本心 1

「要人。図書室で宿題して来なさい。8月になったのに、まだ宿題をやってないんだろ。早く行きなさい。」
鈍感な親父だから、宿題やらなくてもばれないと思った。が、意外にもばれていた。
「ばれるに決まってんだろ。1回も宿題をやっている姿を見てないんだから。」
仕方ない。行くしかないか。行かなかったら殴られるだけだし。
「分かったよ。行くよ。」
「よし。それでこそ。男の中の男だ。」
「別に、俺は男の中の男じゃなくてもいいけど。」
「あー。なんか言ったかー」
「いや何も。」
「じゃ、さっさと行けーい。」
「…行くよ。言われなくても。」
何で図書室なんだよ。10分もかかるのに。しかも宿題面倒くさいし。嫌だな。
気が重くなりつつ、図書室へ行く準備をする自分。
…よしっ。準備完了。
「行ってきまーす。」
「おう。行ってらー」
家を出ると、自転車置き場へ直行。
じってんしゃー。じってんしゃー。おっ。あった。
自転車を見つけると、カギをさして、いざ図書室へ。
「(ガラガラガラガラ)」
「ん。」
後ろを振り向くと、倒れている自転車の姿が。
「ごめ。自転車。今、急いでるから。」
そう一言を残すと、図書室へ行った。

本心 1

本心 1

  • 小説
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更新日
登録日
2012-08-03

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