ユキ
僕は香奈の"居場所"になりたいんだ!!
人の声が混じらない波の音。
少し冷えた潮風。
見渡す限りの漆黒。
夜の海は、昼とはまた違う印象を受ける。
海岸に着いた僕は、砂浜に仰向けになった。
ずっと眺めていたら、吸い込まれてしまいそうな 深い黒が、視界を埋め尽くす。
海と空の見分けがつかず、すべてが海のような気 もしてくる。
しかしそれを、無数に輝く星が否定していた。
ひとつひとつが力強く、煌びやかに光っていて、 星屑と言うには勿体無い。
とてもじゃないが、人間が好き勝手に名前を付け られるほど、ちっぽけな存在ではないだろう……
そんな事を思いながら、僕は星を眺めていた
ユキ