ツバキ 1
中途半端なとこで終わらせてしまいましたm(_ _)m
第一話です。
これからだんだんと続いていきます。
物語はあかりと美希の出会いから始まります。
友達作りをしなくなってしまった美希。いつしか人と関わることが苦手になってゆき、
明るかった昔の自分を忘れてしまいます。
そんな彼女を変えた少女、あかり。
これは二人の出会いの物語。
転校には慣れていた。
母親と父親は私が7歳の頃に離婚し、私は母側の家に住んでいた。しかし、元々キャリアウーマンで遣り手の母は転勤ばかり繰り返して、私はそれに連れられて地方や国外を行き来し、落ち着きのない生活を送っていた。
友達が出来ても来年、あるいは半年後には転校。手紙送るね、と言って渡した次の住所もまた数ヶ月すれば変わってしまう。
私はいつしか、学校で友達を作るのをやめてしまった。冷たい視線で他人を遠ざけ、威圧的な態度で人を拒絶していた。
…そんな私を変えてくれた人に出会った小学6年生の春。
親友、あかりに出会った。
「村上美希ちゃんだよね? あたしは矢昇あかり!宜しくね?」
「…は?」
あの時はいきなり話しかけられて、内心すごく吃驚したのをよく覚えてる。
一限目が始まる前の休憩時間、教室で席に座り、クラスメイト達に毎度の事質問攻めにされていた時だ。
今回は態度を改めて頑張ってみようかと思っていたのだが、私はたくさんの質問に気が動転して、応えられずに俯いていた。
急に席を立ち私に真っ直ぐ向かって来た彼女のあの目を覚えている…キラキラしていて、まるで新しいぬいぐるみを買ってもらった幼い少女の様な瞳。
その時私は直感した。絶対に何があってもこの人とだけは戯れてはいけないと。
まぁ、実際あかりは私を180度変えてしまった人物なのだから、あの時感じた直感は…あながち間違いではなかったのだと思う。
「中学生になったら寮が付いてるとこに通わせるから。エスカレーター式の私立校だから安心だし、大丈夫よ。」
母はまだ小さかった私によくそう言っていた。
きっと私を連れ回すように、転校してはまた転校の日々を送らせていることに罪悪感を感じていたんだろうと思う。
だからこの小学校が私の最後の転校先。
友達…作らなきゃ。でも…友達ってどうやって作るんだったっけ?
私はもう友達の作り方は愚か、クラスメイトへの接し方すら分からなくなっていた。そして自分がどういう人間なのかも。
生徒A「ねぇねぇー、なんで黙ってるの~?お腹痛いの~?」
美希「…ぅ、ぇっと…」
生徒B「え~?何?聞こえないよぉ~。」
生徒C「もしかしてぇ、喋れないとかぁ?」
美希「…ち、ちがっ」
ダダダダダダダッー(駆けてくる音
あかり「ねぇっ!あなた村上美希ちゃん…だったよね!?」
美希「っへ!?」
急に走ってきて顔を覗き込まれ、思わず変な声が出た。
だ、誰っ?この子…
あかり「いやー、転校生が来るなんて情報しいれてなくってさ~。
まだまだ情報収集は修行が必要だね~。」
美希「…ぇ?あの…え?」
情報収集?修行?
いったい何言ってるのこの人?
あかり「まぁ、インタビューとかしたいからさ!
放課後、ちょっと付き合ってよ!」
美希「え?インタビューって…な」
先生「はーい、みんな席着いてー!授業始めるよー!」
あかり「やっば!先生来ちゃった!じゃ、また放課後に!」
そう言うと、彼女は勢いよく教室を出て行った。
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