が竹竿を二本持ってきて縛りを強化する。
 既に高手小手に縛られている。後ろに回した腕と背中の間に竹竿を差し込む。
 もう一本は膝に掛けた縄に竿の左右を縛り付ける。
 筆の三名は手を休めて平佐和が浣腸器をアナルに差し込む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーーーーーーー。やあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒莉はサイレンの様に喚き続ける。三名に躰を押さえられて浣腸液はゆっくり入って行く。
 注入が終ると平佐和がアナル栓を差し込む。また三名は筆を使う。
 「いやあーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーーー」
 滝本美緒莉は半狂乱の状態である。
 滝本美緒莉は自転車で事故を起こした。四十代の会社経営者を撥ねた。零細企業の経営者であった。社長の資金繰り手腕だけで回っていた。
 入院している間に会社は倒産することになる。
 多額の賠償金請求となった。保険に入ってなかった。
 滝本美緒莉の父は市会議員である。だが、選挙資金などで借金が嵩み賠償能力はない。滝本美緒莉は父に言うことさえ出来なかった。
 滝本美緒莉はレディースローンを渡り歩いた。
 返済原資がないのでどこも相手にされなかった。
 杉本金融に当たった。
 収入の高い風俗などに働いている場合とかでしたら可能ですがという言い方で濁された。
 滝本美緒莉は就職も内定していた。テレビ関東のアナウンサーである。収入が高額になるまで杉本金融は待ってくれない。
 風俗で働く訳には行かない。さらに高額な風俗でなくてはならない。局にばれたら終わりである。
 何か良い手段はないか聞いたが、杉本金融からは紹介は出来ないと言われた。
 帰り道で東京信用を名乗る杉本金融の無籍社員に呼び止められた。
 今回の仕事をすれば何も表に出ないで借金も無く終了する。父にも迷惑をかけずアナウンサーの華々しい人生を歩んで行ける。
 乳首を失っても綺麗に成形して貰える。外見的にはこれから出来るであろう恋人にも判る事はない。
 日本では許されない取引かもしれないがばれなければ良い。帝國、娼国、R国では認められる。
 典子は悩んだがそういう人生の救いもあるべきだと考えざるを得ない。
 現代日本のモラルに正攻法で従えば滝本美緒莉の父は議員を辞める。滝本美緒莉も輝かしい就職を断念して全財産を賠償に充てる。
 そして足りない分は生涯少しずつ薄給の仕事で返して行くことになる。
 だが、それでは社長の入院中に会社も倒産してしまう。
 正攻法では誰も救われないのである。
 そこまで現代のモラルに従わなくてもこの手の救いは有って良いと考えた。
 自分も躰をとことん使って今の立場になった。内容の残虐さに躊躇したのである。
 北嶋真紀子娼国副主席の提唱する通り帝國、娼国が、亜細亜を日系人の手で経済支配する新たなる大東亜共営圏の為にはこの戦略は必要である。
 そして国の重鎮の前で約束した並木との要求を果たさなければならない。
 接待の費用を三等分した。
 浣腸の限界が来ると滝本美緒莉は号泣した。便が出る段階になるとさらに激しく泣き叫ぶ。
 透明で大きなタッパンで受ける。薄く茶色い水の中に便の塊が浮いている。蓋をして座敷の真ん中にテーブルを出して置かれた。
 滝本美緒莉はただ泣きじゃくるばかりである。
 気付いたらバチバチ市会議員らは写真を撮っている。排泄も、性器も撮られてしまった。
 「やめて下さい。公開されないって約束です」
 滝本美緒莉は抗議する。
 「公開はしないさ。いつまでもお前の醜態を見て愉しむだけだよ」
 安曇はさらに詰りながら説明する。
 「大丈夫よ。この人達だって公開したら危険と分かっているわ」
 真紀子がきっぱり言い切る。
 「斬ってしまう乳首を責めて、最後に感じてもらおう」
 平佐和の残酷な提案である。
 三角木馬を用意する。頂点は一ミリほどだが一応鑢で丸くしてある。娼国、R国で使われている物である。
 頂点が丸めてない物も有る。確実に粘膜が斬れてしまう。
 膝を縛った竿だけが外され太腿と脹脛の縛りは解れる。高手小手の縛りのまま三角木馬を跨がせる。股間部を頂点に当たるように乗せる。
 腕と背中の間に通した竿は左右の端二か所で天井から吊るす。
 これだけ拒絶反応をしながらも面相筆で敏感な部分を弄り続けられ乳首は確り起っている。
 片方の乳首だけを電マで三方から責める。
 痛みと官能の両面責めである。気持ちは嫌でも官能の方に逃れようとする。
 典子は夏木陽壱に眼で合図して座敷を出てしまう。
 このお座敷は雑居ビルの中に在るが専用のエレベーターで上がる。一階に降りると専用の駐車場である。
 一度外に出ないと他の階には行かれない。診療所とは別のエレベーターが繋いでいる。こちらも一階から直接には繋がらない。
 外部から招待客とコンパニオン以外が進入できない構造である。
 典子は一度外に出て高層ビル群と周辺の工場、オフィスを繋ぐコンコースに在る休憩スペースに入った。
 有料の個室休憩室である。ソファーと化粧室のみの休憩室で情事には使えない。
 夏木陽壱は暫く議員らの責めが続くと見て席を立つ。
 典子のメールから居場所は分かる。
 街は最初に帝國が進出した時期の十倍以上の規模に成っている。此処に更に工場とオフィスを進出させる。
 埼玉に於ける経済の五割以上をこのオフィスと独身者の街新宿と家族の町伊佐沼で押さえるのが目標である。
 帝國の戦略で大方が農地になった埼玉である。もう少しで県政まで変えられる。
 既に市長はいまの座敷で接待漬けである。
 中東のテロが騒がれテロ国家と言われる国家が名乗りを上げる。全世界にテロ警戒が蔓延する。
 だが、地上に存在が明確な国家。必ず壊滅出来る筈である。そのあと地下に残ったテロリストが延々とテロを続けるのがやや怖い。
 夏木陽壱にそれより問題なのは湯野中のテロ国家である。
 このままテロだけ終焉して経済力だけが残ってほしい。それには帝國の活躍に期待するしかない。
 海底艦隊は使われない兵器でも必要である。だが、それは最期の守りであり使って得に成る事はない。永久に使われないことを願う。
 事故でこちらが正当でも損害は蒙る。R国が攻められて海底艦隊が主要国家の行政を破壊しても支配が確実に出来るわけではない。
 支配しても何れは崩れる。
 海底艦隊が活動して損害は有っても収益にはならない。いまの均衡のまま経済のみ支配するのが最善である。
 三つの勢力が協力して行政ごとに支配を伸ばして日本経済を改善するしかない。
 日本の財政赤字などどうでも良い。増税や緊縮財政で財政赤字を解決すべきではない。
 経済の悪化から出来た借款は経済の改善で増税なく増収で解決されるべきである。それまでは財政赤字のままで良い。
 第二日本帝國を中心に亜細亜の経済支配を進めるべきである。
 日本も同じ事をやっている。支援金を撒いてインフラを整備する。日本企業が進出して稼ぐ。
 だが、経済は風俗売春によって調和を取るべきである。
 三つの勢力はそれを推進している。夏木陽壱は江崎の考えも同じであると確信している。
 格差とマスコミは騒ぐが格差より貯蓄性向に金が止まる事が問題である。
 一人僅かな預金でもその総合計金額はプールに多量の砂利を貯めた様に膨大である。
 いくら上層が稼いでも構わない。金は限り在るように見えて化ける。実際に存在しないお金が流れるのがバブルである。
 その限り無い使い道の受け皿が広い意味での売春だと思う。
 最下層を税金で人並みに養う事は問題ない。税金で役人、地方議員が蔓延り高額な人件費を税金で抱える事こそ問題である。
 最下層には消費だけやってもらえば良い。それが一番経済を活性化させる。
 典子は夏木陽壱と意識合わせをした。
 「貴方と協力し合うことは江崎も私も異論はありません。私の不満は貴方から私の躰へ欲望が感じられない事よ」
 「・・」
 「貴方は私に気を遣ってサービスしているだけ。並木は私の躰でとことん欲望を解消した」
 「・・」
 夏木陽壱は言葉にどう配慮するか感極まった。
 「おっぱいに怪我して縫った。それを暫く整形しないでくれと言われた。傷の有る私を愉しみたかったの」
 夏木陽壱に並木会長が自分と同じ人種であることに推測は行く。
 「あの小寺舞と女を比べられた。精神が死ぬくらい恥ずかしかった。でも並木は私だけを虐めたわ」
 夏木陽壱にはその並木会長の気持ちが良く分かる。
 顔スタイル共に完璧でも小寺舞に典子のような理知性はない。虐めてその醜態を愉しみたい気持ちは分かる。
 そして本当に好きなのは小寺舞でも典子でもない。そして典子にそれが分かっていたと思う。
 「それで貴方を後継者に」
 「違う。それは江崎先生が薦めたの。でも、そう決めてからは私をまったく求めなくなった」
 「江崎先生も貴方と」
 「江崎先生は何もしてくれなかった。江崎先生に私は女ではなかったのね」
 典子にはそれが不満だったのではない。不安だったのである。
 夏木陽壱には並木会長の事も江崎の事もその心境は理解出来る。
 会長が三河典子に代って極東グループは飛躍した。引継ぎに揉めたのは並木会長の拘りか典子の経営能力を理解してなかったかだと夏木陽壱は思う。
 「貴方だけ戻って」
 典子はさすがに乳首の処刑は見たくない。真希子はサディストだから問題ない。
 「では。終った頃にメールするよ」
 「ええ」
 滝本美緒莉は乳房への執拗な電マの責めに三角木馬の上で悶絶状態であった。
 「もう良かろう」
 もう充分に乳首を感じさせたと言う平佐和の判断である。
 高手小手に縛られた腕と背中の間に入った竿を抜き取る。
 四人で担いで三角木馬から降ろす。
 木馬の金属部分に僅かに血が付着している。
 そのまま畳みに正座させる。
 座敷に敷かれたのはブルーシート成らぬ白いシートである。遂に土壇場となった。白無地の長襦袢が用意されている。
 これを着せて縛り直す。右の乳房だけを露出させ縛った縄目からから突き出す。
 「誰が斬る」
 袖ヶ浦の市議の問いかけだが、平佐和は既に席に戻ってコンパニオンに飲ませ始めていた。どうあってもアルコール中毒にしたいらしい。
 「くじ引きだな」
 袖ヶ浦の市長が決める。
 「希望者は」
 安曇の一言で挙手により平佐和と真希子、夏木陽壱以外で抽選となった。
 川越の若い市議が高枝斬りバサミを持つ。
 夏木陽壱は看護師に控えの間で待機を要求する。斬る場面は看護師には見せない。男性看護師が待機したようである。
 滝本美緒莉は白無垢姿で白いシートに正座させられている。
 三十度に開いた高枝斬り鋏みを乳房に充てる。滝本美緒莉は目を閉じたままである。躰は微妙に震えている。
 川越の市議は多少配慮して抓む範囲を乳輪のぎりぎりに絞る。
 一気に鋏む。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 血が飛散り乳首が膝に落ちる。さらに滑って白いシートに落ちる。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 看護師が入って来て処置に掛かる。
 夏木陽壱は看護士の要請で解くのに時間が掛かる縄を高枝斬り鋏みで切ってしまう。
 看護師らはストレチャーに乗せて運び出す。
 市議らは興奮冷めやらぬ。その威勢でコンパニオンを弄くり続ける。
 座敷のシートには血と縄の残骸が残っている。
 コンパニオンらはみな蒼い表情で堪えている。
 「本当に住民税を半分に出来るのですか」
 川越の市議が真希子と夏木陽壱に投げかける。
 「出来ますよ。ニューシティの人口が市の七割まで持って行ければ可能です。これまでの市民サービスの大方が廃止、又はニューシティの中に成ります」
 「人口だけで。選挙は主導できますが財政は」
 「ただ人口を増やすだけではありません。ニューシティの高層階は資産家を呼べます。住民税が半分なら大きく期待出来ます」
 「うーん。別宅を買って住民票を移せば住民税が半額になる。資産家が移れば税収は増える」
 「私も住民票を移します」
 夏木陽壱にとって日本の滞在期間を年の半分以下にする事は難しい。そして住民税ほどばかばかしいものはない。
 自治体など要らない。恩恵は無い上にばらばらの条例で金儲けに支障をきたすだけである。
 廃止出来ないならば乗っ取って最小限に小さくすることが最善と言える。
 帝國、娼国、R国に関わる大方の日本人富裕層が日本に税金を払わない。それには日本での滞在を年の半分以下にしなければならない。
 夏木陽壱にはそれが出来ない。湯野中系資本の日本に在る大方を持っている。夏木陽壱が持っていないのはテロの温床と成る山人系の企業だけである。
 「しかし今でも下層階の条件の悪い部屋に空きが多いのでは」
 川越市長安曇の指摘である。
 高層マンションは小さい区画を作りにくい。そこには採光の悪い部屋が出来てしまう。そこが空き部屋になることが多い。
 「家賃を下げて生活保護を受け入れる方向です」
 「しかし市に生活保護を増やす余地はないぞ」
 「帝國、娼国、私共は、海外に多く拠点を置いて税金の高い日本を避けておりますが、どうしても日本に流れる税金は発生します。その分を寄付して経費にします」
 「うーんなるほど。しかし平佐和先生。益々日本の税収は減りますね」
 「構わんよ。生活保護は自治体に任されていても国の費用だ。地域を限定されているだけでふるさと納税も同じだ。違うのは使い道を限定された事だ」
 平佐和は達観している。三つの資本に応援する事で受ける恩恵のほうが大きいのである。
 「しかし生活保護者を沢山受け入れてそちらに利益はないでしょう。家賃の回収だけでは三割です」
 「他の市からも受け入れて使えるものは訓練して使います。それ以外は街の中で消費だけやってもらえばいいのです」
 「飲食店系が人手不足です。その辺に回しては」
 「そんな職業は人手不足でロボット化すべきです。そんな職業人口を増やしても経済効果になりません」
 人手不足なのは総ての飲食業ではない。コストの合理化をしてきつい動労の負担だけで誰でも出来る仕事である。
 賃金を合理化してコストを下げている。工場も同じである。そこまで行けば機械化した方が良い。だが、日払いを餌に削りに削った人件費の方が安いのである。
 そこに将来が無く生活費を下げられた人口が蔓延する。その中でも賃金が安く労働がきつい飲食業が敬遠されるのである。
 低コストでやるなら総て機械化すれば良い。管理者メンテナンス員だけ高い賃金で働かせる。
 「しかし。低料金の飲食店をどうする」
 今度は平佐和が疑問を投げる。
 「回転寿司が機械化されている時代です。良い物を食べたければ修行した高所得の板前が握る店に行き、安く食べたければ自動化した店に行けば良いのです」
 「低価格の飲食店を機械化するか」
 回転寿司が機械化されロボットが握ってレーンをミニ列車が走る。注文もモニターからである。
 オフ輪は印刷物を結束してロボットがパレットに#積みする。
 オペレーターはPS版をレールに乗せて紙の先端をセットする。刷り出しを見るだけでインク量も総て自動である。
 四色機に十何人掛かっていたものが、たった二人で動かせる時代と成っている。
 単純作業は機械化ロボット化を進めるべき。
 失業が増えるのは保育園などを増やして労働力が水増しされて賃金が安くなるところに起因する。
 高収入で夫婦のどちらかが働けば養える社会に戻すべきである。
 生活保障を充実させて足りない所得は国が補う。働きたくないものは消費だけやってくれれば内需は循環する。
 「しかし君の言う事は実現できんよ」
 「いいえ。帝國のシティの中では出来ています」
 真希子がきっぱり断言する。
 「うーん。・・・・・そうだな」
 平佐和は少し考えて状況が理解出来た様である。
 「だが、集合住宅の水道料金無料化は出来ないです」
 まだ川越の市議は抵抗する。
 「集合住宅の水道料金は僅かな金額です。大量に使う工場などで大方が賄われています。これらはあまり人件費を掛けないで回収できます」
 「だからと言って人件費を減らせるか」
 川越の市議はやや興奮している。
 「おい。言い方に気を付けろ」
 平佐和が注意する。大切なスポンサーである。
 「人件費は減らします。僅かな金額を回収するのに多大な人件費が掛かります。効率の悪い部分を無料化して人件費を大幅カットします」
 「それは無茶でしょう」
 「いいえ。全面外注にします。シティ内の企業が丸受けして合理化します」
 今度は真希子が答える。
 「昔、中曽根さんが国鉄民営化で教えてくれました。同じ方法でやります」
 夏木陽壱が具体的に補足する。
 請求する職員一人の人件費四十万。独身一世帯の水道料金二ヶ月二千円。一人の職員を養うに集合住宅何軒分が消えるか。
 一方工場の水道は数千万でも一人の人件費さえ要らない。
 平佐和は最初から分かっている。市議らはいま実感を持って帝國、娼国の経済侵略を知らされた。
 だが今更遅い。既に献金に首まで浸かっている。裏切ってもばれても破滅である。このまま平佐和に従って毒を食らわば皿までしか道はない。
 コンパニオンを弄って徒然な時間が続いた。典子も座敷に戻った。
 平佐和が飲ませたコンパニオンは急性アルコール中毒に成っていた。看護師が呼ばれ点滴から利尿剤等が投与され尿道にはバルーンカテーテルが装着された。
 装着するときコンパニオンは痛みに喚いた。
 性器丸出しでカテーテルから尿が袋に溜められて行く。これもSMである。
 滝本美緒莉の処置が終ってもう一度運ばれて来る。乳房の中心部を一文字に縫われ糸は抜糸されず酷い姿を晒している。
 整形はこのまま入院して行う。
 さすがに市議らも一目見て目を叛ける。
 試験だけで華々しいアナウンサーの職に就ける。苦労していまの地位をやっと築いた市議らには苦々しい。
 滝本美緒莉は此処で精算して、この過去を隠してアナウンサーに成る。だが、今夜此処にいるメンバーは滝本美緒莉をとことん玩具にした。
 滝本美緒莉はこの過去を隠したまま栄光の座に就く。苦々しいが今夜の秘密を握れば市議らには小気味良い。
 
 木下優樹子元警視の自滅によってテロ組織の行動が緩慢に成るかに思われた。だが次なるテロが準備されていた。
 夏木陽壱は帝國にほぼ準じてしまっている。だが、木下優樹子元警視が死の直前に躰を預けて頼んだ約束は果たされた。
 (第十八章 現代の女衒 参照)
 江崎と共に大木少佐の指揮下にある親衛隊は新青森ニューシティから一度帝國に引き上げた。
 並木邸で女王を交えた露天風呂会議である。
 テロ組織の脅威であった木下優樹子元警視を葬ったが親衛隊も被害を出した。
 故小川綾香大尉を殉職して青山恵美元少尉が木下優樹子元警視の陰湿なテロ拷問による精神的障害から除隊した。
 そんなテロ組織の拷問を真似た事件が起こった。
 女同士の争いである。
 テロ組織を真似て海賊放送のように一時ばら撒かれた。それを拾って更にテロ組織がばら撒いた。
 その録画を露天風呂会議で確認している。
 コンテナの内部と思われる。トレーラーは止まっているか接続されて無いと思われる。動いている様子はない。
 被害者は二十代半ばで江頭唯と言う。木下優樹子元警視が拷問で磔るように左右に広げた腕を手首で縛って壁にフックで固定している。
 拷問者は顔から胸までをばっさり被った覆面で隠した姿である。
 江頭唯は一糸まとわぬ全裸にされている。
 乳房は掌に収まる大きさだが形は良い。
 乳輪は直径三センチくらいでやや大きい。乳首もそれなりに突起して存在感を主張している。色も赤が濃い。
 拷問している女は二人だが後ろに数人いる様子が窺える。
 覆面の女は書類を鋏む黒いクリップを取り出す。鋏む面が二十五ミリはある。相当の強度が感じられる。
 「やめろーー。なによそれ。いくらなんでも」
 おっぱいを鋏まれる事は容易に察しが付く。
 「あんたらへの拷問なら何をしても飽き足りないよ」
 容赦なく右の乳首を鋏む。もう一つを並べてその右に乳房の肉を鋏む。
 「あーあーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーー」
 一人が押さえているが躰を震わせて暴れる。
 「暴れると浅く鋏んでもっと痛いよ」
 一人が肩を抱く様に押さえる。残る片方の乳房も乳首を深く鋏まれる。さらにその左側の乳房の肉も深く鋏まれる。
 「ぐうおおーーーーーーー」
 江頭唯は握った手と脚に力を込めて躰を強張らせ痛みに悶える。
 強烈に痛そうである。
 その状態で太腿を狙って一本鞭を使う。
 「おごおおーーーーーーーーーーーーーーー。うおおーーーーーーーーーーー」
 衝撃に固定された縄を引っ張り片脚を蹴り上げて悲鳴を上げる。縄がはちきれんばかりに暴れる。
 そこへ二本目が炸裂する。
 「うごーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーー」
 顔は悲鳴に破裂している。反動で縛られた脚は動く限りくの字に蹴り上げる。腹まで上がる勢いだが脚首の縄が抑える。
 「うおおーーーーーーーーーーーー」
 江頭唯は悲鳴を続けて荒い息遣いである。
 覆面の女二人は江頭唯の左脚首を縛った縄をコンテナの天井に吊るしたフックに通して引き上げる。
 「ああーー。やめろーーーーーーーーーーー」
 江頭唯の左脚は天井を向いて三十度の角度に引っ張られる。女の部分は丸出しになる。
 「やめろーー。あんた達こんな事して、ただじゃすまないよ」
 「ふふ」
 まだ強気に来る江頭唯をせせら笑う。
 「覆面しても誰がやったかばれるよ」
 江頭唯には説得しても無駄な事がまだ察しられない。
 覆面の女は江頭唯の抗議を無視して女の部分のビラビラを広げる。
 「やめろーーーーーーーーー」
 江頭唯は恥ずかしさと怒りに声を震えさせて叫ぶ。
 開いた中は薄い緋色である。ビラビラの縁もまだグレーである。
 一通り中をカメラに公開してビラビラを広げた指を離す。
 先の平たい鞭を取り出す。
 「さあ。お○○こを叩くんだよ」
 覆面の女は恥かしい姿に如何ともしがたい江頭唯の表情を覗き込んで悠然と宣告する。憎しみは幾重にも篭っている。
 「やめろーーーーーーーー。なんであたしだけ」
 「お前が一番威張ってんだよ。派遣会社の正社員だからって威張るなよ。こっちの給料の頭刎ねた分で蔓延ってんだろ」
 「私が全部やっている事じゃないでしょ」
 「お前を拷問しないと男じゃ視聴率が稼げないの。それにお前が一番気に入らないんだよ」
 覆面の女は容赦なく力を込めて鞭の平たい先端を股間部の粘膜に当てる。
 「があおーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に叫び上げる。
 鞭は先端が平たいので敏感な粘膜を確実にスパンキングしている。
 容赦なく続けざまに叩く。江頭唯は狂乱の悲鳴を上げ続ける。
 江頭唯は中堅派遣会社の派遣コージネーター。覆面の二人はその登録スタッフである。
 二人の怒りは現代社会の格差の根本原因に起因している。
 数年前、秋葉原で事件があり続いて同じような事件が連続した。彼らは自分らの追詰められた真相を理解していなかった。
 また男性の非正規雇用者は女性の社会進出が男性から生涯賃金のデスクワークを奪ったと思っていた。
 それも一理ある。だが、彼女らは派遣会社に原因があるとした。
 
 少し昔、バブルの前後には派遣労働の賃金はもっと高かった。正規雇用の中堅くらいは貰っていたのである。
 それならば非正規にも非正規の利点があった。派遣会社の中間抜き取りが拡大して非正規雇用を貧困に追いやったのである。
 国民党が三十日未満の雇用を禁止した。その改悪で一つが期間満了して次の派遣が決まるまでの繋ぎの仕事も取れなくなった。
 国民党は非正規を無くそうと国会で奇麗事ばかり言う。だが、年金問題でも非正規を追詰めるだけである。
 非正規が年金を三百ヶ月払い続けることは難しい。雇用から外れ収入がなく厚生年金の支払いのない期間。そこからも強制的に国民年金を毟り取る。
 更に生活は悪化する。
 非正規が悪いわけではない。
 最低雇用期間を限定しなくても良いのである。
 年金は自由加入にしてこれまでの掛金は全額払い戻すのが一番経済効果になる。
 そして非正規の税金、厚生年金、社会保険などを優遇する。
 雇用形態よりも派遣会社の中間リベートを規制すべきである。
 さらに派遣のみ最低賃金を高くする。
 そして日払いの義務化が必須である。
 派遣会社総てに日払いは確かに厳しい。国が建て替えればよい。実際は国が保証して銀行が建て替える。
 派遣社員を雇用する企業は代行払いを行う。国の定めたレートで派遣会社と派遣社員に分けて直接支払う。
 実際は派遣社員の分は国に支払う。既にその分は実質銀行が立替払いしている。
 工事のゼネコンが直接契約の業者とその下請けと孫受けに分けて代行払いするのと同じである。
 
 金切り声で悲鳴を上げる江頭唯。二人の女は江頭唯の無残に広げられた局部に容赦なく蝿叩きで叩く様に鞭の平たい先端で叩き続けた。
 江頭唯は土色の顔で瀕死の形相である。
 「まだ。序の口だよ」
 覆面の女は冷たく言い放つ。
 江頭唯は荒い息で恐怖に震え続ける。
 最早、見下していた相手とは雖も強気で何かを言える状態ではない。
 「ついこの間、前原とか言った元警察官が同僚の婦警にやっただろ。子宮に毒を塗った。私達は塩酸を塗ってやる」
 「やめろーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。やめてくださーーい」
 江頭唯はプライドをかなぐり捨て必死に許しを乞う。
 それを無視して覆面の女はクスコを取り出す。
 左脚をコンテナの天井から吊られて上から三十度に脚を上げ丸出しの江頭唯の女に捻じ込む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーー」
 「許さないよ」
 「やめてよーーーーーーーーーーーー。わたしだけじゃないでしょーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー」
 まだ必死に説得を試みる。
 「だからあんたが代表だよ。そしてあんたが一番腹立つんだよ」
 「何でよ」
 「私達から過剰に健康保険と厚生年金引いただろ」
 「だって。会社の基準なのよ」
 「嘘つけ!お前がそれで妥当性が有るって言っただろ」
 「違うよ。専務もみんなそう説明しているよ」
 「会社の言うまま復唱する。自分じゃ何もポリシーは無い。そんな低能な奴が派遣コージネーターとかぬかして。そんな奴は抹消していいんだよ」
 社会保険料の天引きは間違ってはいない。妥当性は有るが派遣社員にはあまり恩恵が無い。派遣社員には厚生年金は無い方が良い制度である。
 「いやよーーーーーーー。何で私が殺されるのーーーーーーーーー」
 「殺さないよ。おまえの女を抹消するんだよ」
 「やめてーーーーーーーーーーーーー」
 覆面の女は無視してクスコの螺子を回す。
 「ああーー。ゆるしてーーーーー。ゆるしてーーーーーーーー。私、結婚出来ないよーーーーーーーー」
 「もう出来ないだろ。こんな姿が公開されては」
 「まだ公開してないよーーーーーー。やめてよーーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーー。私より会社の専務をごうもんしろよーーー」
 「おまえ専務を突き上げていたじゃないか。たいした説得力も無いのに女の有利だけで専務を押さえていただろ」
 「そんな事無いよーーーーーーーー」
 「どっちにしろこの計画のやり直しは出来ないのよ。おまえが丁度良い犠牲者なのよ」
 覆面の女は積極的に責めている方がスレンダーで木下優樹子元警視タイプである。もう一人は中肉中背でスタイルは良くなさそうに見える。
 スレンダーな方の女は容赦なく先端を細く絞った金属の管をクスコの奥に確認される子宮口に押し込む。
 「ぐわわああーーーーーーーーーーーー。あぐあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭唯は吊るされた躰を震撼させ突っ張らせ強烈に悲鳴を轟かせる。子宮に管を差し込んだだけで強烈な痛みである。
 もう一人の覆面の女が吊り上げた江頭唯の左脚を抱えて金属パイプをしっかり手で持つ。
 スレンダーな方の女がスポイトを塩酸のビンに浸け吸い上げる。
 「ああーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーー。ああはああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーん」
 江頭唯は泣き叫ぶ。
 覆面のスレンダーな女は構わず金属パイプに塩酸を流し込む。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭唯は狂ったように躰を暴れさせて金切り声の悲鳴を上げ続ける。
 とことん狂ったように暴れる。
 覆面の女は次に半田鏝を取り出す。江頭唯の目の前に翳す。
 「何するの」
 江頭唯は虫の息で声を絞り出す。
 「お○○この中を焼くんだよ」
 「やめろーーーーーーーーーー。もうやめろーーーーーーーーーーーーー。きちがいだよーーーーーーーーーー」
 覆面の女はクスコを無造作に抜き取る。
 クスコには濁ってゼリー状になった液がたっぷり付いている。それもカメラに翳して動画に収める。
 「かっちり押さえて」
 もう一人の女に要求する。そして自らも江頭唯の床に着いた右脚の太腿を自分の膝に挟む。
 「ああーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。もうゆるしてーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーー」
 江頭唯は瀕死に叫び続ける。
 覆面の女は力いっぱい暴れる江頭唯を押さえつけて半田鏝を逆手に持って膣に捻じ込む。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭唯は二人を弾き飛ばさん限りに躰を暴れさす。
 あまりの暴れ方に二人の女の押さえは解けて半田鏝は引っ掛かりながら膣から抜けて床に落ちる。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。あああーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 それでも江頭唯は叫び続ける。
 やがてあまりの痛みに意識朦朧となり縄にぶら下がったまま反り繰り返る。
 覆面の女は焼印の準備をする。
 スケベ女と四文字の焼き印である。
 「刺青は準備出来ないからこれで代わりよ」
 残忍に呟く。
 T字の先に付いた文字盤を一斗缶に用意された火種に翳して熱する。
 表面が熱くなるのを見計らってもう一人に合図する。中肉中背の覆面の女が江頭唯を後ろから抱き抱えて上半身を斜めのまま正面を向ける。
 「どこにやる」
 「おっぱい」
 中肉中背の女が残酷に言う。
 醜婦が美女を潰す願望がもろに現れる。
 「それがいいね」
 乳房にはクリップが付いている。その下半分を狙って押し付ける。膨らみはそれほど大きくない。焼印はぴったり押し付けられる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がはあーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 朦朧とした意識が戻って強烈な悲鳴が上がる。
 覆面の女は焼印を投げて江頭唯の左脚の吊るしを解く。もう一人が右脚の縄を解く。左右の手首の吊るしも外して開放する。
 最後に乳房を無残に鋏んだクリップを一気に外す。そのまま江頭唯の躰をコンテナの床に投げ出す。
 「ああぐうわあーーーーーーーーーーー。ああがはあーーーーーーーーーーーーー。あがああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 江頭唯は床にもんどり打ち胸と局部を抑えて転げ回る。狂ったように悲鳴を上げ続ける。
 最後はスレンダーな方の女が終了するため麻酔を嗅がす。
 江頭唯はその場に放置された。
 海賊放送に流して警察が取りに来る。その間に自分等は逃走する。
 江頭唯が病院に運ばれ意識が回復すれば証言が取れる。二人の身元は直ぐ解る。警察が海賊放送からコンテナにたどり着くまでが逃走時間である。
 スレンダーな方の女はテロ組織のM40号が回収した。中肉中背の女はフィリピンに逃亡した。
 だが、その存在は直ぐに見つかる。フィリピン警察に逮捕され日本に護送された。
 日本の警察が追及するがもう一人の女の行方は分からなかった。江頭唯を拉致した暴走族の様な集団についても何も手がかりはなかった。
 この女はもう一人の女の誘いに乗っただけである。逃走資金も貰った。だが、二人の関係は同じ派遣会社に居て同じ派遣先で働いただけである。
 この女が逮捕されてその供述から動機としての派遣会社の問題点もマスコミの話題となった。
 
 「もう一人の女だけがテロ組織だったという事ね」
 あすか女王が確認する。
 いつもの並木邸に於ける露天風呂会議である。
 「この女は山人の出身と思われます。九州から関東に来ていました。身内は誰も確認されません。これまではテロ組織に直接関わりは無かったと思われます」
 大木少佐が説明する。
 「おそらく木下元警視とどこかに接点があったものと思われます」
 窪田直子特務中尉(昇進)である。
 「それでテロ組織と渡りをつけて今回の犯行に及んだ訳」
 「自分の怒りを感じていた問題をマスコミネタにする為に態と相棒にした柳原ユキを逮捕させた。それからテロ組織に隠れたと考えるのが自然でしょう」
 江崎が解説する。
 「そうね。最初からテロ組織に居れば派遣会社なんかどうでもいいわね。極東コンサル系にいればそんな不満に当たらなかったのに」
 「この手の派遣は少ないです。帝國も、娼国も女性は風俗優先ですから」
 「そうだった」
 あすか女王はあっけらかんと納得する。
 「この女が直ぐテロの脅威に成る事は無いのですね」
 大木少佐が確認する。
 「そんなことは無い。回収される条件には既に最初の作戦が用意されていると思われる。近々何かが起こる」
 江崎は既に警戒はしている。だが帝國が標的でない事も確信している。
 井上大佐がインターフォンで知らせてきた。
 「日本から相川警部補がお見えです」
 「此処に通してください」
 「ええーー。裸に成ってですか」
 露天風呂会議の場所である。相川警部補も全裸で入ると言う意味である。
 「ご本人は納得されていますよ」
 「では」
 相川紗季警部捕は帝國の病院に入院していたが、一度日本に帰り故小川綾香大尉の殉職を聞いて帝國に渡航した。
 「綺麗に治りましたね」
 露天風呂に入ってきた相川紗季警部捕はテロ組織に斬られた乳首を帝國の病院で再生した。その姿を見て江崎の最初の一言である。
 「ええ。左側とまったく同じです。綺麗に整形してもらいました。感度も殆ど変わりません」
 大木少佐も木下優樹子元警視を葬った事で斬られたままにしていた乳首を整形した。形や感度は元より乳腺も繋がっている。触った感触も変わらない。
 「今日付で帝國海軍少尉ですね」
 「はい。小川綾香の後任にさせていただきます。よろしくお願い申し上げます」
 
 夏木陽壱は名古屋に来ていた。
 新しく超ハードのSMクラブが出来たという口コミを聞いてその筋に確認を取った。
 画像カタログから女を選んで定められたSMホテルに入る。
 AVの撮影にも使える設備である。
 女は加東真希子という。もちろん直子という源氏名で名乗った。
 スレンダーで可愛いと言うより美人である。そこが虐めて拷問しても罪悪感を感じさせない。
 脚も美しい。腰の付け根までスカートから隠れた部分が極端に太くなる事もなさそうである。
 女のスカートから出た脚が綺麗に見えてもスカートの中で一気に太くなる体型は意外と多い。脱がしてがっかりする女である。
 夏木陽壱が選んだのは完全に拷問プレイが可能なコース。
 だが此処は日本。もちろんR国や娼国のようなレベルとは行かない。
 それでも通常日本に於けるSMクラブのお遊びコースとは大幅に違う。
 一晩二十万だが相当のことが許される。
 加東真希子は明らかに怯えている。
 夏木陽壱は百万の束から抜き取って数える。黙ってテーブルに二十万を置く。
 「ありがとう御座います。どんな事をするのでしょう」
 加東真希子は謝礼もそこそこ不安な確信を尋ねる。
 「書いてある範囲だよ」
 夏木陽壱はさらりと言う。
 「傷になるのでしょうか」
 加東真希子は完全に怯えている。
 「それは気を付ける。痕は付いても暫くの間で自然に消える範囲だ。傷みはとことん甘受して貰う」
 「ああ」
 仕方なくても辛さを顔に滲み出す。
 「今日の予算だ。君の協力次第だ」
 残った八十万の束を指差す。
 加東真希子はそれに期待と不安に慄いている。
 「一体どんな事を」
 「通常の痛いことは規定通りだが、拒絶したり抗議したりしないで辛くて泣いても協力的ならばまず二十万」
 「・・・・」
 「ドリルバイブを受け入れてくれて、二回以上失神したら二十万」
 「意識がなくなるのですか」
 「そうだ」
 「はい」
 恐ろしさと不安を残しての返事である。
 「洗濯バサミではない。このクリップだ。クリトリスと小陰唇のビラビラ、乳首、乳房に二時間付ける」
 「叩き落とすのですか」
 加東真希子は驚きの表情で確認する。
 「いや洗濯バサミではない。それでは傷付けるので付けて取るときの究極の痛みだけでいい。それで君はのた打ち回る」
 「ええーー」
 加東真希子に理解は行かないがのた打ち回ると言われて慄く。
 「知らないようだな」
 「最期に局部鞭、ビンタ、尿道のプジーはプレイの範囲だが、クスコで膣を広げて子宮口に三センチくらいプジーを入れて数回ピストンする」
 「えー。どうなるの」
 「究極に痛い。のた打ち回って暫く歩行困難だ。それ以上のことはない。滅菌したプジーを使う」
 「はあ」
 恐ろしい事に事態が確信できず心が宙を舞ったままの返事である。
 「総てこれまでに立証済みだ。いまM女を七人囲っている。誰も躰を壊してない。うち六人は俺の資本下で事業をやっている」
 「死ぬほど痛くても、安全なのですか」
 「暴れたり精神的に拒絶しなければ安全だ」
 「・・・はい・・・」
 暫く間を措いて返事する。まだ何か言おうと沈黙している。
 「どうする」
 暫くの沈黙が続く。加東真希子はまだ暫く迷う。
 「それとも嫌なら、全裸で女を見せたら車代に五万だけ払う」
 キャンセルはコンパニオンから出来ない。クラブに拒否は厳重に駄目を言い渡されている。
 前回は苦慮した。躰に傷付けたがる客であった。瀕死で抵抗した。
 縛り方が下手だった。それが救いであった。何度も縄を抜けて危機から逃れた。
 クリトリスに何本も針を刺され潰されそうになった。必死に逃れた。最後はプロレス業で何度も絞められ苦しんだ。だがそれほど技がなかったので助かった。
 客は途中から寝てしまった。
 危ない客であった。それに比べれば夏木陽壱は若くない。金も有り分別は有りそうである。M女を七人が一番安心した。
 「判りました。全部御願いします」
 加東真希子は辛さと恐怖を飲み込む様に低い声で返答した。
 夏木陽壱は黙って残り八十万の束を加東真希子の方に押しやる。
 「いま貰ってもよろしいのですか」
 「君はどうしても金が要ると顔が物語っている。次も有るしな」
 「・・」
 加東真希子は黙って頷く。
 「フロント面をこちらに向けて、上に着ている順に服を脱いでくれ」
 「はい」
 女が恥ずかしがってストッキングや下着を先に取る事は許さない。前を向いて総て脱ぐのも恥ずかしい。唯一救いは夏木陽壱が若くないことである。
 加東真希子は良い女である。抜群とは言わないがスタイルは良い。脚などに多少の骨ばった印象はあるが充分そそらせる。
 見た目は清楚である。美人だが滝沢沙緒里に比べて可愛さはやや欠ける。年齢より大人に見える。それは夏木陽壱の虐めたい心をとことん滾らせる。
 徹底的に今日は辱めと痛みに泣かせたい。
 加東真希子は夏木陽壱の前に立ちジャケットを脱ぎオーソドックスなブラウスのボタンを外す。
 クリームのブラウスの下からはもっと薄いクリームのブラが姿を現す。
 顔の作りは完全に整っている。頬の窪みがやや濃い。顎の線もやや濃く唇の下に出来る窪みが印象的である。
 怖い顔という事は無いが顔に甘さ柔らかさがやや欠ける。それが年齢より大人に見せるのである。
 逆にこれほど辱めて悦べる女もなかなか無い。
 スカートを下ろそうとするのを止める。
 「下から捲ってくれ」
 「・・」
 加東真希子は『え』と発しようとして言葉を殺す。そのままスカートの裾を掴む。じわじわ持ち上げる。
 夏木陽壱は下着が出る寸前で一度止める。
 自分の直ぐ後ろに姿鏡を置く。
 脚が一番綺麗に出た姿である。美脚の範囲だが完全に滑らかではない。膝の存在感がやや強い。
 内股の線は膝まで真っ直ぐ下がっている。外にも内にも弧は描いてない。内股の線が内にやや弧を描いてくれるのが一番美しい。
 外側も真っ直ぐな線が斜めに膝まで下がる。太腿の太さに過剰な変化は無い。
 「あと五センチ上げて」
 ストッキングに包まれた薄いクリームのシューツがその先端を現す。
 加東真希子はやや俯き加減になる。この姿は恥ずかしく抵抗がある。
 「女の美しいシルエットだよ」
 そう言われても加東真希子には鏡に映った自分の姿がたまらなく嫌である。
 夏木陽壱の指示でスカートのファスナーを下ろしてすっぽり足元から脱ぐ。
 ストッキングの下に存在感を現すショーツは股間で三センチ位の横線を描く。実に美しいシルエットである。
 美形でスタイルが良ければ充分に男を愉しませる姿と言える。逆にスタイルが悪ければ目を叛けて見たくないものとなる。
 この女を今から羞恥に塗れさせ傷みにとことん泣かせられる。そう思うだけで夏木陽壱の体は熱くなる。
 ストッキングを丸めながら膝まで下ろして片脚ずつ上げて抜き取る。
 夏木陽壱の目の前に女の臭いが充満する。
 後ろに手を回してブラのフォックを外す。カップを両手で掴んでブラを下げる。夏木陽壱の指示通り隠さない。
 存在感のある真っ赤な乳首が目の前にある。乳輪は大きくはない。乳房の形は小ぶりだが良い。
 ブラウスの上から見るよりは大きさがある。
 ショーツを脱ぐと黒い塊は僅かにドテの上に咲いている。形よく処理してきたようである。
 夏木陽壱は立って躰を抱き寄せる。唇を重ねて吸う。そのまま開帳台に押し倒す。両方の膝を持ち一気に股間を開いて脚載せ台に脹脛を乗せる。
 股間は丸出しになる。縦に閉じた股間の唇を指で開いて緋色の部分を剥き出す。
 それほど遊んだとは思えない女の部分である。
 夏木陽壱は木下優樹子元警視を思い出した。年齢も近い。背丈も近い。どちらも腰は細いが木下優樹子元警視が更に細い。
 女の部分の形は違うが二十代の後半であまり使ってないところが似ている。
 あの恐ろしい女が死んで夏木陽壱さえもほっとさせた。一瞬見せた愛されることの無かった女の可愛げが夏木陽壱にやや哀愁を誘う。
 木下優樹子元警視の躰にはたいしたことは出来なかった。今この女には大方が可能である。何故か木下優樹子元警視より虐め心を刺激する。
 女の部分のビラビラに大きな突起は無い。二枚貝の唇の様に形の良いビラビラが綺麗に閉じていた。
 開いた縁は薄い小豆色である。指で膣圧を試しながらクスコを挿入して中までくっきり曝す。
 姿見を近くに寄せ本人に見る事を強要する。
 加東真希子は苦悶の表情で仕方なくそれを見る。辛そうである。
 「綺麗だよ。あまり使ってない女の入口だ」
 加東真希子はその言い方に一瞬嫌悪の表情を露にする。だが直ぐ改める。
 「だって。二人しか知りません。二人目はこの間のお客さんなのですよ」
 正直に自分を告白する。
 加東真希子がどうにもならない事情で今この仕事に堕ちている事は良く分かる。逆にその新鮮さが何とも言えない。
 夏木陽壱はクリップを取り出す。目の前に翳す。
 加東真希子は怯えきった表情でそれを見る。
 乳首をクリップの右半分で抓む。
 「あ・あーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーー」
 強烈に顔を歪めて悲鳴を漏らす。
 これを二時間付ける。取る時の痛みは壮絶である。夏木陽壱はそれに二十万払う。
 加東真希子の表情は悲痛である。
 更に乳房を抓む。これも半分である。クリップは乳房の白く柔らかい皮膚を無残に抓んでいる。胸に並行に乳房の脹らみを半分抓んでいる。
 反対側も同じ様に鋏む。胸だけで四個付ける。
 次はクリトリスである。さすがにやや小さめのクリップにする。剥きだして抓みたいが包皮の上からで赦してやる。
 「クリトリスを剥いて抓みたいが、今回はこれで赦してやる」
 加東真希子の表情は凍っている。
 ここから二時間痛みに堪える女の性感を責める。傷みと官能の二本立てである。
 最初からドリルバイブは使わない。まずは感触を味わいながら指で責める。
 蚯蚓千条の膣天井部は確り密集している。その中から核の部分を見出して強く責める。まだまだ序の口である。
 最初強く責める。それからじっくり柔らかく責める。女の液をたっぷり出す。既に加東真希子の顔は崩れている。
 やがて加東真希子の女の液は夏木陽壱の指を伝って開帳台に流れ落ちる。
 「いっぱい濡れてきたよ」
 「あー、ああん。恥ずかしい」
 加東真希子の反応は夏木陽壱を悦ばせる。
 今度は天井部の敏感な部分の反対を責める。もう片方の手でビラビラを広げる。尿道の小さな亀裂が丸出しになる。
 奥の部分を強く刺激する。尿道の小さな亀裂から潮が噴出す。
 「ああーーー。あはあーーーーーーー。あはあーあーーーーーーーーー」
 加東真希子の表情は切なく歪む。完成した大人の女を弄る隠微な醍醐味である。
 潮は瞬時小さな噴水のように噴き上げる。
 そろそろビニールの棘が密集したバイブに切り替える。
 「いやあーーーー。そんなの」
 加東真希子は慄き眉間に皺を寄せてバイブを見詰める。始めて見るようである。大きいとまで行かないがくっきりとした目が夏木陽壱を見上げる。
 膣の中は充分に濡れている。ハリネズミのようなバイブがゆっくり膣内部に根本まで納まる。
 「あおーーーーーーーーー。うううーーーーーーーーーーーーー」
 スイッチを入れ微動させながらゆっくりピストンする。
 暫く動かすだけで清楚な加東真希子の女の液がどろりと流れる。バイブを抜き取り棘バイブに纏わり付いた滑りを太腿に垂れ流す。
 加東真希子は自分の濡れの凄さを実感する。
 「いやあーー。は、ず、か、し、いいーーーーー」
 「もっと恥じらいを噛み締めろ。それが気持ち良くなる」
 「ああーー。ああーーー。ああーーーー」
 加東真希子の表情は崩れきっている。胸のクリップの傷みよりは官能に逃れようとする。実に綺麗な逝き顔である。
 清楚な大人の女の整った顔立ちが爆発したような子供の泣き顔に崩れる。
 夏木陽壱は頃合と見てドリルバイブを始動する。
 グガガガガガガァ。
 「あ、ああーー。そんなのーーーーーーー」
 加東真希子は宣告されていても遂に入れられると分かって慄く。戦慄の表情でドリルバイブを睨む。
 夏木陽壱がその表情に追いかぶせる様にドリルバイブの先端を目の前に翳す。そしてきっちり加東真希子の女に挿入する。
 「ああーーーーー」
 辛さを搾り出す悲鳴である。
 もう断る事も抵抗する事も儘成らない。前回の客と違って無茶はしないと信じるしかない。手術を受ける直前のように怖い。
 ドリルバイブに付けられた柔らかいシリコンの擬似男根は加東真希子の女に三分の二が納まって膣内を占拠している。
 夏木陽壱は加東真希子の表情を愉しみながらスイッチを始動する。
 「ああーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 最初はローだが直ぐに加東真希子は辛さを含んだ悲鳴を漏らす。
 「あ、ああーーーー。あはあーーーーーー。ああーーーーーーー」
 頭を右に左に上に振って顔は完全に涙の無い泣き顔に崩れている。
 夏木陽壱はこれが官能の逝き顔になる。それをさらに破裂して崩壊するまで責める意気込みである。
 加東真希子はドリルバイブの責めに堪え切れず全身に力が入る。縛られた躰に筋肉が浮き上る。そして強く腰を暴れさせる。
 膣圧が押し出そうとするドリルバイブを夏木陽壱は腰に力を入れて構える。ドリルバイブの根本に手を添えて責め続ける。
 「ぐあああーーーーーーー。ぐうああーーーーーーーーーーー。ぐああーーーーーーー」
 加東真希子の口からは涎が垂れる。ドリルバイブはピストンしながら暴れ捲る。膣口からは女の液が飛散る。
 堪えられず拷問椅子の肘パイプを握る手と縛られた脚に力を込め踏ん張る。ドリルバイブは加東真希子の女の中で暴れ続ける。
 「ああーーー。だめですーーーーーーーーー。でちゃいーーますーーーーーーーーーー」
 夏木陽壱は飛び出す潮から体を躱す。
 ドリルバイブが外れると一瞬噴き上げただけで潮は止まる。
 再び挿入して責める。
 「ああーーああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 加東真希子の清楚な顔がここまでもと言うほど隠微に歪む。恋人にもここまでは見せることはない逝き顔である。
 夏木陽壱は究極の最終段階を愉しみたい。
 「ああーーー。だめーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー」
 また潮が吹き上げる。だが躱さなくても夏木陽壱には僅かに跳ねただけである。
 「すみませーーーん」
 「いい。いい。どんどん噴け」
 「ああーーーーー。ああーーああーーーーー。はああーーーーーーーーーーー」
 頃合を見て夏木陽壱はスライドスイッチをローからハイにする。
 「あごあああ、ああん。あごごおおああああん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 加東真希子は一気に追詰められる。頭を振って声を絞り出す。狂ったように暴れる。次の瞬間静かに堕ちる。
 加東真希子の反応は無くドリルバイブはただ音を立てるだけである。
 夏木陽壱は本日一回目の目標を達成した。
 乳首とクリトリスのクリップは鋏んだままである。
 夏木陽壱は加東真希子が失神している間に剃毛を行う。
 僅かな黒い塊を鋏で切り落として白いプラスティックの板に載せる。
 後は電動剃刀で綺麗に剃ってしまう。
 陰毛の下から剥きだしたやや紅く成った皮膚に油性マジックで淫女と落書きする。あまり意味は無いが失神させられ玩具にされた屈辱感を味合わせたい。
 フェイスタオルで顔の汗と涙と涎を拭く。解れた髪を避ける。白い頬に手を当て平手で叩く。
 夏木陽壱に加東真希子を叩くのは快感である。滝沢沙緒里ならその衝動は薄い。加東真希子なら泣くまで合法的に叩きたい。
 元よりビンタが出来るコースである。十数発。顔がひっしゃげる位に叩く。叩き続けて加東真希子はようやく意識を戻す。
 頭を持ち上げて股間部を見せる。
 「ええーー」
 丁寧な提灯文字で書いたので加東真希子は刺青と錯覚した。
 「油性マジックだ。一週間も風呂に入れば消える」
 「ああ」
 失神している間に何をされたか恐ろしい。剃毛とマジックの落書きなら嫌悪感は有っても半分安堵するしかない。
 少し水分補給をさせる。スポーツドリンクを多めに補給させる。
 加東真希子も渇きが来ていた。それを受け入れる。
 夏木陽壱はまだドリルバイブを構えている。
 もう一回失神させたいらしい。
 女の部分を広げてゆっくり鑑賞してやる。また指にローションを塗って膣内を潤滑する。
 「ああ。ああ」
 加東真希子の胸は怯えに鼓動を打っている。
 夏木陽壱は容赦なくドリルバイブを突っ込む。
 ドリルバイブの先端は膣の奥へ届き子宮の入口に当たっている。
 加東真希子の顔も躰も薄い紅に染まる。膣の中の敏感な部分を抉られる責めに直面して頭を真っ白に背中は汗に濡れている。
 乳首とクリトリスのクリップに鋏まれた痛みがまた増している。やがて気持ち良さの方に逃れるしか術は無い。
 今度は最初からハイで始動する。
 「ああーーー。ああーーーーーー。ああーーああーーーーーはあーーーーー」
 加東真希子の顔は一気に涙のない泣き顔に成る。腕と脚に力が入り開帳台の上で躰を硬くして悶える。
 「ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーー。ああーーーーーーー。だめーーーーーーーー」
 直ぐに悶絶状態に成る。
 ドリルバイブの先端に付いた擬似男根は柔らかく振動しながら少しだけピストンする。
 夏木陽壱はもっと太く固いドリルバイブに切り替える。こっちの擬似男根は先端から徐々に太くなる。回転とピストン運動をする。
 「ああーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 挿入しただけでその太さに泣きべそに成る。白い擬似男根は三分の二が膣にめり込み陰部の赤い皮膚を押し退ける。
 膣口を強引に広げている。加東真希子は赤達磨の状態で目を瞑り拳は開帳台の肘を握り締めて怯え身構える。
 夏木陽壱は態とゆっくりこの状態を愉しむ。
 少し堪能したらやがてゆっくりスイッチを始動する。
 「おごおおーーーーーーーーーーーーー。おごごおおーーーーーーーーーーーーーーーー。おごーーーーーーーーーーーーー」
 顔は真赤に紅潮させ涎を噴いて叫び上げる。
 加東真希子の清楚さに理性を宿した美人顔が隠微に崩れる。夏木陽壱には極めて愉快そのものである。
 とことん理知的な女を手の中で崩して愉しみたい。女のプライドをとことん踏みつけたい。
 ファーストレディなど要らない。女は凡てM奴隷でよい。そこは湯野中と変わらない。
 夏木陽壱はスライドスイッチを最大にする。
 「ああがはあーーーーーーーー。ああががああーーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーー。だめですーーーーーーーー」
 加東真希子はこれまで以上に躰を突っ張り断末魔の悶絶状態である。
 「ああーーーーーー。でるーー。ああーーーーーーー」
 失禁する。潮が放物線を描いて床に飛散る。
 夏木陽壱は手に跳ねるのを気にしないで体を躱したままドリルバイブを押し込み続ける。
 「あーーがあーーーああーーーー。だめーーーですーーーーーー。ああーーーまってーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーー。とめてーーーーーーーーー」
 加東真希子は急激な責めに恐怖の叫びを上げる。そして完全に悶絶寸前の暴れを繰り返す。壮絶な状態である。
 「ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 躰を突っ張り頭に力を入れて真赤に紅潮させ遂に涙を噴く。泣きながら躰を震撼させ悶える。
 次の瞬間。躰を微振動させたまま固まり静かに開帳台に沈む。
 躰は微振動を続けるがドリルバイブの責めにもう反応は無い。
 壮絶な失神であった。
 夏木陽壱は年甲斐も無く亀頭から我慢汁が流れ出ていた。
 失神した加東真希子の女にルーラーを突っ込む。
 自分の怒張したペニスを失神している加東真希子に突っ込む。体を軽く動かし情液を加東真希子の女の中に捨てる。
 トイレで下着を拭取り応急処置をする。
 あまりにも興奮度が高かったのである。夏木陽壱の官能を充満する壮絶な失禁と失神であった。
 夏木陽壱は加東真希子の顔を綺麗に拭き化粧を落とす。汗に濡れている髪をドライヤーで乾かす。本来の素顔に戻す。
 指で膣内からルーラーを取り出してセペで中を洗う。
 またビンタで起こす。堪らない至福である。
 スッピンの顔を鏡で見せる。
 加東真希子は少し朦朧として自分の顔を見る。
 「素顔も見たかった」
 「えーー。落としたの」
 元より汗と涙に塗れ既にぐちゃぐちゃであった。総てを剥かれる事に嫌悪した。それでもこの程度なら他の事に比べたら仕方ないと納得するしかない。
 「さあ。そろそろ究極の痛みに泣いて貰おう。出口の無い傷みだ」
 夏木陽壱は加東真希子の開帳台の戒めを外す。
 「台から降りて」
 「はい」
 加東真希子は怯えながら開帳台から滑り降りる。
 「クリトリスから自分で取ろう」
 「ああ。はい」
 辛そうに夏木陽壱を見上げ返事をする。
 恐る恐るクリップの針金を曲げただけのトッテ部分を指で抓む。
 「あがあーーーーーーーーーーーーー。あわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。があ、あ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 加東真希子は仰向けに床に崩れる。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 傷む部分を両手で押さえて仰向けに床をのた打ち回る。壮絶な光景である。
 「さあ。おっぱいも取るんだ」
 加東真希子が床で脚を広げて痛みに泣き叫ぶ。夏木陽壱はその横にしゃがんで宣告する。
 加東真希子は情けない目で夏木陽壱を見る。
 「さあ。取ろう。取らないと取る時の痛みはどんどん増すぞ」
 加東真希子の悲痛な表情はこれ以上無く歪む。クリップに手を掛けて震える。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーん」
 目は何かを訴えながら娘のように泣いてしまう。
 恐ろしくて取れない。
 「俺が一個ずつ喚き散らすのを見ながら取ってもいいが、自分で一気に取ったほうが楽だよ」
 加東真希子は夏木陽壱の追詰めに表情を破裂させる。観念して両手で一気に四本を掴み広げてクリップを放り投げる。
 「ああはあーーーーーーーーーーーーーー。ぐああああーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーー。ぐうううーーーーーーーーー」
 壮絶な傷みに躰を転がす。乳房を押さえて床を叩き泣き喚き続ける。
 「あは、ああーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーん。あはーーあん。はん。あはん」
 「さあ。揉もう。激痛だが揉む以外に傷みからの出口は無い」
 「ああーーー。ああーーーーーーーーーーん」
 最早、加東真希子に思考回路はない。断末魔の傷みに悶絶するばかりである。
 夏木陽壱は加東真希子をもう一度開帳台に固定する。
 容赦なく乳房を揉みしだく。加東真希子は泣き喚き続ける。
 加東真希子の痛みがやや治まって開帳台から降ろして浴槽に浸ける。
 夏木陽壱も服を脱いで後から一緒に入る。
 浴槽の中で抱き寄せ躰を繋ぐ。このコースでは許されるプレイである。売春になるが客を選んで通している。
 夏木陽壱の場合はその筋の紹介である。それ以外は遊び続けている人しか通さない。
 躰を繋いでも夏木陽壱が果てる事は無い。
 ドリルバイブの責めに比べればかなり緩慢である。
 むしろ躰の感触を愉しんでいる。そして加東真希子に次の責めまで休息を与えているつもりである。
 加東真希子は強烈な痛みに狂った様に泣き喚いた。だが夏木陽壱が躰の一部でも破壊するような事はしないという約束は守られている。
 そして提示された四項目のうち二つ半は果たしたと思っている。あと一つ大きな痛みを堪えれば本日は九十四万を持って帰れる。
 クラブの取り分はコースの三割である。八十万はチップで全額自分が取れる。
 湯から出ても暫く休ませて軽い食事をさせる。
 囲っているM女七人の話などをする。
 「幾らあるんだ」
 「えっ」
 「借金だ」
 「一千万です。今日の分を返してあと九百万くらいです」
 正直に答える。
 「何故出来た」
 加東真希子は双子の姉妹の姉である。出産時に一種の奇形で欠落した部分があった。母が身体の一部を提供して片方だけは救えた。
 妹の分はドナーを待つ事になった。
 加東真希子は順調に成人したが妹は身障者のままである。
 妹のドナーは見つかったが母は既に他界した。母は死の直前まで金を貯め手術に備えていた。母の残した預金は相続税で減り手術費は足りなかった。
 常に妹は自分の影の存在となっていた。どうしても自分が妹を救わなければ成らなかった。
 加東真希子は風俗で働く条件でようやく足りない一千万の借金が出来た。今はその返済の最中である。
 風俗で働く条件で二ヶ月金利は据え置きである。その後は年利40.0025%になる。出来るだけ多く二ヶ月以内に返してしまいたい。
 加東真希子は銀行融資が無理なのでレディースローンを渡り歩いた。ようやくたどり着いたのが杉本金融である。
 杉本金融は直に貸さない。埼玉信用なる個人の金融ブローカーを紹介する。
 二ヶ月金利据え置きは埼玉信用が風俗で働く条件で無利息である。その後は杉本金融が風俗で働いているのを返済原資とみなして債権を買い取る。
 夏木陽壱には総ての裏が見えている。元より杉本金融は夏木陽壱の配下ではないが湯野中資本。その管理を代行している金融会社である。
 杉本金融の目的は金貸しで儲ける事ではない。風俗嬢を量産することである。その最たるはR国へからゆきさんさせる。
 次がハードSMである。
 夏木陽壱に加東真希子が今のクラブで働くシナリオは十分に納得が行く。
 ある程度休憩を取らせたので夏木陽壱は再び加東真希子を開帳台に乗らせる。
 加東真希子の心臓は早い鼓動を打っている。次に来るであろう痛みに怯えきっているのである。
 夏木陽壱は乳房に触ってその鼓動を愉しむ。
 ブジーを取り出し顔の前に翳す。
 「・・・・・」
 加東真希子は表情を歪めて首を竦ませる。辛そうである。
 まずは尿道から責める。
 夏木陽壱は加東真希子の女の部分を広げる。ビラビラの下から緋色の部分が表れ尿道の小さな亀裂を確認する。
 そこにブジーの先端を挿入する。
 「い、いーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 容赦なく三センチくらい入れる。
 「ああーー。い、いーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーー」
 加東真希子の澄んだ声の泣き悲鳴が夏木陽壱の加虐心を突き抜ける。衝動に駆られるようにブジーをピストンする。
 「あはーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 顔は大口を開けた悲鳴に表情は破裂する。手は開帳台の肘を握り縛られた脚は筋肉を怒張させ固まったままガクガク揺する。
 涙はポロポロ零れる。
 まだ動かす。
 「ああ。い、い、たい、いーーーーーーーーーーーーーーー。い、いたあいーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 加東真希子は瀕死の形相で叫ぶ。目は見開いて宙を向いている。
 ブジーを静止して少し待つ。動かさなければ痛くは無い。
 クスコを挿入する。螺子を回して広げる。
 加東真希子は目から涙を噴いている。更に紅潮した顔を上に向けて目を強く閉じて恥ずかしさに堪える。
 子宮口がくっきり覗ける。この女のここを責められる。興奮に体は熱くなる。加虐心が滾ってくる。
 「最後だ。もう少し愉しませてくれ」
 夏木陽壱は興奮度を含んだ口調で崩壊状態の加東真希子に宣告する。
 「はい」
 力ない返事である。了解するしかない。自分にとっては多額の金を貰っている。
 夏木陽壱はもう一本ブジーを取り出す。
 クスコの奥に見えるペニスの先端にも似た子宮口めがけて指先に力を入れて挿入する。
 「あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーー」
 加東真希子の悲鳴はホテルの廊下に響き渡る。
 太腿の筋肉は怒張して躰が飛び上がらんばかりに暴れる。辛うじて開帳台は倒れない。目元の皺は幾重にも刻まれ般若以上の形相である。
 ピストンするには暴れると危険なので頃合を見て少し動かす。
 「ああぐうーーー。あぐああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 涙は溢れ左右に流れ落ちる。
 もう一度動かす。尿道のブジーを先に抜き取る。
 「あぐおおーーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 加東真希子の目は驚愕の表情に固まっている。
 夏木陽壱はそのままブジーを抜き取りクスコも抜く。
 「ああーー。ああーー。ああーー」
 加東真希子は荒い息で震えている。
 戒めを解くと床に滑り降りて蹲り腹を押さえて泣き続ける。
 夏木陽壱は暫く狂乱の痛みが治まるのを待って加東真希子の躰を抱き上げる。涙と汗に髪は解れ表情は憔悴している。
 「ベッドに横になるか、湯に浸かるか」
 夏木陽壱は総て終わりの心算で優しく尋ねる。
 「えー。・・・・ああそれでは一度ベッドに」
 まだ夜の十時である。ニュース番組を掛けて加東真希子の回復を待つ。
 分かり切った選挙速報である。低投票率で民事党大勝。国民党の党首が比例でも落選確実と報じられた。
 大口叩いて政権交代。ろくな事しなかった国民党。その党首の落選。夏木陽壱は理の当然と笑った。
 もとより夏木陽壱は政権交代の前から国民党の大沢の政策には批判的であった。
 大沢も当選は果たしたが過去の人と成りつつある。管石元総理も選挙区では落選した。組織票以外残ってない。一般はもう見向きもしない国民党である。
 夏木陽壱の見解は安田内閣が延命してアベノミクスが継続してもそれだけでは経済は良くならないと見ている。
 だが夏木陽壱には日本経済は低迷の方が好都合である。
 三時間ぐらい経って加東真希子が起き上がろうとする。まだ選挙速報は続いている。判り切った選挙解説もだらだらと続いている。
 「まだ横になっていろ」
 「でも。プレイ時間が」
 「もういい。君は全部果たした。後は一緒に居れば良い」
 「でも。お客様が出していません」
 夏木陽壱は加東真希子に跨る。挿入だけする。繋いだまま抱きしめて耳元に話しかける。
 「君はこの仕事で借金を全部返せるか」
 「あと何回か来て頂けますか」
 「それでも良いが、他のお客に付けば今より壮絶な内容で二十万だぞ。とても続くまい」
 「ええでも」
 「一年間俺の女にならんか。月百万出す」
 「囲われると言うことですか」
 今夜は辛かったが加東真希子は夏木陽壱を嫌ではない。
 「そうだ。一年間杉本金融は俺が止める。今日の分は返済に充てなくて良い。一年経ったら俺が全額返済する。途中で逃げたらそこまでのお手当で借金は残る」
 「今のプレイをどのくらい」
 そこに僅かに不安が残る。
 「月一回だ。それ以上は一回ごとにもう百万出す」
 「お願いします。助けて下さるのですね」
 加東真希子の指は夏木陽壱の腕を掴んでいる。
 「今の条件だがね」
 「それでお願いします」
 加東真希子は既に大粒の涙を溢している。SMクラブのハードコースの恐ろしさは計り知れなかった。
 「痛くても怪我をしない方がましだろう」
 「そうです。もうほんとに恐ろしい人が来て」
 加東真希子は滝沢沙緒里と同じ千葉に部屋を与えられた。
 
 浜村修一は有楽町線の毎日の遅れに苛立っていた。三十分は余裕を見て家を出なければ成らない。
 有楽町線は毎朝良くて五分遅れ十数分遅れは当たり前である。
 浜村修一は新宿ミットタウンに住みながら職業柄都内に出なければならない。フリーのシステムインテグレーターである。
 開発はミッドタウン内の受託会社が行う。その上流工程の要件定義が仕事である。
 一つのプロジェクトが終るまでオンサイトで開発を受ける企業に通う。
 有楽町線は麻痺している。東京メ○ロは駆け込み乗車を遅れの要因としている。だが、乗客を捌ききれない麻痺と四線からX字になる相互乗り入れが原因である。
 ゆとりのある乗車を御願いしますではない。ゆとりのある運行を御願いしたい。
 ゆとりのある運行とはいま既に麻痺しているならば追加のトンネルを掘って複々線化すべきである。
 急行線を追加して同じ本数を運行して輸送力を倍加すれば遅れは無くなる。
 事実、昼間や休日には事故による遅れはあっても蔓延遅れはない。
 急行線に集中するのを防ぐには停車駅を絞ればよい。駅数を減らせば一気に開発コストは下がる。
 CS-ATO(自動列車運転装置)で自動運転して乗務員を半分にする。
 浜村修一は非正規雇用と言うよりは業務委託契約で個人事業同然である。請求書を出して一月分の人工料を請求する。
 税金も年金も社会保険も引かれない。
 社会保険は第二日本帝國の業界内保険に加入している。日本では医師の領収書だけで医療が還付される。
 入院規模の病気は第二日本帝國に渡航する。
 日本の税金の経費にはならないがその金額は安い。
 更に第二日本帝國では株式取得の積立金がある。半額を国が負担してくれる。
 将来配当で年金より収入になる。帝國が推進する企業が躍進を続ける前提ではある。喪失したときの保険制度もある。
 税金は自主申告だが従業員同然の事業主など十.五.三の三にも成らない。年間数千円で済ませてしまう。
 幾らか払うのは殆ど税務調査にならない給与程度の収入でも万一調査に至らない位置に置くためである。
 浜村修一は第二日本帝國に行きたい。年の半年以上日本を離れて日本から課税されない暮らしがしたい。
 第二日本帝國で自由な風俗を満喫したい。
 それがもうじき敵う。希望通りの第二日本帝國ではないがR国に半分赴任出来る。夏木陽壱の目にとまったからである。
 生産国、R国、帝國、日本を繋ぐサプライチェーンマネジメントの要件定義が出来るコンサルSEを必要としていた。
 サプライチェーンマネジメントSCMとは流通の風上から風下まで一括管理するシステムのことである。
 要件定義は日本、R国に跨るが開発はR国となる。夏木陽壱直接なので単金も大幅上がる。
 現在のプロジェクトは五十万にしか成らない。
 SMクラブの一般的なコースしか行かれない。
 時々、工程遅れの開発を詳細設計書後起しの条件で受ける。二月くらいで二千万に成る。手伝いにPGを呼んでも二百万くらい払うだけである。
 充分にSM三昧が出来る。
 
 M40号と派遣会社OL拷問事件の覆面の女は潜水艦で九州の地底に在る山人の国に入った。既に海底の川が完成し潜水艦でそのまま入れる。
 女は木下有紀乃と言う。
 山人出身で日本国籍を持っている。木下優樹子元警視の山人時代の妹分を名乗っている。
 彼女らが来たのは産業廃棄物最終処分場である。
 此処は山人の国の外れと薩摩川内市の境目に在る。従業員のうち日本国籍を持つものは表社会に住み此処に通う。
 日本国籍を持たない山人は部落内から出勤する。
 「産業廃棄物最終処分場です。焼却処分、埋め立て処分は殆ど行いません。一般に導入コストが高いと言う事で普及してない乾式メタン醗酵処理です」
 「完全に何も残らないのですか」
 M40号が重要な確認をする。
 「動植物性残渣の場合、高温醗酵でメタンガスを作ります。水分を取り除いて乾燥残渣が残りますが飼料と成ります。そのまま養豚場に回します」
 「水は」
 「循環使用しますが高温醗酵の繰り返しです。大方が蒸発します」
 「何故。産業廃棄なんか見学するのですか」
 木下有紀乃は自分に関係ないと言いたい。
 「関係なくない。倉谷友香警部補の人間ミキサー処分を公開したので、警察は全国の下水を調べまわった」
 「遺体処分ですか。でも警察がいくら調べても無駄なのではないですか」
 「帝國が此処に乗り込まなければ」
 「M19号の遠い親戚と伺っていますが、よく似ていますね」
 「実は双子なのよ」
 M40号が暴露してしまう。
 「そうですか。同じ働きを期待したいですね」
 北海道から引き上げたM2号である。
 「R国では絶対必要ね。テロなら遺体は放置するけど、R国に入った日本のマスコミとかは完全に処分しないと」
 「国際社会が乗り込んだ場合ですか」
 「そうよ。日本でも時と場合によっては必要よ。それに需要もたくさん」
 後ろには墨田会海江田会長の配下が付いて来ている。やくざが遺体処分を受ける。此処に運び込んで完全処分を完了する。
 「此処は県から許可を受けた産業廃棄物処分業です。鹿児島県、宮崎県、熊本県で収集運搬の許可を持っています」
 「表は産業廃棄物処分業、裏は死体産業廃棄業ですか」
 「そうです。それも優良許可を持っています」
 「本日は二遺体の処分ですな」
 「そうです。まずは破砕処理からです。衣服などは既に現地で処分され、体から金属なども外しています」
 二遺体とも若い女性である。一遺体は頭を叩かれている。一遺体は薬物死である。二遺体とも白い着物に包まれて棺桶に入れられて来ている。
 「破砕処理後に選別工程で体に残った金属などを抽出します。その後高温処理されてメタン醗酵層でガスを発生させ都市ガスと混ぜて発電に使います」
 「それで飼料が残るのですね」
 「そうですが高温処理と醗酵を何回か繰り返します。その後水分を分解して醗酵残渣が残ります。水分は殆どありませんが蒸発させます」
 「でも、この設備にDNAは残らないのですか」
 「残りますが、この後大量の動植物性残渣の処理を繰り返します。検出は不可能です」
 「ルミノール反応も」
 「酸性の消毒を行った上で高温で洗浄します。動物の処分もします。特定出来る量が残るとは思えません」
 「R国で運用を間違えなければ問題無しね」
 R国に入った反政府分子。とくに日本国籍を持つ者の処分に苦慮した。国際社会の干渉を避けることが第一である。
 (第十六章 挽歌滾る 参照)
 「そうです」
 39号木下有紀乃は九州を狙っている。やはり山人の出身である。39は北嶋娼国副主席のN39である。M40号は態とこのナンバーを与えた。
 
 帝國。乾の並木邸。公式ではないまでも帝國の御前会議とも言うべき女王を交えた露天風呂会議である。
 テロ組織の動きとR国北側の動き及び九州の状況には神経を尖らせている。最近はイスラム系偽国家や中東の動きも多少気遣っている。
 帝國は中東に関わる意思は無い。
 既に議題は木下有紀乃に重点が置かれている。江田茉莉の予測は木下優樹子元警視同様と観ている。
 江崎も異論は無い。
 警戒は九州とR国に絞られる。
 「九州に出動ですか」
 「既に第四中隊が、第三航空艦隊の有明で沖縄と九州の中間あたりです」
 宰相納見が回答する。
 「近衛部隊が」
 「そうだ。近衛部隊の方が今は余裕がある。まだ奴等の動きは定まっていない。とりあえず一個中隊を送る」
 江崎はまだテロ組織が動くまで時間が掛かると見ている。
 「もう帝國に影響は低いと見ていますか」
 大木有希少佐である。
 「帝國の経済的な部分への影響は低い。夏木さんが絡んでいる限りあまりその邪魔はしないだろう。だが、M40号の狙いは君ら親衛隊だ」
 「そうなのですか」
 「G市の件も新青森も君らが狙いだ。帝國を直接狙うことは避けている。M40号と木下優樹子元警視は仙石直人とは目的が違う」
 これまでのテロリスト仙石直人は帝國の首脳を狙っていた。M78号続橋亮は日本社会が狙いだった。帝國が及ぶ危険を先回りしただけである。
 それが仙石直人の矛先を変えてしまった。
 そしてM40号の狙いは親衛隊に絞られた。
 木下優樹子元警視は山人の出身である。大和民族憎しがテロの第一目的だが更に女を叩く事がその性癖にあった。
 それがM40号と二人手を組んで親衛隊に矛先が向いた。
 M40号は木下優樹子元警視の妹分と名乗る木下有紀乃を取り込んだ。
 「組織の目的と同時に私達も狙っているのですね」
 「そうだが。組織の目的というよりM40号の思い付き作戦だろう。完全に帝國から収益を奪おうとしている」
 江崎はなんとしてもM4号とM40号らを一掃したい。
 
 浜村修一は京葉線から内房線を乗り継いで姉ヶ崎ニューシティに向かっていた。
 これまでのプロジェクトが終ってR国での仕事に向けて夏木陽壱に面会に行くのである。
 もう暫く日本で仕事をしてR国に渡航する予定である。
 夏木陽壱は姉ヶ崎ニューシティの木更津寄り最上階のVIPルームにいた。
 「来週からだったね」
 「はい」
 「暫くはこの姉ヶ崎第五ミッドタウンの五階で要件の洗い出しを行ってもらう。川越からでは遠いが部屋を提供しようか」
 「御願いします」
 「当初のオフィスと住居は担当者を紹介する。ところで彼女は要らんか」
 「はっ」
 夏木陽壱がリモコンのスイッチでカーテンを引くとガラスの間仕切りの向こうに女が座っている。
 カーテンが開くと椅子から立ち上がる。
 上はカットソー一枚。下は膝上二十三センチのミニスカートでスタイルの良さと躰の線の柔らかさはよく分かる。
 滝沢沙緒里である。
 「いい女ですね。でも特定な彼女は要りません」
 「そうか。あまり男の邪魔をしない女だが、ちょっと理由が有って」
 夏木陽壱は滝沢沙緒里とのこれまでの経緯を話す。
 「ああ。あの警察官にストーカーされて、犯罪者に仕立て上げられ手配されていた」
 「そうだ。帝國の親衛隊のご協力でやっと開放された」
 「あの事件は犠牲者が婦人警官で彼女が犠牲に成らなくて良かったと思います」
 「その通りだよ。これまで私が匿っていたが普通の生活に戻したい。この子は若い男では駄目だ」
 「そうですか。心残りには成りますが私より力のある人が宜しいかと」
 「そうかそれならそうしよう」
 その後で担当者に引き合わされた。オフィスの場所、オンサイトで入るときに使う机、パソコン、タブレット、必要な資料がデータで渡された。
 浜村修一が三階のコンコースに降り袖ヶ浦の駅に向かおうとしたところに滝沢沙緒里が待っていた。
 「少しお話しません」
 怖いもの知らずの笑顔というか、まったく警戒心のないあっけらかんとした表情である。
 「いいけど」
 「私のお部屋に来ません」
 「いいのかい」
 浜村修一はあまりの警戒心のなさに唖然とした。断ったものの滝沢沙緒里を見送るのも惜しい気もする。
 高層階用のエレベーターホールに移動して49階に向かう。
 「よくSMクラブに行かれるのですか」
 一気に核心を突いてきた。だが指摘するような言い方ではない。
 「よくでもないけど。行かないこともない」
 「やっぱり。夏木と同じ臭いがする」
 滝沢沙緒里は浜村修一を虐める人と言いたいらしい。
 他に同乗者がいなかったのでエレベーターは直ぐに49階に着く。
 滝沢沙緒里の部屋からは東京湾を一望して三浦半島まで望める。
 「私。貴方を束縛しないよ」
 「SMクラブで遊んでも良いと言う意味か」
 「ううん。他の女の人抱いても怒らないよ」
 「だがな。君を囲えるほど俺に収入はない」
 「そんなの関係ない。夏木から貰ったこの部屋も手切れ金もこれまでのお手当ても、株も譲渡されたから配当収入も有るよ」
 「何が目的だ」
 「何にも。ただ構ってくれたらいいの」
 「何故。夏木さんと別れる」
 「パパに私は虐める対象じゃないし、私を構ってくれる時間がないのよ」
 夏木陽壱は滝沢沙緒里にこの先生活出来る手段を与えて自分よりは時間の取れる浜村修一に紹介したのである。
 「分からなくもないが」
 「あそんで」
 滝沢沙緒里は寂しさを訴えているのか。夏木陽壱は若い男では駄目だと言っていた。なんとなく状況は理解出来た。悪くはない。
 「まあ。それはともかく俺は再来月くらいからR国に行かねば成らない」
 「私も行くよ。あっちにもお部屋は在るから」
 「話し相手になればいいのか」
 「それだけじゃ駄目。満足できなくてもいいけど弄ってくれないと駄目」
 「何をしてもいいのか」
 「いいよう。ハードでなかったら」
 「あまり君にハードはしないだろう」
 「ふっふ」
 二十代半ばを過ぎた滝沢沙緒里が幼女のように無心に笑う。
 「お風呂入っていかない」
 「もう今日からいいのかい」
 「いいよーーー」
 既に滝沢沙緒里は躰をぴったり付けている。
 「脱がして」
 浜村修一は滝沢沙緒里を逃さなくて良かったと思った。滝沢沙緒里は女として当たりである。
 躰を抱き寄せ唇を奪う。そのままカットソーを肩から落とす。
 肩紐のないブラのフロントフォックを外す。
 巨乳ではないが滝沢沙緒里の体型からは充分に大きい乳房が開放される。
 触ると柔らかい肉の感触が心地よい。メロンパンの様に丸みがあり形も良い。乳輪は小さく乳首も僅かに突起している。色は薄紅である。
 僅かに腰を隠していたスカートを落とす。ストッキングは着けていない。
 僅かなシルクのショーツを丸めて下ろす。
 浜村修一は先に浴室に行くよう滝沢沙緒里を促す。だが、滝沢沙緒里は自分の着衣をソファーの片隅に集めて浜村修一の上着を受け取りハンガーに掛ける。
 絨毯に膝を揃えて座り浜村修一の脱いだ服をたたむ。
 浴槽は窓に隣接している。そこからも東京湾が一望出来る。
 湯船は二人ゆったり入れる広さである。中でも滝沢沙緒里は躰を寄せてくる。
 浜村修一も遠慮なく股間に手を伸ばす。
 滝沢沙緒里は浜村修一が伸ばした手を掴む。その手を引き寄せながら立ち上がって湯船の淵にお尻を乗せる。
 股間を大きく広げて僅かな黒い塊の下に隠れていた女の部分を目の前に晒す。
 翳りの下の縦筋はまったく突起が無い。ビラビラの部分に出っ張りが無く割れ目の中に細いビラビラが収まっている。
 浜村修一が遠慮なく広げると中は緋色と言うより薄橙である。斑にピンクが煩悶のように広がるのも美しい。尿道の亀裂は小さく良く見てそれと分かる。
 膣口は小さいながら複雑に絡んで閉じている。
 浜村修一はなかなかの絶品と感嘆した。
 「何故、君のような女が男をストーカーにしてしまった」
 「最初から一方的だったのよ」
 「上手に慣らせなかったの」
 「だって付き合い始めた訳じゃないもの」
 「最初からストーカー」
 「一方的にやって来て私が靡かないと怒り出したの。そして一方的に犯罪者に仕立てられたの」
 前原誠次元巡査部長の話になると滝沢沙緒里の柔らかさはこれまでと一変した。
 「至上最悪のストーカーだな」
 「うん」
 滝沢沙緒里はその言葉には明るく納得する。
 「ねえ。此処から出勤しない」
 「いや。部屋は貰った」
 「じゃ。そっちにいっていい。帰ってきたときは一緒に居たいの」
 「そうだな。俺の部屋よりこっちがロケーションいいから。仕事は下でやってこっちで寝るか」
 「うん」
 滝沢沙緒里は決して白雉でも天真爛漫でもない。上手に男をコントロールしているのである。
 浜村修一の年齢ではそれを充分悟る事が出来る。
 普通の女よりかなりエッチな事も確かである。
 既に滝沢沙緒里の躰は浜村修一の一物に被さり咥えている。
 浜村修一は思わぬ幸運と悦ぶのであった。
 
 日本近海。豊後水道に潜む潜水艦の中である。
 M40号湯野中瑞江とM39号木下有紀乃が会議スペースでテロ戦略を練っていた。
 「帝國の雌ねずみを誘き出すには帝國ニューシティの周辺を荒らすことです」
 「そうだけど。九州は日本の警察の警備厳重よ」
 「帝國の矛先をこっちに向けて親衛隊の雌ねずみを動かすには、人質交換までした内山莉那巡査部長をもう一度攫う事だと思います」
 「そうね。問題はその作戦」
 「はい。あいつは白バイ警官です。徹底的に道路を荒らしましょう」
 「そうしたら警戒が強化されるだけよ」
 「ですから一挙に摩周湖と同じ事をやります。日本の警察は婦人警官を一番危険なところには配備しません」
 「大勢を誘き寄せて、内山莉那巡査部長が一人手薄な通常任務に就くところを狙う訳ね」
 「そうです」
 「最初クローンに暴走させて、ロボット部隊で一気に行くか」
 「はい」
 潜水艦はそのまま地中の川に入って山人の部落に引き返した。
 地下三十階の桟橋に着く。他の基地と違って直接は入れない。摩周湖の地底にあった基地と同じ様に二回水門を潜る。
 桟橋からエレベーターで地下十階まで上がる。
 其処から装甲車で地底の道路を移動する。以前に大木少佐と南大尉が出口を案内された左右に荷捌きホームの在る四車線の道に出る。
 一つ上の階が中央司令室である。
 其処でM40号らは詳細な作戦会議に入る。
 九州の詳細な模型が大規模なジオラマの様に作られている。
 「巷で騒いでいるドローンよ」
 M40号がオスプレーを形取った小型の飛行物体を指す。
 「こんな玩具を何に」
 「玩具じゃないよ。巷に売っている物とは大違いよ。速度も性能も。そして超小型の爆弾を積めるよ」
 「それで白バイとパトを爆撃しますか」
 「それだけじゃない。警察のヘリに突っ込ませる」
 「それは盲点ですね」
 「巷のドローンと違って時速五百キロは出るよ」
 「問題は婦警を何人も生け捕る方法です」
 「あいつ一人じゃないの」
 「沢山生け捕りにして凄惨な刺青比べをやります。帝國を煽って親衛隊に何らかの行動に出させる以外ありません」
 
 長崎自動車道と323をミニオスプレイが飛ぶ。白バイを探す索敵である。
 六台のトレーラーが長崎自動車道を分散して進む。
 一台のトレーラーが路肩に寄せて止まる。
 後ろの扉が開いて中からレールが出て来る。それを滑ってオートバイが道路に下りる。二十台くらい積まれている。
 直ぐにターンして前方に走り去る。バイクは嵯峨大和インターから一度263に出る。川を挟んで走る323に入る。
 走るバイク集団の先には一台の白バイが確認される。
 暴走するバイクの集団と判って白バイも無線で交信しながら速度を上げる。バイクの集団には七ミリ機関銃が装備されている。
 白バイに乗っているのは婦人警官である。目標の内山莉那巡査部長では無い。
 婦人警官は暴走族と思っている。
 富士しゃくなげ湖の横のカーブを曲がって直線に入る。そこで一台が機銃掃射を浴びせる。白バイは転倒してガソリンタンクが炎上する。
 婦警はヘルメットを飛ばして路肩に投げ出される。
 既に即死である。
 バイクの集団はそのまま唐津方向に走る。
 反対方向から応援のパトカーが来る。バイク数台が機銃掃射する。
 応援のパトカー、白バイが集まって来る。
 銃撃戦に成るが機関銃と拳銃では勝負にならない。パトカーも炎上して警官も機銃弾を食らって即死である。
 警察ヘリが出動して来る。既にテロ組織の行動と認識して警戒態勢に入っている。
 警察ヘリにドローンサイズのオスプレイが向かう。小型でも超高性能爆弾を積んでいる。一気に警察ヘリに突っ込む。
 窓を破って突入して機内で自爆する。
 警察ヘリも空中分解である。
 警察はバイクの行く前方唐津の手前で323を封鎖する。後方も嵯峨大和インターの手前で封鎖する。自衛隊にも出動要請が出る。
 逆に以前の内山莉那巡査部長を拉致された教訓から婦人警官らには署に帰るよう指令が出された。
 これはM39号木下有紀乃の思い通りである。
 テロ組織のバイク部隊は一気に爆走する。
 自衛隊ヘリ二機が追尾に入る。
 またドローンサイズのオスプレイが低空から一気に上昇する。
 自衛隊ヘリの窓の横にドローンサイズのオスプレイが現れる。
 自衛隊ヘリは警察ヘリが撃墜されたので回避行動を取る。窓から機銃で迎撃するがドローンサイズのオスプレイは窓から突っ込む。
 二機とも逃れられず空中分解する。
 バイクの集団は下無津呂のT字路に県道39号の橋でバリケードを構える警察隊に一斉射を浴びせて323を爆走し続ける。
 警察は既に唐津に向かっていると推測している。
 バイクの集団二陣が下無津呂のT字路に差し掛かる。怪我人と死体に対応する最中の警察部隊にさらに機銃掃射を浴びせる。
 警察は九州管区警察局の指令で嵯峨県警、福岡県警合同で202号を封鎖する。嵯峨県警が202号の唐津方向へのバリケードを張る。
 自衛隊の応援を要請して何段階にも封鎖する。
 福岡県警は福岡方向への侵入を防ぐ。
 続いてバイクの三陣が下無津呂のT字路に来る。さすがに今度はバイクの走行音を確認してジュラルミンの盾を構えている。
 だが、バイク部隊の機関銃はジュラルミンの盾を貫通する。防弾チョッキもまったく役に立たない。
 殉職者の山を築くだけである。
 自衛隊ヘリも二機被害を出したので離れた高空からバイク部隊の位置だけを追っている。
 ドローンサイズのオスプレイがバイク部隊に先行して202号の唐津方向を封鎖するバリケードに向かう。
 既にジュラルミンの盾を貫通されている。道路は装甲車で封鎖して警官隊は土嚢を積んでその後ろにジュラルミンの盾を構える。
 ドローンサイズのオスプレイが速度を上げて装甲車に向かう。
 その頃、状況判断により航空自衛隊新田原基地からF15が出撃する。
 装甲車は機関銃で銃撃するが飛ぶハエを撃つようなものである。
 ドローンサイズのオスプレイの一陣は装甲車に高性能の火炎弾を落とす。僅かな大きさで装甲車を火で包む。
 続いて二陣が小型爆弾を落とす。
 土嚢の後ろに構える警官隊は装甲車の自衛隊員の救助に出たいが、バイクの一陣が近付いているので動けない。
 二段目、三段目にバリケードを構える自衛隊の装甲車。これにも別のドローンサイズのオスプレイが火炎弾を落として二陣が爆弾を落とす。
 殆ど同時に三段階に構築されたバリケードは炎上する。
 さらに土嚢の後ろに待機する警官隊の後ろからボックスタイプのドローンもどきが三機ずつ来襲する。今度は催涙弾を落とす。
 そのドサクサにバイクの集団がバリケードをジャンプで通過する。
 
 警察と自衛隊が唐津に向かうバイクの集団に掛っている間に別のドローンサイズオスプレイの編隊が行動する。
 超低空で接近して警察署三箇所と市役所三箇所を来襲する。
 僅かな大きさの火炎弾が鉄筋の建物の屋上を突き破る。建物の屋根を破った火炎弾で大火災を起す。
 煙の充満が早い。職員らは一挙に退避する。
 警察署内は大半が応援に駆りだされ事務職員と婦人警官ばかりであった。
 内山莉那巡査部長も中に居た。
 警報が鳴響く。非常階段と階段に殺到する。
 「火の回りが速い。非常階段よ急いで」
 内山莉那巡査部長は非常階段を下りて白バイに突進する。
 次の編隊が来襲する。五十機近い。
 外に退避した警察官職員らに催涙弾がばら撒かれる。警察署一帯が催涙ガスの幕に包まれる。
 内山莉那巡査部長も白バイごと倒れてしまう。
 佐賀県警と福岡県警に超低空で接近したヘリが降りる。婦人警官らを数人収容して海上に向かう。そのまま海中で待機していた潜水艦に収容する。
 内山莉那巡査部長も収容された。
 完全に不意を突いた作業である。
 逆に留置所から出された逮捕者も催涙弾でやられて逃げたものは居なかった。
 
 バリケードを通過して唐津に向かうバイクの集団にF15が機銃照射する。
 バイクの集団は一気に殲滅される。銃弾を受けるとバイクは一台ずつ自爆する。
 殲滅後に総てがロボット部隊と判る。
 警察と自衛隊の殉職者は二百人を越えた。重軽傷者七十二名である。
 そしてその間に佐賀県警と福岡県警で婦人警官が二十四名拉致された。
 さらに市役所と警察署計六箇所が焼かれた。こちらも死者十二名、重軽傷者は四十二名に登った。
 自爆したバイクと乗っていたロボットの破片は粉々で検証すら難しい。これまでも検証して出所を捜査しても何も掴めなかった。
 警察の甚大な被害に比べてテロ組織はロボットとバイクなどの犠牲だけである。そして僅かな時間に安全を考えて署内に待機させた婦人警官を浚ってしまった。
 対向車などの証言からトレーラーからバイクが発進したことが解ってトレーラーの行方を追跡したが何も掴めなかった。
 
 一方婦警らを拉致したヘリを収容した怪潜水艦は、海底に着低して基地と交信していた。
 M40号らはこれまでの状況を基地の地底から終始ドローンサイズのオスプレイ等のカメラから送られる映像で確認している。
 「ヘリが運んできたのは全部で二十四人です」
 「比較的スタイルが良くて美形なのを四人だけ選んで」
 艦長は考え込む表情になる。
 「悩まなくていいわ。全部裸にひん剥いてスタイルの悪いのから跳ねていけばいいよ。どうせアイドルグループだって大方が二戦級以下よ」
 艦長は昇進したばかりである。M40号にはびくびくしている。
 「解りました。残りはどうします」
 「魚雷型の棺桶に詰めて海に放出して」
 「跡が付きませんか」
 「関係ないよ。もともと堂々と浚ったんだから」
 「解りました。何処に捨てます」
 「駿河湾から日向灘に続く南海トラフの陸棚に捨てて」
 水深4000メートルからの海溝の手前に捨てて引揚捜査に時間を掛けて貰おうとの目論見である。
 潜水艦は豊後水道の海中から太平洋に向かう。
 婦警らは催涙ガスで眠ったままで一人ずつ鉄格子に入れられている。
 ロボット四体が婦警らを一人ずつ引っ張り出して全裸にひん剥く。以前に西山警視に拷問したロボットと同じものである。
 (第十四章 新たなる大東亜共栄圏 参照)
 ロボットが作業を終らすと艦長と航海長が鉄格子の外から一人ずつ検分する。まだ一人も眠りから覚めてない。
 内山莉那巡査部長のほか三名が残された。残りは注射で安楽死させる。魚雷型の棺桶に入れられて艦尾の発射菅から射出された。
 
 帝國が建てた唐津ニューシティ。その唐津城寄りの最上階である。
 室内に有る半露天風呂。屋上に突き出したドームが開くと露天になる。
 既に江崎らは移動していた。
 モニターは日本のニュース番組である。高層階の窓からも一部状況は確認出来た。
 「最初から囮だったのですね」
 窪田直子特務中尉である。
 「テロ組織は何を交渉してくるのでしょう」
 「こっちに交換する駒は無いよ」
 大木少佐は取引など成立しないと考えている。
 近衛部隊第四中隊は空母有明に乗艦して北九州の近海に居る。
 そこに江崎から指令が届いた。豊後水道を小型潜航艇で怪潜水艦の出入り口を突き止めよとの指令である。
 十二万トンの有明には小型潜航艇が四艇搭載されている。
 安保法制で揺れる日本。そこにテロ組織対策の自衛隊出動である。警察だけでは既に対応出来ない。自衛の為の出動と変わらない。
 「テロ組織は自衛隊の戦闘機まで出て来ると予期していたのでしょうか」
 「殲滅される可能性は元より幾通りか考えられていたと思う。最初から囮だったのです。資材以外の損害はゼロです」
 窪田直子特務中尉の見解である。
 「最初から婦警拉致が目的ですか」
 相川紗季少尉の一番気に成る部分である。
 「安保法制と自衛隊を引き出すことは何も関係ないですか」
 三河典子極東会長の代行で出ている優木麻緒美大尉の質問である。
 「元より無いでしょう。安保法制も日本国民が騒ぐ様な問題はありません。幾つもの利害が重なって大きな問題にされてしまっているだけです」
 「日本が戦争に進む事はないと」
 「極論過ぎます。反対運動は安田総理の計算に入っています。反対運動がまったく起きなくても困るのです」
 「何故ですか。すんなり安保法制が通るではありませんか」
 「いいですか。もし九条を変えたらアメリカはもっと格段の協力を日本国に要求します」
 「安田総理はそうしたいのではないですか」
 「九条を改正するような態度を匂わせて実は憲法解釈で安易に済ませる。僅かに自衛隊に後方支援させるだけでアメリカを中国の盾にしたいのです」
 「それで国民に納得の得られる説明が出来ないのですね」
 「そうです。そして経済進出にもっと国力をつぎ込みたいのです」
 「今回自衛隊機がある程度役割を果たしました。これまでは総て粉砕されています。テロ組織は日本が亜細亜に経済進出を進めるのを抑止したいのでは」
 「安保法制に絡んではいない。単に囮だからでしょう。本当に邪魔なら自衛隊基地に潜水艦からミサイルを叩き込んでからやるでしょう」
 「今回だけ自衛隊機が威力を発揮できたと言う事ですね」
 「そうだ。所詮旧型のF15だ。それよりドローンではない。以前からテロ組織も使っていた小型無人偵察機だが、問題は超小型火炎弾の威力だ」
 「確かに自衛隊ヘリも粉々に空中分解していました」
 「武器の開発が一段と進んだようだ」
 
 その頃、江崎の依頼を受けて帝國第三機動部隊の空母四隻が豊後水道付近に向かっていた。テロ組織の海中に在ると考えられる進入口を探るためである。
 既に現地で作戦行動に入っている旗艦有明の援軍となる。近衛部隊三個中隊が任務にあたる。
 テロ組織が九州の地底に在る基地から開通させた地中の坑道。江崎の命令はその出口を確認するだけである。
 テロ組織の潜水艦は拉致した婦警二十人の遺棄に手間取った。この潜水艦が再び豊後水道に入るまでに近衛部隊の小型潜航艇の配備は完了した。
 近衛部隊指令相老大佐と参謀長敷島少佐は十五戦隊の天城に乗艦して来た。ここで司令部を第三機動部隊旗艦有明に移す。
 小型潜航艇は空母五隻合わせて全部で十四隻。三個中隊が交代で稼動する。
 艦載機は五百二十機、ヘリも十四機積んでいるがこちらは使わない。
 江崎の指示はあくまで隠密裏に行なえである。艦隊は総て海中待機する。
 例え山人の部落でありテロ組織の大型基地である九州の地底への入り口が解明されても日本に情報提供はしない。
 機動部隊は日本の領海ぎりぎりの海中に待機する。小型潜航艇七隻だけが豊後水道に展開した。
 怪潜のスクリュー音はある程度特定されている。
 小型潜航艇は海底近くに無音潜航して待機する。もとより航行の機械音は静かである。水中翼だけで海流に乗ることも出来る。
 海中で待機する山桜大尉の艇に第五中隊の伴中尉の艇が近付く。
 山桜大尉はエンジンを動かさず翼を振って上昇する。そのまま海底すれすれに翼を使って海流に乗り帰途に着く。
 やがて伴中尉は怪潜と思しきスクリュー音を確認する。
 一度静かに震度三十メートルまで上昇する。海上にアンテナを出す。
 潜望鏡深度で待機する旗艦有明に状況を報告する。
 戻ってきた第八中隊と交代して第七中隊が怪潜の予測される進路に展開する。
 伴中尉もスクリュー音の進路を想定してスクリュー音の行き先に先行する。
 怪潜の艦長は成り立ての未熟である。マニュアルの通り航行して開通した地中のトンネルの入口に向かう。
 伴中尉の艇が潜む上を通過して近衛部隊第七中隊の見張る真っ只中を深度をぎりぎりまで下げて海底を微速で航行する。
 艦底には三本のアンテナを出している。速度を落として海底を探っている。
 海底に出来た割れ目の上に到達して割目の中に震度を下げる。
 帆足少尉の艇が怪潜に遅れて割目に静かに近付く。
 怪潜は微量の音波を出して海底を探っている。帆足少尉は上から探照灯を照らしてその姿を確認する。
 怪潜は小型の探知機で割目の前方に開いた洞窟に侵入する。
 小型艇は割目の中に震度を下げ探照灯を照らしてその姿を確認する。
 
 海賊放送は始まった。
 能面のアナウンサーが登場する。能面は小面である。
 画面に出された婦警は四人。
 「福岡県警と佐賀県警にお知らせいたします。残る二十名の婦人警官は此処に出す価値はありません」
 声は木下有紀乃であるがまだ声紋などは収集されていなかった。
 「既に駿河湾から日向灘に続く南海トラフの陸棚に捨てました。ごゆっくり捜索して下さい。両県警のご検討を祈ります」
 木下有紀乃の嘲るような台詞である。
 福岡県警と佐賀県警は婦警二十名深海遺棄に震撼した。直ぐに大掛かりな捜索が開始される。
 「これは日本と帝國に抹消された木下警視の報復です。残る四名の日本婦警の次は帝國の大木少佐、窪田中尉、相川少尉です」
 だが、海賊放送もどうなるか。こちらもまだ生存している婦警が四人拷問に掛けられる。いまそれが始まろうとしている。
 「階級の順に拷問してまいります。副田彩乃巡査長からです」
 ロボット二体が両側から副田彩乃巡査長の腋の下を抱えて来る。その先にはリングが設えてある。
 以前の西山警視に拷問したロボットとそのリングである。
 「命までは取りません。拷問をお受けいただいた後は刺青婦警としてお返し致します」
 木下有紀乃は小面の下は和服姿である。
 副田彩乃巡査長は獰猛な表情でカメラを睨み付けている。潜水艦の中で剥かれて既に全裸である。
 「副田彩乃巡査長はやさしい表情を作ればイメージが変わり可愛らしさもあります。婦人警官という職業が獰猛な表情に女を変えるのです」
 木下有紀乃の解説は副田彩乃巡査長の容姿を充分に表現している。
 ロボットは副田彩乃巡査長をリングに投げ込み自らもリングに上がる。リングの上で同じ様に腋を持ち上げる。
 副田彩乃巡査長の腕はほとんど使えない。腋を掴むロボットの腕の後ろに回されている。
 木下有紀乃も和服姿でリングに上がる。和服の前が割れて白い湯文字も割れて綺麗な脚が太腿まで露になる。
 副田彩乃巡査長の脚と比べてもそれ以上に綺麗である。
 黒装束で覆面のスタッフが鞭をリングに載せる。
 木下有紀乃は膝を着いて拾う。
 「フロント面に刺青するからあまり汚せないわね。刺青から外れるところを叩いてあげる」
 木下有紀乃の言葉には残忍さが込められている。
 「誰だよ。あんた」
 副田彩乃巡査長はまだ虚勢を張っている。
 「木下優樹子元警視の妹よ」
 名乗ると同時に一本鞭の先端が乳首を直撃する。
 「ぐ・・・」
 間髪を措かず反対の乳首の先端を斜めに掠める。
 「うぐ・・・・・」
 強気の副田彩乃巡査長でも痛みに声が漏れる。
 「乳首には刺青は入らないからね。でも、刺青が入らなくてもっと痛いところを責めてあげる」
 「うぬ」
 副田彩乃巡査長にもそれがどこだか解る。
 「開いて」
 ロボットは片腕で腋を持ったままもう片腕で左右から脚を広げる。
 「ああーー」
 「世界中のブラウザの前でご開帳ね」
 本来なら海賊放送は国、警察の力で停止される筈である。だが、どこでも視聴が出来る。
 それはテロ組織の資金規模が膨大だからである。
 また停止しない国もある。
 経由するサーバーが膨大、かつユーザーによってアクセスする対象がばらばらで幾通りも存在する。
 一斉メールで全世界にURLがばら撒かれる。またはレンタルサーバー上のサイトが突然変貌する。
 世界中にばら撒かれたテロ組織のサーバーとレンタルサーバーを何段階も経由して接続される。
 視聴を禁止しても接続者は膨大である。
 接続者を何人か見せしめに逮捕する手が考えられるがテロ組織は逮捕した警察官に報復する。既に警察官の生命が多く失われている。
 視聴は個人の良心に任せるしかない現状である。
 「畜生。殺せーー」
 副田彩乃巡査長はわなわな怒りに震える。
 「女を緋色の中まで御開帳だよ。死んでも羞恥は残るよ」
 ロボットがもう一体リングに上がる。
 副田彩乃巡査長が股間を広げられた真下に来る。
 アナルが斜め外を向いている。縦に閉じた女の部分の唇がやや突起している。ビラビラにはやや存在感がある。
 ロボットの手はそれを押さえて広げる。断層になったピンクの部分が剥き出しになる。尿道の小さな亀裂もくっきり見える。
 「ああーーーーーーーーーーーーーー」
 強気な婦人警官と雖も女の一番恥かしい部分である。悲鳴を上げてしまう。
 海賊放送である。これまでの被害者同様に自分も女の奥を最期まで公開されてしまった。
 副田彩乃巡査長のもとより紅の濃い顔は既に土色である。
 木下有紀乃が振り被った一本鞭の先端は正確にピンクの粘膜の中心に覗く僅かな亀裂付近を直撃する。
 「・・・・・」
 副田彩乃巡査長の躰はロボットの腕の上で震撼する。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーーーーー。があはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 叩かれた一瞬間の後、強烈な痛みが染み渡る。
 「ぐぐうううーーーーーーーーーーー。ぐううーーーーーーーーーーーーーーー。ぐっぐうーーーーーーーーーーーーー」
 副田彩乃巡査長は苦しみ喚き躰を硬くして強く藻掻く。
 それでも木下有紀乃はもう一度振り被る。
 「ああーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーーーーーーーー」
 それを見て副田彩乃巡査長は泣き叫ぶ。
 小面の中の表情は解らない。見る角度によって表情が変わる小面である。木下有紀乃の鞭は正確にその先端が尿道の亀裂と膣口の間を叩く。
 「・・・・・」
 副田彩乃巡査長の表情は瞬時に破裂している。躰は反動でロボットの腕の上で暴れる。
 「うぐぐぐううーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 次の瞬間これ以上なく歪んだ表情で唸り声を搾り出す。
 「ぐう、うう、うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 副田彩乃巡査長の苦しみの表情と小面の無表情があまりにも対象的である。
 「ふふ。そこを虐める方法は鞭だけじゃないよ。女は終了してもらうからね」
 小面の奥に木下有紀乃は限りなく怖いオーラを放っている。
 「・・・・」
 副田彩乃巡査長は恐ろしさに声が出ない。
 「最後の仕上げはあれよ」
 木下有紀乃が指差す先には刺青プリンターが置かれている。
 寝台に躰を寝かせて磔にする。側面のレールを移動するコの字の枠にぶら下がったインジケーターが人体に刺青をする。
 「え・・」
 「刺青プリンターよ」
 「ああ」
 「図柄はあれよ。フロント側に刺青してあげる」
 指差す先には緞帳に頭を幾つも持つイグアナが描かれている。これをこのまま女のフロント面に刺青されるのである。
 「なに・・」
 副田彩乃巡査長の表情は恐怖なのか絶望なのか既に怒りの表情ではない。
 「その前に女を終了する拷問ね」
 「・・・・・・・・・・・・」
 副田彩乃巡査長は驚愕の表情になる。
 「でも命は取らないよ。貴方の同僚二十人は死んだよ。残っているのは四人だけ。帝國と取引する人質には充分よ」
 「なんと」
 何故、自分らが帝國とテロ組織の取引の材料にされるのか生きて帰っても悲惨な姿である。二十四人浚って四人だけとはまったく理解が行かない。
 何のために拷問して刺青するのか社会を騒がすためか、この女の趣味なのか、副田彩乃巡査長の脳裏を不安と共に試行錯誤が駆け巡る。
 「もっと辱めないと駄目よ。逝き顔とかお漏らしも公開して」
 M40号がリングサイドに近付き木下有紀乃に要求する。
 「判りました」
 木下有紀乃は電マを手にする。
 「その前にもう少し貴方自身を世界のブラウザに晒してもらうわ」
 「やめろーーー」
 怒りに叫ぶ。だが、女の躰の敏感な部分を器具で責められて平常を保つことは不可能である。抵抗しても躰は反応してしまう。
 「好きなだけ吼えれば。これでクリ責めて反応しない人は居ないよ」
 木下有紀乃は電マを翳す。
 副田彩乃巡査長の躰は怒りにわなわな震える。
 意地で絶え続けても長時間イクことを抑えるのは不可能である。
 木下有紀乃は電マを副田彩乃巡査長のクリに一瞬軽く当てる。
 「ああーーーーーーーー」
 また当てる。
 「ああーーーーーーーーーーーーん」
 「ふふ。いい反応ね」
 今度はしっかり充てる。
 「ううーーーーーーーーーーーー」
 副田彩乃巡査長は躰を捩って抵抗する。ロボットの強力な押さえで首から上と腰が少し動くだけである。
 「ううぐうーーーーーーーーーーーー。ううううーーーーーーーーーーーー」
 腰は右に捩り左に捩り追い詰める電マから逃れんと藻掻く。
 木下有紀乃は電マを強く押し付けず敏感な部分に微妙な刺激を与える。
 副田彩乃巡査長は瀕死の表情で責めから逃れんと藻掻き続ける。
 いくら足掻いても木下有紀乃の掴む電マは敏感な部分を追いかけて行く。
 電マの刺激は女の躰をとことん蹂躙する。
 「やめてーーーーーーーーーー。だめーーーーーーーーーーーー」
 副田彩乃巡査長は尿が漏れ出すのを堪えている。
 木下有紀乃はそれを狙っている。
 核心の位置に電マは密着する。
 「あわああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーー。あわあーーーーーーーーーーーー」
 副田彩乃巡査長は刺激にまったく抵抗できない。だが、此処で尿を漏らすはあってはならない。
 首を右に左に振って腰を引いて抵抗する。
 「ああーーーー。ああーーーーーーー。あーーーーーーーーーーー」
 目を瞑り首を曲げて今の態勢では隠せない逝き顔を隠そうと藻掻く。何とか尿が飛び出すのを抑えたい。
 瀕死に逃れようと藻掻き足掻く。
 「ああん。ああん。だめーーー。ああん。ああん」
 声は切羽詰まっている。されど抵抗する。
 だが、その抵抗は一分と持たなかった。木下有紀乃が握る電マの間から飛沫が飛び散る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 もう一度飛び散る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 断末魔のサイレンのような声と一緒に吹き上げる。
 「ああーーー。ああーーーー。ああーーーーーーーー」
 最早官能を抑えられない。イッてしまっても直ぐまた上り詰める。婦人警官が逝き顔の醜態を晒し続けてしまった。
 M40号の期待通りである。
 「あと浣腸もして」
 M40号が下から指示する。
 「判りました」
 スタッフが直径十センチはある浣腸器をリングに載せる。バケツに入ったグリセリンも置かれる。
 木下有紀乃が太い浣腸器でバケツのグリセリンを吸い上げる。その姿に副田彩乃巡査長は怯える。
 逝き顔のうえ失禁させられた。そしてとうとう大きい方の排泄まで公開されてしまう。
 副田彩乃巡査長は拉致されて潜水艦に乗せられた。そこで眠らされた。
 此処が何処なのか潜水艦の中とは思えない。北海道で弟子屈の地下にある基地を帝國が発見した。同じものが九州にも在るのではないか。
 潜水艦で運ばれたのだから九州ではないかもしれない。
 どうであれ刺青されて生きて帰されるならせめて基地を暴いてこの連中を逮捕したい。
 浣腸器がアナルに挿入される。
 拉致されてから便をしていない。限りなく臭く固まった便が出るに違いない。恥かしさにこの先もう誰とも顔を合わせられない。
 覆面のスタッフの手で副田彩乃巡査長のお尻の下に透明で大きなボールが置かれる。これに便が落ちれば全部その形がブラウザに公開されてしまう。
 木下有紀乃は態と五百CCで止める。
 そのままアナル栓を押し込む。
 長時間苦しめて足りなければ追加すればよい。容を壊さないで出させて羞恥を深くしたいのである。
 地底でそれほど暖房は効いていない。全裸の副田彩乃巡査長の躰は冷えている。直ぐに腹は痛み出す。
 苦痛に顔を歪め呻き声を搾り出す。
 「取ってほしい」
 木下有紀乃が副田彩乃巡査長に囁く。
 「ううーーーーーーーーーーー」
 副田彩乃巡査長は断末摩の表情である。
 腹の苦しみは増して行くばかりである。排泄しない限りこの傷みから逃れられない。それはどうにも堪えられない羞恥である。
 もうじき逃れられない羞恥の破滅が来る。今の態勢ではアナルから飛び出すところが動画に放映されてしまう。
 木下有紀乃はゆっくりアナル栓を抜き取る。
 「ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 栓が抜かれると一瞬間アナルは萎んだ姿を見せる。次の瞬間大きく膨らみ便が飛び出す。繋がったまま一気に流れ出す。
 副田彩乃巡査長は放心して自失状態に近い。覆面の男性スタッフが便をカメラにアップして副田彩乃巡査長のお尻を拭き周りを片付ける。
 「貴方の拷問はこれからよ。しっかり女を終了させるから」
 暫く放心状態だった副田彩乃巡査長に木下有紀乃が宣告する。
 「やめろーーーーー」
 副田彩乃巡査長は恐怖に藻掻くがロボットの押さえに躰は殆ど動かない。
 「クリを剥いて」
 予め命令される予定の作業がロボットにはインプットされている。言葉を判読してその通りの作業を行う。
 股の下に潜ったロボットが指先でクリを剥く。
 木下有紀乃はリングの端まで下がって吹き矢を構える。さすがに小面の面は取る。
 一発目は尿道の下に刺さる。
 「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 スタッフがリングに上がって吹き矢を抜く。
 副田彩乃巡査長は荒い息で躰は震えている。抜いたところから血が玉になる。それが流れ落ちる。
 顔は傷みに引き攣っている。
 ロボットの指はクリトリスを剥いたままである。
 二発目はクリトリスの真下に刺さる。
 「ああ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 敏感な粘膜に直撃である。副田彩乃巡査長の顔は般若が崩れるまで歪む。
 強烈な傷みにそれが絞るように歪み崩れる。
 「ぐうあ、あ、あーーーーーーーーーーー。があーーーーーーーーーーーーーー」
 傷みに躰は藻掻くがロボットの押えは強い。
 震え藻掻く副田彩乃巡査長に木下有紀乃は四発目を飛ばす。
 クリトリスの真上ドテの斜面が二つに割れる辺りに刺さる。
 「おーーーーーーーーーーー」
 最初の二発より痛みは軽微である。
 「剃毛した方が良さそうね」
 後ろで見ていたM40号がスタッフを促す。
 木下有紀乃は面を外したまま振り返ってリングを降りる。
 木下優樹子元警視と瓜二つの顔を海賊放送に公開する。和服の裾を大きく中の湯文字ともに割ってまた美脚を付け根まで公開する。
 
 浜村修一はR国に渡る前に唐津の調査ヒヤリングを行っていた。夏木陽壱の呼び出しで薩摩川内市から山に入った温泉宿に来ていた。
 山人が経営する旅館である。
 泊まる部屋ではなく窓から下が渓流になった小部屋である。
 席に湯野中が来ていた。
 会席料理がお品書きに従って運ばれる。旅館の従来の料理とは別の物である。特別に料理人が呼ばれ特注の器が使われている。
 湯野中が特別な客である事を物語っている。
 「貴方は報酬が少なくとも世の中の為ならお働きいただけるかな」
 湯野中の言葉は含み笑いを持っている。
 「平にお断り申し上げます」
 浜村修一は真っ平と言うのをやや言葉を丁寧に加工している。
 「うん」
 湯野中は笑って二人にビールを注ぐ。キリンのクラシックラガーである。湯野中は日本酒を冷で飲んでいる。
 「それでは犯罪と承知のお仕事はどうかの」
 「それも御引き受け致しかねます」
 「ふふ。それでは社会的に良い評価は受けなくとも金が儲かり収入も良く法律には触れない仕事はどうかな」
 「それがしがお引き受けいたします」
 「これから話すことは帝國と娼国は承知の事だ。国際社会は何も知らない」
 湯野中の口調は限りなく重みを感じさせる。
 「この先、君には総ての事情を知ってもらわなければならない。R国全部と娼国、帝國、そして国際社会の裏の資本まで関わる」
 夏木陽壱が横から事情を補足する。
 浜村修一は帝國、娼国が承知の事と聞いて、何であれ自分がそれに反発する事ではないと自答する。
 「R国には国際社会が知らない地図に無い境界線が有る。南は娼国の実質支配下。北は俺の実質支配下にある」
 「・・」
 浜村修一はさすがに驚きの声をあげそうになるが抑えた。
 「いま中東ではなく極東で時々世間を騒がすテロは北側の軍と警察を統括する機関の配下にある」
 「そうですか」
 少し驚きは和らいでいる。既に態度は定まった様である。
 「湯野中さんの資本はR国北側だけではない。亜細亜全体とくに日本に忍び草の様に浸透している。私もその一つだ。だが、私の配下は一部を除いて何も知らない」
 「そうしますとR国の政府はどういう立場なのでしょう。国王が存在しないのに首相というのも何か不自然ですが」
 「総てが不自然かもしれないな」
 「・・・」
 「北と南の議席は五十対五十。実質は娼国と私の話し合いで決まる。元々仁川前首席の直下にあった。今の村上首相は双方合意の傀儡だ」
 「仁川首席の時代に南北は無かったのですか」
 「ない」
 「それで今の娼国とテロの関係は」
 「娼国はもう関わりが無い。奴等は足を洗ってわしらを北に追いやった」
 「娼国はともかく帝國は総てを知ってかつ被害を出しながらその本体は黙認するのですか」
 「浜村さんもう少し考えて。湯野中さんは仁川主席の時代から一部引き継いだものとご自身で大きくした資本が亜細亜とくに日本に浸透しています」
 「それは帝國並みとか」
 「いいえ。表面に出ているだけで娼国の九割。裏の資本はそれより大きいです」
 「それではもし国際社会が裁こうとすれば大規模な世界恐慌。更に亜細亜は経済的瓦礫の山ですね」
 「左様」
 「帝國は懸命な考え方をしますが、現代社会の真っ直ぐ過ぎる理想主義者はそれでもR国を叩きますね」
 「浜村氏は夏木の見込んだ通りの人ですな」
 湯野中は深く納得している。
 「私の役割はサプライチェーンマネジメントを整備して、日本を始め亜細亜から収益を吸い上げる仕組みを整備することですね」
 「そうだ」
 「ところで夏木よ。浜村氏のギャラはどう見ている」
 「プロジェクトの費用を入れないで個人のギャラとして、一プロジェクトに付き十億」
 「・・・・・・・・・・」
 浜村修一は瞬間不動の姿勢になる。
 「当初日本での月二百万は別途です。税金の関係が有りますから」
 夏木陽壱は浜村の方を向いてこれまでの分に関して説明を加える。
 「そうか。それだけの価値はある。結果によってはわしの方からも報奨金を考えよう」
 「ありがとうございます」
 浜村修一はやっと我に返って礼を述べる。
 「最近の奴等は金儲けという本来の目的をさて置いて理想ばかり言う」
 「その理想は限りなく経済を腐らせます。そんな国から資本を空洞化して帝國、娼国、R国に資本を集めるべきです」
 「うむ」
 「私の考え方は途上国に所得を行き渡らせて資本は持たせないことです。所得が底辺に行き渡れば資本が持てなくても革命など起きません」
 「その通りだ」
 「そうですね。革命やアラブのテロはその根本に貧困がある。一市民としてそれなりの文化生活が出来れば命を懸けて権力と戦う者は僅かです」
 夏木陽壱も同意を示す。
 「問題はR国北側に大きく吸い上げる方法です」
 「そんな事は考えなくて良い。また考えてはならん。あくまで帝國を表面に出すのだ。表の収益は帝國、娼国、R国に自然に流れて良い」
 「裏の利益は総てR国北に流れるのです。表は等分か三番目でも良いのですよ」
 ここも夏木陽壱が補足する。
 「解りました」
 浜村修一は充分に事態を理解した。
 
 海賊放送のステージはスタッフによる剃毛が終わって木下有紀乃が再び和服から太腿を露にステージに上がる。
 夏木陽壱は超薄型のパソコンから状況を確認して壁に映像を反射する。
 「綺麗になったわね」
 木下有紀乃は副田彩乃巡査長のドテを撫でる。
 副田彩乃巡査長は怒りに無言で睨み返す。
 「それじゃクリを血塗れにしてあげましょう」
 「やめろーーーー」
 大切なクリを潰される瀬戸際である。無駄と解っていても叫ぶ。
 ロボットが下から手を伸ばして女の部分のビラビラを広げる。ピンクの部分が露になりその頂点に僅かにクリがその姿を現す。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 副田彩乃巡査長は暴れんと藻掻くがロボットの押えは厳重に固い。
 木下有紀乃はロープまで下がって吹き矢を構える。
 一発目は逸れてドテの丘を掠めるように刺さる。
 「ああーーーーーーーーーーーー」
 皮膚から血が滲み玉に成ってそれが流れる。
 次は広がったピンクの部分。尿道の亀裂の横に刺さる。
 「あ、あーーーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 傷みに強い力で抑えられていても躰は微妙に震える。
 次は尿道の亀裂に直撃する。
 「・・・・・・・」
 副田彩乃巡査長の躰は力の篭った固い動きで揺れる。
 「ぐうあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐううああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 衝撃の次に襲ってくる強烈かつ繊細な傷みに腹の底から声を絞り出した悲鳴である。
 「ぐうーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐぐ、ぐおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 相当に痛いようである。
 微妙な躰の足掻きで刺さった吹き矢は一本ずつ順に落ちる。血が浮き出て流れる。
 「次は当てるよ」
 なんと木下有紀乃は態と外して遊んでいたのである。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー」
 副田彩乃巡査長の悲鳴に吸い寄せられるように今までより強い威力で吹き矢はクリトリスの僅かな膨らみに突き刺さる。
 「お、お、おお、おお、おーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 副田彩乃巡査長の躰は痛みから足掻いて右に左に強い力でロボットに逆らうように微動する。
 「あ、お、おーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーー」
 腹の底から搾り出す低く滲んだ悲鳴は傷みの強烈さをブラウザに震撼させる。
 「もうゆるしてーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 鈍い声の泣き叫びである。
 「さあ。後は刺青と子宮摘出ね。全身麻酔でやってあげるから」
 そう言って木下有紀乃は着物の裾を捲くって両足揃えてリングから滑り降りる。
 
 湯野中はM40号湯野中瑞枝に電話を入れる。
 「私だ」
 「はい。パパ」
 「木下有紀乃に少しだけ上の座敷の接待に来て貰えないか」
 「いいですよ」
 湯野中は携帯電話を置く。
 「今の放送はこの近くで」
 浜村修一は驚愕の表情である。
 「実はな。此処の真下に巨大な基地が隠されている」
 「えっ。この下。でも婦人警官らは潜水艦で収容されましたが」
 「そうだ。そのまま潜水艦が豊後水道に回って地底の川を進んでこの地下三十階の基地に入る」
 「浜村さん。この地下には江戸時代以前から引き継いで山人の部落が大型基地に発展しているのです」
 「明日にでも参考までにご案内するよ」
 湯野中は浜村修一が事態を理解してくれたのに満足げである。
 仲居に案内され和服をミニスカスーツに着替えた木下有紀乃が入ってくる。
 「おう。待っていたぞ。こちらが浜村氏だ」
 「始めまして。木下有紀乃です。お顔はこれまで二回拝見しています」
 「なに」
 「一回目は二年近く前。北芝の基幹システムで要件定義に来られた時です。私は派遣職員で経理のアシスタントとして会議室に居りました」
 「ああ。赤坂の」
 「そうです。そして数日前に帝國の唐津ニューシティのラウンジで夏木さんといらしたのをお見かけしました」
 「そう。でも、現段階で木下元警視にそっくりの姿で出歩いて大丈夫なのですか」
 「和服で日本髪を結いますと私の顔って特徴が薄いですから」
 「成る程。美人に特徴は無いか」
 「まあ」
 木下有紀乃は浜村修一が覚えていた事に納得している。
 「さて、今夜は貴方の希望も含めて浜村氏の接待に来て貰ったのだ。我々は此処で打ち合わせを続ける」
 「それではお部屋の方に」
 木下有紀乃は浜村修一を促す。
 浜村修一は奇妙な事に唖然としているが木下有紀乃を嫌ではない。
 湯野中が紹介したのである。自分に牙を剥く事は無い。
 日本廊下を進んで部屋の前の格子戸を潜って中に入ってホテル並みの自動ロックの扉が有る。
 和室が二間続きで奥に内湯がある。その先は露天風呂と庭に成っている。右手に進むと洋間のリビングがあり寝室に繋がる。
 ドアをロックすると木下有紀乃は躰を寄せて来る。
 「露天風呂が奥にあるよ。そこでゆっくり話しましょう。刺青プリンターが働いている間、次の拷問まで一時間はあるのよ」
 「そうか」
 奥の和室と内湯の間に脱衣の間がある。
 「脱がせて」
 浜村修一には据え膳食わぬはと言うが、据え膳食った方が男は損する場合が多いと思える。だが、この据え膳は逆にリスクが無く美味しい。
 木下有紀乃は浜村修一の好みに合った綺麗な躰である。
 内湯を通り越して露天風呂に向かう。
 湯気はそんなに濃くない。ライトアップされているので躰ははっきり見える。湯は透明度が高い。陰毛が湯に透けて白い肌との対比が美しい。
 湯に浸かっても躰を密着させてくる。
 容赦なく股間に手を入れると両の乳房をべったり浜村修一の胸に押し付けてくる。唇は直ぐ眼科にある。自然に唇を重ねる。
 木下有紀乃は股間も唇も浜村修一の為す侭である。
 「俺を接待して何を目論むのだ」
 「接待じゃないよ」
 木下有紀乃の視線はしっかり浜村修一を捕らえている。
 「一体、湯野中さんは何を」
 「N40号は関係ないわ。私がお会い出来る様にお願いしたの。北芝のプロジェクトで業務SEをされていた貴方が夏木会長のお仕事の担当と聞いて」
 N40号は組織での湯野中のコードである。
 「北芝に派遣で働いていたあんたが何故。お姉さんの真似をしてテロリストに」
 「私は元々姉のスペアなの。姉に何かあった時にそれが公的に明らかでなければ私が代わって木下警視として警察庁に入る事に成っていたの」
 「逆にそれが何故派遣で働いていたのですか」
 「日本社会に慣れる為よ。姉も私も山人出身なの」
 「それが」
 「この地底に江戸時代以前から大きな部落があるの。その大方が日本人の戸籍を持っていない」
 「えー。そんな部落が今の日本に」
 「だから自分の意思でこうなった訳じゃないのよ」
 「うーん」
 山の中で静かなプライベート露天風呂である。湯野中が来るので他の宿泊客は取ってない。
 「湯野中さんはR国の北半分と言っていたが。この部落との関係は」
 湯野中の父は山人出身で戦前に進出した女衒である。仁川の父に使え湯野中も仁川に使えた。
 仁川親子は二代に渡ってR国を経済支配した。
 山人の部落は仁川、現在は湯野中の支援を受けて経済と戦闘能力を拡大した。
 湯野中配下のテロ組織は潔癖に成り過ぎた日本、亜細亜社会の治安の混乱を狙う。山人は九州の制圧を狙う。
 「私も姉と同じで今の立場を一歩も引けないのよ」
 「それは湯野中さんの組織が怖いからか」
 「ううん。組織の人はテロに関わらない事も出来るわ。夏木さんの様に。私たちはそうは行かない」
 「山人だから」
 「そう。姉も私もテロリストとして表社会に出るまで訓練でテクニックと精神力を得るために何人もの同朋に死んで貰っているのよ」
 「訓練で殺すまでやらされたと言うことか」
 さすがの浜村修一も驚愕の表情である。
 「そうです。そして死んで行って貰った同朋の家族に送られて大和民族の社会に出て来るのです」
 「部落の指導者は貴方を不退転にする為そこまでするのですね」
 「はい。江戸時代以前からの民族性と大和民族憎しでそうさせるのです」
 露天風呂に時間を確認出来る物は無かった。
 木下有紀乃は脱衣所まで戻って時間を確認して来る。
 「今の婦警の刺青が終わって次の拷問が始まるまで三十分くらいです。時間がありません。抱いて下さい」
 「その時間では」
 「いいです。繋ぐだけでも。今度いつお会い出来るか」
 木下有紀乃は浜村修一に躰を絡ませる。
 浜村修一は露天風呂の底に尻を着いたまま木下有紀乃を上に乗せようとする。
 「待って下さい。貴方から入って来て下さい。私にとっては好きになった男性と繋ぐのはこれが初めてなのです」
 これが海賊放送で派遣会社のOLを再起不能まで拷問したテロリストなのか。いま躰を抱き寄せている木下有紀乃とは余りあるギャップである。
 「ではこれまでの男は」
 「強姦で始まって全部訓練よ。強姦も訓練の一環だけど」
 「まるで江戸時代に行われていたくノ一の修行みたいだな」
 「それが何だか解らないけど。閉じ込められて毎日力尽くで犯される。強姦した男性を殺して逃れるのが訓練なのよ」
 木下有紀乃は山人出身なので、くノ一と言う言葉を知らない。
 「殺さないと其処から出られない」
 「そうよ」
 「相手はあんたに殺されると知っているのか」
 「殺される可能性はあるけど。体躯が良く力の強い男よ。武器も何も無い。いつまでも私で遊び続けられる場合もある」
 「ふうーん」
 「どうやって殺した」
 「貴方には言いたくない」
 方法は一つしか無い。隙を狙って玉を握り潰すだけである。だからそれ以上は聞かない。
 「拳銃の撃ち合いもさせられた。私は防弾チョッキ、ヘルメットで完全防備だけど相手は普通の格好。まともに当たれば死ぬわ」
 「相手は全部男か」
 「女が半分以上。相手が美人だと興奮したよ。後で死体を埋葬する時も」
 訓練する教官の前で訓練の相手と挨拶を交わして、廃墟の街の様に造られた訓練場に北と南の外れから入る。
 リボルバーに弾は二発。仕留められなければ負けである。
 木下有紀乃は完全防備で銃弾で殺されることは殆どありえない。だが、負けると命を晒した対戦相手に鞭打ち刑をされる。
 工作要員なので傷付けない範囲で本気で叩いて来る。痛烈に痛かった。
 確実に殺さなければならない。銃弾が命中しても死ななかった場合も教官から拷問を受ける。
 男性の場合はスタッフが遺体を処理する。女性の場合は遺体を全裸にして湯灌で洗って死化粧を施す。棺に納めるまでやらされた。
 最初は何度も嘔吐した。
 嘔吐すると拷問された。全裸で男の教官数名の前で女を広げられ膣の中を電流拷問される。
 失神するとそのまま性的玩具にされ輪姦された。
 姉、有紀路の拷問を見学させられた。有紀路は双子の姉、木下優樹子元警視の本当の名で優樹子は死んだ一つ上の姉の名である。
 有紀路はその日三人と対戦した。
 二人までは見事に眉間を撃ち抜いた。三人目が極上の美人。こいつの動きが早く慎重だった。
 有紀路の撃った二発はぎりぎり躱された。有紀路は丸腰で逃げ回って五発目まで躱した。最後の一発をヘルメットに喰らった。
 反動で後ろに倒れたが怪我は無い。
 終わって有紀路は最初の二人の遺体を洗った。
 その後訓練の犠牲から逃れた美人戦士に女の局部を拷問されていた。木下有紀乃は金切り声の悲鳴を上げる有紀路を自分が叩かれる思いで見ていた。
 女は乳房をスパンキングの平らな面で強く叩く。搾り出す有紀路の鈍い悲鳴が木下有紀乃の脳裏に焼き付いた。
 有紀路の弾を躱してヘルメットに当てた対戦相手のビデオを何度も見た。
 その女は一度勝って死を逃れた。もう一度木下有紀乃との対戦は拒んだが許されなかった。木下有紀乃が教官の前で闘士を見せたからである。
 教官の前で挨拶を交わす。気迫の篭った眼つきが怖かった。
 相手のリボルバーには六発銃弾が入っている。自分は二発。運動神経の良い女である。防弾チョッキやヘルメットに喰らっても先に全部撃たせる事である。
 態と急激に動き回る。相手の後ろに回ると思わせる。
 それでもその女の狙いは正確である。一発は顔の直ぐ横を掠めた。防弾チョッキの背中に喰らって遮蔽物に転げ込んだ。
 相手の後ろに回りこんで遮蔽物に飛び込む足の脛を撃った。相手の動きを封じるのには成功した。
 僅かに動いた時に相手はデスペートに成ったか残る二発を立て続けに撃ってきた。
 それでも狙いは正確で一発は防弾チョッキの腹に一発は生身の躰がはみ出るぎりぎり防弾チョッキの襟に当たった。
 危うく自分も殺されるところである。
 全弾撃ち尽くして丸腰になったのを追い詰めて悲鳴を上げる腹を撃ち抜いた。
 異常な興奮に躰が震えていた。
 終わったら教官が来るまで朦朧と立っていた。
 教官にビンタされて我に返った。
 裸にして湯灌で洗う時も異常に興奮していた。
 工作員なのに訓練で死亡した二つ上の姉と同い年の美人で、有紀路や姉と劣らず綺麗な躰であった。
 女の部分を広げてあまり使っていないので壊したい衝動に強く駆られた。
 だが、今死体にやる事ではない。大和民族の社会に出て生きた女にやるべきだと考えた。
 「今でも興奮しているのじゃ」
 浜村修一は婦警拷問のことを指摘している。
 「それ以上よ。だって相手は大和民族村人、町人の婦人警官よ」
 「そうだな」
 浜村修一も婦人警官には幾分共感してしまう。普段から良い印象は持っていない。
 そしてこの女に取って正義もモラルも総て今の国際社会とその先進国の論理と違うのである。
 かつての日本の特攻隊やそれ以前の武士道となんら変わらない。
 日本人は彼女らの敵。山人の部落を根本から援助してくれる湯野中資本。それが日本の風俗売春で稼げるようにする援護である。
 テロはその秩序を乱して細かい取締りに手が回らないようにする。その為の囮行動である。
 浜村修一もテロには感心しないが日本を始め先進国の国際社会の秩序にも問題があると思う。
 木下有紀乃は山人社会に教育され戦士としてのテクニックを得る。その為死んで行って貰った同胞らの犠牲の上でいま山人として国際社会と戦っている。
 死んで行った同胞の死を無駄にしないためにも戦い続けなければ成らない。
 浜村修一は国際社会の敵の戦士と民間人が個人的に交わったに過ぎないと思っている。
 「嫌よね。こんな女」
 「俺には牙を剥かないだろ」
 「私は、男は責めないよ」
 「そうか」
 「貴方もサディストでしょう」
 木下有紀乃はずばり突いてくる。
 「何故」
 「夏木会長と同じ匂いがする」
 今そう思ったのか最初から見抜いていたのか、木下有紀乃が北芝で自分に関心を持ったのなら最初からそう思ったのだと思う。
 「夏木会長とか。そうだな。そうかもしれない」
 「また逢ってね。此処かR国の奥地なら危険は無いから。滝沢沙緒里さんの邪魔はしないし」
 浜村修一にとって木下有紀乃はテロリストでも女は悪くない。実に良い躰である。滝沢沙緒里同様SMは出来ないが躰を愉しめる。
 テロリストに関わって万一にも国際社会のどこかに逮捕されて言い訳する自分を思い浮かべる。
 似ているだけとしか思いませんでしたと言うのか、テロリストでもいい女でしたと言うのか考えても苦笑する。だが、そんな事は起こり得ない。
 浜村修一にはこのところ良いことが続いている。
 もし夏木陽壱に拾われなければ現在仕事は減っていた。
 浜村修一の要件定義は極めてユーザー寄りである。基本設計まで浜村修一が監修する。詳細設計、製造には酷な仕事に成ってしまう。
 だが、浜村修一はきちんと工数見積もりは出している。それに見合う技術者をアサインすれば問題は無い筈である。
 だが、受託会社は利益を出したい。また協力会社から手配出来る技術者には限界がある。
 要件定義から解り製造もハイレベルで出来る技術者と成ればいくら高くても給料レベルの単金では働かない。
 手配出来る範囲の技術者に背伸びして貰えば受けた金額の半分以上が粗利益となる。ところが浜村修一の要件定義した仕事はそれでは出来ない。
 アサインした技術者がリタイアしたり過労死することもある。
 技術者のレベルを上げるには丸ごと下受けでやる技術者になる。僅かな手数料を残して外注した形になってしまう。
 さらに最初にアサインして一月でリタイアした技術者の単金は赤字になる。
 ユーザーの評判は良くても受託会社は敬遠する。仕事の八割方は何社かを経由して来る。
 その中に浜村修一を敬遠する受託会社が入るとアサインされなくなる。
 浜村修一に頼むと後で儲からないという評価が定番になる。徐々に浜村修一をアサインする会社は減ってゆく。
 そんな時に夏木陽壱から声が掛かった。それも念願の帝國、R国に関わる仕事である。そして此処に来て破格の報酬が提示された。
 滝沢沙緒里を得ただけでも浜村修一には破格の幸運と思える。更にテロリストと雖も木下有紀乃は極上の女である。
 滝沢沙緒里もスレンダーで良い躰。同じスレンダーでも木下有紀乃はまた違った躰である。好みの違った躰を二通り愉しめる。
 更に二人のどちらも世間の女の様な面倒はない。
 だが、どちらもSMまでは出来ない。そこはやはり風俗に行くことになる。
 脱衣室で服を着け終って濃厚にディープなキスを交わして木下有紀乃と別れる。
 
 副田彩乃巡査長の刺青が終ってロボットが両側から肩を掴んで持ち上げる。
 乳房から股間、太腿まで刺青が描かれている。
 八つの首を持つイグアナの二つの首が副田彩乃巡査長の乳首を噛む様に描かれている。イグアナの足は剃毛したドテを踏み長い尻尾は太腿から膝まで伸びている。
 凄惨極まりない刺青である。海賊放送にはそれがアップで公開される。
 和服姿で小面の能面を被った木下有紀乃が戻って来る。
 ロボットが指先から電気ショックで副田彩乃巡査長を眠りから覚ます。
 前に姿見が運ばれる。
 副田彩乃巡査長は大口を開いて刺青に目が固まった。無言の悲鳴が暫くブラウザに焼付く。
 やがてそれは絶望の表情に沈む。
 「あと三名拷問が終わったら開放します。帝國の親衛隊に引取りを要求します。取りに来ない場合は唐津ニューシティ一帯を前回の倍の洪水が襲います」
 木下有紀乃の爆弾発言である。日本では装甲車はテロでも洪水は偶然と考えられていた。
 「それだけではありません。大木少佐らが引き取りに来ない場合は。婦人警官の次の犠牲者は帝國の若い親衛隊員です」
 
 帝國唐津ニューシティでの露天風呂会議は解散して江崎以下全員が部屋に戻っていた。事態を見張りのスタッフが報告した。
 全員がもう一度サロンに戻って海賊放送を確認することになる。
 木下有紀乃の問題発言は録画で確認する。
 「洪水を起こされても、此処には何の影響もありません」
 大木少佐はテロ組織のずれた発言と言いたい。
 「その通りだ」
 江崎も肯定する。
 「問題は親衛隊員ですが再び帝國に乗り込む気でしょうか」
 窪田直子特務中尉である。
 「もう。帝國に隙は無いと思います」
 「まだ三名の婦警が残っている。その拷問の間に何段階か手を打って来る。その段階で対応しかない。相手の意思は帝國親衛隊を動かしたいのだ」
 「妹と名乗った今の女、姉木下元警視の報復で我ら親衛隊を狙っているのでしょう」
 故小川綾香大尉が木下優樹子警視を追い詰めたとき大木少佐は一緒に行動していた。自分が狙われることは覚悟している。
 「他に狙いがあるのか。どうであれ正式にきっぱり今回の断りを宣告して次の出方を待つしかない」
 江崎は他に危惧があっても引取りには応じられない考えである。
 「親衛隊でも下士官か訓練生を狙われては、日本に帰省する隊員も居ます。帝國内は安全でも日本まで護衛出来ません」
 優木麻緒美大尉である。
 「今度は前回のような潜水艦での引渡しでは済まない。G市と同じことになる」
 江崎は大木少佐らを引き取りに行かせたくない。
 「直ぐに帝國から外出を自粛させましょう。問題は三河会長の護衛です」
 優木麻緒美大尉は直ぐに帝國に連絡を取る。
 帝國は騒然と成った。
 戻ってきた回答は既に三名の隊員と連絡が付かないとのことである。
 三河会長護衛の南七香大尉以下の隊員は無事であった。
 「派手過ぎるテロ組織のパフォーマンスは二重の囮だったな」
 江崎は帝國の注意が九州で日本が狙われている方に行っている間に自国の隊員が狙われたと言いたい。
 「三河会長の護衛は集団だから狙わなかったのですね。休暇で一人日本に帰る隊員が盲点でした」
 「公募の隊員を帰さない訳には行かない。困ったものだな」
 プライベートな部分に護衛を付けるにも無理がある。
 「今の拷問は九州。山人の部落の地下ですね」
 大木少佐の口調には何か決意が含まれている。
 「九州も北海道のように日本の警察を先導して突入出来ないですか」
 優木麻緒美大尉は現状が読めてない。
 「それは無理よ。日本の警察と自衛隊では太刀打ち出来ないだけの設備と兵力があるわ」
 大木少佐もここは冷静である。
 「そうだ。帝國が九州に軍事介入することは出来ない。空と海からでは駄目だ。そうなると帝國は不利だ。仙石直人を追ったようには行かない」
 帝國は陸軍を持たない。
 「安保条約でアメリカが介入するのではないですか」
 「日本の自衛隊は相当の兵力を持っている。日本内部の事に簡単には動かない」
 「そうですね」
 窪田直子特務中尉も同調する。
 「向こうも内戦は望んでいません。九州の基地を表沙汰にしなければ大きな戦闘は起さないと思います」
 「そうだ」
 「帝國だけで乗り込んで外に戦闘を見せない事ですね」
 「それも最後の手段だ」
 「先生は乗り込むことを考慮して、海底の入口を近衛部隊に突き止めさせたのではありませんか」
 「そうだが」
 江崎は戦いを避けたい。
 
 内山莉那巡査部長の股間にはぴったり電マが当たっている。電マを操縦しているのは木下有紀乃である。
 二体のロボットが藻掻く内山莉那巡査部長の股間を三十度に開いてがっちり太腿を掴んで押えている。
 「あ、ああーーーーーーーーーーん。ああーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 内山莉那巡査部長の太腿の筋肉は怒張しているが腰は微動しかしない。上半身をさらに首から上を右に左に暴れさせ堪えられない強制的な官能に藻掻き続ける。
 木下有紀乃の手は執拗にクリトリスと膣口を責める。
 内山莉那巡査部長には海賊放送に不本意な羞恥の姿を公開されるのは二度目である。
 木下有紀乃が一瞬外して見せた能面の下の顔を見て内山莉那巡査部長は木下警視と叫んだ。驚きに声は無い。
 無言の口元は数時間後に分析された。ワイドショーには情報が少ない。細かな事でも大袈裟に繰り返し報道される。
 帝國に救出されて福岡に戻った時に誰も自分を揶揄する者は居なかった。皆が応援してくれた。
 それでも影であの映像を見て愉しみ女の性を晒した揶揄が感じ取れる。男性より女性の目がもっと怖かった。
 今も責めに堪える事はまったく出来ない。僅かな時間踏ん張っただけである。そして潮が吹き上げる恐怖が迫っている。
 「ああーーーーーーーーーーーー。あはあーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 顔を軋ませて拘束されても動く上体を左右のロボットの肩を交互に躰を捩って暴れる。
 「ああーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 次の瞬間である。電マと木下有紀乃の手の下から何かを被せて抑えた噴水が暴れる様に吹き上げる。
 「ああーー。はああーーーーーーー。はあーーーーーーーーーーー」
 内山莉那巡査部長はどうにも出来ない現象を荒い息遣いで堪え続ける。無念極まりない羞恥の極致である。
 唐津ニューシティの最上階で見ている大木少佐もショックである。
 江崎らは海賊放送がまだ相当時間が掛かるとみた。その確認を日本在住の工作員と事務方に任せて仮眠を取ることにした。
 大木少佐は内山莉那巡査部長が気になって視聴を続けていた。このまま見捨てることは出来ない。
 他に親衛隊の新人隊員が三名。こちらも同様である。
 九州の基地の中なら日本政府に遠慮なく銃は使える。仙石直人はもう居ない。N4号が問題だが基地に居るとは思えない。
 津島と井上大佐の協力があり海底から進入すれば奪還は可能と思える。
 大木少佐は自分の部屋に窪田直子特務中尉と相川紗季少尉を呼び寄せる。
 井上大佐への交渉は大木少佐があたる。娼国の津島長官へは優木麻緒美大尉の協力を得て窪田直子特務中尉があたることとした。
 
 海賊放送は内山莉那巡査部長の刺青が始まって二時間。その後四時間休憩した。
 朝に成って内山莉那巡査部長の刺青が公開された。今度は蛞蝓が数匹躰を徘徊している。
 左右の乳首に向かうのが二匹。股間にも二匹が向かう。一匹は臍の上を徘徊する。どれもかなり大きく描かれ内山莉那巡査部長の綺麗な躰を潰している。
 凄惨それ以外に言い様が無い。
 次に西内茉莉警部補がリングに上げられた。
 「さあて。階級が警部補だから拷問もレベルアップだね」
 木下有紀乃は無表情な能面の下から抑揚の無い声で告げる。
 既にロボットに両脇を押さえられている西内茉莉警部補は恐怖に表情を引き攣らせる。
 「な、・・なんで・・・・」
 震える声では抗議にならない。
 「何で私たちを拷問すると言いたいの」
 西内茉莉警部補から答えは無く震える表情の目がそうだと答えている。
 「警察官だからよ。生命の危険を顧みず国民に奉仕する公務員でしょ。安田総理もどっかの委員会で復唱していたね」
 木下有紀乃は嘲けている。
 「そ、それは、じ、え、いたい」
 「確かに自衛隊のことを言っていたわ。でも、募集要項は警察官も同じことが書いてあるのよ」
 「そうでも、何で女のあんたが女性警察官を」
 「男を虐めても誰も喜ばないよ。それに私、男は虐めたくない。女を虐めると興奮するのよ」
 「・・・・・・・・・・」
 「変態とでも言いたいの」
 木下有紀乃は薄ら哂っている。西内茉莉警部補の表情は震えながら目はただただ訴えている。
 「女を広げて」
 木下有紀乃はロボットに命令する。
 ロボットは西内茉莉警部補の肩を片方ずつ担いだまま太腿の下から持ち上げて股間部分をM字ならぬW字に開脚する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 西内茉莉警部補の高音質の悲鳴がブラウザを引き裂く。
 更に木下有紀乃がリングに膝を着いて女の部分のビラビラを広げる。
 「ああーーあん。ああーーーん。ああーーあん」
 断末魔の悲鳴を繰り返す。
 ドドメ色感はまったく無い。薄いグレーの縁にピンクの綺麗な粘膜。その中心に膣口が小さく閉じている。
 「綺麗じゃない」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 西内茉莉警部補は半狂乱である。細面でやや厚顔の表情が歪みきっている。
 「ここをたっぷり虐めてあげるよ」
 「やめてーーーーーーー。ああーーーーーー」
 婦人警官の悲痛に歪む顔は無情な駐禁取締りに泣くドライバーには痛快である。
 ロボットが一体増える。西内茉莉警部補の躰のフロント面を上にして斜めに寝かせる。背中の裏から一体が肩を押さえている。
 脚は広げられ上向けにⅤ字開脚されて股間部分は無防備に晒されたままである。
 プラスティックのケースに入れて書類を挟む黒い金属のクリップが大量に運ばれる。
 「あそこに付けるのはこの小さいのでいいけど。フロント面は刺青するからピンチを下さい」
 木下有紀乃は刺青にこだわっている。
 覆面姿のスタッフが二人上がって洗濯バサミを紐で連関する。
 「何してるの」
 西内茉莉警部補は恐怖に叫ぶ
 「これを婦警殿の躰に付けて一気にぴっぺがすの。お○○このびらびらにはこれを付けるのよ。相当痛いよ」
 「やめてーーーー。なんでそんなことするのーーーーーー」
 西内茉莉警部補はロボットに押さえられて動かない躰を揺すって藻掻く。
 「婦警殿の悲鳴をたくさん放送するのよ」
 木下有紀乃は愉快そうに言う。
 「なんでよーーーーーーーー」
 「だから帝國の隊員に取りに来させる為よ。次に帝國の人質もこう成りますというサンプルよ」
 「サンプルのために私達をこんな目に。ひどいよーーーーーーーーーー」
 「日本の警察も弟子屈の基地に乗り込んだだろ。そのお仕置きよ」
 「あれは道警です」
 「同じ日本の警察よ。あなた方日本の言葉に江戸の敵を長崎でと言うでしょう。北海道警の敵を福岡県警によ」
 「どうして女性警察官を虐めるのですか」
 西内茉莉警部補は恐怖に動転しながら同じ質問を繰り返す。
 「男じゃ詰まらないでしょ。婦人警官が拷問されたら一般の人もみんな心の中では悦ぶのよ」
 「そんな事無いよ」
 「正論を言っても、だ、め、よ。表社会の人前じゃ綺麗に言っても、本心は違うのよ」
 木下有紀乃は愉しそうに詰る。
 「そんなのごく一部のやからよ。まともな人は皆、あなた方に憤りを持っているのよ」
 木下有紀乃は乳房の外側から脇腹の正面ぎりぎりにドミノ倒しの様に洗濯ばさみを付けて行く。臍の下から股間部に向けて斜めに付けて行く。
 「そうね。でもあなた方に怒りを持っている人もそれなりに居るわ。冤罪に恨みを込めている人もね。でも日ごろから面白くない人も居るよ」
 「そんな奴らに何の正当性があるの」
 「どうでもいいわ。私は貴方を甚振りたいだけよ」
 木下有紀乃は西内茉莉警部補の広げられた股間。女の部分のびらびらに幅十五ミリのクリップを挟む。クリップも洗濯ばさみと連関されている。
 「ううーーーーー。ちくしょー」
 婦警の言い分はこれ迄であった。
 西内茉莉警部補は女の部分を鋏まれた傷みに呻き続ける。
 木下有紀乃は反対側も乳房の横から洗濯ばさみを同じ様に左右対称に付けて行く。西内茉莉警部補は怯えた眼つきで洗濯ばさみを見ている。
 「一挙に引くよ。お○○この粘膜斬れるかも」
 「やめてーーーーーーーーーーーー」
 木下有紀乃は二本の紐を一気に引っ張る。
 「うおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴と共に西内茉莉警部補の表情は破裂する。
 洗濯ばさみは紐で引っ張られて全部飛んでしまった。柔肌には抓み痕が点々と残っている。だが、薄い小豆色のびらびらを抓んだクリップは飛んでない。
 木下有紀乃は紐を掴んだ拳に力を込めて引っ張る。
 「あわああーーーーーーーーーーーーー」
 クリップは粘膜を伸ばしながら徐々に外れてゆく。
 「がああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 西内茉莉警部補の目から涙が流れ出る。
 一つ目がほぼ抜けんとする。それが一気に飛ぶ。二つ目に力が篭る。
 「ああーーああーーーーーーーーーーーーーー。あががあーーーーーーーーーーーー」
 西内茉莉警部補の悲鳴は更に甲高く架橋になる。女の部分の広がりは変形して尿道口が向き出しになっている。
 「があああーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 西内茉莉警部補の涙は大粒に流れる。
 二つ目が飛び三つ目も一気に飛ぶ。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 西内茉莉警部補の悲鳴と破裂した表情がブラウザを震撼させる。
 木下有紀乃は一本鞭を取りだす。先端に付いたチップが少々小さめの蝿叩きの様な形をしている。
 いま拷問した女の部分をスパンキングの様に叩く。
 「あわあーーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 西内茉莉警部補は股を閉じようと踏ん張るがロボットの押えには適わない。縄で縛った状態でももう少しは動く。
 木下有紀乃は西内茉莉警部補の女の部分を広げてびらびらの状態を確認する。
 「いーーーたあーーいーーー」
 西内茉莉警部補は思わず叫ぶ。
 木下有紀乃はじっくり確認する。
 「たいしたこと無いよ。斬れてないもん」
 大袈裟な悲鳴の割に期待外れであった。だからあっさり宣告する。
 そしてロボットにびらびらを広げる要求を出す。
 「いやあーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 今度は先端のチップが先程より小さい一本鞭を取りだす。
 「いやあーーーーーー。もうーー。ゆるしてーーーーーーーーーーー」
 西内茉莉警部補は涙声で叫ぶ。
 先端のチップでびらびらの内側のピンクの部分を撫でる。
 「いやあーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーー」
 「まだ序の口よ。まあ、警察官の仕事は出来る範囲で返してあげるよ」
 「どういうこと」
 西内茉莉警部補の言葉は強いが明らかに怯えている。
 「お愉しみね」
 そう言いながら先端に狙いを定めてピンクの粘膜を叩く。
 「あおおーーーーーーーーーーー。ぐおーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーーーーーーー」
 西内茉莉警部補の表情は大口を開けて一気に破裂する。強烈に痛い叫びである。
 ロボットに押さえられた躰を力の限り震撼させる。頑丈な押えにまったく動かないが、太腿の筋肉の怒張から暴れんと藻掻いている事が充分に判る。
 木下有紀乃はまた構えて振り被る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 西内茉莉警部補の身構えた悲鳴を押さえ付ける様に一本鞭の先端をピンクの粘膜に叩き付ける。
 「あごわあ、あーーーーーーーーーーーーーーーー。がああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 歯を剥き出し涎まで流し崩れきった無残な顔を破裂させて叫ぶ。
 ブラウザに焼き付いた西内茉莉警部補の無残な表情に生唾を滾らせる者もあれば怯える者や怒り狂う者もある。
 だが、婦人警官である。口に出さず悦ぶ者は多々居る。
 
 大木少佐は井上大佐に連絡を取り近衛部隊参謀敷島少佐に連絡を取る。更に南七香大尉に連絡を取る。
 朝一番唐津から出る帝國行きの船に優木麻緒美大尉と窪田直子特務中尉が乗船する。有明を発艦したヘリが公海上で船から二人を収容する。
 有明以下四隻の第三航空艦隊の空母は東シナ海の公海上で艦隊を組んで待機している。
 全艦、甲板上にF18ホーネットの一直が並べられ発艦準備が完了している。
 東京に居た南七香大尉は任務を外れて唐津に向かう。
 井上大佐は単機で帝國辰巳を離陸して第三航空艦隊に向かう。
 優木麻緒美大尉と窪田直子特務中尉は有明に着艦する。直ぐに用意されたF18に乗り換える。
 相老大佐が指揮を執って百八十二機の大編隊が出発する。
 南シナ海を中国の人口島のぎりぎりを航行の自由の如く通過する。R国北の奥地に木之下優紀子元警視が暴露したゲリラの基地をぎりぎりに旋回する。
 総勢百八十機の大編隊にスクランブルを掛ける空軍は無い。
 そのまま全機R国南の空軍基地に着陸する。
 其処には娼国CIC長官津島が待っていた。
 第三航空艦隊は相老大佐らが発艦したあと母艦上空警護の戦闘機が発艦して上空を旋回する。
 テロ組織に備えてではない。殆ど意味は無いが中国が万一攻撃隊を出した場合の備えの姿勢である。
 津島長官を迎えて百八十三機で第三航空艦隊に戻る。
 
 「帝國が不穏な動きをしています」
 スタッフがM40号湯野中瑞江に報告する。
 基地内は一応防空戦闘体制がとられた。
 M40号は湯野中にも報告する。
 「心配は要らん。此処を空から攻撃することは無い。日本の領空侵犯をして空から攻撃はして来ない」
 「以前の脅しと同じですか」
 以前の脅しとはヤン滝川事件の時に仁川支配下の娼国に帝國第二艦隊の戦闘機群が威嚇飛行をした。
 (第七章 劇場型犯罪 参照)
 「場合によってはR国奥地の基地を攻撃するという脅しだろう。無駄な事だ。江崎先生の判断では無かろう」
 湯野中は達観している。
 
 西内茉莉警部補の拷問は架橋に入っていた。
 これまでの二人同様に電マとドリルバイブで失禁と失神をブラウザに晒らされた。西内茉莉警部補は鞭とスパンキングで狂乱の悲鳴を上げ続けた。
 西内茉莉警部補は高手小手に縛られ脚首と膝をそれぞれ縛り合わされリングに正座させられている。
 木下有紀乃はスタッフが渡した日本刀を抜いて構える。
 「えーー。ころさないって」
 「殺さないよ。乳首を斬るだけよ」
 「いやよーーーーーーーーーーー。やだ。やめてーーーーーーーーーーーーー」
 「ふん。泣き言言っても駄目よ。そのあと子宮も取るからね」
 「やめてーーーーーーーーー。わたし女じゃなくなっちゃうよ」
 「国民に捧げた命でしょう。乳首も子宮も無くたって五体満足よ。婦人警官は続けられるよ」
 「やめてーーーーーーーー。女性警察官も人間よーーーー」
 「そんなに無様に喚いて。内山莉那巡査部長は堂々と静観していたよ」
 「・・・・・・」
 木下有紀乃は日本刀の先端を乳首に当てる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 木下有紀乃は振り被って一気に振り下ろす。真っ赤な血が飛び散る。
 「・・・・・・・・・・・・」
 般若が破裂した形相でも斬られた悲鳴は声も無かった。
 医療チームが処置して更に子宮を撤去してから刺青である。
 
 再び津島長官を伴って井上大佐、敷島少佐、優木麻緒美大尉、窪田直子特務中尉が客船に乗り移る。入国審査を通って唐津に入る。
 着くなり津島は大木少佐の肩を押して井上大佐を伴って江崎に面会する。
 「大木は部下を見捨てられないぞ。俺が一緒に突っ込む」
 挨拶もそこそこ。津島は単刀直入である。
 「貴方が行って下されば」
 相変わらず津島の言葉遣いは荒い。それでも江崎の信頼は深い。
 「俺は帝國に大きな借りが在る。いくらでも協力する」
 津島は摩周湖の地底に北島副主席救出劇とR国震災時の災害対応協力の事を言っている。
 「かたじけない」
 「では早速作戦会議に入ろう」
 津島は大木少佐らを促す。
 「テロ組織が最終要求を出すのを待ったらどうでしょう」
 背後から江崎がやんわり注意する。
 「今行かないと手遅れに成る。帝國の新人隊員を裸にするか、あんな姿を晒させるのは日本の婦警だけで充分だぞ」
 津島は元同朋のテロに怒りをもっている。
 「お任せしましょう」
 早速会議が始まった。最初の論点は何処から突入するかである。
 「以前、回転で掘った坑道は使えないの」
 「それでは時間が掛かり過ぎます。データは残っているから新たに掘るよりは早いでしょうけど。もう自然に殆ど埋まっています」
 「それでは海底から入るしかないでしょう」
 「もう一つ在ります。温泉旅館に出る装甲車の出口です」
 南七香大尉の言葉に大木少佐もM18号に案内されたのを思い出す。
 「地上から入るには武器を持って日本国内を通らなければならない」
 津島も地上から突入は反対である。
 「今回は隠密裏に片付けるべき。日本の了解を取るのは駄目ですね」
 大木少佐は最初から潜航艇で突入の考えである。
 「問題は基地に入るのに水門とかが有るかだ」
 「小型潜航艇だけでなく回転も随伴します」
 「水門が有ってもまた外から開く可能性が高いですが」
 「工事期間が短いですからね。道東と同じでしょう」
 そのあと津島が拷問の行われている場所を特定する。娼国が分裂する前に充分に検分した場所である。海賊放送の背景だけで位置は特定出来る。
 そして娼国には山人の部落と地底の基地の詳細な図面もある。津島はそれを持参している。
 「問題は海底の川が何処に繋がっているかだ」
 「川ですか」
 優木麻緒美大尉が一瞬疑問を呈する。
 「いいか。回転が如何に高性能でもあの場所は九州のど真ん中だ。そんなに短期間で掘れるか」
 「では、此処も自然の川を半分利用したのですね」
 「奴等が掘ったのは多くても三割以下の筈だ」
 「そうですね。回転の速度からぎりぎりの距離ですが、一度回転が掘っただけでは潜水艦は通れません」
 窪田直子特務中尉も同調する。
 「そうだ。四班に分かれよう。回転三艇で三班と小型艇が一斑。小型潜航艇が先に行って水門から突っ込み退路を確保する」
 「乗り込むのは回転ですか」
 「そうだ。井上大佐と大木少佐、そして俺が乗り込む。拷問をしている部屋に三方から突っ込む」
 「でも人質が」
 「それを盾に取られるから、拷問場所にいるM40号湯野中の娘を確保する」
 「判りました」
 大木少佐は納得する。
 津島は井上大佐を見る。
 「了解です。それで行きましょう。拷問をしている部屋の座標は図面から判ります。一メートルくらいの誤差で目標に突っ込めます」
 井上大佐も異論は無い。
 「行こう」
 小型潜航艇には近衛部隊が搭乗する。津島の回転は優木麻緒美大尉が操縦する。回転は各艇四名で出発する。
 再び唐津から帝國に向かう船に乗る。今度は船の航路で有明が接舷する。
 
 海賊放送は最後の婦人警官をリングに上げる。熊木麻美警部である。見た目は若いが三十六歳になる。
 東大卒業。古い言葉でのキャリアウーマンである。
 顔立ちは小作りの卵型。鼻筋は綺麗で色白。小柄で美人と言える。
 これまでの三名同様に全裸でロボットに両側から肩を抱かれている。
 「やめなさあーーーーーーーい」
 ぶら下がった脚をばたつかせ叫ぶ。
 木下有紀乃はスパンキングで横面をビンタする。
 「うおーーーーーーーーー」
 更に反対側を叩く。
 「うごーーーーーーーーーー」
 熊木麻美警部の顔は紅く染まり目は怒りに血走っている。
 手で叩いてもビンタは屈辱感が高い。スパンキングを使えば痛みも屈辱感も更に増す。木下有紀乃ではなく男の手であれば更に屈辱的である。
 「やめなさあーーーーーーーーい」
 エリート警部はそれでも気丈に叫ぶ。
 木下有紀乃はロボットに向かって熊木麻美警部の脚元と腕を指差す。
 ロボットは左右から熊木麻美警部の脚をリングに着けてそれを踏みつけて押える。手を掴んだまま上に引っ張り高く上げたまま押える。
 「ああーーーーーーーーーー。やめろーーーーーーーーーー。はなせーーーーーーーーーー」
 熊木麻美警部は血走った目で怒りの限り叫ぶ。
 いくら藻掻いてもロボットの押さえは堅固である。
 M40号湯野中瑞枝が般若の面を被り鞭二本を手にしてリングに上がる。一本を木下有紀乃に渡す。
 ロボットの押さえで磔になった熊木麻美警部の躰。それを左右から二人で鞭打ちの構えである。
 木下有紀乃は乳房を狙う。一本鞭の先端は乳房をひっしゃげる。
 「あおおーーーーーーーーーーー」
 M40号は股間から太腿を狙う。鞭の先端が股間に当たり太腿の付け根に絡む。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 
 有明以下四隻の空母から回転三機、小型潜航艇十隻が発艦する。小型潜航艇は一艇に二名搭乗している。
 一度確認した近衛部隊の帆足少尉が先導して海底の入口に向かう。
 小型潜航艇は探照灯で洞内を照らして進む。回転は赤外線探知機で進む。
 「結構広いですが大型艦は通れませんね。掘った穴ではありません。自然の川ですね」
 大木少佐の横で赤外線モニターを見ながら窪田直子特務中尉の見解である。
 「そうね。津島の言う通りね」
 大木少佐も納得する。さんを付けないのには理由がある。だが、今回津島の協力に期待したのも大木少佐である。
 操縦しているのは大矢静香兵曹長で一番後ろの席に相川紗季少尉が乗っている。テロ組織に狙われている三名がこの艇に乗っていることに成る。
 水中通話機は使わない。通信に小型艇は発光信号が使える。回転は通信サブを使う。海中で使うドローンの様な物である。
 万一潜水艦が出て来ても聴音器でかなり遠くまで解る。着底してやり過ごす。
 津島の乗船する艇は操縦する優木麻緒美大尉の他に南七香大尉、高取彩少尉が搭乗している。
 井上大佐の乗船する艇には近衛部隊の相老大佐、敷島少佐が乗り青木優子特務少尉が操縦する。
 海中の坑道を行けるところまで行く。三機の回転は目標座標に向けて最後は地中を進む。
 作戦は津島の艇が東から井上大佐の艇が西から拷問が行われている部屋に突っ込む。大木少佐の艇はその手前に南側から突っ込む。
 近衛部隊の小型潜航艇のみ水門を潜って潜水艦桟橋に突入する。退路の確保と回転の突入を助ける囮である。
 「目標までどの位だ」
 「回転の速度では一時間少々です」
 津島の問いに優木麻緒美大尉が答える。
 「今始まった日本人警部の拷問が終わる頃までには着くな」
 海賊放送は発艦前に確認した。洞を戻って浮上しない限り艇の中でモニターを見ることは出来ない。
 「旨く行けば帝國の隊員は無事救出可能です」
 「でも、刺青が始まっているとM40号らが拷問の部屋を離れている可能性もあります」
 「その場合はその部屋の隊員を一気に処分してこの図の箇所を三班で確認する。監禁場所もM40号が休憩する場所も限られる」
 「そうですね」
 南七香大尉は一度此処に潜入している。それでも津島の図の内容までは確認していない。津島の持参した図は詳細である。
 
 日本のテレビ太陽。大館キャスターと阿南武コメンテーターによるワイドショー放送である。
 「駿河湾から日向灘に続く南海トラフの陸棚に捨てたと言うテロ組織の宣言から
捜索が続いていますが難航している模様です」
 「難しいですね。範囲が広過ぎます」
 阿南武コメンテーターは難色を示す。
 「日本全国で警察と自衛隊は警備を続けていますが、何処で海賊放送が行われているか皆目掴めません」
 「日本国内かどうかも判りません。ただ潜水艦の中ではないことは確かの様です」
 「警察は九州に主点を置いていますが」
 「海外の可能性もあります」
 「拷問の始まった時間的に、そんなに遠くではありませんね」
 「そうですが中国ではどうにも成りません」
 「木下元警視の妹と名乗るテロリストの女が、第二日本帝國に引取りを宣告していましたが、そっちで解決になる可能性はどうでしょう」
 「北海道で摩周湖の地下のような解決になれば良いのですが、第二日本帝國に交換する受刑者か容疑者が居れば可能性はあります」
 「このところテロの被害者は警察と自衛隊に多く集中しています。帝國でも軍の隊員が殆どです」
 「そうですね民間人は非常に少ないです。民間人は若い女性に限定されます」
 「組織の目的は何なのでしょう。最初のころは身代金を要求して来ましたが、このところ身代金要求はありません」
 「要求されても払えませんからね。もっと大きな事を企んでいる一環ではないですか」
 「大きな事と言いますと」
 「国家を創るとか日本にクーデターを起して政権を奪うとか。あくまで想定ですが」
 「テロの資金源は何処から出るのでしょうか」
 「解りませんね。アルカイダの資金源でさえそれなりに解っていましたが。資金源に該当する人物が考えられません」
 湯野中の配下には夏木陽壱を筆頭に同じ様な人物が何人もいる。湯野中に疑いが向いてもそれだけの資金源と見られることはない。
 「帝國が奇妙な演習を行いましたが」
 「軍事的専門家の話では帝國海軍航空隊一割の兵力が動いたと説明しています」
 「あれは一体何だったのでしょう」
 「何かの威嚇行動と思われますが謎です」
 
 湯野中は昨夜に続いて基地の上にある温泉旅館で夏木陽壱、浜村修一と酒を酌み交わしていた。
 「帝國は津島を迎えに行ったのかな」
 「津島氏に協力を得てこの地下に突入作戦ですか」
 「今度の作戦は失敗だな。帝國も日本の警察を伴って此処に入る愚はしない。人質を返して終わりだ」
 湯野中は楽観している。日本の婦警を拷問して帰すことでそれなりの戦火は得られた。警察をテロの後始末とテロ対策に釘付けに出来た。
 帝國の隊員を拷問出来ない事でM40号と木下有紀乃の目的が達成されなかっただけである。
 「下のメンバーに忠告しないのですか」
 「しなくて良かろう。奴等は少しやり過ぎだ。少し危険な目に逢った方が良い」
 湯野中は基地の中で激しい戦闘に成るより人質を引き渡して穏便に帝國部隊を帰途につける考えである。
 
 熊木麻美警部は三本のロープで僅かに吊るされている。リングに脚が着くか着かないかである。
 一本の縄は手首を二本合わせて縛り天井のフックから吊るしている。
 あと二本は天井のフックから乳房の左右を通り股間部を二本で鋏んで背中から天井のフックに繋がれている。
 ロボットがフックの上の滑車を引っ張り吊るしの高さを上げる。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 股間部が一気に絞められる。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 究極に苦しい悲鳴である。
 「まだ序の口よ」
 木下有紀乃は残忍に哂いロボットに合図する。
 ロボットは一旦吊るしを下げる。
 「あはーーーーーーーーーーーーー。はあ。はあ。はあ」
 熊木麻美警部は荒い息遣いである。
 木下有紀乃は大陰唇両側に股間の谷間に掛かっていた縄を指で摘んで引っ張り女の部分の割目に二本とも押し込む。
 縄は首の両側から乳房の谷間を通って割目にめり込んでいる。割目の上ではクリトリス付近が挟まれ突起している。
 「いやあーーーーーーーーーーーーーー。やめてよーーーーーーーーーーーーー」
 熊木麻美警部は泣き声である。
 木下有紀乃はロボットに合図する。
 「ああーー。あーああーー。ああーーー。あーああーーあーー。ああーーー」
 熊木麻美警部は縦に大口を開けて般若の形相で叫びまくる。
 木下有紀乃はロボットに直ぐ合図して降ろす。
 「ああーーーー。ああーーーーーーー。はあ。はあ。はあ。はあ」
 熊木麻美警部は目を剥いて恐怖の形相で荒い息遣いを続ける。
 木下有紀乃の指示で縄が太さ三ミリのワイヤーに代えられる。
 熊木麻美警部は恐怖に縮み上がっている。
 木下有紀乃は指先で割目に押し込んだ二本のワイヤーをクリトリスの下で交差させる。クリトリスを挿んで千切る目論見である。
 「やめてーーーーーーーー」
 熊木麻美警部は堪らず悲鳴を上げる。
 木下有紀乃は容赦なくロボットに合図する。
 ロボットが引き上げる。
 「あわあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴と共にワイヤーの間から潮を吹くように血が吹き上げる。
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 あとは大口を開けて目を剝いた無言の悲鳴である。
 床に降ろすと両手で股間を押さえてリングの上を転げる。傷みに躰を丸めてリングの上で藻掻き続ける。
 「ああはあーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーん」
 凄惨な悲鳴が続く。
 木下有紀乃は高枝切りバサミを構えている。
 ロボットが二体両側から肩を掴んで立たせる。
 クリトリスだけではない。割目からも内腿に血が流れている。ビラビラの内側ピンクの粘膜も斬れているに違いない。
 「今度は乳首ね」
 「ころせーーーーーーーーーーーー。もうころせーーーーーーーーーーーー」
 熊木麻美警部は遂に切れた。
 木下有紀乃はリング下のM40号に確認する。
 M40号も納得する。
 スタッフが白木の鞘に入った日本刀を渡す。
 木下有紀乃は構える間もなく熊木麻美警部の乳房を二つ横に薙ぐ。
 「おおーーーーーーーーーーーーーーーー」
 肩から縦斜めに斬り下ろす。
 「ぐーーーーーーーーーー」
 更に腹を横に薙ぐ。
 リング状は血みどろである。
 ロボットが躰を離すと熊木麻美警部はリングに沈んで動かない。
 
 小型潜航艇は水門に達した。
 回転を先に突入させるべく暫く着底する。
 「目標座標位置です」
 地海中航行機回転はそれぞれ壁を削って突っ込む。
 
 日本の婦警拷問は終わった。帝國の隊員は明日から拷問の予定である。
 木下有紀乃は温泉に引き上げた。まだ浜村修一が居る。
 M40号はスタッフに指示を出しながら血に染まったリングを交換させる。人間ミキサーも運び込まれる。
 帝國の隊員には最終処分も予定している。大木少佐らを誘き出す為である。
 更にM40号の指示でゲリラ豪雨が始まった。
 予告されていたので警戒もされていた。松浦川の付近は避難命令も出された。そのため民間に被害者は無かった。
 洪水は帝國の唐津ニューシティを襲った。それでも建物内に残り誰も避難もしないで被害も無い。最初から津波対策が出来た高層ビル群である。
 テロ組織側もある程度結果を予測していた。あくまで確認のための実験でもある。
 
 近衛部隊は回転の到達時間を計算して水門から突入する。
 摩周湖の地底と同じで近付くと水門は自動で開く。
 全艇一気に突っ込む。後ろの水門が閉まる。予定通りである。
 次の水門が開くのも予定通り。全艇突っ込んで潜望鏡で水面を確認する。潜水艦桟橋に人影は無い。
 全艇浮上して接岸する。
 テロ組織も北海道の二の舞は警戒している。小型潜航艇の進入はキャッチされた。直ぐに戦闘員が桟橋階に突進する。
 近衛部隊もそれを予期し予定している。
 桟橋内の遮蔽物に隠れて銃撃戦になる。これで拷問の行われていたブロックの警戒が薄くなる。
 この間に回転三艇が一挙に拷問の行われていたブロックの床を破って突入する。
 津島がM40号以外の隊員を射殺する。
 井上大佐以下三名がM40号を確保する。
 大木少佐らが人質救出に走るが組織の隊員が帝國の人質一名を盾に取る。
 「M40号を離せ」
 津島は間髪を措かず人質を盾に取った隊員三名を一挙に射殺する。津島の正確な射撃に人質を撃つ余裕すらない。
 大木少佐らがその帝國親衛隊員の身柄を確保する。
 「待て!津島」
 湯野中が出現する。
 「ここで幕を引こう。帝國の隊員と日本の婦警三名は返す。一人は遺体だが」
 「いいだろう。人質と一緒に我々が此処を出られたらあんたの娘は返す」
 津島は優木麻緒美大尉に手伝ってもらってM40号を井上大佐から受け取って自分の艇に引っ張る。
 「俺が殿軍に成る。大木は日本の警官を乗せて帰れ。井上大佐が帝國の隊員三名を載せて帰る」
 「津島はどうする」
 「二艇が無事に機動部隊に戻ったら機動部隊の待機する手前で俺の艇からそっちの潜水艦に娘を返す。俺の後から潜水艦で付いて来れば良い。」
 「帝國の隊員は潜水艦に乗って行ってもらう。機動部隊のところで交換だ。そっちの艇には夏木が乗って行く。夏木は潜水艦で戻る」
 「成程。帰路の安全確保か。良かろう」
 帝國の隊員を此処で渡してはM40号湯野中瑞江の安全が確保出来ない。
 帝國も組織も夏木陽壱の乗った艦は攻撃出来ない。
 夏木陽壱は行きには帝國の人質で帰りは組織の人質の役割をする。
 日本の婦警は眠らされている。そのまま大木少佐の艇に運び込む。棺桶に入れられた熊木麻美警部の遺体を収容して大木少佐の艇は退却する。
 井上大佐の艇は夏樹陽壱を乗せて退却する。
 湯野中の放送と津島の連絡で撃合いを止めて近衛部隊も退却する。
 
 大木少佐の艇は二番艦の紅(くれない)に戻る。
 軍医の手を借りて三名は目を覚ます。
 内山莉那巡査部長の前には窪田直子特務中尉が立っている。
 「ご安心下さい。帝國の軍艦の中です」
 「ああ。貴方は」
 「帝國海軍の窪田直子特務中尉です。内山莉那巡査部長またお会いしましたね」
 「また助けていただいたのですね」
 「帝國隊員の人質交換と一緒です。いま別の艦が怪潜と交換しています」
 窓の外には怪潜が浮上して有明から出したクレーンで帝國の女性隊員が移ってくる。帰りはM40号がクレーンで怪潜に戻される。
 夏木陽壱は先に戻っている。M40が甲板に下りるとハッチに収容され怪潜は直ぐに潜航する。
 紅以外の四隻が風上に向かって速度を上げる。甲板に並べられたF18ホーネットが次々に発艦する。
 「あれは今回協力していただいた娼国の津島長官を送って行きます」
 紅はイージス艦初霜を従えて九州方向に向かう。
 「ヘリに乗り移っていただきます。今回は日本に向かう客船に移って唐津にお送りします」
 内山莉那巡査部長は何とか話を聞いているが残る二人はほとんど生気が無い。
 大矢静香兵曹長の操縦するヘリで客船に降りる。
 そのまま客船の船長が後は引き受ける。
 大木少佐、窪田直子特務中尉、相川紗季少尉は一便遅らせて唐津に入る。
 今回の人質回収に帝國は日本に余計な説明は一切しない方針である。日本のマスコミから質問攻めを避ける。
 
 内山莉那巡査部長らの解放の連絡が入って日本のマスコミは色めき立った。
 報道されたのは帝國の空母と怪潜が人質交換を行って帝國の隊員と内山莉那巡査部長らが解放されたのみである。
 
 浜村修一は二泊めを木下有紀乃と濃厚な夜を過ごして遅い朝食を済ませた。福岡から夕方の便で帝國を経由してR国に向かう。
 木下有紀乃は潜水艦で九州を離れて行った。行く先は聞いてない。
 帝國で二泊する。夏木陽壱も別の便で帝國にて合流する。帝國では江崎占い師と三河典子会長に面会する。
 滝沢沙緒里は一日前に羽田から帝國に着いている。滝沢沙緒里が取った新日本空輸ホテルに一緒に泊まる。
 滝沢沙緒里は巽空港まで迎えに来てくれていた。帝國の空中を走る新都市交通を乗り継いでも行けるが外周道をタクシーで行く。
 滝沢沙緒里は最上階から三つ下の階にコーナーデラックスタイプのオーシャンビューツイーンを取っていた。
 部屋に入り荷物を置くなり滝沢沙緒里は抱き付いて来る。そして濃厚にキスを求める。
 着替えを手伝う妻の様に上着をクローゼットに掛け服を脱がせる。
 「疲れたでしょ。お風呂とっても豪華だよ」
 既に湯がたっぷり張られている。冷めない様に僅かに流し続けている。贅沢な使い方である。
 湯が流れる大きな浴槽の向こうはオーシャンビューの窓から海原が広がっている。右手の窓からは北の突端まで望める。
 「こうして右手の高層ビル群を見ていると住居は殆ど無いのかな」
 浜村修一は帝國に赴任する事を思って呟く。
 「そんな事無いよ。居住だけのマンションが無いからバルコニー等が見えないだけよ」
 滝沢沙緒里は既に帝國の建物に居住歴がある。浜村修一はホテルにしか泊まってない。
 商用、観光ビザ以外で帝國に入るのは難しい。商用、観光はホテルが予約されているか日帰りとなる。
 滞在期間をオーバーすると通行に必要なセキュリテーカードが無効になる。帝國内が通行出来ない。そして直ぐに身柄を確保され國外退去である。
 「窓の区切り具合を見て。下層階は細かいでしょ。オフィスのところは繋がっているよ」
 「下層階は小さい居住区かな」
 「そうよ。無料住宅よ」
 「無料」
 「帝國は税金が無い代わりテナント料を払わなければ滞在できないの。でも下級公務員や一定以下の所得の場合は無料の住宅とかが有るのよ」
 「帝國に福祉があるとは知らなかった」
 浜村修一には興味深い話である。
 帝國に移り住むのは難しい。就労先があるかその資産を審査される。女性が風俗で働く場合も受け入れ先がないと入れない。
 だが、三十五歳を過ぎて職や資産を失った場合は無料住宅に移されて衣食住は保障される。
 それでも三十五歳未満は風俗で働くことは拒否出来ない。
 下層階には賄い食堂がある。下級公務員らも此処で食事を摂る。
 「でも其処に入る人が居るのかな」
 「僅かにあるみたい。こっちで転職する人とか。東京二十三区並みに家賃が高くワンルームなんかないから一時的に利用するみたい」
 それ以外に国内を警備するクローン製造の下級軍人、警官、公務員、鉄道係員などが住む。
 「俺も利用出来るかな」
 「馬鹿な事言わないの。それに彼方の資産では到底認められないよ」
 滝沢沙緒里は小娘のような朗らかな言い方である。
 「そっちの審査もあるのか」
 「そうよ」
 「何処にも失業者は居るのだな」
 「彼方がシステム化して失業者を作っているのじゃない」
 「ほんの僅かだけそうかもしれん」
 「もう。違うでしょう。それよりくっつきっこしよう」
 滝沢沙緒里は甘えっ子の姿勢である。
 湯の中で滝沢沙緒里は背中に乳房をべったり付ける。なかなか気持ちが良い。
 浜村修一は腰の横から後ろに手を伸ばして滝沢沙緒里の股間に指を這わせる。
 閉じ合わせている二枚貝をこじ開けて膣口に指が入る。滝沢沙緒里はもっと躰を背中に乗せてくる。
 滝沢沙緒里の声を殺した荒い息遣いが真後ろに感じ取れる。
 「帝國の新都市交通は男性と女性の専用車があって、日本みたいな冤罪が無くて良いと思うな」
 「あれは痴漢防止じゃないのよ。帝國では強制猥褻まで行かない限り、日本みたいに身体に触れた程度では警察権は発令しないわ」
 「その分女性と男性が分けられているのか」
 帝國の新都市交通は島の中を碁盤の目に走る。横の流れは二十階を建物ごとに止まって行く。縦の流れは十階が建物ごとに三十階は建物を五つ置きに止まる。
 総てが六連で一.二号車が男性専用、三.四号車が共用、五.六号車が女性専用である。
 「違うの。風俗嬢を客のしつこい誘いから護る為よ。帝國はフロアごとのオートロックだから、お店から自分の部屋まで外ではお客と接触しないで帰れるのよ」
 「成程。帝國は風俗を促進するだけじゃなく護っているのか」
 「そうよ。R国も一部でそんな街が出来つつあるのよ」
 「経済効果のためには良い事だな」
 浜村修一はやはり帝國が理想郷だと確信する。日本の様に主婦層の意見に神経を使って経済が弱まり弱者層が追い詰められる国からは早く逃れたい。
 滝沢沙緒里は浜村修一の肩を引いて自分に向き直るように促す。
 浴槽の淵に手を付いて腰を湯に浮かす。
 浜村修一は緩く開いた股間に再び指を進入させる。女の奥まで掻き回す。
 敏感な部分を探り当てる。
 膣の中で指先をL字に立て敏感な部分を掻き出す。
 「あはあーー」
 さすがに滝沢沙緒里も声を漏らしてしまう。ホテルのコーナースイートである。いくら声を出しても問題は無い。
 もう一方の手でビラビラを広げる。
 「いやあ。でちゃうよーーー」
 「出して」
 「ああーーん。だめーーー。みたいのーーー」
 滝沢沙緒里は湯に浮かした躰を捩っている。だが、拒絶しているわけではない。浜村修一が見たいのなら潮吹きを見せるつもりである。
 女の部分は湯から出ている。尿道の小さな亀裂から浜村修一の指の動きに合わせて断続的に小水が飛び出す。
 「ああーーん。ああーーん。ああーーん」
 滝沢沙緒里の躰が小刻みに震えて鼓動が強く伝わって来る。
 「はあ。はあ。はあ。はあ」
 滝沢沙緒里は湯に使って荒い息遣いを続ける。
 「明日は江崎先生と面会だ」
 「大変な仕事になったわね。沢山貰えた」
 「ああ。一案件に付き十億だ」
 「そう。良かったわね」
 「気になるか」
 「ううん。貴方のお金に関心は無いわ。大変な仕事なのに沢山貰えなかったら可哀想と思ったの」
 「可哀想か」
 「私は夏木から沢山貰ったから、貴方のお金は当てにしないけど。体には関心があるよ」
 「なんだ」
 滝沢沙緒里は浜村修一の体を引き寄せる。そして浴槽に立たせる。
 ペニスを指先で軽く持つ。
 「出して。飲みたい」
 滝沢沙緒里はペニスを口に含む。
 「いくらがんばってもたいして出ないぞ」
 「どこかで出してきたの」
 「いいや。出してこなくてもこの年ではそんなに出ない」
 「まだ五十代なのに」
 「そんなものだよ」
 浜村修一は笑っている。
 「いいよ。少しだけでも」
 
 翌朝は夏木陽壱とロビーで待ち合わせて窪田直子特務中尉が迎えに来るとホテルの十五階の会議室に移動した。
 会議室には三河典子極東会長、北嶋真紀子娼国副主席がいた。
 江崎らも帝國の隊員と日本の婦警の救出が終わって帝國に戻ったばかりである。
 浜村修一は既にパワーポイントでプレゼンを用意している。
 大型モニターにパソコンからHDMI接続で出力する。
 「日本、韓国、亜細亜に三国、現実は三つの資本共通の物流拠点を二十五箇所造る。月間委託費用のみで保管出荷をする独立した現地法人だな」
 浜村修一から一連の説明が終わって江崎が口火を切る。
 「そうです。当初が二十五箇所です。更に増強すべきです」
 「日本でもR国でもそれ以外の亜細亜でも、帝國、娼国のニューシティに隣接した計画ね」
 北嶋真紀子である。
 「そうです」
 「湯野中がそんな事を承知するの」
 真紀子は夏木陽壱が居るにもかかわらず湯野中と呼び捨ててしまう。
 「一切承知の上です。総てを浜村氏に一任されました」
 夏木陽壱がきっぱり答える。
 「浜村さんはR国の北と南、娼国の本来の姿をご存知の上ですか」
 江崎の単刀直入な質問である。
 「承知して頂きました」
 これも夏木陽壱が答える。
 「その上でこの内容なら帝國に異論は無いと思うが。典子さん」
 江崎は三河典子極東会長に振る。
 「私は概ね納得して居ります」
 「安形がこの場に居りませんので最終的結論は出せませんが、私は問題ないと思います」
 真紀子もほぼ納得する。この様な事は真紀子に任せて安形は何も言わない。
 「開発は何処でやります」
 「要件定義は帝國で、詳細設計までR国S市とTS市で行い。開発はS市、北側TSとC市、T市になります」
 「現地のスタッフを使うか」
 「はい。プログラム仕様書まで落としてPGは現地で」
 「良いと思います」
 典子が答える。
 「受入れテストは帝國でやるのでしょう」
 「多分そうなりますが、そちらも立会いしていただきます」
 真紀子の質問に典子が答える。
 「娼国のシステムは大方が極東コンサルにお任せだから、要件定義以降はそっちで見ていただきたいわ」
 真紀子は細かい事には関わりたくない。
 「判りました」
 典子も了解する。娼国が立ち会わないことは元より承知している。典子とて浜村修一に任せて受け入れは終了の予定である。
 
 M40号湯野中瑞江と木下有紀乃は帝國の奇襲に悔しさが収まらない。
 一度潜水艦でR国のTS市に逃れたものの報復を狙っている。
 「大木少佐よ」
 「この女が動いたのですね」
 「そうよ。僅か27歳の少佐。江崎が後ろ楯よ」
 「大木少佐が呼びかけて、娼国の津島と機動部隊まで動いたのですか」
 「空手八段と射撃が少し出来るだけ。単純女が幅利かせて。何としても拷問しないと」
 「そうですね」
 両名とも怒りが収まらない。
 「仙石直人や昔のM78号の様なテロリストを立てないと駄目ね」
 「そんな人物居ますか」
 「N4号は表面に立たないから他に探すしかない」
 「組織の中に居ないのですか」
 「コンペでもやる」
 「そうですね」
 「各組織にノミネートさせて、戦わせて生き残った勇者を選び出す」
 「いいえ。そんな無駄なことは。ナンバーツー、スリーにも戦力は有ります。無駄にしないで結果を競わせるのです」
 「貴方のお楽しみが有るかと思ったけど」
 「そんなお楽しみなんて。私達を戦士として不退転にさせる為、山人の長たちがやったことです」
 「でも。女を殺すと興奮したと言ってなかったかしら」
 「そうですけど。でも無駄に戦力を減らすことはありません。それより帝國の大木少佐を殺して追い詰めたいです」
 「そうね。大木を女にやらせるか。でも殺すのは駄目。捕らえて究極の拷問よ」
 「そうですね。誰が捕らえるか」
 「男だったら褒賞に貴方を抱かせてあげる」
 「嫌ですよ」
 「好きな人が出来たから」
 「そんな。ご自身がやられては」
 「そうしたいけど。私じゃ貴方の百分の一にもならないわ」
 「どうしてですか」
 「容姿よ」
 「でも。そのスタイルは」
 「ずっと前。日本の地下鉄で貴方の様ないい女がミニスカートで座っていたら、男性の視線はその裾に集中していた」
 「そうですね」
 「私が超ミニで座っていても、男性の視線は扇型に成っていたよ」
 「ふうーーん」
 「だから貴方でないと駄目」
 「M40号は私にむかつくのですね」
 「そんなこと無い。貴方は重要な戦力。女同士でセックスしたっていいのよ」
 「そんな」
 「女同士は嫌」
 「はい」
 「おじ様が趣味なのね」
 「ええ」
 「とにかく作戦を考えて、候補者を集めましょう」
 
 あれから江崎らの会議は並木邸に移った。露天風呂会議である。大木有紀少佐や窪田直子特務中尉らも加わった。
 浜村修一は帰ろうとしたが真紀子に引っ張られた。
 副主席に引っ張られて不安であったが、露天風呂では典子が夏木陽壱にびったり付いていたので真紀子が浜村修一に躰を寄せて来た。
 なんとなくバランスの為と理解した。
 「彼方の計画では帝國でも娼国でも湯野中さんの資本でも、受注を伸ばしたところが好きなだけ稼げてそれ以外の外部を排他できるのね」
 真紀子は普段怒りを込めて湯野中を呼び捨てにする。先程はうっかり呼び捨てにした。夏木陽壱がいるので今度は少し気を使っている。
 「そうです。販売先の日本、韓国他、生産する現地の税金も押さえられ、ビックデータと連動した付属システムで資本参入も抑えます」
 「湯野中さんは今の提案で納得したの」
 「しました。北側は裏の収入があるから表は帝國、娼国の次で良いと言われていました」
 「そうね。表は夏木さん任せよね」
 「夏木氏だけなのか。そこまでは」
 「他にも日本で代理人がいるの」
 「所在は解りませんが何人か居られると思います。要件定義で組織を分析して行けば近々解ると思います」
 「浜村さんには全部の組織が見える事に成るのね」
 「守秘義務は守ります。また分析内容は関係各社、各組織には資料として公開します」
 「そう言う事に成るのね」
 露天風呂の反対側の一角では大木少佐を中心に今回のテロ組織から奪回作戦の話題に成っていた。
 状況を判断して典子が夏木陽壱を別室に促した。
 真紀子も状況を察して浜村修一を促す。浜村修一は躊躇うがこの場に居ない方が良い事は分る。真紀子に従うしかない。
 
 「今回夏木さんが双方の人質を一回ずつ勤めた訳だ」
 「そうです。夏木さんは今回のプロジェクトの報告に九州で湯野中と会っていたのです。状況は井上大佐が夏木さんから聞いています」
 大木少佐は状況を理解しつつも不満を持っている。
 「津島氏もM40号を人質にしても今回は返すつもりだったのだろ」
 「そうかもしれません」
 「津島とて北側と対立を激化したくは無い。湯野中の娘M40号は帝國だけで始末するしかない」
 「夏木さんとの協力は必要なのですね」
 「そうだ。今回を無難に収めてくれたと理解するべきだ。木下元警視の妹は既に居なかったのだな」
 「はい」
 さすがに浜村修一とプライベートな時間を過ごしていた事は何処にも漏れていない。だが、夏木陽壱と共に湯野中と接見していた事は推定されている。
 「夏木さんは山人の部落の入口になる温泉に逗留していて、浜村氏を湯野中に引き合わせたのだな。そして偶然にも津島氏と帝國が突入した」
 「そうです。総て偶然だと思います」
 窪田直子特務中尉も同じ見解である。
 「夏木さんの資本力で湯野中と分離出来ないのですか」
 「資本力だけならとっくに分離している。夏木さんだけではない。娼国、いや帝國とて完全に湯野中を排除出来ない」
 「そんなに影響がありますか」
 「日本や国際社会がその本質を知ったら大損害を省みず叩くだろうが、帝國だけではない日本ほか亜細亜全体が恐慌になる。それ以前に夏木さんは大損害だ」
 「もし親衛隊と近衛部隊がテロリスト四人を抹消したら」
 「湯野中は帝國には向かって来ない。だが、日本が風俗売春を取り締まれば日本向けのテロは陰湿に続くだろう」
 「それは帝國に関係ないのですね」
 「帝國の街に麻薬を浸透しなければだが。どこかで湯野中も争いは避ける」
 「テロ以外の海底艦隊は」
 「そのままだ。R国北に何も無ければ動かない」
 
 真紀子はゲストルームに浜村修一を連れ込んだ。
 「副主席とこんな事して」
 「大丈夫。貴方は夏木さんのナンバーツーよ。私はいくら綺麗でも価値の無い若い男は相手にしない」
 「僕はナンバーツーなんかでは。ただの契約で働く業務SEですよ」
 「形式じゃないよ。貴方のやり方ひとつで三つの国家規模の資本が左右されるのよ。夏木は貴方に相当の信頼を持っている筈よ」
 それ以上真紀子は言葉を許さない。華奢な真紀子の躰は浜村修一を悩殺体制である。抱き付いて押し倒して女の部分を目前に曝す。
 浜村修一は指を突っ込んで真紀子の躰を後ろに倒す。舌でクリトリスを責め指で膣の奥を責める。
 真紀子は逆らわず責めに身を任せる。
 潮を噴き上げるまで為すが侭である。
 だが、荒い息遣いのまま浜村修一に被さる。濃厚にキスをしながら女の部分を一物に被せる。一気に咥えて抜き取る体制である。
 だが、そのまま一時間近くが経過した。さおは起たせたままであるが浜村修一が果てることは無い。
 「女が上ではイカないのね」
 浜村修一は無言のまま首で頷く。
 「バックから指と一緒に思いっきり責めて」
 真紀子が漏らしながら浜村修一は真紀子の奥に果てた。
 「大丈夫よ。妊娠はしないから」
 「何故。ここまで」
 「男同士は会話を続けることと、行動で信頼を稼ぐしかないでしょう。男と女は繋ぐことで強く信頼関係が持てる。貴方の彼女の邪魔はしないけど」
 「夏木氏が三河会長と躰を繋ぐ関係にあるからですか」
 「そうよ。三河典子の方が経営力は上だけど。夏木さんを嫌いではないようね」
 
 浜村修一はやや疲れを覚えながら滝沢沙緒里が待つホテルに戻った。
 躰を強く押し付けてくる滝沢沙緒里をそれなりに抱き寄せる。
 「他で疲れて来ちゃった。いいよ。私は文句言わないよ」
 「露天風呂会議の後で副主席のご機嫌取りして抜かれてしまった」
 「それはお仕事ね。お仕事で疲れたのなら躰をくっつけてまったりしよう。副主席は怖かったでしょう。私はやさしいよー」
 「そうだな。まったくそうだよ」
 浜村修一はしみじみ疲れた表情である。
 全裸でぴったり躰を付けて浴槽に浸かる。
 「大変な仕事に成ったよ」
 それでも浴槽に入ると滝沢沙緒里の躰を抱き寄せる。体型は真紀子と変わらない。しなやかさも変わらない。
 「辞めたい」
 「とんでもない。日本の中間層とフェミニストにお灸を吸えて、経済を取り上げるまたとないチャンスだ」
 「それじゃ私の躰でたっぷり癒されて」
 既に指は股間に進入している。
 滝沢沙緒里の方から更に躰を密着させ唇を重ねる。
 
 同じ新日本空輸ホテルの最上階スイートルーム。
 大木少佐は全裸で絨毯の床に這い蹲っていた。江崎の宿泊する部屋である。
 自ら開いた股間の粘膜に一本鞭の洗礼を受けていた。
 太腿の筋肉は怒張して腰をぶるぶる震わせる。手で絨毯の床を叩き痛みに悶え苦しむ。
 さすがに声は殺しているが顔の表情は歪みきって苦しみを訴えている。
 だが、縛られてはいない。
 大木少佐は空手八段。避ける事も止めさせる事も出来る。合意の上で江崎の責めを受け入れている。
 大木少佐はMではない。
 「もう少し良いか」
 「いいですよ。先生が望まれるなら。局部は鍛えていません。痛みは同じですが私は相当に耐えられます」
 クリトリス付近に先端にチップが付いた一本鞭が炸裂する。
 強く力を入れて叩かなくても普通の女性が耐えられる痛みではない。
 「ぐうーーーーーーーーーーーー」
 大木少佐は僅かに呻いただけで声は殺して痛みに悶える。
 江崎は痛みに悶える大木少佐の躰を抱き寄せ強引に唇を貪る。
 大木少佐はまったく抵抗しない。
 さらに女の部分を広げて人差し指に第二間接でピンクの粘膜を弄る。
 「ああーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 大木少佐は江崎の責めを躰を解放して受け入れる。
 江崎はさらに指を膣に侵入させ蚯蚓千条の膣天井部に娼婦の泣き所を探り当て強硬に責める。
 「ああーーーーーーーー。あ、あーーーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーー。あ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 強制的に潮を噴かせる。
 「はあ。はあ。はあ。はあ。はあ」
 江崎が開放しても大木少佐は躰を震わせ官能の余韻を治めようとする。
 「潮は気持ち良いか」
 「クリを責められて出てしまう時ほどでは。他の責めの方が深いです」
 江崎はそのまま浴室に引っ張る。
 「夏木氏の存在に不満か」
 「いいえ」
 浴室の窓から浜村修一と滝沢沙緒里が見ているのと同じロケーションが広がっている。
 「湯野中を叩かない方が良い理由も、夏木さんを取り入れる理由も分ります」
 「何よりも浜村氏の提案はフェミニズムに汚染された国際社会に経済侵略を進めるに最適だ」
 「何故、核を持つ国は自らの核に滅びるのですか」
 「別に核だけではないのだが、軍事大国の将来性だ。アイゼンハワー大統領を知っているか」
 「いいえ。そうとう昔ですね」
 「ケネディは分るだろ」
 「はい」
 「その一代前の大統領だ。そして連合軍のノルマンディ上陸を指揮した」
 「軍人から大統領になったのですね」
 浴室の空調を少し上げて江崎は語り始めた。
 アイゼンハワーは大統領を退任するときにアメリカは要塞国家となっていると警告した。
 莫大な軍事費が掛かっている。そしてそれが経済を支えている。
 偉人として伝記まで普及しているジョンFケネディだが、アウトバーンに軍隊を入れ自ら解決出来ないベトナム戦争を介入した。
 その任期を引き継いだジョンソンにも解決出来なかった。
 決着をつけたのは共和党のニクソンである。
 あの時アメリカは大きな曲がり角を曲がった。結果はサイゴンの陥落。アメリカが後押しした南ベトナム政府軍が負けたのである。
 核の傘を維持して核以外の軍備も拡大する。
 ここに来てアメリカは次の曲がり角を曲がりつつある。巨額の軍事費を維持する力はもうない。そして国民の不満は頂点に達している。
 「帝國も主力艦の数ではアメリカ以上の海軍力を持っています」
 「確かに軍艦のコストはアメリカより高い。だが、人件費は千分の一にも満たない」
 「アメリカ大統領は核無き社会と言っていますが」
 「言っているだけか、自国が苦しいからでしょう」
 「解決は無いのですね」
 「無い。中国とロシアが十数個に分割して小さな国になってしまわない限り。それには大きな戦争が伴う」
 「そうですね」
 「湯野中のテロに使ってない海底艦隊は日本などの中枢を狙っているが、核保有国の核そのものを狙っている」
 「でもそれには相当の破壊力がないと」
 「あくまで発射してから迎撃する」
 「でも潜水艦に積んでいたのでは」
 「その潜水艦を常に深海から追尾しているのだ」
 「だから深度一千メートルまで潜れるのですね」
 「そうだ。帝國の技術をそのまま盗まれたのだ」
 「でも、当面は核と膨大な軍備と兵員の維持費が、大国を徐々に圧迫しているのですね」
 「そうだ。その均衡が崩れたときが一番危険だ」
 「中国の人口島と北朝鮮ですか」
 「北朝鮮は問題ない。例えミサイルを撃っても迎撃され北朝鮮の中枢は僅かな時間で叩かれる」
 「そうすると韓国に統一」
 「それも無い。中国、ロシアがそれはさせない。瞬時に北側を制圧して新しい傀儡政府が入れ替わるだけだ」
 「アメリカが上から攻撃する間に中国軍が国土を制圧」
 「もとより北朝鮮はソ連が、韓国はアメリカが作った傀儡政権だ。中国義勇軍と米軍が介入した朝鮮動乱で引かれたほぼ三十八度の線は東西社会の軍事境界線だ」
 「それでは東西社会の対立は今の国連にも残っているのですね」
 「そうだ。そして今は北朝鮮より南沙諸島だ。あれは第一次大戦のバルカンと同じだ」
 「それと同様に湯野中を徹底的に叩くのは世界恐慌以外にも危険なのですね」
 「そうだ」
 「夏木さんが提案した浜村さんの計画を使って中和するのが最善ですね」
 「そうだが、浜村氏に面倒な者が接近している」
 「それは木下元警視の妹を名乗る女」
 「そうだ」
 「浜村さんをどうするのです」
 「いや、浜村氏に対して害意はない」
 「でも危険ですね」
 「帝國に入ることは無いがR国、娼国以外で二人が接触すると危険だ」
 「帝國が接触する場合は今回の夏木さん同様ですね」
 「そうだ。木下元警視の妹は倒しても、浜村氏は護らねばならない」
 「浜村さんのSCMに関するシステムは重要なのですね」
 「これまで以上に確実、かつ合理的に亜細亜全体から吸い上げられる」
 「それじゃ湯野中は逆ザヤでは」
 「そんな事は無い。湯野中も十分に利用出来る」
 「帝國と娼国のニューシティが有利なのでは」
 「物流拠点が独立している。どこからも使える。ただ三つの資本の傘下になければ参入出来ないだけだ」
 「最初から夏木さんの利益を考えている訳ですよね」
 「そうだ。だが、それが加わる事で一定のグループが侵略してきたとは見えない。バッシングを受ける事もない」
 「またM40号らは私と窪田を狙って来るのですね」
 「そうだ。将来帝國の防衛は納見の双肩に掛かる。君はその中枢で窪田を参謀にしてじっくり対抗策を練れ」
 「窪田を参謀に」
 「窪田と合わないか」
 「いいえ。窪田は私と小川大尉を救うために奴等の前に身を晒してくれました」
 「あの大人しい表情の窪田からあの啖呵は凄かったな」
 「近衛部隊が一番驚いたようです」
 (第十八章 現代の女衒 参照)
 
 M40号らは次の標的を狙っていた。
 三人の幹部テロリスト候補がノミネートされた。本日はその作戦の審査である。
 作戦の審査にはN4号指宿五十八も加わった。
 46号山尾詩織隊員の作戦が協議された。
 「帝國内に入ることは面が割れてなければ難しくはない。だが、失敗したら自決してもらわねばならない」
 N4号が引導を渡す様に宣告する。
 「はい」
 四十代。中年をかなり過ぎた女性である。覚悟はそれなりに出来ている。
 「こっちの作戦は。引退した隊員を拉致する。日本に帰る隊員には工作員の監視が付いています」
 こちらは63号松野勝也の作戦である。これを木下有紀乃が推進する。松野勝也は爆発物工作員だがこの場合関係ない。
 「青山なら手薄か」
 「そう思います」
 「でも、元女性自衛官という立場を利用して親衛隊の試験を受ける。46号山尾隊員の作戦も捨てがたいよ」
 M40号は直接大木少佐拉致に乗り気である。
 「あと一つは」
 「まだ不十分よ33号の射撃の腕は将来性を持って評価するけど。今回はサポートね」
 岡田頼久の射撃の腕はN4号とほぼ互角だが、津島、仙石直人には及ばない。
 「では、二人の両面作戦で行くか」
 「そうね」
 話は纏まった。
 
 46号山尾詩織は日本に戻り新たに帝國に入国する。帝國の入隊試験を受け親衛隊を希望した。
 一方松野勝也と岡田頼久は青山恵美元少尉に日本の工作員は時々しか護衛に就いていない事を確認した。
 こちらの作戦が早く進みそうである。
 
 平佐和をはじめスタントハードコンパニオンの接待を受けた政治家らはR国TS市に呼ばれていた。
 そこには更なるハードな接待が用意されていた。
 日本では出来ない。究極の拷問ショーと酒池肉林のアフターが用意されている。
 まったく入所を問題にされない献金も付いている。
 日本で自治体を無力化して帝國、娼国の街に日本政府の制約を減らして利潤を外に上げるための接待である。
 日本から究極の事情を抱えたハードコンパニオンとスタントハードコンパニオンが連れて来られた。
 並木会長時代に帝國が日本の政治家を接待漬けにした内容が夏木陽壱の手でさらにハードになる。
 民事党国会議員の平佐和から市長、市会議員に至るまで自費で渡航している。またダミーの健全な予定も確り設定されている。
 日系人のハードコンパニオンが一人ずつ席に付いている。これが今夜SMを含めた夜伽女である。
 スタントコンパニオンは田中萌子と森川有希が日本から連れて来られていた。
 座敷の下座中央に正座させられている。
 体型はどちらも変わらない。年齢は田中萌子が二十四。森川有希が二十三だが森川有希が五つ位上に見える。
 若い躰に大人の顔である。そこが虐め心をそそらせる。
 夏木陽壱らは座敷には参列しない。代議士らに好きなようにやらせる。別室で浜村修一とモニターで監視している。
 何があってもR国の法律しか適用されない。此処では政治家らの秘密は完全に護られる。
 座は平佐和と菱沼が上座だが、二人は自分に付いたコンパニオンを緊縛師に縛らせそっちにご執心である。
 もとより市長以下若い議員、市会議員を接待漬けにするのが本来の目的である。彼らを深くこの計画に浸からせるには彼らの思い通りにさせるが良い。
 「今回はどっちを虐めますか」
 当然二人ともSM拷問は受ける。だが、究極の犠牲はどちらか一人である。それを受けた方が自らの事情による窮地から開放される。
 「先生」
 姉ヶ崎の市長は平佐和にお伺いを立てようとする。
 「先生らで決められるが良いよ」
 「どうしましょう」
 「おい。二人とも脱げ」
 両名とも此処に出るまで夏木陽壱に散々因果を含まされている。事前に夏木陽壱自ら訓練の調教まで行っている。
 あっさり立ち上がり脱ぎ始める。二人とも躰は似ている。どちらも身長は標準で体型はスリムである。
 下着姿になるとどちらも股間にショーツの横線が入る。そこから股間の隙間は膝に長い内腿の三角形を描く。
 ブラも双方Cカップ。比べられるように二人ともオーソドックスな純白の下着を着けさせられている。
 二人はお互いに相手の進行を見ながらブラを外すと乳首の色だけが違う。田中萌子は薄橙に近いが森川有希は真紅である。
 森川有希は可愛いと言うよりそそる女である。逆に田中萌子の外見は可愛いそのものと言える。
 口を開けば虐め心が沸くが見ているだけなら甚振るよりとことん辱めたい。
 川越の安曇市長が提案を始める。この市長が一番虐め心を滾らせている。
 「どっちを選ぶかな」
 「投票で行きますか」
 「それじゃ詰まらん。辛い事を争わせてその結果が良い」
 「どういうゲームを競わせる」
 みな二人の全裸を見ながら考える。
 夏木陽壱らはこの座敷をモニターで監視しながら酒を酌み交わす。
 「日本企業が海外に出て利益を上げようとしたが、国内の税金という足枷に苦しんだ。外に出た日本人が経済侵略をするのが帝國と娼国だ。君はそれを」
 夏木陽壱は浜村修一を起用したこの度のSCM(サプライチェーンマネジメント)で確定しかつ排他しようと考えている。
 日本民族の資本が海外に出て日本の高い法人税の呪縛から逃れる。逆に日本を始めとした中国、北朝鮮以外に経済侵略を掛けようというのである。
 帝國、娼国は経済が詰め込まれた超経済国家。R国は女衒の末裔が実質支配を続ける広大な途上国である。
 そして日本企業と企業戦士の収益を性と贅沢の満喫に投入出来る楽園と成りつつある。究極の性の満足以上に悦びはない。
 今モニターの向こうではその満足のサンプルを日本の政治家に提供している。
 徐々にではあるが確実に落日と成りつつある日本経済。ジャパンマネーが外に出て日本を経済的植民地化する。
 夏木陽壱は帝國の戦略に同調しかつバックアップしてそこに自らの利益も得る。
 「君はどっちを拷問したい」
 「若い方が可愛いですが、やや年嵩の方が加虐心をそそりますね。躰はどっちもまだピチピチで良いですが」
 「年は一つしか違わない」
 「成程。そうですか」
 「この二人はなんとしてもこの収入が要る。身体の一部、概観に見えない範囲を犠牲にしてもだ」
 そう聞くだけで浜村修一は熱くなる。
 滝沢沙緒里などにはやりたくない。森川有希ならと加虐心が滾る。
 滝沢沙緒里を女の羞恥に追い込むことは愉しい。だが、壊したくない。森川有希を壊して許されるならとやや迷いが生ずる。
 浜村修一は基本的に破壊する趣味ではない。苦しめて追い込むだけで良い。苦しむ姿を幾度も日を変えて何度も堪能したい。
 いつも始めるときは常に綺麗な躰を責めたい。
 「こっちの田中萌子は犯罪者同然だよ」
 「どんな」
 「痴漢でっち上げだ。警察がなかなか動かない。その間に弁護士間交渉で示談を目論んでいる。その示談金稼ぎだ」
 「しかし被害者はそれで」
 「被害者は名誉を回復しても不完全で復職はない。それなら海外で商売を始めたいらしい」
 「それで高額な示談金を」
 「二人分で五億だ」
 「ホフマン方式で生涯賃金を計算してそんなものですか」
 「二人とも若いからホフマン方式ではそんなに高くならない。それでも上乗せしている。父親が世田谷区長だ」
 「あの田中泰三の」
 「そうだ」
 「何故でしょう。その様な娘が」
 「安易な小遣い稼ぎだ」
 「他にも被害者が居ませんか」
 「そこまでは判らない」
 夏木陽壱は今回のギャラと女衒の手数料を払って宴会全体の費用を含めて典子と真紀子に三等分を請求するだけである。
 「たまたま二人の被害者が知り合いだったので手口が同じということで発覚したのだ。二人が頼んだ弁護士がこっちに依頼してきた」
 「父親は知らないのですね」
 「知ったらこんな事はさせまい」
 「田中泰三なら、何とか出来るのですか」
 「今の日本では無理だな。それに田中萌子の素行はあまり良くない」
 
 「俺はこの二人を鞭で叩いて、悲鳴の音量が高い方を負けにしたいな」
 川越市長安曇の提案である。
 「先生のお好きな局部鞭ですか」
 袖ヶ浦市長も欲情を滾らせている。
 「そうだよ」
 女の股間の一番敏感な部分を一本鞭のチップで叩こうというのである。既に二人は夏木陽壱からその拷問のサンプルを受けて泣いている。
 聞いただけで戦々恐々と成る。
 直ぐに騒音計測器が注文される。
 緊縛師に逆さ吊るしが要求される。
 緊縛師は一人目に田中萌子から高手小手に縛る。三十度に開いた足首を鉄の棒に縛り付ける。
 そのまま鉄の棒の中央に縄でセットしたフックを天井の滑車に引っ掛ける。
 緊縛師が二人掛かって滑車から伸びた縄を引いて田中萌子を逆さに吊るし上げる。
 「ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 まだまだ素人である。吊るしだけで甲高い悲鳴が上がる。
 逆に席のコンパニオンらは冷たい表情である。なんら同情はない。
 まず川越市長安曇が一本鞭を持つ。
 逆さに吊るされV字に開いた股間部分を狙って振り下ろす。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 田中萌子の可愛さのある顔が崩れ大口を開けて悲鳴が上がる。
 「あはああーーーーーーーーーーーーーーん。あああーーああーーーーーーーーーーーーーーーーん」
 痛みに逆さ吊るしの躰を腰で捩って悲鳴を鳴り響かせる。
 袖ヶ浦市長、市会議員らが順番に叩く。逆さ吊るしの躰が暴れ半狂乱の悲鳴を上げ続ける。
 交代させて森川有希が吊るされる。縛りを受ける顔が恐怖に凍りついている。田中萌子の半狂乱の拷問を目の当たりにしたばかりである。
 「こっちの女はどんな都合なので」
 モニターを見ていた浜村修一が夏木陽壱に確認する。
 二人とも市長、市会議員らの加虐心を滾らせた容赦のない拷問に興奮度が高まっている。
 自分らもプレイで女の局部を叩くがそれなりに手加減はする。若い市会議員らに手加減は感じられない。
 「こいつは大学病院の看護師だ。医療ミスを内々の示談金で隠蔽しようということだ。病院も承知している。故意まで行かないが感情のこもったミスだ」
 「なんと」
 「まあ患者にも問題があった。病院が総て片付けたが、行為の内容から犯罪になるかもしれない。示談金の半額を本人負担にした」
 「どんなミスを」
 「ミスというより聞き分けのない患者にお仕置き的医療行為をしたのだ。まあ看護師だ。患者の性的欲求は仕方ない。だが、この女は許せなかったのだ」
 「それが行過ぎた行為になってしまったのですね」
 「お仕置きのつもりがやり過ぎて殺してしまった。医療ミスという形でさらに遺族には裏取引が出来た。まあ遺族も悲しんでなかったから助かったのだ」
 遺族にも煙たがられていたので金で解決で済んだらしい。
 「今夜スタントコンパニオンから漏れた方はどう成ります」
 「このあと湯野中氏側近の指宿氏に引き渡して米軍の接待だ」
 「そういう使い道もありますか」
 「あっちは全額湯野中氏の負担だ」
 「ですが、いくら身体の一部を犠牲にしても高過ぎますよ」
 「金額は難しいよ。必要な金を充当する形だからな。有る方が応えるしかない」
 「それだけでこの内容を助けては思い切り善根を施しているようで。どっちも厳格には犯罪者ですよ」
 「そうだな」
 夏木陽壱も湯野中もそこまでは考えなかった。世の中はやはり有る者が損をするらしい。
 もっとも夏木陽壱や湯野中には僅かな小遣い銭でしかない。
 「ああーーああーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 今度は森川有希の悲鳴が轟く。田中萌子よりやや低音である。
 だが、市会議員らは田中萌子より森川有希の破滅を愉しみたい。安曇市長もこっちの鞭打ちに力が入る。
 「がああ、ああ、ああ、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐわあーーーーーーーーーーーーーーーー」
 何かを殴るように力を込めて空中で森川有希の躰が暴れる。腹の底から鈍い響きながら強烈な悲鳴を震撼させる。
 「おおーーーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な痛みに暴れまくる。
 「あは。はあ。はあ。はあ。は」
 たった一発で荒い息遣いが続く。
 崩れきった森川有希顔は市長、市会議員らの加虐心をとことん滾らせる。
 その場に二人がこの羽目に至った素行が公開される。
 平佐和が文書を持って来た仲居に読み上げるように指示する。
 「こんな奴等に我々の支援者は高額な金を払ってくれている。それに報いてとことんお仕置きをせないかん」
 「仰る通りであります」
 袖ヶ浦市長も同調する。
 「やめてーーーーーーーーー。早く私に決めてくださーーーーあい」
 森川有希は叫ぶように訴える。
 たくさん前座の拷問をされないで早く自分に決めてもらいたい。この座敷で帰れなければまだ辛い事が続く。
 自らの行いに懺悔の気持ちはないらしい。
 さらに市会議員らは加虐心を滾らせる。
 「駄目だな。通常のSMも条件に入っていると聞いている。ちゃんと仕様書も貰っている」
 国民党の菱沼代議士がポケットから出して広げる。
 「ああーーーー。お慈悲を」
 「駄目だSMゲームを三つトータルして今夜の犠牲者を決める」
 「ああーー。私は早く示談金を作らないと」
 今度は田中萌子が窮状を訴える。
 「それは心配要らんよ。数日中にR国が米軍の接待をする。そこで決着だよ」
 平佐和があっけらかんと通告する。何もかも情報を持っている。
 次は袖ヶ浦市長が鞭を持つ。
 「あ、ああーーーーーーーーーー」
 構えただけで泣き悲鳴が上がる。
 容赦なく振り下ろす。
 「ああはああーーーーーーーーーーーーーーーー。あはあ。あはあん。あっはん。あはん。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 逆さ吊るしの躰は空中で弓なりに反って跳ね上がる。
 「ぐおおーーーーーーーーー。ぐぐおおおおーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーー」
 悲鳴は座敷中を震撼する。
 平佐和に弄られていたコンパニオンも無理強いされる酒を飲むのを休めて見つめる。自分より虐められている女が居ることにやや満足げである。
 「おおーーー。おおーーーーーーー」
 「次」
 「はあ。はあ。はああ。はあ。はあ。はあ」
 荒い息遣いの森川有希に川越の若い市議が鞭を構える。
 「ああーーーーーーーーー。まってーーーーーーーーーーーーー」
 容赦なく振り下ろす。無残にも股間の突起した粘膜を強打する。
 「ぐあああーーーーーーーーーーーーーーー。ぐがああーーーーーーーーーー。ぐうーーーーーーーーーーー」
 涙を飛び散らし空中を暴れる。白くしなやかな躰が艶かしい。
 「こいつの漏らすのみたいですね」
 市議らは失禁が愉しみたい。さらに加虐心を滾らせる。
 「行きましょう」
 次は袖ヶ浦の五十年配の市議が狙いを正確にアナルと股間の閉じ合わせた突起を叩く。
 「お、お、お、おおおーーーーーーーーーーーん。ぐうおおおーーーーーーーーーーーーーーーー。ぐおおーーーーーーーーーー」
 苦しみに躰を捩るように振って悲鳴を搾り出す。
 そして失禁した様に漏らす。最早、恥より要求を早く満足させて苦しみから逃れたい。態と漏らしたかもしれない。
 「こいつ逃れようと態とやったか」
 「なんとも言えないな」
 「まあ。さらに責めてみよう」
 川越の四十代の市議が構える。
 「ああーーーーーーーーーー。待ってーーーーーーーーーーーー。おねがあいーーーーーーーーーーーーー」
 「あと三人だよ。そっちの女は受けたぞ」
 「私の方が強く叩かれてますうーーーーーーーーーーーーー」
 「早く決まっていいじゃないか」
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴に追い被せるように股間に鞭が炸裂する。
 「ぐおーおおーーーーーーーーーーーーーーーー。おごおおーーーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みの行き場がどうにも成らない苦しみに悶え暴れまくる。
 「おおーーーーーーーーーーー。うおおおーーーーーーーーーーーーー。もうやめてーーーーーーーーーーーーー」
 女にしては低めの声だったのが金切り声の泣き悲鳴で叫び続ける。
 次の袖ヶ浦市議が鞭を構える。
 「ああ。はあ。あは。はあ」
 森川有希は恐怖の形相で下からそれを見上げている。
 袖ヶ浦市議は一本鞭をチップが付いた物から先が長く伸びたものに変える。
 「だめーーーーーーーーーーー」
 恐怖に叫ぶ森川有希の太腿に鞭は炸裂する。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 悲鳴は上がるが局部ほどではない。
 もう一発乳房を二つまとめて左右に薙ぐ。
 「あはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに躰は仰け反るが局部よりは軽微である。
 「先生手加減ですか」
 「もう結果は出ているしこれ以上は無理だよ。この白い太腿と形の良いおっぱいを叩きたかったしな」
 この市議は自分の願望を優先したのである。その分一回余分に叩いたがまだ軽微である。
 次に最後の川越市議が構える。
 「俺はピンクの部分が叩きたい」
 川越の市議が二人で逆さ吊るしの森川有希の太腿を抱えて左右から女の部分のビラビラを広げる。
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーー。おねがいーーーーーーーしますーーーーーーーーーーーーーー」
 恐怖の叫びが慟哭となる。
 それでも鞭はきっちりピンクの粘膜に振り下ろされる。
 「うおーーーーーーーーーーーーーーーーー。うごおおおおーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーーーー」
 森川有希の逆さ吊るしの躰は小刻みに震撼する。涙と涎が座敷に飛び散る。
 
 日本在住の工作員から青山恵美元少尉が姿を消した報告がなされた。
 帝國は親衛隊を中心に騒然となった。
 大木少佐から青山恵美元少尉の警護は依頼されていた。だが、退役した隊員である。コンタクトは控えられ警護も手薄になる。
 青山恵美元少尉は働いていなかった。退職金で購入したマンションに住み恩給で豊かに暮らしていた。
 テロ組織の松野勝也と岡田頼久は引越し屋と産業廃棄物収集運搬業に偽装してこのマンションを取り囲んだ。
 管理人の帰った五時以降を狙う。
 引越し屋の作業服姿の組織員がエントランス、デッキを占拠する。
 青山恵美元少尉の部屋に鍵穴から催涙ガスを流し込む。
 引越し屋のトラックに偽装した作戦指令車の中では松野勝也と岡田頼久が赤外線センサーで内部を確認する。
 青山恵美元少尉が中で催涙ガスに倒れたことを確認して突入命令を出す。
 スカイデッキが接続され窓から大型の衣装ケースに入れられた青山恵美元少尉が運び出された。
 そのまま潜水艦でR国TS市に運ばれる。現在輸送中である。
 九州では大地震が群発的に勃発し続けていた。
 今回テロ組織が九州や日本国内で海賊放送を行うとは考えられない。R国内か海底。大木少佐らを誘き出す目的は解っている。
 そうなればR国内に絞られる。
 大木少佐らはR国近海に居た空母蒼龍に向かう。そして近衛部隊一個中隊がR国南の空軍基地に向かった。
 
 松野勝也と岡田頼久が青山恵美元少尉を確保した報告はM40号らに届いた。
 「何処で拷問する」
 「TSでは危険ですよね」
 「でも今度はR国内でも陸路の輸送は危険よ。既に帝國はキャッチしているわ」
 「そうですね」
 木下有紀乃らは大木少佐らを誘いこむ拷問場所を考えなければ成らない。
 
 TS市の宴会場では市議らが田中萌子と森川有希に次のSM拷問が開始された。
 「次は何で悲鳴と涙を競わせる」
 袖ヶ浦市長が川越市長安曇に確認する。
 安曇市長はブジーを持ち出す。
 「本来泌尿器科の道具だが、これはSM用にペニスの形をしている」
 「おお。これで綺麗な女の敏感な尿道を責めますか。なかなか」
 「先に電マで失禁するまで責めませんか。尿の量を競わせると言う事で」
 「先にブジーが良い。その後の失禁はなかなか良いぞ」
 「おおー」
 田中萌子と森川有希は震え上がっている。繊細な責めだが強烈な痛みである。
 早速開帳台が二台用意された。
 拷問椅子より開帳台の方が代議士らの受けが良い。
 また川越市長安曇がブジーを手にする。
 全裸で開帳台に固定され腹の辺りに掛けるカーテンは無い。
 平佐和と菱沼は自分の席のコンパニオンを愉しみ続けている。他の市議らも安曇に任せてコンパニオンを弄りながら見物する。
 まず田中萌子からである。
 震える田中萌子の太腿をさらに押し広げる。女の部分のビラビラを指先で開いて尿道の小さな亀裂にブジーの先端を押し込む。
 「あ、ああーーー、ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 滑らかな太腿の筋肉を力の限り踏ん張って怒張させて甲高い悲鳴を轟かせる。顔の表情は一気に破裂している。
 普通に見ればあどけなさが僅かに残る可愛い顔である。だが、安曇に容赦は無い。警察がなかなか動かない痴漢でっち上げ犯など徹底的に痛めつけたい。
 差し込むだけで強烈に痛い。それを容赦なくピストンする。
 「あはああーーあん、ああーーーーーー。はあーーーーー」
 安曇は強烈な痛みに悶え苦しむ田中萌子を責め続ける。
 痛みに切羽詰った悲鳴は止むことが無い。股間に突っ込まれたブジーを睨みながら泣き喚き続ける。
 新しいブジーに持ち替えて森川有希に向かう。
 森川有希は看護師である。この痛みに悲鳴を上げる患者を幾度も見ている。恨みの篭った目で安曇を睨み付けている。
 安曇の目が冷たく光る。
 同じように女の部分を広げる。ピンクの粘膜をブジーの先で擽る。
 「いやよー。いやあーー」
 森川有希の眉間に強い皺が刻まれて躰を硬くする。
 安曇はじわじわ尿道の入り口でブジーを回す。
 「ああーー。いやあー。いや」
 さらに安曇は開口器を取り出す。
 「いやだあーーー」
 横向けに膣に挿入して膣を横の楕円に広げる。
 「なんでー。私だけー」
 尿道口も広がった膣口の上で小さな口をへしゃげる様に広がっている。
 安曇は若い川越市議を招く。
 先端が球状で回るアナルバイブを持たせる。
 「やめてよーーーーーーーー。私だけなんでやるのーーー」
 安曇は無表情で森川有希をビンタする。
 「あはあーーーーーーーーーーん。やめろーーーーーーーーーー」
 さらに叩く。
 「ああーーーーーーーーーーーん。ああーーー」
 睨み返す森川有希。それをさらに叩く。
 美人の睨み返す顔は虐め心をさらに沸騰させる。
 安曇はアナルにローションを流す。
 川越の市議が森川有希にアナルバイブを挿入する。
 「ああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーー。あやめろーーーーーーーーーーー」
 クスコで広げた膣口の上に無残に晒した尿道口。安曇はそこを狙ってブジーを抉る様に挿入する。
 「あぐあわあーーーーーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 気丈に睨んでいた森川有希の表情は一挙にへしゃげ歪む。
 川越市議はアナルバイブを操縦してピンクの膣壁を下から迫り上げる。
 「あーーーーーーーーーーーー。あがあはあーーーーーーーーーーーーーー」
 森川有希は藻掻き狂ったように悲鳴を上げる。
 「きえ、え、えーーーーーーーーー。げえ、えーーーーーーーーーーー。ぎえーーーーーーーーーー」
 二重の責めに森川有希は奇声と悲鳴を鳴らし続ける。涙も零している。森川有希の可愛らしさの薄い美人顔。この涙は安曇には小気味良い。
 大きな盥が置かれその先にバットが並べられた。お漏らしの準備である。今度は市長、市議総出で行う。
 各々に電マが四本用意されそれぞれ一人が二本持つ。両方の乳首と膣口とクリトリスを一斉に責める。
 二人が狂乱の悲鳴を上げる。その最中に平佐和はコンパニオンを急性アルコール中毒に追いやった。
 看護婦が呼ばれる。この国では帝國同様看護士と看護婦は区分されている。
 
 その頃、青山恵美元少尉はR国奥地のD市に移送されていた。
 D市には最近建てられた大規模な温泉施設が在る。其処にこれから湯野中の接待で米軍第六艦隊司令部一行が招かれる。
 その少し先R国奥地にゲリラゾーンではない組織の基地設備が在る。M40号らは其処に青山恵美元少尉を移送する予定である。
 帝國が軍を動かしにくい配慮である。
 この条件では米軍に配慮して僅かな隊員で近付くしかない。
 D川の地中にあるもう一本の川に海から侵入する。R国の地図にない北と南の境を過ぎた辺りで地中の川はD川に合流する。
 その少し先で潜水艦は航行出来ない。そこで小型潜航艇かボートに乗り換える。今回は魚雷艇で速度を上げる。
 帝國の衛星からはキャッチされる。米第六艦隊の司令部が隠密裏にD市の温泉施設に向かったこともキャッチしている。
 航空母艦蒼龍では江崎、親衛隊、近衛部隊の主な面々が集まって事態を静観している。
 「この魚雷艇に青山元少尉が載せられていると見て間違いないでしょう」
 近衛部隊参謀敷島少佐である。
 「此処では米軍とのトラブルを避けなければ成りません。少数部隊で行くしかありません」
 窪田直子特務中尉である。
 「それが向こうの狙いでしょう」
 敷島少佐も事態を認識している。
 「二班で行動しましょう。私たちが囮に成ります。拷問が始まったら近衛部隊は一気に襲撃して下さい。敵も少数です」
 大木少佐は多少の拷問は覚悟して青山恵美元少尉を救う意思である。
 江崎は暗い表情をしている。青山を救うには親衛隊が拷問を受けるしかない。その後の対応が面倒である。
 江崎は易で既に事態を読んでいる。
 「相手はまだ条件を突きつけて来る。それを聞いてから動け」
 江崎は慎重というより事態の重さに判断しかねている。
 
 究極の処刑は森川有希に決まった。田中萌子は翌々日の米軍の接待に出されることになる。
 安曇は処刑内容を夏木陽壱に確認してきた。平佐和の指示である。
 「この間は乳首を斬ったが、整形されたらたいした事はない。子宮を摘出したいそうだ」
 夏木陽壱は浜村修一に意見を求める。
 「金額から、やった事の内容から軽過ぎませんか」
 「そうだな」
 「そうです」
 「ならどうする」
 「膣の中を焼いて子宮を摘出でどうですか。子宮には劇薬を塗りつけて膣内は半田ごてで焼きます」
 「真っ赤に焼けた鉄の擬似男根を突っ込ませては」
 「それでは素人の代議士らにやらせるには外傷の危険が多過ぎます」
 「そうだな。整形は出来るが限度はある」
 市議、市長らは夏木陽壱の回答に沸きあがった。
 「おい。おまえ。子宮に毒塗って膣を半田ごてで焼いて良いってよ」
 安曇が嬉しそうに宣告する。
 「いやあーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーー。おねがいですーーーー。お慈悲をーーーーー」
 森川有希は畳にぺったり座って土下座状態である。
 「駄目だよ。接待してくれた方から払った金額からそのくらいはやってくれという要望だ」
 「それにな。あんた人殺しているんだよ。本来なら過失じゃすまないよ」
 安曇の公言にさらに袖ヶ浦市長が付け加える。
 「ああーーーーーーーーー。どうかあーーー。おたすけを」
 森川有希は泣き叫ぶ。きりりとした美人顔が泣き叫ぶ。小気味良いが同情はない。
 緊縛師が取り押さえて拷問椅子に固定する。
 「たすけて。お願いたすけて」
 森川有希は唱えるように助けを求める。
 田中萌子はただ青い顔で事態を見ている。自分も同じ結果になるのではないか。それだけしか頭に浮かばない。
 クスコで膣を大きく開口する。
 「ああーーーーーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーーー。おねがいいーーーーーーーーーーー」
 いくら叫んでもその叫びは市長、市議らを悦ばせるだけである。
 大きな面貌に細菌が塗られる。
 大きく開かれた膣口の奥に赤く膨らんだ部分。その中央辺りの亀裂めがけて袖ヶ浦の市議の手で面貌が突っ込まれる。
 「ああーー。があああーーーーーーーーーーーー。ぐわがああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 躰を戒めの中で動く限り揺すって悲鳴を搾り出す。強烈な痛みである。
 涙は流れ出し顔の形相は破裂している。
 「あお、お、お、おーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 苦しみに躰を力の限り緩慢に揺する。拷問椅子が軋む。壮絶な光景である。
 「うお、お、おおーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーーーーー。うおーーーーーーーーーーーー」
 躰を暴れさせ続け悲鳴も治まらない。
 安曇は半田鏝を翳す。
 「ああーーーーー。おねがいゆるしてーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーー」
 子宮は駄目でも膣の感度は守りたいらしい。
 既に医療チームが待機している。
 「あおねがい。ゆるして。ゆるして。お願い」
 森川有希は断末魔の事態にただただ助けを唱え続ける。
 安曇はそれを無視して袖ヶ浦市長に半田鏝を渡す。
 袖ヶ浦市長の眼が光る。
 木の板に半田鏝を押し付けて熱さを確認する。木の板は焼けて黒くなる。
 「ああーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーー。たすけてーーーーーーーーーー」
 森川有希は叫び続ける。気丈そうな美人が情けない顔である。
 それでも容赦なく袖ヶ浦市長は半田鏝を構える。
 安曇がクスコを抜く。
 「ああーーーーーーーー。たすけてーーーーーー。たすけてーーーーーー。やめよう。ねえ。ねえ。やめよう」
 袖ヶ浦市長はビラビラを指先で広げる。
 「あああん。ああ。ゆるしてーーーーーーーーーー。ゆるしてーーーーーーーーーーーーーー」
 森川有希の断末魔の叫び声。その中で袖ヶ浦市長は半田鏝を膣にねじ込む。
 「ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーー」
 森川有希の叫び声は座敷を震撼する。
 田中萌子は壁際にへたり込んで壁に張り付くように恐怖の状況に恐れ戦いている。ただ震えるばかりである。
 「ああーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーー」
 森川有希の悲鳴はなかなか治まらない。涙を流している。
 医療チームが作業に掛かる。
 森川有希に麻酔が充てられる。市議らが見ている前で子宮摘出手術が行われるらしい。
 
 テロ組織が拷問場所に設定した建物は空港予定地の外れに在る。
 青山恵美元少尉は其処に連れて来られた。
 M40号らは待ちかねていた。拷問の準備は出来ている。
 帝國では大木少佐が囮に成るはやむなしとなっていた。窪田直子特務中尉も相川紗季少尉も行く意思である。
 だが、近衛部隊がどう近付くかが問題である。
 交換条件で大木少佐らが行くには相手は受け入れる。立地的に近衛部隊が近付く方法がない。位置的に地海中航行機回転は使えない。
 小型潜航艇でD川をD市まで行ける。回転が潜ったままD川をD市までは行けない。ぎりぎり行けても敵にも衛星はある。察知される。
 さらにD川から回転で進むには距離があり過ぎる。
 パラシュート降下しても大木少佐らを救うことは出来ない。強硬に近付けば大木少佐らを見殺しの戦闘になる。
 「もっと敵は巧妙な手口で来る」
 江崎は先を読んでいる。
 
 海賊放送は帝國に向けてだけ公開された。これは駆け引きの一環である。遅れて一般にも編集して公開する。
 青山恵美元少尉は両手を頭の上で縛り合わされて天井のフックから立ったまま吊るされている。意識はなく頭を垂れている。
 木下有紀乃は青山恵美元少尉のクリトリスを指で剥き出し鰐口クリップで鋏み電流を流す。
 「あ、ああーーーーーーーーーー。あ、ああーーーーーーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉は一気に意識を戻す。
 「やめてーーーーーーーーー。私はもうかんけいないんですーーーーー」
 青山恵美元少尉は瞬時にいま置かれている状況を理解する。
 「そう。でも、大木と相川、窪田を呼び出すには必要なのよ」
 青山恵美元少尉は木下有紀乃の双子の姉木下優樹子元警視の拷問で浣腸され排便を海賊放送で晒された。最後は膣に蛇を突っ込まれた。
 乳房をタバコの火で焼かれて危うく子宮を壊される寸前であった。乳首は高枝斬りバサミで斬られた。
 帝國の手術で綺麗に整形されて乳腺まで再生された。
 だが、青山恵美元少尉はこれに耐えられず除隊した。
 (第十八章 現代の女衒 参照)
 「私には関係有りません。辞めたのです。もう帝國の隊員ではありません」
 青山恵美元少尉はヒステリックに抗議する。笑うと笑窪が可愛い女である。悲痛に抗議しても怖い顔をしても可愛らしさが残る。
 サディストの男性でさえハードな責めには同情が沸く女である。
 顔が可愛いだけではない。全裸のスタイルも申し分なく綺麗である。
 「だから。大木らが身代わりに来るまでよ」
 「そうよ。前の動画観たけど。まだ逝き顔は披露してないわね。貴女の性器をとことん公開して失神するまで逝き顔を晒して貰うわ」
 M40号が横から最初のプログラムを宣告する。帝國親衛隊への憎しみが幾重にも篭っている。
 緊縛師四人が暴れる青山恵美元少尉の脚を広げる。それを空中で六十度に開いたまま縄の端を壁のフックに固定して引っ張る。
 青山恵美元少尉は天井のフックから頭の上で縛り合わせた両腕で吊るされて膝から脚首に掛けた縄で正面左右の天井の角から引っ張られている。
 横は左右天井の角から膝に掛けた縄で引っ張られ太腿を水平に広げた状態で空中に浮かされている。後ろからも腰に掛けた縄で引っ張られている。
 暴れてもほとんど股を閉じることは出来ない。
 カメラは顔が映るように捕らえて徐々に股間部分を拡大する。閉じ合わせた女の部分の綺麗な粘膜が丸出しである。
 「潜ってカメラに広げて」
 木下有紀乃が緊縛師に要求する。
 黒装束の緊縛師が青山恵美元少尉のお尻の下にしゃがんで下から二人で女の部分のビラビラを大きく広げる。
 ピンクの綺麗な粘膜がカメラに拡大される。中は柔らかいピンクである。強く開かれたので膣口も軽く開き尿道の小さな亀裂も丸くその姿を拡大している。
 膣口には膣壁の粒粒が確認される。
 そんなには使っていない女の部分である。帝國の士官学校を出ているが帝國ではそんなに遊んでなかったのかもしれない。
 「さあ。電マとドリルバイブで失禁して失神して貰うから」
 「やめてよーーーーーーーーー。私には関係有りません」
 青山恵美元少尉はヒステリックに叫ぶ。
 「そんな事言っていいのかしら。帝國の人達。貴女を助けてくれないかもよ」
 木下有紀乃は愉しそうにからかう。
 「止めて下さい」
 青山恵美元少尉は喚くだけである。
 「そんな根性無しだから逃げたね。窪田中尉を見なさい。全裸にされてもあの啖呵。敬服したよ」
 今度はM40号がからかう。
 「やめて。私はそんなこと出来ないの」
 「駄目よ。姉が時間なくて遣り残したから。いま追加するのよ」
 「あれで遣り残したなんて」
 「女の部分のご開帳と逝き顔を晒してなかったのよ」
 木下有紀乃は真顔で宣告する。
 「コレクションしている人。いっぱい居ると思うよ。これが公開されたらあの○ま○この女だと貴女を見ている人が周りにたくさん居る事に成るよ」
 「やめてーーーー。やめろーーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉はヒステリックに叫ぶ。堪らない。男性の目は分別や同情はない。しっかり自分の裸を透かしている。ああ。あの裸だと見ている視線が突き刺さる。
 「もう遅いよ。とっちゃたから。あとは逝き顔を晒さないように頑張るかな」
 木下有紀乃はじっくり責める姿勢である。
 緊縛師がドリルバイブを構えて木下有紀乃に電マを渡す。
 挿入を安易にするため、あと一人の緊縛師が膣に指を入れて掻き回す。
 「ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉にはプロの緊縛師の責めには到底耐えられない。
 尿道の小さな亀裂から潮が断続的に飛び出す。
 「ああーー。ああーー。ああーーああーー」
 荒い息遣いが何処までも続く。こんな姿が世界中に晒されてしまう。いつまでも個人のローカルに残り自然な流通を続ける。
 怖くて殆ど外に出られない。オートロックのマンションで宅配ボックスを使って通販生活である。
 日本で拉致されるなら帝國に住めば良かったと後悔する。
 緊縛師は容赦なくドリルバイブの先端を持って青山恵美元少尉の女に擬似男根を挿入する。
 「いやあーーーーーーー。あーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉の悲鳴と共に擬似男根は半分以上膣に納まる。
 「いやあーーーーー。イヤよーーーー。いやーーーーーーーーーーーー」
 喚き続ける。
 「よし」
 M40号の掛け声で緊縛師はスイッチを入れる。腰でしっかり抑えて押し出されるのと戦う。
 「ああーーああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉はまったく耐えられない。
 木下有紀乃が電マをクリトリスに充てる。
 「ああーーーーーーーーー。やめてーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーー」
 可愛い青山恵美元少尉が真っ赤に高潮する。ここまで崩れるかというほどに歪み悲鳴を搾り出す。
 「ああーーーーーー。いやああーーーーーーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉が押し返すドリルバイブを緊縛師は腰に力を込めて操縦する。
 そこに執拗に木下有紀乃が電マを押し当てる。
 「あ、ああーーーーーーーーーーーん。だめーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉の叫びのさなか潮が噴流する。
 「ああーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な涙声の悲鳴である。それでも潮は断続的に噴き上げる。
 緊縛師は潮を被りながらドリルバイブを挿入し続ける。
 「あがあーーーーーーーーーー。あがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。がーーーーーーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉は一瞬力いっぱい躰を振るわせる。次の瞬間躰は宙に浮遊し静かになってしまった。
 ただドリルバイブが音を立てて動くだけである。青山恵美元少尉は完全に白目を剝いている。
 緊縛師は麻酔を嗅がせ次の作業に掛かる。
 千枚通しで左の乳首に下から上に穴を開けリングを通す。乳首を抉る様に回して小さな接続部分を回してリングを止める。
 乳首は片側だけで次はクリトリスを引っ張る。その根元にも穴を開ける。同じ様にリングを通す。
 現在はまだ海賊放送は帝國だけに配信されている。見ている帝國の隊員らは怒りと痛みに拳を握り締めている。
 何かメッセージが出され次第動く体制である。
 木下有紀乃は青山恵美元少尉の乳首とクリトリスのリングに電極を当て刺激する。青山恵美元少尉は直ぐに意識を回復する。
 「ああーーーーーーーーーー。やだーーーーーーーーーー。いやーーーーーーー」
 緊縛師は宙に吊るされた青山恵美元少尉の躰を縄を解いて静かに床に下ろす。
 その作業時間にテロップが流れる。
 『交換条件です。相川紗季元警部捕が浜村修一氏を乗せてヘリで来なさい。浜村氏に危害は加えません。相川紗季元警部捕の交換条件はその次に出します』
 順番に交換で拷問して行くやり方である。
 『余計な行動を起こせば此処の立地です。直ぐに察知できます。軍が動けば米軍が近くにいます。米軍がどう考えるかお分かりと思います』
 充分に帝國で検討している事である。
 『現在地の説明は要らないと思います。そちらで察知していることは承知です。相川紗季元警部捕も生命は奪わない予定です』
 総て帝國の行動も読まれている。
 次の指名者が速やかに来ればある程度の拷問で相川紗季少尉を帰す。だから生命は奪わない予定と表現している。
 床に降ろされた青山恵美元少尉の乳首とクリトリスのリングに凧糸が結び付けられる。
 緊縛師は両腕を後ろに回し肘から先を重ねて縛り合わせて前に回らない様に固定する。
 ローラースケートからアームを伸ばした先にマウスピースをセットしたものを持ち出す。そのマウスピース部分を青山恵美元少尉の口に咥えさせる。
 ローラースケートに付けられた革の拘束具を首の後ろに回して固定する。
 躰を前に倒されるとローラースケートを口に咥えてローラースケートと膝で這う様な姿勢になる。
 木下有紀乃が膝を曲げて腰を下げて凧糸を引く。乳首が糸で引き伸ばされる。そして陰毛の中からクリトリスに付けられたリングが隠微な皮膚を引き伸ばす。
 青山恵美元少尉は口のローラーを床に着けず敏感な部分を引っ張られた痛みに膝を進める。
 口のマウスピースからは涎が零れている。醜婦なら目を背けるが青山恵美元少尉は美人かつ可愛い。じっくり弄りたい光景である。
 「ねえ。このローラー意味無いよ。こうやって床に顔を着けると悲痛な顔が隠れるしせっかくの涎も悲鳴も聞こえない」
 M40号は爪先で青山恵美元少尉の頭を押さえつけて強制的にローラースケートを床に着けさせながら異論を唱える。
 青山恵美元少尉はくぐもった声で呻く。
 「立たない様に低く引っ張るだけで充分ね」
 「そうですね」
 木下有紀乃はさらに凧糸を引っ張り同意する。
 「そうして有紀乃がスカート姿で引っ張るのもエロいけど。動物に引っ張らせようよ」
 
 帝國では準備に騒然となった。
 夏木陽壱を通して浜村修一に了解を取る。
 江崎は浜村修一の事はまったく心配していない。浜村修一も総て帝國には透明な状況が頷ける。事情の奥を悟られても帝國が咎めない事も理解出来る。
 相川紗季少尉の操縦するジェットヘリに浜村修一が乗り込み出発する。
 
 青山恵美元少尉の口からマウスピースに付けられたローラースケートは取り外された。
 涎は流したままである。
 二本の凧糸を子豚二匹に引かせる。
 子豚の都合で違うほうに引っ張られる。
 「あ、ああ、ああーーーーーーーーー。やめてーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉は余りの拷問に涙を流している。
 だが、この悲痛な表情はその種の男性を強く刺激する。海賊放送には充分な場面である。
 木下有紀乃は豚に餌をちらつかせ同じ方向に誘導して調整する。それでも豚の動きで乳首とクリトリスが千切れんばかりに引っ張られる。
 「ああ、あーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーー」
 膝で歩行して引っ張りに反応する。子豚の引く力と皮膚の強度が微妙である。
 木下有紀乃は容赦なく餌で豚を誘導する。
 「ああーーん。ああーーーーー」
 青山恵美元少尉は涎を垂らしたままの顔に涙を流して後ろ手に縛られた躰を斜めに膝で移動する。
 後ろからのカメラには股間にくっきり女の部分の突起が露になる。
 股間に隙間はある。前からも後ろからも艶かしい躰である。
 「どっちを千切るの。乳首。オクリ」
 「この女。姉が一度乳首斬り落しているから」
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーん。やめてーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉は恐ろしい記憶に狂った様に叫ぶ。
 「そうね。逃げる寸前に。でも綺麗に整形されたわね」
 「乳腺は駄目でしょうけど。形だけですね」
 「どっち側だったかな。もう一つも斬っちゃう」
 「やめてーーーーーーーーーーーーーーーー。いやよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 「それじゃご希望通り。オクリちゃん」
 「いやあーーーーーーーーーー。いやあーーーーーーーーーーーーー。いやーーーーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉は半狂乱に叫び続ける。
 相川紗季少尉と浜村修一が着く迄である。
 「大丈夫。ちょっと血が出るだけ。自分でヘリ操縦して帰ってもらうから」
 木下有紀乃には浜村修一の事が頭の中に充満している。青山恵美元少尉の拷問にはそんなに意識が回らない。
 乳首に凧糸を繋いだ豚を押さえてもう一匹の餌を遠くに投げる。
 豚は走る。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 青山恵美元少尉は動けない。豚を追って動けば乳首が千切れる。
 走る豚のほうに脚を伸ばして仰向けに倒れる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 クリトリスの下の皮膚は伸びきり血が僅かに堕ちる。
 木下有紀乃は手ごろなところで凧糸を切る。
 「何故」
 「目的は大木です。この女が無事にヘリを操縦して帰らないと作戦が途切れます」
 「そうね。こいつは充分に役目を果たしたか」
 M40号には木下有紀乃が浜村修一に意識が行っている事は解っている。だが、そこには触れない。充分楽しませてやるつもりである。
 青山恵美元少尉にはクリトリス周辺の皮膚を少し斬っただけで終了。軽いお仕置きになってしまった。
 M40号も退役した隊員と割り切っている。あくまで誘き出す材料である。現役をもっと深くお仕置きするべきと考えている。
 
 相川紗季少尉の操縦するジェットヘリはD市に突入した。D市の先はゲリラゾーンになる山岳地帯である。
 その手前のD市は草原が続く。他に飛行物体は皆無である。
 D市の中心街。さらに幾つかの集落を過ぎる。建設中の空港が見えてくる。その右手奥に豪勢な和風旅館が見える。
 米軍の慰問接待に使われる会場である。
 米軍のヘリが何機か駐留している。まだ本体は着いていない様である。
 其処を少し外す様に飛ぶ。
 空港建設地を過ぎると完全な草原地帯である。車一台見えない。空港建設地までも工事の車両以外は走ってない。
 その数キロ先に目標の建物が確認される。
 近付けば空からに限らず完全に察知される。
 組織員が屋上に立って手旗で誘導する。相川紗季少尉はそれ従ってヘリポートに着陸する。
 組織員が丁重に浜村修一を建物に招き入れる。
 相川紗季少尉には自動小銃で促す。
 建物内では青山恵美元少尉が既に服を着けている。局部麻酔と痛み止めを注射されて帰る準備を済ませていた。
 組織員が相川紗季少尉を縛る準備に手錠と脚錠を掛ける。一応元警察官である。武道ぐらいはやっていると警戒する。
 「浜村さん。この女拷問してみない」
 M40号がからかう。
 「何で私が」
 浜村修一はとんでもないと言う表情である。
 「サディストだと聞いていたけど。こっちのご褒美は要らないのね」
 「いくらSでも」
 「そうね。だったらそっちのご褒美をあげる」
 M40号は木下有紀乃を表情で示す。
 スタッフに案内され別室に招かれる。相川紗季少尉の拷問はM40号と緊縛師で行う様である。
 「帰りの服は用意してあるわ」
 M40号はマネキンに着せた服を示す。
 「え、えー」
 限りなく卑猥な服である。
 「嫌なら全裸で帰ってもいいよ。浜村さん乗せて」
 「ああー」
 これも恐ろしい屈辱である。だが、浜村修一には一度露天風呂会議で全裸を見せている。それでも一瞬目が眩む。
 下着が隠せないミニスカート。それなのにショーツはオーソドックスな綿である。
 上は乳首が何とか透けながら隠れるカット層。ブラは無い。
 緊縛師は構わず相川紗季少尉の服を切り裂く。
 全裸で高手小手に縛って十字架に縄の縛り目と右の脚首を十字架の根元に固定する。
 躰はある程度動く。
 既に帝國には放映している。
 「こいつを全身蚯蚓腫れにして。特に乳房と太腿。綺麗でしょ。壊して」
 M40号が緊縛師三人に命令する。
 「私より男にやってほしいでしょ」
 またM40号は相川紗季少尉をからかう。
 「そうね。誰でも貴方よりは」
 「判った。そんなに私を刺激したいのね」
 「どうせ手加減なんかしないだろ」
 「そうだけど。もっと燃えたわ」
 緊縛師に細い竹の鞭を渡す。蚯蚓腫れを作るには最適である。
 「片方は整形した乳首だから。もう一度斬っても衝撃は低いわ。徹底的にズタズタにして」
 緊縛師は竹の鞭を構える。
 乳房を横から直撃する。
 「ああーーーーーーー」
 衝撃に固定されていない左脚の膝が跳ね上がる。
 竹の細い鞭で強く叩くと直ぐに蚯蚓腫れが浮き上がる。
 相川紗季少尉の丸くくっきり御碗型に盛り上がって形よく手頃な大きさの綺麗な乳房。それを蚯蚓腫れにする。生唾が滾るシーンである。
 慣れた緊縛師でさえ相川紗季少尉くらいの女ならば何度やっても男性自身がコチコチに起立する。
 二人目が反対側から叩く。
 「うおーーー」
 相川紗季少尉の左膝が乳房に付く手前まで跳ね上がって一瞬空中に固まり呻き声を搾り出す。
 最初に叩かれた鞭の痕が紅い滲んだ筋に成る。
 美しい乳房が無残に汚されてゆく。
 M40号は緊縛師の股間に掌を当てる。
 「やっぱりコチコチに成る。もっとズタズタにしていいのよ。今度はその綺麗な太腿をズタズタにして」
 緊縛師は固定されていなかった左脚も右と揃えて十字架の根元に固定する。
 「あなたは乳房をもっと叩いて。蚯蚓腫れが紅く成っているでしょう。これをもっと叩いていくと柘榴の様に割れるのよ」
 M40号は右側から叩いていた緊縛師に指示する。
 緊縛師は悦びを表情には出さない。
 左の緊縛師が太腿の中程から真直で綺麗な表面の皮膚をピンポイントに強く叩く。
 「ぐああーーーーーー」
 相川紗季少尉の躰が強く震撼する。
 即座に太腿の表面に横五センチ位の蚯蚓腫れが浮かぶ。
 右の緊縛師が乳房を叩く。竹の鞭の先端は乳房の蚯蚓腫れが紅く滲んだ部分を的確に叩く。
 「あううーーーーーーーーー。ぐぐうーーーーーーーーー」
 相川紗季少尉の可愛く穏やかな顔が大口を縦に開いて限りなく軋む。
 乳房と太腿。女の美しく敏感な部分を容赦なく叩き続ける。
 乳房も太腿も蚯蚓腫れが柘榴のように割れている。
 M40号は相川紗季少尉を開帳台に移すよう指示する。
 蝋燭数本に点火する。
 「蝋涙が芯の周りに溜まったらその蚯蚓腫れにぶっ掛けて」
 開帳台の上で相川紗季少尉の股間は大きく広げられている。女の部分の閉じ合わせたビラビラは縦に細長くその姿を晒している。
 まだドドメ色感は強くない。綺麗な粘膜の閉じ合わせである。
 M40号は広がった太腿の後ろに立ち閉じたビラビラを指先で広げる。中は綺麗な薄橙である。
 一般公開した時のサービスである。そして世界のブラウザに曝す烙印を押したことになる。
 まだ帝國のイデオロギーに成り切っていない相川紗季少尉には割り切れない屈辱である。
 「蝋燭が溶けるまでに剃毛して」
 黒い塊が有っても美しい土手であるが剃ればまた期待感がある。
 緊縛師は鋏でカットして電気剃刀で剃ってしまう。不完全に閉じ合わせたビラビラの周辺まで皮膚はあまり紅みが無く綺麗である。
 M40号はもう一度相川紗季少尉の女を広げる。
 「掛けて」
 溶けた蝋涙をピンクの粘膜に掛ける様に促す。
 M40号が左右から二本ずつ両手の指先で女の部分を広げているところへ緊縛師が蝋燭の芯の周りに溶けて溜まった蝋涙を流し込む。
 「がああ、あ、あ、あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 強烈な悲鳴と共に目を吊り上げた般若の形相がこの上もなく歪む。
 「ああーーー。はあーーーーーーーーー」
 相川紗季少尉の顔は情けなく崩れる。
 「次は蚯蚓腫れに」
 M40号はさらに促す。
 緊縛師は乳房の蚯蚓腫れが柘榴に割れた部分を狙って蝋涙を流す。
 「うごお、お、お、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 相川紗季少尉は目が飛び出る様な形相である。
 「太腿」
 緊縛師は腰に近い部分の蚯蚓腫れを狙う。
 「ああーーーーーーー。ああーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 相川紗季少尉は狂ったような悲鳴を叫びあげる。
 
 浴室で湯に浸かり木下有紀乃は浜村修一にまったり躰を付けていた。
 「ごめんね。呼び出して」
 「大丈夫だけど。江崎先生には全部見破られているな」
 「そう」
 「申し訳ないが行ってくれと言われ。君は安全な筈だと言われた。最初に北と南の関係を承知しているかと確認されたしね」
 「そのあたりは全部オープンなのね」
 「そうだ。江崎先生は帝國の親衛隊と君らが対立するから対処しているようだ。日本他亜細亜へのテロだけなら何もしないよ」
 「そうなの」
 木下有紀乃は躰を強く押し付ける。自分から被さるより浜村修一から躰を蹂躙してほしい。
 浜村修一は木下有紀乃の乳房を自分の胸に引き寄せ唇を強く被せる。指は女の部分に深く侵入させる。
 木下有紀乃は完全に躰を預けて湯の中に浮いている。
 湯の中で抱きしめられるのは気持ちが良い。
 浜村修一は木下有紀乃の躰を湯に浮かせる。
 片手は腰の下に潜り木下有紀乃は浜村修一の肩に両手で掴まっている。指は二本揃えて膣壁の上部の敏感な部分を捉えて強く責める。
 「あうー。あうー。あう。あう。ああーー。ああーー」
 木下有紀乃はせつない声を漏らす。
 さらに強く責め続ける。
 「ああーーーーーー。ああーーーーーーーーー。あはーーーーーーーーーー。ああはあーーーーーーーーー」
 せつない喘ぎ声はどんどん強くなる。切羽詰った喘ぎ声が速度を上げる。
 「ああーー。ああーー。ああーー。でるーー」
 潮が湯船に断続的に吹き上げる。
 「ああ。ああ。ああ。ああ。ああ」
 抵抗はしない。成すがままである。
 残忍極まりないテロリストが浜村修一の前では完全に模範的な可愛い女に成ってしまう。
 
 相川紗季少尉の躰は蚯蚓腫れが真っ赤な筋になり一部柘榴のように割れその上から液体のように流した蝋涙が無残に被っている。
 「はあ。・・・はあ。・・・はあ。・・」
 相川紗季少尉は虫の息で絶えている。
 股間は大きく開かれて剃毛された土手にも蝋涙がべちゃり被っている。女の部分は弄られ半開きである。
 「ねえ。元警部補さん。青山元少尉は彼方が来たから軽い拷問でヘリを操縦して帰ったよ。だから貴方が犠牲に成るのよ」
 「・・・・・ああ」
 「拷問を選ばしてあげる」
 M40号は限りなく意地悪な笑みを浮かべる。
 「・・・・・・」
 相川紗季少尉は恐ろしさに震える。
 「一つ。子宮の撤去」
 「えー」
 「一つ。お○○この中を焼いちゃう」
 「うーー」
 「一つ。その美しい顔に焼印」
 「酷い」
 「どれにする」
 M40号は限りなく嬉しそうである。M40号にとっては復讐と木下優樹子元警視の仇討ちである。
 相川紗季少尉は木下優樹子元警視をテロリストと告発して警察庁から追い出した。その木下優樹子元警視はM40号が促して逃げる時に死を選んだ。
 「選べるわけ無いだろ」
 「選ばなければ私が決めるよ」
 「ふん」
 「いいのいね。顔に焼印しても」
 「・・・・」
 相川紗季少尉は無言でM40号を睨み返すだけである。
 「まあいいかあ。貴女なら顔に傷が有っても抱いて貰えるよね。お○○こや子宮取られない方がいいかもね」
 M40号は余裕綽々。今回の作戦に自信を持っている。
 「ちくしょう」
 相川紗季少尉は無念の呟きを発する。
 「ああーら。畜生と焼き印してほしいのね」
 早速焼印の作成が開始される。
 「活版の活字が有ったでしょう。こいつは4号くらいで充分よ。大木は2号くらい使ってやるけど」
 R国には古い活版印刷が残っていた。戦後残った日本人が使っていた物である。
 四号活字は20級くらいと考えていただきたい。
 テロップが流れる。
 『次の要求は窪田直子特務中尉です。相川紗季少尉は顔に焼印で終了します。大分衰弱しています。我々は浜村氏を無事にお返ししたいです』
 真っ赤に焼けた活字が画面に映る。
 M40号は焼き過ぎを注意している。
 『ヘリの交代操縦要員に大家静香兵曹長を要求します。こちらは基地に下ろさないのでご安心ください。総統の指示に従って浜村氏の安全確保です』
 青山恵美元少尉の笑窪が刻まれると書いたが相川紗季少尉も僅かに笑窪が刻まれる。そこに活字の焼印が押される。
 残酷極まりない仕打ちである。
 M40号は自分の手で自分より可愛く生まれた女の顔を潰したい。
 二つ纏めてピンセットで摘んだ活字を相川紗季少尉の頬を目掛けて押し付ける。
 「ううーーーーーーーー」
 直ぐに消毒する。
 医療チームが後の処理を行う。
 鞭の痕の蚯蚓腫れなど丹念に処理する。
 浜村修一の安全を考えて帰りの操縦員に配慮した。だが、木下有紀乃のお愉しみはなかなか終わらない。
 M40号は大木少佐を呼び出す時に交代で帰す事にした。
 相川紗季少尉は強い痛み止めの投与で朦朧としていた。
 窪田直子特務中尉が大家静香兵曹長の操縦するヘリで到着すると相川紗季少尉
だけ引渡しの準備が出来ていた。
 組織員が窪田直子特務中尉を連行して相川紗季少尉を別の組織員が抱き抱えてくる。
 「貴女にはもう一往復して貰う。浜村氏にはまだ用事が残っています」
 「浜村さんをどうするのですか」
 「ご心配なく。大切な親善大使です。無傷でちゃんとお返しいたします」
 大家静香兵曹長は帝國府に問い合わせたがテロップでもう一度宣告されていたので帰るよう指示された。
 江崎は夏木陽壱に確認している。
 夏木陽壱は大方の内容を説明している。浜村修一はのめり込んでいる訳でも好んでいる訳でもない。状況を読んで差し障り無く受け入れていると説明した。
 
 その頃空港建設地の近くに建つ豪勢な和風旅館に米軍の主力が到着していた。
 第六艦隊第六十任務部隊長官ベイソン少将の他に引退した前長官のモントゴメリー元少将も来ている。
 痴漢でっち上げ女の田中萌子もTS市から搬送された。
 米軍なので宴会場は使わずバンケットを全部開放して宴会場にしている。
 豪華な料理バイキングの他に女体盛りも用意されオードブルが載せられている。女体盛りと待機させたコンパニオンは日系の種ながら現地女性である。
 今回の生贄は田中萌子だけとなる。米軍からは生贄が捻出されていない。
 だんだん煩くなったのかも知れない。
 それに沖縄で米兵や軍属の犯罪が強く非難される。まさに凶悪な犯罪だが全世界で米兵だけではない。日本人の犯罪も同時にそれ以上起きている。
 フィリピンはアキノ大統領の愚かな決断で米軍を撤退させた。いま中国の横暴極まりない脅威に晒されている。
 もし、アメリカが引き上げたら沖縄県民の言い分の平和な沖縄が成されたら中国はどう出るか。それを秤に掛けて考えるべきである。
 国の意向で攻めて来る中国。国は日本を護る意思でも一部の犯罪者が法を犯すアメリカ。日本も同じである。
 大戦直後に人民解放軍が中国を開放して残留日本人を帰した時代の中国ではもうない。尖閣だけではなく沖縄も中国と主張しかねない。
 沖縄の立地的な見地で国際的価値は高い。西太平洋の最前線橋頭堡と言わざるを得ない。そして沖縄でなければ米軍駐留の意味は無い。
 日本に駐留する米軍は親日を装う。だが、第六艦隊は地中海配備であり親日を装う必要は無い。ここで一部の米軍幹部の怒りは滾っている。
 本日はその怒りの総てが田中萌子に向けられる。
 少佐の徽章を付けた女性司会者が田中萌子を紹介する。
 「ジャップの女か」
 ベイソン少将の質問である。
 「そうです。痴漢でっち上げを金で解決して逃れようとしています」
 女性司会者は英語の次に日本語に翻訳する。
 「その金作りか」
 空母カールビンソン艦長スコット大佐である。
 「そうです。そして本日のお仕置きが法を逃れる代償です」
 「そうか。法で裁くより重くお仕置きしよう」
 「勘違いしないでください。どんなに重いお仕置きをしても法で裁かれた後の社会的制裁と将来の絶望より軽いとご承知ください」
 女性司会者の裁量は厳しい。
 「本日のルールでは消えない外傷はNGです。おっぱいを斬り落しても整形できればOKです。内臓は生命に問題ない範囲です」
 田中萌子はいよいよと戦慄しながら聞いている。だが、沖縄の怒りで逆に起こるアメリカ軍の反動を何故自分が受けさせられるのか。納得が行かない。
 何故か昨日のお仕置きより厳しい気がする。女性司会者は非常に怖い。
 ベイソン少将とモントゴメリー元少将が拷問について話し合う。スコット大佐も参加する。
 その間に女性司会者はご贔屓の五十年配の下士官に田中萌子を全裸にして縛るよう要求する。
 下士官は二人の若い将校に手伝ってもらって作業に掛かる。
 何故か若い将校はこの五十年配の下士官の指示を仰ぎながら手伝う。
 直径が人の背丈より大きな樽を半分にした大道具が運ばれる。樽の半円の上に仰向けに寝かせる。樽の半円は身長より大きい。
 腕を頭の上に伸ばし手首を縛り合わせて床からフックで引くように固定する。股は開いて脚首を樽の左右の端に引っ掛け床に設置したフックに固定する。
 田中萌子は背中を弓なりに樽の表面に磔にされてしまった。
 「剃毛して」
 女性司会者は下士官に要求する。
 五十年配の下士官は田中萌子の土手にたっぷりローションを塗りT字剃刀を若い将校に渡す。
 陰毛の量はそれなりにあり二人で左右から剃っても剃り応えはある。
 田中萌子は顔を背けて頭の位置から見えない土手を剃られる屈辱に耐えている。
 女性司会者も参加して田中萌子の拷問が討議される。
 「このジャップと一緒に出された相方は、性器の中を焼かれて子宮を摘出されたと言うことです」
 「お金を払って出品された夏木氏は余り軽くならない様に要望しているのだな」
 「そうですね」
 「日本の政治家も相変わらずお好きだな」
 「我々のやり方でやろう」
 ベイソン少将は積極的である。
 「どうするのだ」
 モントゴメリー元少将である。
 「蝋燭の弾丸で子宮と膣を潰そう」
 「クリを潰したらどうなる」
 「整形は出来ますから概観上は問題ありません」
 女性司会者はきっぱり言い切る。
 「その前に使えなくなるま○○こでたっぷり最後の悦びを教えてやろう」
 「将来辛くなる様に究極の悦びを教えてやりましょう」
 スコット大佐も賛成する。
 「蝋燭の弾丸だけで膣を潰せるか」
 モントゴメリー元少将が疑問を呈する。
 「成り行きで仕上げは考えましょう」
 話し合いは終わった。
 通常のバイブレーター、電マ、ドリルバイブが用意される。
 まずローションをたっぷり流して通常のバイブレーターで慣らしてからである。
 
 窪田直子特務中尉もM40号一人で責める。
 「貴女には逝き顔をまだ晒して貰ってなかったわね。どう器具がいい。男がいい」
 「男性がいいです」
 「男性なら中出しよ」
 「どうぞ。何トンでも」
 「ああーー。そーーーーー」
 M40号は窪田直子の出方に少し当てが外れている。
 窪田直子は撹乱を狙っている。積極的に官能に応じればM40号はどう出るか。いまさら羞恥は気にしてない。愉しみのため常に避妊は行っている。
 「貴女にはお○○この破壊の方が効くようね。それとも子宮撤去」
 「嫌です。お○○こは赦してください。それが無くなったら私生きてられません」
 「ずいぶん正直ね。恥も、女の妊娠機能を捨てても悦びは護りたいのね」
 「はい。お願いします」
 「いいよ。そんなに正直に言うなら。その代わり前に二本。後ろに一本。三本一気に入れるよ」
 「はい。ゆっくりやってください」
 「何回も失神させてやる」
 そう言いながらM40号は既に諦めて大木少佐の拷問に意識が行っている。そして窪田直子特務中尉にはそれほど憎しみが沸かない。
 「はい。存分に責めてください」
 「判ったわ。貴方たちにお任せよ」
 M40号は緊縛師らにその作業を振る。
 「待ってください。我々は此処で脱ぐのは」
 「覆面すれば」
 「それでも」
 「それじゃ隊員を指導してやらせれば」
 M40号は椅子に座って観戦状態である。
 
 樽に磔にされた田中萌子に鞭拷問が始まった。
 最後の拷問には蝋燭の弾丸を入れた銃が用意されている。
 先端が長方形のチップになった一本鞭が将校に渡された。希望者一人二発ずつで前座拷問である。
 狙うのは樽の上に晒された局部、乳房、太腿。局部は大きな破損を考慮して一人一回とした。
 田中萌子は先日鞭の痛みを充分に味わっている。縛られた躰を恐々と震えるばかりである。
 若い将校はクリトリス目掛けて一発目を叩く。
 「ぐわあーーーーーーーーーー。があああーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーー」
 一気に形相を破裂させて叫び上げる。
 「あはあーーーーーーーーーーーん。あーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーー」
 一発目で涙を流している。女の部分のビラビラは閉じたままだがクリトリスに強い力で直撃である。
 次の一発は内腿を強く叩く。
 「あはあーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーーー。あーーーーーーーーーーーーー」
 眉間に皺を寄せ泣き顔がさらに惨めに崩れる。
 次の将校に鞭が渡る。剃毛した一人である。
 この将校も股間を狙っている。樽に弓なりに磔にされている田中萌子には何処を叩かれるか見えない。
 若い将校は一本鞭の先端を小陰唇の下から会陰、アナルに掛けて引くように叩く。
 「ぐぎゃあーーーーーーーーーーーーーーー。ぐうああーーーーーーーーーー。あがあーーーーーーーーーーー」
 破裂したように悲鳴を轟かせる。どのくらいで失神するかという状況である。
 「うおおーーーーーーーー。うおーーーーーーーーー。うおーーーーー。あはあん。あはあん。あはん。あはあ」
 涙はぽろぽろ零れる。
 まだ顔にあどけなさが残る。だが、その中に我侭さも見える。だから将校らが残忍に成る事を抑制しないのである。
 湯野中が少し遅れて会場に着いた。
 ベイソン少将らが歓迎の握手を交わしている。
 「ジャップの上等な女を拷問出来て感謝します」
 湯野中は日本人ではない。だが、日本民族の末裔である。それでも米軍の感情に納得している。
 まして痴漢でっち上げ女などはどうしようと構わない。
 夏木陽壱は問題の無い生贄を提供してくれたと納得している。
 この生贄が報復したり出るところに出たり暴露したりすることは無い。自らの犯罪も暴露する事になる。
 そして此処はR国である。日本の法律は適用されない。彼女らは一人で渡航している。自らの意思と成る。
 田中萌子らはここまでされるとは考えてなかった。もっと軽い代償で済むと甘く考えていた。森川有希は拷問が終わった時に既に女ではなかった。
 若い将校の二発目は乳首を直撃する。
 「ぐううーーーーーーーーーーーーー。がうーーーーーーーーーーーーーー。あはああーーん。ああーーーーん。あはん。あはん」
 激しく慟哭しながら涙はぽろぽろ溢れる。堪える事はまったく無い。
 「まだまだ。大丈夫よ。次ぎ」
 女性司会者は次を促す。
 指名されて中佐の徽章を付けた幕僚が鞭を持つ。
 乳房を横に並べて薙ぐ。
 「あはあはあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。うわあーーーーーーーーーーー」
 次は局部を避け太腿を左右に掛けて薙ぐ。
 「ああはあーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーー」
 痛いがまだ堪えられる痛みである。
 「次ぎ」
 また若い将校を指名する。
 若い将校は閉じた女の部分を容赦なく斜めに一本鞭のチップで叩く。
 「あお、お、おーーーーーーーーーーーーーーー。おーーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 田中萌子は樽の上で躰を固くして腰を暴れさせる。樽は震撼するように揺れる。
 「ぐうーーーあーーーーあーーーーーー。ぐうーーーーああーーーーーーーーーーー。あはああん。ああん。あはん。あはん」
 躰を硬く揺すって苦しみから搾り出す悲鳴が将校らを堪能させる。
 次の一発は内股の真下へ太腿の柔らかい部分を叩く。
 「があはあーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーー」
 田中萌子の顔は涙と汗に塗れている。
 「あはん。あはん。あはん。あはん」
 構わず泣き続ける。
 「まだよ。次ぎ艦長お願いします」
 女性司会者は艦長を指名する。
 スコット大佐はチップの付いた一本鞭ではなく先端の細長い一本鞭を持つ。
 閉じた女の部分を縦に狙う。
 やや斜めだがびらびらを閉じた粘膜の縦の盛り上がりを正確に直撃する。
 「あ、あ、ぐうーー。ぐうああーーーーーーーーーーーーーーーーーー。あぐああーーーーーーーーーーーーーーー」
 痛みに躰を硬直させて捩る。行き場の無い痛みに縛られた躰を力の限り捩り暴れさせる。
 「ぐああーーーーーーーーーーーーーー。ぐああーーーーーーーーーーー。ぐあーーーーーーーーー」
 ついに失禁した。
 「ああーー。あーーーーーーーーーーん。あはあーーーーーーーーーーーーーん。ああーーーーーーーーーーーん」
 泣きながら漏らし続ける。
 スコット大佐は治まるのを待って鞭の代わりにビンタする。
 「ううーーん」
 この姿でも田中萌子はスコット大佐を睨み返す。
 もう一度叩く。
 「うぐ」
 それでも睨んでいる。ビンタは屈辱である。
 ベイソン少将は拷問を変える指示を出す。
 「プールが有ったな。プールにバンジーで落せないか」
 「プールが浅いので無理です」
 女性司会者は否定する。
 「ではプールにクレーンで吊るせ」
 田中萌子は高手小手に縛り直されプールに移動させられる。
 脚首を二本揃えて縛られクレーンで逆さ吊にされる。
 高手小手に縛った後ろ手に引っ掛けた縄をクレーンのフックに引っ掛け躰を弓なりに引き上げる。
 脚首は上向きに逆さに吊るされて腰から上体が弓なりに丸く肩は水面に平行になる。
 「クレーンを一気に落下して上半身の縄を離せ」
 ベイソン少将の指示通りに行う。
 田中萌子の躰が水面に墜ちて顔と胸を叩きつけられる。
 バアシャーン。
 「ぐうーーーーーーーー」
 音に悲鳴がかき消されるが躰が水面に水平に叩き付けられるのはかなり痛い。飛び込む時は頭から縦に突っ込むので抵抗は低い。
 ベイソン少将は繰り返しを要求する。
 泣き顔でびしょ濡れの田中萌子はまたそそらせる。
 
 窪田直子特務中尉の三本挿入はなかなか進行しない。緊縛師がスタッフを指導してアナルに単独挿入までかなりの時間を要した。
 ようやくアナルに挿入した男優が寝てその上に窪田直子特務中尉を寝かせる。膣とアナルの二本挿入の運びである。
 窪田直子特務中尉は縛られていないがまったく抵抗をしない。AV嬢の様に協力的である。だが、スタッフの技量が後手になる。
 特に下のスタッフが安定しない。
 緊縛師は逆にする方向に変える。
 下に寝るスタッフが膣に入れて窪田直子特務中尉を被せる。ペニスの細いスタッフを中腰でアナルに挿入させる。
 帝國の近衛部隊の隊員が行うのとは大差がある。窪田直子特務中尉はなかなか気持ちよくなるどころではない。
 態勢を作るのがようやくである。
 何とか形が出来て二本のペニスが窪田直子特務中尉の膣とアナルを交互に出入りのピストンを繰り返す。
 この状態に加えてあと一人入れなければならない。
 下のスタッフと足をクロスして横になる。膣に二本挿入した状態でその二人の足を避けて最後の一人が中腰で立ちアナルに挿入しなければならない。
 二本膣に挿入した状態でアナルに挿入は入り口が締まりなかなか難しい。
 遂にM40号はぶちきれた。青山恵美を拉致してきた岡田頼久と松野勝也を引っ張り出す。
 「覆面してこの女をイカせて」
 両名は了解する。
 「悪くは無いな。あのおばさんのお相手よりは数段良いぞ」
 「まったくあのおばさん。とっくに終わっているのにいい女を抱かせているつもりだからな」
 帝國に元自衛隊出身で親衛隊候補として潜入する山尾詩織のことである。
 「昔はそれなりに良かったかもしれないが、いま脱げばガタガタだって分かんないのかな」
 「まったくだ。それに比べて極上の躰で美人ではないが、悪くは無い」
 まずは二人が二本挿入で責めまくる。やっと絵になった状況である。
 窪田直子特務中尉はここで女の意地は張らない。強姦でもその官能を素直に受け入れる。
 派手な美人顔ではない。男が受ける印象とは違う。M40号からは憎しみが低い。此処に木下有紀乃が居れば状況は変わったかもしれない。
 M40号は形式的に終わらせて早く大木少佐の拷問に掛かりたい。
 
 あれから田中萌子は南国ながら冷えた躰を風で乾かされ全身蝋涙塗れにされた。
 それを牛追い鞭で叩いて落され躰に巻きつく長い鞭に鈍い悲鳴を上げ続けた。
 蝋涙はまだ躰中に残骸の様に点在している。
 いま田中萌子は拷問椅子にがっちり縛り付けられている。
 股は六十度に開かれ太腿は拷問椅子に縄でぐるぐる巻きである。腹の部分は太い拘束具が締め付けている。
 腕も万歳の姿勢で拷問椅子のウサギの耳のような部分に同じ様にぐるぐる巻きに固定されている。
 首と胸部、股間部だけが剝きだしである。
 膣には大型のクスコが突っ込まれ子宮口までを晒している。
 小銃のスコープがクスコの中を狙う。
 「最初の二発は膣壁の左右を掠めろ。三発目で子宮口にぶち込め」
 なんとベイソン少将はクスコの中に三発も撃ち込ませようというのである。蝋燭の弾丸では大きな破壊力も殺傷力も無い。
 射手は五十年配の下士官が選ばれた。女性司会者のご贔屓で射撃の腕は確かである。本人は本意ではない。それでもいまの艦隊に居る以上逃れられない。
 この事が明るみに成れば軍の処罰は免れない。だが、いま拒否しても軍の別の力で処罰される。
 怯え震える田中萌子に一発目が撃たれる。
 膣内を広げたクスコの金属の切れ目に覗く膣のピンクの壁を擦って子宮口の端に直撃する。
 「ぐあーーーーーーーーーーー。ぐうお、お、お、おーーーーーーーーーーーーーー。ぐうおーーーーーーーーーー」
 躰を硬く痛みの反動で力の限り揺するが拷問椅子が僅かに揺れるだけである。
 顔の表情は怒った仁王像より破裂している。
 二発目が発射される。
 ベイソン少将はもう少し苦しませて撃たせたかったが下士官は撃ってしまう。
 下士官は余り苦しませず気絶させたい。
 二発目も命令通り反対側のクスコの隙間に三角に覗く膣壁を掠って子宮口の端に当たる。
 「・・・・・・・・・・・・・・・」
 田中萌子の表情は固まりそのまま失禁した。そして失神したようにだらりと浮いたまま白目を半分剝いている。
 三発目を構える。
 「まて」
 ベイソン少将が止める。
 「一度電気ショックで気付かせろ」
 痛みを実感させなければ意味はない。ベイソン少将の残酷な命令である。
 直ぐに電気ショックが与えられる。だが、余りの痛みに意識朦朧となり白目状態になってしまう。
 「やれ」
 ベイソン少将は仕方なしに子宮破壊命令をだす。
 三発目が子宮を直撃して蝋燭の弾丸がめり込む。
 田中萌子の躰が一瞬揺れるが声はない。
 「クスコを入れたまま股を開いて逆さ吊るしにしろ。熱湯を流し込む」
 「そのまま拷問椅子を回転させれば膣が上を向きます。吊るしより確実に流し込めます」
 女性司会者は冷静である。躰に火傷を作らず膣内だけを焼く様に説明している。
 「おー。それなら規約の通り」
 ベイソン少将も納得する。
 早速熱湯が用意された。
 「もう一度意識を回復させろ」
 クスコが刺された股間を上に向け頭部を斜め下に向けた田中萌子の頭の上に若い将校がしゃがみ込む。
 顔を逆さにビンタする。
 「ううん」
 一瞬気付いたところで熱湯が長く弧を描いたポットの細い口から流し込まれる。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーー。おおーーーーーーーーーーー」
 断末魔の悲鳴のが轟き渡り再び白目状態となる。
 医療チームが交代して後処理に掛かる。
 この後、森川有希と田中萌子はTS市のR国北側配下となる軍立病院に数週間入院した。
 そこで男性看護士とインターンの実習に晒された。
 
 窪田直子特務中尉の子宮摘出手術は帝國に流されその後海賊放送に公開された。
 その最中大木少佐を乗せて大家静香兵曹長の操縦でジェットヘリが出発した。
 浜村修一は木下有紀乃に別れを告げヘリポートの下の階で待っていた。
 木下有紀乃も帝國の隊員の前で親しくすることは控えた。
 M40号と一緒に大木少佐の拷問準備に掛かっている。
 窪田直子特務中尉は手術のあと眠らされていた。
 ヘリが到着して組織員が大木少佐を自動小銃で連行すると窪田直子特務中尉がストレチャーで運ばれ担架でヘリに乗せられた。
 大矢静香兵曹長は不安な表情で組織員が積み込むのを確認する。
 そこへ丁重に浜村修一が案内されてきた。乗り込むと組織員の指示で離陸する。
 「ご苦労様です」
 大矢静香兵曹長はその後無言のまま帝國に向かう。余計な質問はしない。浜村修一の件では江崎から充分な指導を受けている。
 大木少佐は浜村修一が無事収容された事を確認して戦う決断をした。
 組織員の行動は隙だらけである。
 自動小銃を構えていた組織員の足を絡めて肩を突き自動小銃を奪う。床に転げて他の組織員を射殺する。
 M40号らが銃声を聞いて大木少佐が居るブロックに催涙ガスを流す。
 大木少佐の足掻きは少々浅墓であった。
 特別な拷問椅子が用意されていた。
 股間は横真一文字に開かれている。
 脚首と膝上を幅十センチくらいの丸く腿の太さに合わせた金属板で囲むように固定されている。
 骨盤の位置を腰の括れに合わせた金属で押さえられている。
 腕は頭の上で手錠三個で厳重に固められ天井から引っ張られている。
 乳房は剝き出しのままその豊満な姿を曝すと言うよりは誇っている。
 催涙ガスによる眠りは既に覚めて大木少佐は無言でM40号を睨んでいる。
 「N四号は居ないの」
 大木少佐はこの状況でも怯んでいない。
 「貴方の拷問には興味ないようね」
 「親衛隊を目の敵にするのは貴方だけね」
 「M19号の敵よ。たっぷり辱めてやる。まず浣腸からね」
 二千CCの浣腸液が用意されている。
 横一文字に開かれた股間。太腿は筋肉をやや怒張させている。女の部分は縦一文字に粘膜の唇を閉じている。
 緊縛師がしゃがんで下からアナルに浣腸器を挿入する。
 大木少佐の表情が僅かに歪む。
 注入が終わるとアナル栓を捻じ込む。
 M40号と木下有紀乃が両側から指先で大木少佐の女の部分のびらびらを広げる。まずは海賊放送にお約束の局部ご開帳である。
 ドドメ色感はない。綺麗な女の部分の内側である。
 大木少佐はこうなると判っていても表情を叛ける。
 「電マとドリルバイブで失禁するまで責めて」
 M40号はまずプライドを辱めたい。だが、緊縛師は難しい表情である。逝き顔を曝すまでは可能だが失禁は難しい。
 緊縛師らはドリルバイブを数種類用意している。
 まず緊縛師は指でローションを膣内にたっぷり塗りこむ。
 「いい。感じ始めたらこのおっぱいを蚯蚓腫れだらけに成るまで叩くのよ。気持ち良くなるのと波長を合わせて」
 「了解です」
 ある程度倒錯を狙っていることは判る。
 睨み付ける大木少佐の表情に怯むことなくローションを流し込んで緊縛師は最初のドリルバイブを膣に捻じ込む。
 スイッチを始動する。
 「ぐう」
 大木少佐はドリルバイブの動いた衝撃に僅かに声を漏らしたがその後はしばらく無言の険しい顔で堪え続ける。
 電マを加勢する。
 それでも精神力を集中して堪え続ける。
 さらに緊縛師は太目の擬似男根がセットされたドリルバイブに切り替える。
 「うおーーーーーーーー。・・・・・・・・・」
 声は最初だけである。表情を硬く噛み締めまだ堪え続ける。
 だが、堪える太腿の筋肉は怒張している。
 躰も汗を噴いている。
 やがて浣腸の苦しみも襲ってくる。
 M40号はそっちに期待している。
 「もっと浣腸液を追加して」
 「無理です。一度抜いてしまいましょう」
 既にアナル栓を抜けば噴流する状況である。緊縛師は簡易便器を接続する。
 「透明なものは無いの」
 M40号は大木少佐の羞恥を何処までも引き出したい。
 「無駄ですよ。茶色い水しか出ませんよ」
 「多過ぎたの」
 「そうです」
 「いいわ。とにかく透明なので受けて」
 早速透明な簡易便器が手配される。
 それは殆ど無駄である。大木少佐はこのような事態を想定して腸は空にしてきている。
 茶色でも透明に近い水が出るだけである。
 「ふうーーん。そう」
 M40号は不満である。
 「とにかく潮を噴かせましょう。カテーテル以外で生小水を公開しましょう」
 木下有紀乃も何とか気丈な大木少佐から羞恥を抉り出したい。
 前回もドリルバイブは成功している。
 「こいつは子宮を取って顔に焼印よ」
 「お○○こは焼かないの」
 「江崎先生の為に残してあげましょう」
 「江崎先生は他の女でも」
 「お○○こまで失ったら、捨て身で向かって来るでしょう」
 「生かす以上はそれなりにですか」
 木下有紀乃もM40号の駆け引きを納得する。
 「そうよ。とにかく潮を噴かすか、漏らさせて」
 「潮ならそっちは簡単ですよ。漏らさせるのは女体によります」
 緊縛師は自信を持って応じる。
 「やって」
 漏らさせればよりダメージが高いがM40号も出来る事で納得する。
 緊縛師は娼婦の泣き所の反対側を責める。
 「あ、ああーーーーーーー」
 さすがに声は殺せない。少量だが潮が強く高く噴き上げる。映像にくっきり尿道の亀裂から出る部分が反映される。
 大木少佐には部下に見られることも近衛部隊に見られることも辛い。充分な報復である。
 「完全にイカせて。失神よ」
 M40号は緊縛師に強く要求する。
 海賊放送にばら撒けばAVの数倍の人気である。
 そして完全に強制された逝き顔であり演技など一切無い失神である。空手八段の超人な女。その女の性の極地が公開される。
 その手の視聴者にはどんな事をしても手に入れたい動画である。瞬く間にネットで流通する。
 緊縛師らは回転運動をするドリルバイブに切り替える。
 「振動が足りない。電マを併用して」
 M40号は一気に責めたい。
 緊縛師はじっくり責めて効果を出したい。仕方無しに電マを握って間接的に指を折った関節でクリトリスを刺激する。
 「直に充てるよりじわじわ行くほうが効果は高くなります」
 M40号より緊縛師の経験が深い。木下有紀乃も納得する。
 大木少佐は太腿の筋肉を怒張させ縛られた手を力いっぱい捻って堪え続ける。
 どう抵抗しても器具には適わない。前回は抵抗せず静かに身を任せたら簡単に蹂躙されてしまった。
 だが、抵抗して踏ん張ればさらに深みに嵌るような気がする。
 躰の力を抜いて他の事を考える。
 自分は子供を産めなくなるらしい。顔に焼印押されても整形出来る。子宮の再生は不可能らしい。
 自分がそんなに年齢が高くならないうちに子宮の再生が出来るように成るだろうか。窪田直子特務中尉も子宮を取られた。
 小川綾香大尉は既に死を覚悟していたのだろうか。
 組織を撲滅するために帝國に来た。帝國の方針にも不満があったのか。帝國に来て考え方は変わったようにも思えた。
 思考はそのくらいであった。
 頭は快感に向かって真っ白に成って行く。
 膣からは女の液が飛び散っている。
 顔は大口を開けて歪み震撼し続けている。それでも声は殆ど殺している。
 緊縛師は回転と振動を行うドリルバイブに切り替える。口径も太い。
 大木少佐は脚を開いて縛られた状態の躰を激しく暴れさせ続ける。
 やがて躰全体が大きく震撼する。
 次の瞬間白目を剝いて静かに成ってしまう。
 M40号と木下有紀乃の目的達成である。
 「次は悲鳴を上げさせるのよ」
 M40号は叫ぶが緊縛師は順番が逆ではないかと思う。
 「股を広げて逆さ吊るしにして。お○○こを集中攻撃よ」
 「壊さない程度に血を出しますか」
 「焼かない代わりよ」
 早速、失神したままの大木少佐の躰を逆さ吊るしにする。一人の緊縛師は麻酔銃を構えている。気が付いて暴れた時の備えである。
 大木少佐は高手小手に縛られ脚首を一本のアームに縛り付けられる。そのアームごと真逆さまに吊るされる。
 大木少佐は既に意識を回復している。
 「一本鞭よ。先端の細いのがいいよ。先端を当てて」
 M40号は痛みより血を流したいらしい。
 緊縛師は短く持とうとする。
 「先端で強く当てて」
 M40号はややヒステリックである。
 木下有紀乃が手を差し出して緊縛師から鞭を受け取る。
 無防備に上を向いた女の部分の粘膜を狙って長さを目測する。立ち位置を調節して振りかぶって叩く。閉じた粘膜の唇を斜めに直撃する。
 「・・・・・・・・。ぐ・・・・・・・・・・・」
 声は僅かに漏れただけだが躰は弓なりに反り大きく震撼する。
 映像には上から狙ったカメラに直撃部分を拡大される。
 その手の視聴者には興奮が高まる。
 二発目が太腿を横に薙ぐ。
 「ぐう・・・・・・・・・・・・・・」
 大木少佐の太腿は筋肉質ながら江崎を意識して細くそれなりに美しく成っている。太腿の艶めいた部分に薄く痕が付く。やがて蚯蚓腫れが浮いてくる。
 三発目は局部クリトリスの辺りを直撃する。
 「ぐぐうーーーーーーーーーー。ぐうおおーーーーーーーーーーー」
 さすがに大木少佐も悲鳴を漏らす。
 さらに正確に同じ部分を直撃する。
 「オー・・・・・・・・・・・・・・」
 躰が空中で堪える力いっぱい固まる。次の瞬間痛みに破裂するように力の限り震撼する。
 それでも懸命に無様な声は殺している。
 空手の有段者でも粘膜は鍛えられてない。強烈な痛みが襲い掛かっている。
 木下有紀乃は女に対して手加減は無い。浜村修一の前とは百八十度違う。
 大木少佐の状況を観察しながら木下有紀乃は容赦なく一本鞭の先端を細く閉じた粘膜に直撃させる。
 緊縛師は短く持って鞭の先端を当てようとしたが、木下有紀乃は長く持って力の入った鞭の先端を正確に当てる。
 その先端に怒りと憎しみが篭っている。
 「ぐうおーーーーーーーーーー。・・・・・・・・・」
 目を剝いて破裂するような悲鳴である。
 逆さ吊るしの躰は究極に反り返り狂ったように空中で揺れる。それでも木下有紀乃の鞭はその先端を正確に追って行く。
 姉の敵とばかりその残忍性は滾る。
 木下有紀乃にとって帝國も日本も正義ではない。山人が正義とも思っていない。だが、大和民族は敵であり帝國もなんら変わらない。
 鞭の先端は木下有紀乃の憎しみの塊となって大木少佐の繊細な女の部分を叩く。
 「ぐう、う、う、おーーーーーーーーーーーー。ぐぐお、おーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 気絶するに値するくらい強烈な痛みである。
 大木少佐の躰は空中で力の限り躰を硬くして暴れる。躰を丸めるように頭部を迫り上げ反動で一気に反り返る。
 行き場の無い強烈な痛みに躰を暴れさせる以外ない。
 どんなに強い女でもこの痛みには堪えられない。暴れ藻掻くのみである。
 だが、ここから血を流しても当分痛いだけで生命にも性的機能にも抜本的影響は無い。
 M40号が横から大木少佐の太腿を掴む。
 「硬さは変わらないけど。随分スマートになったわね。こっちも蚯蚓腫れにして」
 また緊縛師に要求する。
 緊縛師は太腿を摑んで首を振る。
 「そう」
 M40号は焼印の準備をする。
 木下有紀乃は狂ったように鞭の先端に執念を込めて叩き続ける。大木少佐は狂ったように悲鳴を上げ空中で暴れまくる。
 M40号はやや細くなった大木少佐の太腿に焼印がしたい。
 焼印には二号活字で『淫乱醜女』とセットされた。これを太腿に押印する準備を指示する。
 遂に大木少佐の女の部分から血が流れ出した。僅かな量だがびらびらから血が滲んでそこから会陰に流れ出ている。
 大木少佐の表情は歪みきっている。尋常な痛みではない。
 木下有紀乃は血の滲んだ大木少佐のびらびらを指で広げる。ピンクの部分まで血が滲んでいる。
 木下有紀乃はにんまり満足顔である。
 M40号は木下有紀乃に避けるよう促し焼印を近付ける。
 「顔に入れるのでは」
 「もちろんそれも。この太腿を焼印で潰すのよ。スポーツ女の太かったのがどうよ。僅かに痩せたらスマートになったでしょ」
 「そうですね」
 「だから潰してあげるの。どうせ整形するけど」
 M40号は逆さ吊りになった大木少佐の太腿の腰から膝にかけて中程の座った頂点部分に焼印を押し付ける。
 「うおおーーーーーーーーーーーーーー」
 かなり強く焼きこんでいる。M40号の怒りがその先端に篭っている。
 空中で大木少佐の躰が内側に外側に大きく反り返る。
 「電マで執拗に責めた方が、効果があるのでは」
 緊縛師が見解を伝える。
 「そうかも知れません」
 木下有紀乃も同意する。
 緊縛師二人と木下有紀乃が電マを持つ。
 逆さ吊るしの大木少佐の股間を三方から責める。クリトリス、びらびら、アナルに電マが充てられる。
 大木少佐は感極まっている。
 鞭の痛みが浸透している。この状態の責めは堪えるに苦しい。
 大木少佐の表情は痛みに苦しむより官能を抑えようと藻掻き続ける。
 「徹底的に責めるのよ。痛みと障害は子宮だけでいいわ。余り表面に残すと江崎先生の怒りを強く買う。もっと辱めるのよ。こいつの痴態を世界に公開するのよ」
 M40号はとことん大木少佐に怒っている。
 そして大木少佐には痛みより羞恥は数倍辛い。
 逃れようと藻掻き躰を微妙に逸らせる大木少佐の敏感な部分を電マは執拗に追い詰め責め続ける。
 前に座った緊縛師はクリトリスを指で剝いて微妙に電マの僅かな一角を充てる。
 木下有紀乃は逸らせようとする大木少佐の半開きの女の部分をじっくり電マでスライドさせる。
 大木少佐の顔は痛みより官能を抑えんと引き攣っている。その姿は男を底から抉る官能美である。
 我慢も限界が来る。それは失禁という大木少佐のもっとも避けたい状況で現れる。
 「ああーーーーーーーーーーーーーーー。ああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
 遂に断末魔の悲鳴を上げてしまう。
 大拍手が沸く。
 だが、M40号はこれだけでは済ましたくない。
 「もっと責めるのよ。とことん女の性を剥き出しにするのよ」
 ヒステリックとまで行かないが執拗に要求する。
 「黙って失神させても前回姉がやったように今一です。究極にイカせるべきです」
 木下有紀乃の要求だがそこが難しい。
 緊縛師は考える。浣腸もした。失禁させたので膣は緩い。人間で二穴は縛っていても抵抗で難しい。
 ドリルバイブが最適だが何か足りない。
 緊縛師は話し合う。
 岡田頼久と松野勝也が再び呼び出される。両名は歓んだ。
 緊縛師の指示でスタッフも手伝ってベッドに被せる様に床から細めの鉄パイプが組まれる。
 大木少佐を完全にベッドの上。空中に固定しようと言う目論見である。
 大木少佐の躰はベッドの約十センチ上で空中に仰向けにされ大股を開いた状態で膝を各々四本の鉄パイプに挟まれている。
 腹と乳房の下の二箇所をこれも四本の鉄パイプで縛るように囲まれている。
 手は頭の上に長く伸ばして同じ様に四本の鉄パイプに挟まれている。
 全身がっちり鉄パイプに固定されて動くことは出来ない。
 ベッドに岡田頼久が潜り込む。隙間がぎりぎりなので潜り込むに苦戦する。
 緊縛師の手伝いを得て何とかアナルに挿入する。
 松野勝也が岡田頼久の脚を跨いで中腰で膣に挿入する。鉄パイプを摑んで腕で躰を支えられるので動きやすい。
 「貴方はいきむだけよ。貴方は三発くらい出す勢いで責めるのよ」
 M40号は岡田頼久と松野勝也にそれぞれ要求する。絶対に世間に大木少佐の逝き顔を公開したい。
 帝國の隊員も実際は期待している。
 窪田直子特務中尉は多くの男性隊員と遊ぶ。大木少佐は遊ばない。そして少佐である。だが若い。完全に映像は目の保養の餌食である。
 大木少佐にも限りなく辛い。露天風呂会議で全裸になるのとは違う。階級下の男にたくさん見られてしまう。
 もう失禁を公開されてしまった。逝き顔もある程度公開されている。だが、ここまでは機械である。
 それは人間の数倍の猛攻撃で堪える事は誰でも不可能といえる。
 生身の男根でイッてしまうのは堪えられない。
 M40号と木下有紀乃はそこが狙いである。
 松野勝也は欲望を滾らせている。M40号の言葉に従って徹底的に責める。
 下から岡田頼久がアナルの中でいきませる。その硬さを粘膜の下に感じながら膣の奥を責める。
 大木少佐は強く締めてくる。最後の抵抗である。早く搾り取ろうとしている。
 松野勝也は自分に言い聞かせる。調節するのだと。自分は調節が出来る。
 大木少佐も気持ち良さを押さえられない。だが松野勝也も気持ち良い。そして欲望からは満足そのものである。相手が良い。
 松野勝也は木下有紀乃を避けてM40号を見る。これが一番の調節である。滾っている欲望と目の前の満足は一気に失せる。
 さらに欲望の対象としては終わっている山尾詩織を若い女を思い浮かべながらお義理で抱いたSEXに頭を切り替える。
 そして速度を上げる。萎えない様に大木少佐に眼を移す。またM40号を見る。調節の繰り返しである。
 大木少佐は痛みからの解放と二穴挿入の責め。これに大木少佐の精神力も真っ白に成りつつある。
 大木少佐は武道の精神力は高くてもSEXの経験は相変わらず浅い。二穴挿入は強烈である。
 既に崩れる顔を力の限り捩る。
 「おごーー。ぐごおーーーーー。ぐうごおおーーーーーーー」
 徐々に箍は外れつつある。
 「あはあ。あっはあ。あはあ。あはあ。あはあ。あはあ」
 断続的な激しい声を絞り出す。
 大木少佐の躰はガタガタ震える。
 「抜いて」
 木下有紀乃が松野勝也に指示する。
 松野勝也が男根を抜くと大木少佐の膣痙攣が確認される。
 M40号も木下有紀乃も今の大木少佐の状態が限りなく気持ち良いと知っている。それを不本意とする女から曝け出した。最高に満足である。
 そして今は頭が真っ白でも後日最高に落ち込む大木少佐を思いさらにほくそ笑む。拷問の悲鳴以上の満足が去来する。
 M40号と木下有紀乃には九州の山人の部落に乗り込まれた屈辱から溜飲が下がる瞬間である。
 そして大木少佐の躰の震えが納まらないうちに電マで責めながら松野勝也と岡田頼久を入れ替える。
 その後、予定通り手術が行われ大木少佐の躰はボートに乗せてD川に流された。海賊放送のコメントから近衛部隊がヘリで捜索する。
 大木少佐はD市を流れ出る前にヘリに収容された。麻酔で眠らされたままである。
 大木少佐の動画は世界中で三億以上ダウンロードされた。
 
 湯野中にとってはまったく余分な娘の行動。テロは売春風俗に煩い日本他の警察を無力化すれば良いだけである。
 帝國より矛先は日本他、亜細亜の国。湯野中はN4号指宿五十八に新たな命令を出すこととなる。
 浜村修一は協力したという位置付けでなんら責められる事はない。そのまま滝沢沙緒里の待つホテルに戻った。
 当分帝國に滞在となる。二人で滞在する部屋を中宮に近い建物の最上階に確保した。家賃は百万を超えるが帝國が半分負担する。
 一方、山尾詩織は潜入が露見して帝國にスパイ容疑で逮捕された。
 帝國に戻って大木少佐及び相川紗季少尉と窪田直子特務中尉は入院した。だが、今回の障害は残ってしまう。
 相川紗季少尉の顔の焼印は整形されたが大木少佐と窪田直子特務中尉の取られた子宮はさすがに帝國と雖も再生出来ない。
 窪田直子特務中尉はさらにSAXに明け暮れる。江崎にもケアを求める。
 そして大木少佐の怒りは修まらない。
 親衛隊は標的をM40号に絞る事となった。
 
 SMランド第十九章 スタントハードコンパニオン 完

http://sadosm.h.fc2.com/

SadoのSM小説 姦女真紅 第十九章 スタントハードコンパニオン

これ以前の章は以下のサイトから
https://www.amazon.co.jp/dp/B072C6SWVD
ページ内で「sado9364」をクリックしていただくと全作品の一覧が出ます。

SadoのSM小説 姦女真紅 第十九章 スタントハードコンパニオン

第十七章番外編で前原誠次元巡査部長にSM拷問され、テロ組織を真似た海賊放送で痴態を全世界に流され、その報復に煮えたぎる大島舞巡査部長。 前原誠次元巡査部長は日本の警察から逃れてR国に潜む。これをテロ組織が利用して日本のやくざ稲垣七郎を使って、大島舞巡査部長を誘き寄せる。凄惨な蛇拷問で大島舞巡査部長は。 そして連絡を受けて救出に向かった大木少佐と、小川少尉も捕まり、小川少尉の働きで警察著を追われた木下優樹子元警視の復讐が燃え上がる。拷問で小川少尉は女として致命的な損傷を受ける。 二人の救出に向かった窪田特務少尉にも試練が。

  • 小説
  • 長編
  • アクション
  • サスペンス
  • 成人向け
  • 強い暴力的表現
  • 強い性的表現
  • 強い反社会的表現
  • 強い言語・思想的表現
更新日
登録日
2017-05-07

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted