やさしいひとへ
物語を使った現実。
むかしむかしの話。
あるとき、私をやさしいと言う人がいた。
私は無論そう言われることを嫌ったが、今思えばそうなのかもしれない。
なぜかと問えば、私が他人の為にこうであらねばならないと思うとき、
反対に自分の感情を優先していたのだ。
だから、私はやさしい。
私がそのように納得する頃、今度は私を酷いと言う人が現れた。
これには否定の余地もなく、口を結んで唸るしかなかった。
そうだ、私は本当に酷い奴だ。
そんな風に自己を見つめ直していると、またもや私の前に、私をやさしいと言う人が現れた。
しかし、既に答えに気づいていた私の考えは変わらなかった。
やさしいひとへ
さて、やさしいひとが出した答えとは。