ふしあわせな王様
あるところに贅沢な王様がおりました。
王様は、決して裕福とはいえない国のお金を
たくさん自分のために使いましたが、
その国の人々は文句を言いながらも、せっせと働きました。
それは、王様が愛されていたからでも、国民が我慢強かったからでもなく、
今の王様以外に、王様になってくれる人がいないためでした。
そんな国民の気持ちを知って、一度は態度を改めた王様でしたが、
幼いころからの生活を変えることは難しかったのか、
結局、元通りの贅沢な王様に戻ってしまいました。
それからというもの、王様の贅沢は歳を重ねるごとに酷くなり、
とうとう王様は贅沢によって天に召されてしまいました。
国民はもう王様の贅沢に付き合わなくて済むと喜びましたが、
次の王様をどうやって決めるのか、困ってしまいました。
ふしあわせな王様