いたみ

痛い
誰かの投げ捨てたガラスで
きっと足を切ったんだ

僕には靴が用意されてなかった
僕の足は不恰好でひ弱で
ヤスリのような地面にザラザラと擦れた

しかし溶けて失くなりはしなかった
幸か不幸かは分からない

僕の足跡には血が滲む
心から流れ出た血が
てらてらと地面の上で不気味に鈍く光っている

美しくは無い
見苦しいだけのいたみだ
人が見れば目をそらす様な

痛い
傷を癒す術など知らない
ガラスを踏んだ言い訳もしない

只いたみを覆ったカサブタが
不器用に存在を叫んでいる
真っ赤な道をこの世に顕している

失くならず倒れず
未だ歩いている僕を

いたみ

いたみ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-25

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