期待していたはずの異世界は…
期待していたはずの異世界は…
{序章 夢の欠片なんてなかった}
ー目を開けるとそこには地獄絵図が広がっていた…
「なんだよ…これ…」
少し視線を落とすとそこには先程まで生きていたはずの人達が皆目から血の涙を流しながら死んでいた。
「ぁ…」
言葉が出なかった…何せ何もかもが壊され、生存者はいない。
「ここは一体どこなんだよ…さっきまで俺は散歩していたはず……あの時…確か…」
ー約1時間前ー
「…負けた…これで3回目…スタミナ回復まで散歩でもしてくるかな…」
2階の一室のドアを開けて階段を降りるとともに食欲をそそる匂いがした。
「どこ行くのー?」
階段を降りるともに母が聞いてきた。
「ちょっと散歩ー」
いつもの様に母に告げてスニーカーを履いて玄関のドアを開けて家を出る。
いつもの風景を歩きながらいつものコースを歩く。
「あのすいません…」
「はい?」
歩いていると綺麗な女性に話しかけられた。
「少しお時間良いですか?」
「ええ…構いませんが…」
案内されたのはファミレスだった。
「お客様は2名様でよろしいですか?」
店内に入るとすぐに店員さんが来た。
「はい。」
即答だった。まるでいちいちそんな事聞かないで。と言わんばかりに。
「ではこちらの席に…」
店員さんは少し苦笑いをしながらも席へ案内してくれた。
「ご注文がお決まり次第このボタンを押してください。ではごゆっくり〜」
と言いながら水を出された。
「………」
店員さんが行ってから少し経つと
「あの…」
「はい!」
あまりにも突然だったので声が上ずってしまった。
「助けてください!」
「………はい?」
期待していたはずの異世界は…