裁きを撃つ

裁きを撃つ



   


  



   


  


枯れた地上ならば花畑を

おまえの花を

花に

朝の水を



味方でいてくれた

一番近かった

それは

母性にも

似て

見えた



枯れた地 水を引く 

実のなる種子を蒔く 

芽を守る 

朝にまた咲く



その受難の年月に

サクリファイスの調べで

音になれたら



表現の産物ではない形の気持ちが

根を張って歩んだ



刈り取られぬ苗木を植えます

雨も風も来ますが

歌はあります



明日には

明日

水の流れ 風の音

陽だまり 葉のそよぎが ある



今日の風

おまえにもう届いただろうか

雑踏のなか行くおまえ



さわやかに

水と空気を 飲む 齧る

今日一日のおまえを祈る



間違ったおれの

罪 感情 

陽だまりはあてどもなく差している



五月の風のそよぎ愛し

青葉のアイスは

ゆきどけの葉 似ている



田園の葉いっせいに揺れるとき

おまえが揺れる

おまえの尊さ



一日

雨も風も 人々は歩く

秘めたこころ 足音のなか 



まどろみを

分けてやりたい

僅かな眠りで今日も歩くおまえに



おまえのままでいい

木々の音は刹那く

おれは金平糖を食む



紫煙の先

アンナ揺らす

おまえは空中で自由になる



アンナは風のそよぎ

いつかおまえは愛を生きるだろう



おまえがおまえであればいいさ

ティラミスのごとく

甘い明け方に



アンナを決して欺かない

この裏切りの言葉のない国にて



おまえはいったいどこにいるだろうか

朝の水は

届いただろうか



虹色のアンナが

雨に光るとき

街はきっと穏やかな言葉



珈琲を飲み

おまえの痕跡を探す午後

優しい言葉と祈り



おまえ感謝した朝

「リルがリルならアタシはいいの」

頬 なでたい



花畑

潤すなら永久に愛でたらいい

水疾り 風瞬く



自然に笑むおまえ

黒く苦いおまえいるなら

背景に溶ける



おだやかな午後

朝にくれた包容

混濁もなく

澄んだ

水彩



過去を逃れず

未来への眼差し

審判を恐れず

裁きを撃つ



赤い熱

蒼い憂鬱

混ぜ合わせ

薄紫で明ける朝を



明日 メモ書きして

二人 コップに詰めよう

日々を 真夜中が造る



夕暮れは

なんの憂いの一点もなくおまえを平穏に待てる



おまえにだけは

月の白濁抱くように生きたい

おまえにだけは



白濁

青の美しさの証

白濁

青の包容の証



降り積もる短歌

完全な愛の記し

降り積もる 絵を描きつつ



おまえの東と
       おれの西

東と西が混ざる

全方位の恋



もしもおれが枯れたら

おまえの朝の水

少し

分かち合わせてくれ



贖罪

過去戻らず うしろ暗い背中

目を差す このさき 



気にしない

おまえはいつも

おれの味方でいてくれたから

本当の



気楽な日溜りは

いつもおまえの匂いがした

おれは甘く眠る



大切にしろといわれた

ともかく陣地にこもり

ポーカー始めた



しょぼくれた宵の涯て

拗ねたおまえ

行き詰めたおれは

ミルクを飲んだ



「リルがリルなら」

おれがおれでないことがありうるのかと おれが問う夜



おまえの兆しを見つけようとして

しくじる おまえが拗ねちまう夜




   


  



   


  

裁きを撃つ

少し表現を変えた。

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich
先端KANQ38ツイッター https://twitter.com/kanq38

裁きを撃つ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-05-06

Copyrighted
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