まどろみのコマンド
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シ
・・・・・・・・・・・・・・ア
・・・・・・・・・・・・ワ
・・・・・・・・・・・・・セ
・・・・・・・・・・・ダ
・・・・・・・・・・・・ッ
・・・・・・・・・・・・タ
・・・・・・・・・・・・・・・・ヨ
・・・・・・・・・・・・・ト
・・・・・・・・・・・・・・・テ
・・・・・・・・・・・・・・・・モ
・・・・・・・・・・・・キ
・・・・・・・・レ
・・・・・・・・・・・・イ
・・・・・・・・・・・ナ
・・・・・・・・・・・シ
・・・・・・・・・・ア
・・・・・・・・・・・ワ
・・・・・・・セ
残された最後の通信
飛行機が来た
子供を
投じていった
子供は
連鎖反応した
寝てる間に
世界が
変わって
昼下がりの
実存が
立ち尽くす
目が覚めた後の曇り空。世界は少しグロテスクでゆうべの僕はどこにいったのか。きっとナイトメアに喰われるか、知ってる世界、終わってしまったに違いない。煙草を吹かしても存在は実感を感知しない。生き残ったここはきっと違う命令を僕に下すだろう。あどけない海が見たい。
「いまどこにいるの?」が
五十個
並んだ
夜は
誰のために
あるのか?
赤子のような無辜の民の無実を有罪に仕立てる信教世界
世界はいつも二通りの命令を下す。生き延びるか死に絶えるか、どちらも唾棄したから抽象の昼下がりの地獄がぼんやりしたまどろみに曇り空の無意味な徒労感を与えようとする。何もしなかった。何も見ようとしなかった。確かさはこのまどろみの記述だけ。薄明かり 照射しよう。
行方不明者はあの思い出のために探してくれるなと言った
赤色分子は
聖書
眺めた
「美しい共産社会だ。完璧だ」
素朴
な
「タ・ス・ケ・テ」
が
追いかけてくる
素朴
な
「タ・ス・ケ・テ」
が
無限にある
怯えが奇妙に更新する。昼下がりは目覚めを不意に弾劾する。昨夜見ていた孤独の羅列の映画は捻り殺された。日々の化学変化。今日がいつもと違うのはいつもと違うという僕の意識だけ。たぶんこうやって眠っている間に誰かが世界のホメオスタシスにウイルスを仕掛けている。
何があったの
時計が止まっている
十二時三十六分
そりゃあ抽象的かつ緻密に衝動で殺したからね
もしここにXがあるなら
君は
見るか?
利用するか?
愛するか?
意識を実験する。まどろみに留まるか、覚醒した意識でここを生き延びるか。意味もなかった世界に投じられてずっと呼吸するように書いて、ずっと知るようにして世界を知ってきた。覚醒を促すぬるま湯のコーヒーが怖い一日をだんだん干渉的な隣人のように不気味にしていく。
しがみついて
何を見てきたのだろうか
これまで
この場所で
僕は
愛国的アナーキストに見棄てられた国を持てぬ亡命者
彼女はただ一つの供述のみを残した
「幸せだったのです・・・・・・」
午睡という排泄器官。僕を守っていた鈍重な一日の序章が惰性を布告する。なじみのデカダンスだ。毎日お見えになる頽廃。慣性の法則で日々の奴隷になれと蠱惑に昼下がりがじりじり圧迫する。マヌケなまどろみで「おはよう」と降伏する。パターンが優しい、脅すように優しい。
寂しさは白状しなかったが
沈黙の寂しさが詩を書かせた
また帰ってくるかもしれないから
コーヒーだけ残した
それでいい
確信も裏づけもないが
彼女は愛に関しては無実だった
まもなく日々の一端に過ぎない世界僕を二列縦隊で整列させる。まどろみがたったいま正確に意識になった。マヌケに従容しよう。どうせ今日も残酷で優しげで意味ありげ、いつもの世界。ふと気づいたら君が隣にいる。先に目覚めた君が歴戦の戦友だ。コーヒーが尽きて、今から始まった。
Q.ひとを救わねばならない理由は?
A.ひとを知っているからだ
1+1=1になりかねぬ危うさが
世界の一端にある
「きみを救いたいんだ」
「なぜ」
「分からない」
「理由がいる」
「きみがいるからだ」
まどろみのコマンド
昼寝した後のまどろみの不快さを抽象的に描いてみた。
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