黒い長いリピート

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また人生は繰り返すかもしれない 自滅の朝 運命の文字 従姉妹の自死 同じ齢になる 背中押した 冬の日 注射器 歌詠みは歌で予期に震える 薄明かりの朝の堕ちる魂 小さな気持ち 空までも覆う 空に不安が宿る いつもの空 身体を伸ばす 重い息の紫煙 既読  予兆 読む 小さな人 まだ生きなければならない 詩を書き 詩に怯える なにを 繰り返した? 不幸な詩を書きたくない 過去繰り返したくない 祈る紫蘭 沈黙に生きた 幸せ捨てて 幸せが 沈黙 思い出させた 人々 見えない 一人 深呼吸する 人々が生きる この朝も 音楽を閉じ 自分を閉じる 誰もが歩く 今日も こころ秘めて 小さな 小さな 世界 朝に 夜の帳 アンナを 思っていた 流れる気持ち いま すべての 哀しみを詰める この ちっちゃなビー玉 吐き尽くして 寂しく生きてきたと 思い返す コーヒーは温くて アンナの名前に この貧しい心を見つける 通り過ぎる 車 積もった雪 見捨てられた過去 見捨てた人 歳月 四月の ある日 紫煙流れる窓 風に織る 日々は遠く 路は遠く ひ弱な 火 人生の掌 惨く やさしい 刹那と 重ねた長さ 灯 「アンナ、救ってくれ」  決して救われない魂 すでに知っていた 時は与えてくれなかった 涙を流さず泣いてきた 湖のほとり 堰を切って時が落ちてくる いまこの瞬間に 片隅の 時計 汚れた生 伝染する 歩く人々 明日はないかもしれない 忘却の足元に 累々と遺体が斃れていく 花を手向く 人生の 偶発に 心 死ぬ 摂理なき神を求める人々 自己同一性はなく 切り札ばかりが失われる 賭場 未来がないから 過去のみを謳う 詩書き 追い詰めた最後の恋 泥舟 泥で描いていた 幸せな日々 海は残りの見積もり 誰でもいい 救ってくれ 愛でなく憐憫でいい 交信の日々 邂逅は 僕を いつも 殺した 人を求めずに 二十年過ぎた とどめを 刺してくれ これ以上 生きたくない 彼岸のバス停でいる 残りの日々を数える破局を計算する黒い長い習慣 リピート

同じ

汚い

自分

だけが

繰り返された    凄惨だった時間

言葉の          サイレンス

遠まわし

思い

だけが

僕を

沈黙 させた








で た ら め に  死 ん で  生 き て や る さ  ヘ ボ 詩 書 き で な  ダ ラ ダ ラ って な

   


  



   


  



   


  

黒い長いリピート

暗い詩でもかまわないので書き続ける。

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黒い長いリピート

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-23

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