欠陥品

私は欠陥品
左の小指の先と
頭が少し欠けている

あの子も欠陥品
心臓の一部と
口が歪んでる

その子も欠陥品
目の下には汚れがついて
右足がまるまるどこかへ行ってしまった

その子も欠陥品
のどが裂けてうまく歌がうたえない

あら
あなたも欠陥品
頭が明後日の方を向いている

もう要らないと
解き放たれた私たちは
一体この歪な体でどこへ行くことができようか
足りない部分を繋いでは
まだ見ぬパーツに恋焦がれ

探し求めて喘いでは
見つけたあなたを置き去りに

行くあてもなく旅をする

探してたパーツはここにあると
知らぬままに
気づかぬままに

私たちは永遠に欠陥品
何が足りぬか不確かなままに
ただただ歩けと誰かが言う

聴いてるはずのこの声を聴くための耳があるのかどうか
わからぬままに

欠陥品

人は必ずしも完璧ではない。
誰もがどこか足りていない。それを他人から支えられ補い生きている。ただ生きているんです。

欠陥品

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-28

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