明晰夢

人々は眠りにつく私は目覚め
月への夜道をゆっくりと歩く
ここでひと休みどうですか
右の方から誰かの声がする
結構と前を向いて答える

とても寒くて誰も居ない
月への夜道を少し駆ける
ここでひと休みどうですか
左の方から誰かの声がする
そうするよと私は眠った

なぜ夢を見るの
深い深い罪が私にはあるの
なぜ夢を見るの
消せない消せない罪があるの

優しい優しい笑顔は
母からもらえたよ
綺麗な綺麗な希望は
星からもらえたよ

今も 今もあるの

黒い空を向かって目指して
月への夜道を大きく走った
ここでひと休みどうですか
今私は私でいっぱいですから

ようやく辿りついた
丸くて輝く大きな月
ここでひと休みどうですか
私は大の字で深く眠った

なぜ夢を見るの
暗い暗い闇が私を襲うの
なぜ夢を見るの
消えない消えない灯りが灯るの

優しい優しい素顔は
君からもらえたよ
生きる生きる意味は
月からもらえたよ

行き着く先には
何も無いと教えてもらったよ

明晰夢

明晰夢

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-04-06

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