未知の部屋(前編)

学校内にある未知の部屋。それは未だ謎多き場所だった。3年のそこそこの頭脳を持つ男女が集まり、未知の部屋に入ろうと考える。前に入った事がある先輩達から情報を聞き出し、実行にうつる。俺(リーダー)が仲間たちと一緒に探検へと向かう物語。

ーー高等学校。この学校の1階に、先が見えない階段がある部屋がある。しかしこの部屋は、普段はいる事はできない。そしてこの部屋は「未知の部屋」と呼ばれている。

俺たちーー高等学校3年の生徒は、近いうち、思い出としてこの部屋に入ろうとしている。男子34人、女子15人計49人だ。この49人は俺を含め、相当な頭脳の持ち主が集まっている。元から、この学校はこの国で5本の指にはいる程の学校だ。バカから天才までいる。俺たちはきせき的にーー高等学校の先輩から未知の部屋への入り方を聞き出す事ができた。その先輩たちは俺たちと同じように、未知の部屋に入ろうとしたらしいが、2つ目の部屋で諦めたらしい。そして、ちょっとした仕組みも聞くことができた。それぞれの部屋にはその部屋にどういうトラップがあるか、どうやったら次の部屋に進むことができるかが書いてあるそうだ。それに、不思議な事に部屋を進む毎に食料が人数分用意されるらしい。あと1つ。部屋は条件を満たしても、24時間経過しない限り、次の部屋には進めないそうだ。このような有力な情報を聞き出す事ができた。肝心な部屋への入り方はとても単純な物で、校長室の校長の机の中に鍵が入っている。それを使えば扉が開き、長い階段を降りればそこが1つ目の部屋。それだけだった。俺たちはこの情報を知った次の日、早々と準備に取り掛かった。

8月2日7時32分教室
俺たちは部屋に入る前に、校長室から鍵を奪う方法を、俺らの組の奴らで考えた。方法はいくつも出た。放課後、校長を用事があると言い呼び出しスキを狙って取る方法、単に校長を脅して奪う方法などだった。俺たちは、朝学校があく時間ギリギリに全員きて、校長室に忍び込み、鍵を取るという方法にでた。俺たちは他のメンバーにこの計画を伝え、帰宅した。

8月3日6時間00分校門前
学校の校門を飛び越え、管理人が校長室の鍵を開けるのを、学校の外で待ち、学校の中に潜んでいたメンバーが合図をし、俺らは未知の部屋の前へと向かった。すると丁度、先に入っていたメンバーが鍵を持って来て、開けているところだった。
「開けるぞ。」
と声がかかった瞬間、どこからも唾を飲む音が聞こえた。メンバー全員の緊張が俺にも伝わった。扉は、「ぎぃー」という音をたてて、開いた。俺はこのメンバーの長という理由もあり、最後にはいる事になった。全員懐中電灯をつけて、1人1人入っていった。最後の1人の俺が入ると、いつの間にか扉はしまっていた。そこには張り紙があり、こう書かれていた。「ようこそ、未知の部屋へ」
俺たちの探索は始まった。

8月4日00時00分未知の部屋1
1つ目の部屋についた。ふと時計を見ると、8月4日00時00分をさしていた。1日経過している。確かに眠気もする。しかも時計は止まっていた。
「おい、何で止まってんだよ!」
「なるほど。この部屋は条件を満たせば24時間後に扉が開く。だから、時計も何もいらないってわけだ。」
「何でそんなに明確にわかんだよ。」
「ここに書いてある。」
そこにはこうも書いてあった。「この部屋の奥の明かりがついたところにスイッチがある。それが次の部屋への鍵を開けるものだ。この部屋には1つだけトラップがある。おそらくこの部屋で1人以上死人がでるであろう。」
「何だよこれ、ただの脅しだろ?」
「そう思うならあそこにあるのは何だ?」
部屋の奥には確かに明かりのついた場所があった。部屋はとても広かった。俺らの数十倍の人数が入る事ができるのではないか。そんな部屋にトラップが1つ…謎が多すぎた。
「マジで何なんだよ。寝込みでも襲うのか?1人死ぬって…」
「今のところトラップが作動してないって事はそれもありえるかもしれないわね。でも、あのスイッチをおした瞬間、トラップが作動する。ということもありえるかもしれないね。」
全員がハッという顔をした。
「じゃ…じゃあ…」
「そう、このスイッチを押す人間は、この中で1番必要のない人間って事になるわね。」
「違うだろ!!こ、ここは平等にジャンケンだ!」
「そういう吠えてるあなたもいらない存在に近い人間なのよ。」
確かにそうだが、スイッチを押した人間が絶対に死ぬ。という事はないのではないだろうか。
「ここは長が決めるのが妥当だと思う。悪魔でも俺の意見だけどね。」
俺が…決める…最も重い選択かもしれない。俺は悩んで悩んで悩んだ。すると、答えが見つかった。
「俺が…押す。」
「長が!?何でだよ!?」
「長だからだ。」
その後は誰も何も言わなかった。俺は真っ直ぐ、迷わず明かりへと向かった。そこには、やはりスイッチがあった。赤い、ボタンだ。これを押したら俺は死ぬかもしれない。だけど俺はいい。なぜなら、このメンバーに、俺が好きな人間がいて、そいつが死なないからだ。しかも、一瞬だが俺はヒーローになれる。変な妄想を抱きながらスイッチをおした。俺のからだの中に何かが突き刺さったような感覚がした。
「おい…大丈夫なのかよ…」
1人懐中電灯を照らすが奥は良く見えない。
「ククククク…」
「何笑ってんだ!てめぇ!」
「嬉しいんだよ。あいつが死んで。せいせいしたぜ!ハハハハ。」
グサッという音がした。その瞬間、赤い血が弾けるように出てきた。
「おい…そいつ、死んだよな?」
笑っていた男に何かが突き刺さっていた。
残り48人
全員、急いで長の元へ走って行った。すると、長は生きていた。
奥の扉には、張り紙があり、こう書いてあった。
「仲間を大切にしない者、存在する価値なし。」
俺は意識を失っていた。

8月4日?時?分未知の部屋2へ
俺はメンバーの1人に起こされた。昨日からずっと気を失っていた。気絶した原因は俺にも、メンバーにも分からなかった。俺が起きた時には、もう全員起きていた。そして、次の部屋への扉が開いていた。
「長、支持を!」
「お、おう!次行くぞ!!」
「おー!」
俺たちは先輩たちが進む事の出来なかった、2つ目の部屋へと向かった。
2つ目の部屋は、1つ目の部屋と変わりはなかった。しかし、床に、妙な段差の様な物がいくつあった。不思議に思いながらも、奥の扉の前へとついた。すると張り紙があり、そこには、「7つの段の上に同じ人数の人間が乗ること。乗ることのできなかった人間は死ぬ。また、同じ人数に別れる事ができなかった場合、全員死ぬ。」
「何だよこれ…」
今は48人、7つの段、同じ人数、つまりここで確実に6人が死ぬ事が確定する。先輩たちは、これがダメだったのか…
「これってさ、単に6人が学校に戻れば、先に進めるんじゃねーの?」
そうか!その手があった。そうすれば誰も死ぬ事はない。でも、それができたなら先輩たちがここで諦めた理由が分からない。他にトラップがあるのか?それとも…
「もしかして。」
「ん?どうしたんだよ長。」
俺はこの部屋の入り口へと向かった。
「やっぱりか。」
入り口の扉が閉まっていた。先輩たちはここで何人かの仲間が死んだから諦めたのか。俺は今の状況をメンバーに説明しに行った。
「まじかよ!?じゃあ…やっぱ6人は確実に死ぬんじゃん…」
「問題は、誰が死ぬか。」
又俺が決めるのか?いや、それではいけない。俺はそう思った。皆はしばらく黙っていた。俺は必死に考えた。すると、1つの案がうかんだ。
「おい皆、聞いてくれ。」
メンバー全員がこっちを見た。
「俺から1つ案がある。自分が最も信頼できる6人とペアを組み、7人できたら段の上に乗る。余った6人は死だ。…俺の意見に反対するやつはいるか?」
誰もいなかった。
「じゃあ…今すぐ実行してくれ。」
俺はこの中に違うクラスだったが、好きな人間がいた。もちろん女の子だ。俺は自分では顔が悪いほうでは無いと確信していた。俺はもちろん自分の好きな人間の元へ行って、組もうと言った。何で?という顔をされたが、かまわず頼んだ。そしたら笑顔で、「いいよ。」と言ってくれた。とてもうれしかった。その時俺は明らかに赤面していただろう。顔が熱かった。これで俺の気持ちは知られてしまっただろう。だが俺は全く構わなかった。後5人。俺と組もうという人間が3人来た。
「モテモテだね。」
彼女に言われた。
「そうかな?でも、後2人と組まないと。」
既に何組かは段の上に乗っていた。だが、まだ何人かは余っていた。その中から知っている人間を誘った。すると、1人は集まった。そして俺はある異変に気づいた。俺たち以外、人が動いていないのだ。周りをよく見ると、6組が、既に段の上に乗っていた。俺たちが残った6人だったんだ。
「お、おい!余ってるやついねぇのかよ!?」
ある1人のメンバーが叫んだ。
「よく見ろよ。他は全員段の上だ。」
「まじかよ…じゃあ…俺らは全員死ぬのかよ!?」
「そうなる。」
俺が答えた。俺も正直ものすごく焦った。だが、これが現実だ。終わったんだ。俺は…ここで死ぬ。
「待って。」
俺らの組じゃない、誰かが喋った。女子だった。
「ここで…情を出す事は許されないと思うけど…けど…私…」
「お、おいちょっとまてよお前、まさか俺らを裏切んのか!?長の組は6人だ。これ以上変更は無しだろ??」
「ごめん。皆。でも、私、長の事が好きなの…」
その女子は段を降りて、こちらへ向かってきた。したを向いて、顔は見えなかった。何か音がした。カチッという音だ。そして、銃声が部屋に鳴り響いた。
「裏切り者はいらねぇ。死ね。」
歩み寄ってきていた女子が打たれた。その瞬間、部屋は静まり返った。しばらく沈黙が続いた。5分程たっただろうか、女子と同じの段にいた男子が口を開いた。
「長、この段に乗って下さい。その女を連れて。」
「お、お前、なにいってんだよ。」
「ずっとその女を見ていました。まだ息があるようです。まだ生きています。」
「お、俺はおりねぇぞ!」
「お前は黙ってろ和樹!」
「てめぇ!ここで名前を出すのはルール違反だ!おめぇも死にたいのか!?」
「俺は俺が愛する人間を親友に殺された。もう既に頭の中は混乱してる。自分が何を言いたいのかも分からない。俺は…俺が愛する人間を生かしたい。そして、愛する人間が愛する人間も生かしたい。」
「ちっしょうがねえ、お前も死ね。」
「待て。和樹。俺も、そいつの意見に賛成だ。俺はこの段を降りるぜ。お前も一緒にな。」
「…何でだよ…おめぇらは、死ぬのが怖くねぇのか?俺は怖くて怖くてたまらない…何でお前らはそんな平常心でいられるんだよ…」
「死ぬのが怖い?てめぇが言えた事かよ。お前は既に1人の女をころしそうになった。そいつは今にもしにそうなんだ。人を殺しかけた奴がそんな事いってんじゃねぇよ。」
そのような会話がしばらくの間続いた。すると、和樹というやつも泣きじゃくりながらも段から降りて、一緒に段に乗ったいた奴らに土下座して誤っていた。それから、俺たちは段の上にのった。あの女子も一緒だ。そいつには、確かに息があった。
「俺らの分まで生きろよ。」
そう言われた瞬間だった。部屋の床から何か尖った物が飛び出し、6人を突き刺した。恐ろしい程の量の赤い血が飛び散った。一瞬はきそうになった。はいた奴もいた。すると、ガチャッという音がして、扉が開いた。尖った何かは、真っ赤に染まったまま床に戻っていった。
残り42人
俺らは、次の部屋へと進んだ。

未知の部屋(前編)

まだまだ話は続きます。一応部屋数は10で、中編、後編、最終編と持っていこうと思っています。本当にまだしんまい&受験生なので、投稿が遅れるかもしれません。しかし、一生懸命頑張っていくので、感想等よろしくお願いします!!厳しい判定でも全然OKです!

未知の部屋(前編)

未知の部屋という部屋を進んでいく物語。冒険や、恋愛もまざってきます。

  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
  • 冒険
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-08-03

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted