2012年 人類滅亡説
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「先生!質問です。」
「ほい、山下君。何かな。」
「先生!地球からブラックホールまでの距離は、どのくらいあるんですか?」
「おっ。難しい質問するなぁ。」
「え~っと、あぁ、ここだ。はくちょう座のブラックホールが一番近いと考えられているなぁ。
ちょっと待てよ・・・。そう、6000光年だな。地球からの距離は、光の速さで飛んでいって、
6000年かかるっていう計算だな。」
「6000年ていうと・・・今、2012年ですよね。」
「そうだよ。」
「キリストが生まれてから、ざっと2000年で、その3倍先にブラックホールがあるんですよね。」
「まあ、ざっとそういうことだ。」
「地球が、ブラックホールに飲み込まれると人類は、滅亡ですよね。」
「ふっ。笑っちゃいけないが、心配しなくても、少なくとも、先生は、6000年も生きていないよ。」
「先生!そういう意味で、質問してるんじゃなくて、僕らが、マヤ人だとしたら・・・?」
「う~ん・・・質問の意味が、よくわからないねぇ・・・山下君。」
「ですから、当時のマヤの学生が、先生に質問したんですよ。・・・」
―――――
「先生!我々マヤ人の子孫は、やがて近いうちに、飢餓や、疫病、民族間の争い、そして、国王の無策のせいで、死に絶えるのではないでしょうか・・・。」
「オ~、マヤシタ君。心配ないよ。このたび、マヤ国王が、国民のために、易占師と協同で建てた暦に書かれているだろ。
つまり、2012年に、大地の変動で歴史が終わるのだよ。」
「先生、2012年とは、孫の孫の孫の孫の孫の・・・ず~っと先の時代ですね。」
「そうだよ。だから、今から、心配しても始まらないってことだよ。少なくともその時代に先生は、生きてないからね。」
「そりゃあそうですね。心配するだけバカバカしいですね。」
「フア~ッツハハハ!」
「アハ、アハ、アハ~ッハッハ。」
―――――
「というわけで、先生!当時は、何かと心配な政治の時代だった・・・。そこで、一計を案じた国王は、
マヤの国民に安心感を与えるために、適当な時期、何世代も何世代も先に危機が訪れるので、今心配しても何も始まらないから、いまは、心配ないさ~。
ということと、その日が、やがて来るので、その日に備えて、子孫のために天文や科学を研究し、英知を蓄積することに専念しなさい。
と、布告したかったんじゃないですか・・・。」
「マヤシタ君!いや、ヤマシタ君!君は、実にデキスギ君だね!」
2012年 人類滅亡説
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