いたみ
痛い
誰かの投げ捨てたガラスで
きっと足を切ったんだ
僕には靴が用意されてなかった
僕の足は不恰好でひ弱で
ヤスリのような地面にザラザラと擦れた
しかし溶けて失くなりはしなかった
幸か不幸かは分からない
僕の足跡には血が滲む
心から流れ出た血が
てらてらと地面の上で不気味に鈍く光っている
美しくは無い
見苦しいだけのいたみだ
人が見れば目をそらす様な
痛い
傷を癒す術など知らない
ガラスを踏んだ言い訳もしない
只いたみを覆ったカサブタが
不器用に存在を叫んでいる
真っ赤な道をこの世に顕している
失くならず倒れず
未だ歩いている僕を
いたみ