moon crying

moon crying

湯船のなかで私のお腹の肉をつまんで「お前は珍獣」と笑った。珍獣のなのにキスされた。


かわいい女と思われたくて、かわいい女をひたすらコピーした。

あなたに好かれたくてした努力は、なぜか他の男を引き寄せた。


珍獣って言わなくなったかわりに、さみしい笑顔でいなくなった。


私、無理していた。

無理をしていた私に気づかれていた。

珍獣を愛してくれていたのに、なぜ私は。


あなたに愛されたくていた私を、愛してくれたひととしあわせにくらしているよ。


あなたもどこかで、さみしくない笑顔でいますように。

moon crying

moon crying

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-12

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