戦国長編小説『蝶や花や』設定集1話~2話まで

戦国長編小説『蝶や花や』設定集1話~2話まで

全18話予定。登場人物は一部をのぞき、ほぼ全員掲載。
人物解説は1~2話に登場する人物を中心に記載。
原作はラジオ放送された内容なのですでに完成済みですが、個人HPや、のべぷろ、に掲載する挿絵の完成を随時待ってからのアップになります。原作完成までの期間は約半年。この時代の知識はほとんどなかったため、1から調べながら書きました。そのため、想像で書いている部分は多少ありますし、史実をベースに、オリジナルにしている部分も多いので、歴史に詳しいかたからツッコミが入る可能性もあるでしょうね。
創作の方針としては、ラジオから小説にする際に、「小学生でも読めて、読みながら学べる」ということに主眼を置きました。いただいたレビューの中には、子どものころ教材で吉法師を知った、というかたがおられました。わたしも歴史が好きで、卑弥呼を中心にメジャーな人物の漫画などを読んでいました。子どもから大人まで読めるように、難しい表現は避け、なるべく子どもでもわかるように書いていこうと思います。いつか大きな本にして、学校に献本でもできればなと思っています(過去に出版したものは県内外の複数の小学校に献本しました)。

最近、戦国時代のファッション図鑑を買っていろいろと学びました。イラストレーターさんも買ってくれたので、大変助かっています。

人物・合戦等の設定です。もとの設定集のネタバレ部分を大幅に削った簡単な内容です。

『戦国小説 蝶や花や』設定集

※各主要・脇役・合戦の詳細を決める際にメモしていったものです。


【人物・記載順(名前が与えられている全主役・脇役)】
 十段階の数字は重要人物度格付け目安。
 十=主役級、九=脇役最上級

【織田家】
 吉法師(信長幼少期)→十
 鶴姫(女)→十
 織田信長→十
 濃姫(帰蝶)→十
 明智光秀→九
 市(女)→九
弥助→九
 竹千代(⇒松平元康⇒家康⇒徳川家康)→八
 織田信秀→七
 織田信光→六
 斯波義統(未登場、設定のみ)→五
 斯波義銀→二
 木下藤吉郎(⇒羽柴秀吉)→七
 森可成→六
 前田利家→六
  丹羽長秀→五
 平手政秀→六
 水野忠分→四
 妻木煕子(女)→六
 宗恩→四
 今井宗久→二
  柘植三郎→四
 森蘭丸→八
 阿国→七
 織田信友→七
 織田信行→六
 柴田勝家→六
 土田御前(女)→七
 林美作守→二
 坂井大膳→二
 林秀貞→一

【美濃斎藤家・その他】
 斎藤道三→七
 堀田道空→三
 斎藤義龍→八
 美濃3人衆
 ・安藤守就→六
・稲葉一鉄→四
・氏家直元→四
 松平忠茂→三
  足利義輝→六
 足利義昭→五
 足立六兵衛→三
 浅井長政→七
 浅井輝政→六
六角義治→四
榊原康政→二
武田信玄→七
 上杉謙信→五
閻魔大王→五
 

【特殊勢力・忍】
 伊賀衆
 ・服部半蔵→八
 ・鬼丸→七
 
 ・磯野員昌→七

巫女衆(くノ一)
 ・望月千代女→九(忍側主役)
 ・甲→六
 ・乙→六
 ・壬→五
 ・癸→五
 ・庚→五
 ・辛→六
 ・布都御魂剣→六

 風魔一党
 ・風魔小太郎→六


 


【人物設定集】

【吉法師】きっぽうし-尾張のうつけもの-
 うつけものと呼ばれていたころ、城下の同い年の鶴姫たちとよく遊んでいた。
 あるとき、武将になることで戦に行って死んで欲しくないと叫んでくれた鶴姫の泣き顔は、戦はして当たり前という戦国の世に対する吉法師の見方、考え方を一変させるほどのものだった。
 天下をとり、世に平和をもたらしてほしいという鶴姫の願いを叶えると心に誓い、はじめて自分を大事に思ってくれる言葉をかけてくれた鶴姫に恋をし、彼女を守ろうと誓う。
 乗馬や剣、槍、弓、兵法を学びながら、隠れては鶴姫と会い、仲を深めていった。
 もともとうつけものではあったが、天下を夢見るようになってからは鶴姫のように自分を信用してくれる人物を選びだすため、うつけもののふりをしていた。そのため、元服して信長と名乗るようになり、濃姫を迎える前に斎藤道三と会見した際には、対面するまではうつけものにふさわしい格好だった。対面時には正装に着替えている。幼くして天下統一の計画は始まっていた。


【鶴姫】つるひめ -信長の妻を夢見た少女-
 自身が創作している『アインストーリー』の主人公である少女(名前はタイトルによって異なる)の魂が転生した姿。最初の魂は、中国神話に登場する神・女媧の分身でもある台与(とよ。卑弥呼のあとを継いだ倭の王)。おおもとは女媧である。アインストーリーは全5作であり、それぞれ独立しているが、最終話でつながる。

 那古野城の城下、山のふもとで貧しく暮らす娘で、吉法師と同い年。
 父親を戦で亡くし、武将や大名、そして戦を憎んでいる。
 強くて頼れる吉法師に父親のような一面を感じ、彼にひかれるが、いつもからかわれ、泣かされてばかりだった。
 吉法師に天下をとってほしいと告げたあとは頻繁に会い、相思相愛となっていった。


【織田信長】おだのぶなが -天下布武で天下統一を目指す-
 父である信秀の主君(主家)にあたる織田信友は、信秀と裏で対立していた。
 あるとき、信長の将来を恐れた信友は、信長の暗殺をはかるも鶴姫に邪魔をされる。
 刺客によって鶴姫が斬られるのを見た信長は自ら向かっていき、刺客を倒すが、鶴姫は言葉を残して息を引き取る。
 鶴姫を守れなかった信長は死んだように完全に生気を失う。何日も部屋から出てこなかったが、政略結婚のため濃姫を迎える日になり、なんとか自分の負の感情を克服する。そして鶴姫との約束を果たそうと再度誓う。
 濃姫とは過去のことで幾度か喧嘩をするが、それを乗り越えてお互い「一心同体」という位置づけにまでなった。
 明智流を会得する光秀と濃姫が霊気に守られているのとは違い、信長は霊気のライバルともいえる覇気に守られている。

 やがて、室町幕府一五代将軍となった足利義昭から天下五剣のひとつ「鬼丸国綱(おにまるくにつな)」を授かり愛刀とする。
 義輝が襲撃された際に使用した刀であり、悪や鬼を断つとされる名刀中の名刀。


【濃姫】のうひめ -天真爛漫、織田軍屈指の将-
 蝶や花やと育てられた才色兼備の娘。斎藤道三の娘として信長と政略結婚。本名は帰蝶でトレードマークは蝶。
 幼少期は気性が激しく感情をさらけだす反面、涙もろい面も持ち、非常に感受性豊か。大人になっても、だれが相手でも明るく接し、多くの者がその天性の優しさに惹かれていく。

 将来を誓った従兄妹の明智光秀を、政略結婚のため美濃においてきたことを悔やむ。信長との婚儀に、愛される『妻』を夢見たが、鶴姫を亡くし傷心していた信長が婚儀に現れなかったため絶望し、自殺をはかるも信長にとめられる。
 その後、信長の過去を知った濃姫は、辛いのは自分だけではないと、運命から逃げず、信長とともに平和のため天下統一を目指そうと誓う。
 しばしば過去のことで喧嘩をしてしまうが、お互いだけを見ていられる関係を互いが望んでいることに幸せを感じ、お互い、最大の理解者にして最大の盟友、そして一心同体という位置づけにまでなった。

 幼いころから道三の娘として高いプライドを持ち、武芸に励んだり、兵法に関する書物を読んでいたため、薙刀の扱いは非常に上手かった。
 信長に嫁いでからは、さらに稽古に励み、薙刀の他、槍、弓、刀、鉄砲や乗馬などあらゆる武芸を身につけた。

「死者の無念を背負い続け苦しむことで力を得られる」という明智流の真髄を光秀から会得する。
 その際に、光秀から大脇差を譲り受け、戦においては必ず所持していた。
 薙刀の扱いにおいては間違いなく織田軍随一と呼ばれるようになったが、ほとんどの武器を満足に扱える点から光秀いわく「あらゆる武芸の力量を総合的に見ても織田軍屈指」である。
 
 戦においては常に信長の右腕として活躍。
 濃姫直卒の織田軍最強部隊「姫君衆」を結成。
 姫君衆は最大五〇〇人で構成され、ひとりひとりが豪傑と呼べるほどの力量を持つ。
 戦で声を張り上げ部下の士気を揚げるなど、その勇気と存在感に憧れる者は数知れず、敵の軍勢ですら名高い濃姫への憧れから、濃姫を見ただけで士気を失い退却する部隊も現れた。
 血気盛んながら、負傷した兵を敵味方問わず助けようとしたり、励ましたりと、女性としての優しさもあり、織田軍兵士の士気高揚の切り札ともいえる存在である。信長を除けば、天下に近い存在の一人とされる。

 明智流奥義を会得したことで、次第に死者の残留思念が濃姫の意思に関係なく濃姫を拠り所として宿るようになる。
 それが濃姫の潜在能力をあげたり、未来のことや、少し前に起きたことを、ごく希に夢で見せることがある。
 濃姫に危険を知らせる場合もある。第6感も鋭くなり、先読みや危険察知など、あらゆる能力を底上げした。
 夢のなかの映像は断裂してはっきりしないものも多くある。
 ただし、1話1幕冒頭で出てくる夢は濃姫が見たものではない。

 ・姫君衆(お濃衆)
 本格始動したころから蝶の馬印を持つ。
 総大将信長の次席にあたる濃姫が率いる織田勢最強軍団で、人数は戦により最大五〇〇人。
 各種足軽隊(弓、鉄砲、槍)、騎馬隊で構成され、それぞれの足軽隊にはひとりの足軽大将がいる。
 前身となる精鋭鉄砲部隊一〇〇人が村木砦の戦いで初陣。
 初期のころは一〇〇名と数が少なかったため、鉄砲隊になったり槍隊になったりして自在に動ける部隊として活躍するが、この特徴は五〇〇人に増えたあとでも続いた。
 姫君衆の大将である濃姫と足軽大将の弥助はペアで行動することが多い。
 全員が家族のような付きあいで、みなで集まって食事をしたり書物を読んだりと、つねに一丸となって活動した。
 戦力としては、あくまで単純ではあるが、攻撃重視型であり兵数の約六倍程度の実力、つまりひとりあたり敵六人と同時に戦えるほどの能力を持つ。
 桶狭間では、義元本陣五〇〇〇人に対し、織田軍は総勢一八〇〇の兵で奇襲したが、そのなかの一〇〇人が姫君衆であったため、一七〇〇+六〇〇=二三〇〇以上の兵力であったと見れる。
 桶狭間以降、姫君衆にも極少数の馬廻衆が編成され、弥助がその筆頭となり、本陣ともいえる濃姫と馬廻衆が積極的に動いて独自作戦に出るなど、通常の本陣ではありえない独特の部隊として変化していった。


【明智光秀】あけちみつひで -剣の道を極めし者-
 剣の扱いにおいては鬼才と名高い織田軍を代表する武将のひとり。
 髪は背中まで伸び美形。最初は斎藤道三に仕えており、そのころから名は織田家にも伝わっていた。
 一騎打ちでは無敵の実力を誇る。真髄(奥義)を濃姫に伝授した。
 道三の娘で従兄妹でもある帰蝶(濃姫)とは、ひそかに将来を誓っていた仲だったが、予想どおり帰蝶は政略結婚となったため一旦は離れ離れとなる(その後、幼いころから正式な許嫁であった妻木煕子と結婚)。

 通常の武士たちが当然のように守ろうとする武士の誇りや掟も、命の重さに比べればちっぽけなものであるというのが光秀の理念である。
 武士道に生きる光秀にそれを教えてくれたのは、天真爛漫に生きる帰蝶の笑顔だった。
 愛する帰蝶を永遠に守るためには、守り手である自分が生き続ける必要があるという考えから至った境地である。
 生きることがなにより大切だという思想は、明智家にとどまらず、濃姫にも直伝され、道三や全国の諸将にも影響を与えた。
 その理念の極限状態が真髄(奥義)である。

 ある人物との出会いが、彼を本能寺に導くことになる。


【市】いち -天衣無縫、戦国屈伸の美女-
 信秀の娘であり、信長の妹。少女期の一人称は「市」、たまに「わたし」と言う。
 信長から溺愛され、市も尋常ならぬほど信長になついた。
 幼少期の性格は、侍女や濃姫と人形であそびふけるなど、女の子らしいものである。
 天衣無縫と呼べるほど、大変美しく、なにものの手も加わっていないと言えるほど自然で綺麗な心を持っている。
 虫も花も人間もみな命は同じく等しいとし、ゆえに戦をだれよりも嫌う。
 土田御前のもとで、美濃の人間(濃姫や道三)は悪い人だと教えられていた市だったが、濃姫という人間を肌で知った市は、濃姫を初めて「姉上」と呼び、侍女たちから笑みがこぼれた。この瞬間から両者はかたい絆で結ばれることになる。
 弥助とは友達であり、それほど深い付きあいはないが、濃姫が最も信頼する部下として評価し、自らも信頼している。「市」「弥助」と呼び捨てで呼びあえる仲。


【竹千代(徳川家康)】たけちよ -義理人情に生きた武将-
 松平家の嫡男。幼名は竹千代。今川家への人質だったが、諸事情から織田家の人質となり、信長に預けられて幼少期を過ごす。
 信長と遊んだり、信長から乗馬を習うなどし、仲を深める。それに恩を感じて、いつか信長のために戦いたいと信長に約束する。
 濃姫を母のように思い、濃姫も14歳でありながら我が子同然に竹千代を愛した。
 人質交換として今川家に返還されることになり、その後、今川家の人質となる。
 最終話では苦しい選択を迫られる。


【弥助】やすけ -濃姫に惚れ濃姫のために生きる兵-
 村木砦の戦いで今川の兵として濃姫と戦う。
 史実の弥助は、奴隷の黒人であり、大男であったという。そして本能寺の変の際も信長とともにいて生き延びている。
 作中の能力としては、槍を得意とし、剣術にも長ける。
 

【織田信秀】おだのぶひで -勇将にして優しき父-
 信長と信行の父。道三と同じく智将であり、尾張の国主である守護大名の家臣の家臣にあたる立場だが、尾張では事実上、最大の勢力を誇っていた。
 下克上を恐る主君の織田信友は信秀を警戒したが、信秀は謀反を起こすような人物ではないとわかっていた。実際、主君に逆らうなど論外だという人物であったが、尾張統一の夢は心の中にあり、信長にその夢をたくそうと思っていた。
 うつけものと呼ばれる信長が鶴姫のために天下をとりたいと言うとそれを全面的に支持し、以後は信長のために手をつくそうとする。
 若いころ、自分を殺そうとした忍の少女の命を救ったことがあるがのちのエピソードに登場する。


【織田信光】おだのぶみつ -七本槍と名高い猛将-
 信長の叔父。信秀死後、村木砦の戦いで活躍するなど、信長のために尽くす。


【斯波義統】しばよしむね -信友に実権を握られた尾張守護大名-
 名前だけで実際には登場しない。尾張守護大名、形式上、尾張のトップだが、斯波の勢力は弱小として知られており家臣にあたる守護代の織田信友に擁されるだけの傀儡的存在だった。
 これを不満に思っていた義統は、信友と対立していた信長と繋がる。
 しかし、それが原因で信友に暗殺されてしまうが、嫡男の義銀は信長のもとへ逃げ延びた。


【斯波義銀】しばよしかね -信長の庇護を受ける義統の息子-
 義統の嫡男。義統の子としてのプライドはあるが、頼れるのは信長しかいないとわかっている。
 信友、信行の死後、安全な身となるが、信長の野心を恐れた義銀は信長暗殺を企む。


【平手政秀】ひらてまさひで -信長の後見役-
 家老として信長の後見役である。主に外交面で活躍した。
 美濃の斎藤道三との和睦を成立させ、信長と濃姫の婚約を取りまとめた。
 うつけ者と言われた若年の信長の奇行に手を焼きつつも、いやな顔ひとつせず接する。
 信秀が死去して織田家中が不穏となる中で、自害に追い込まれる。


【妻木煕子】つまきひろこ -戦国一の夫婦と評される光秀の正室-
 光秀と煕子は幼なじみで許嫁として育った。
 途中、光秀と帰蝶が惹かれあい、煕子の父は婚姻を諦めていた。帰蝶が信長に嫁いだあと、道三の意志で縁談をもちかけられる。
 しかし結婚間近に不運な事に煕子は天然痘にかかり、顔にあばたができて醜い顔になってしまう。
 のちにそのエピソードが登場する。


【水野忠分】みずのただわけ -村木砦の戦いで奮戦-
 尾張の緒川城城主で、信長の配下の武将。
 精鋭揃いという水野兵たちを率いて村木砦の戦いに参戦。
 最終話でも奮戦する。


【織田信友】おだのぶとも -尾張守護代-
 守護代とは守護大名(国主)の代理的立場を指す。
 主君は尾張の国主である守護大名、斯波義統(しば・よしむね)。
 しかし実際は、弱小の斯波家は信友の傀儡となっていた。
 信長が幼いころから、反信長派である信行と裏で繋がっていた。
 信友の分家(家臣の立場)として信長の父である信秀がいる。
 実際に尾張で最大の勢力を持っていたのは信秀であったため、下克上を恐れる信友は、つねに信秀を警戒していた。


【織田信行】おだのぶゆき -父の愛情を欲した信長の弟-
 信長の同母弟。幼少のころから信長とは正反対で礼儀正しく品もあったため、信長よりも信行に家督を継がせようとする者が多かった。
 しかし父の信秀は信長をかたくなに推し、信長に自分の跡を継がせようとしたためこれを妬む。
 信行派の家臣や、信長に対立する守護代の織田信友と共謀して信長の暗殺をはかろうとするが、失敗に終わる。
 野心があったわけではなく、あくまで信長に対する妬みからおこした行動である。
 性格は純粋。


【柴田勝家】しばたかついえ -織田家を代表する武骨者-
 信秀の跡を継いだ信長のうつけものぶりを見て、織田家の将来を不安に思った勝家は、信長と対立する信行を擁立。
 周辺からは野心家と評価されていたが、実際は信行を純粋な子と評価し慕っていただけである。
 一方、森可成(もりよしなり)らは信長を支持し、両派は対立。
 戦上手として名高く、野戦、攻城戦問わずこなす。


【斎藤道三】さいとうどうざん -美濃のまむし、下克上大名-
 美濃のまむしの異名をもつ。下克上大名の典型。
 猛将であり、信秀の宿敵として登場。
 抜け目がなく、智将でもあるが、信長いわく、
「温厚で父上(信秀)に似ている」
 信長の「うつけもの」の噂に対しては、
「万人がいう噂はあてにはならないものだ」
 と常々思っており、信長との会見後は、それが本当だったと確信し、
「我らの子らはみな信長の門前に馬をつなぐことになるだろう(家臣になる)」
 と家臣に語った。
 帰蝶と光秀の仲を、表には出さなかったものの内心非常に大切に思っており、ふたりが将来結ばれることを期待していたが、信長との同盟のため帰蝶を泣き泣き手放すこととなった。


【堀田道空】ほったどうくう -道三の腹心-
 作中では描かれないが、道三の家臣というより友達に近い雰囲気にある。
 会話から見ても、それほど丁寧な口調でないため、非常に気のしれた仲であることがわかる。



美濃三人衆

【安藤守就】あんどうもりなり -美濃三人衆の筆頭-
 道三が信頼する家臣。美濃三人衆と呼ばれる。
 村木の戦いで道三の援軍として那古野城を死守。
 三人衆の合計戦力は主の斎藤氏を上回る。
 濃姫の生まれ故郷である美濃の兵力は守就を中心に動いているといってもよく、濃姫の兄・義龍と同じく、采配、覇気、人望、すべてにおいて充分な素質を持っている。
 帰蝶を崇める美濃の衆が、その美濃三人衆の筆頭にふさわしいとしているだけのことはある。

【稲葉一鉄】いなばいってつ -美濃三人衆-
 ほとんど出番は守就に持って行かれているが、三人衆は織田の直属軍として活躍していくことになる。

【氏家直元】うじいえなおもと -美濃三人衆-
 一鉄と同じく。


【合戦・目次】

『村木砦の戦い(対 松平=三河衆)

・史実

戦闘前状況
 尾張侵攻の第一歩として、緒川城攻略のため尾張に砦を築いた今川軍。
 緒川城へ信長が全軍を率いて援軍に向かう。
 那古野城の見張りは、同盟者である道三から援軍一〇〇〇人が到着。


勢力図
  信長軍)
  信長直卒部隊八〇〇人(南大堀・空堀)
  水野忠分二〇〇~三〇〇人(東大手門・海側)
  織田信光二〇〇~三〇〇人(西搦手門・いばらの茂み)
  今川軍)三河衆、人数不明。最低二〇〇人。
  
 今川に加担した村人たちを「飯喰い場(いくいば)」で処刑したとされるが真偽は不明。
  

・作中
 大規模戦としては信長の初陣、濃姫は生まれて初めての戦。

勢力図
  信長軍)
  信長直卒部隊八〇〇人(南大堀・空堀)
  水野忠分二〇〇人(東大手門・海側)
  織田信光二〇〇人(西搦手門・いばらの茂み)
  今川軍)三話一幕で判明。
  

 以上。随時追加。

戦国長編小説『蝶や花や』設定集1話~2話まで

投稿サイトである『のべぷろ』や個人サイトでは、挿絵(漫画)入りで公開中です。イラストは女性の方なので、女性向けの絵に仕上がっています。ぜひ一度、お越しくださいませ。

戦国長編小説『蝶や花や』設定集1話~2話まで

第8話で前半のエンディングを迎え、信長は新たな舞台に進みます。 後半は重要人物である望月千代女を中心とした忍勢力が登場。前倒しで登場する出雲阿国などが前面に出てきて、信長と濃姫、千代女と○○、光秀と○○、阿国と○○、の4組の恋が並行して進みます。

  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
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  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-05-04

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