タチカル

朝方の一瞬

僕はベランダに立っていた。
あまりにも綺麗だから、見惚れてしまって。
朝焼けが空に溶かしバターをぶっかけていった。なんてこった畜生!文明なんかちっぽけなもんさ!

そんなみみっちい僕の思いとは裏腹に、光は否応なしに目に体に飛び込んでくる。
もっと重力が軽かったのなら、少しくらいなら浮かぶ事もできたのだろうか?
できたら良いな。出来たのならその場で、とりあえず100m目指して頑張ってみるだろう。上空の景色を見たくて。


トゲすら溶かしていった、明け方の一瞬
トゲなんかあったのかどうか、忘れてしまう程に 明け方の一瞬
時間が溶け出し、ようやく流れ始めた 待ち望むこともせず
記憶は靄になり、何処かの国で雨を降らせた

おやすみなさい、タチカル

おやすみなさい、タチカル

タチカル

タチカル

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-20

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