躓いたキャラメル
寂しい
詩が
流れていく河
朝の
純粋さ
流れてしまった
擦り切れた心の朝
求めすら消えて、分からなくさせた
朝の想像は
昼間に濁って
流れていく
残せるもの
探す
良い人間じゃなかった
凡庸な日々の怠惰
もたれていた
凡庸な日々の怠惰
ときおりホッとした
良い人間じゃなかったから
完璧な世界が
見える
それが
寂しい
何が言えるだろう
ここで
何者かになれる?
君に試された午後は
アタラックス-P 2錠で
ぼかして
途方の眩しくない陽射し
次章がない
良い人間じゃなかった
人の散り際で眠る
良い人間だった
懐かしい朝
落とした 僕は
遠い夕刻だった
世界を描けない
景色を盗めない
哀しみは
ボルタレンを
漁る
物語が起らない
欲しかった日々のポエジー
いなくなった
詩は信仰
詩に守られる暮らし
詩が遠ざかる
詩の神はいなくなる
窓から眺める
陽射しが
今日は昨日の震えた雨と同じ
窓から見る車は
光景を 拾ってくれなかった
苦すぎる息 ポエジーの最後の呼吸
いま 書き留めるのは
失ったこと
迫り来る
夕刻
探した
書き溜めた詩と
躓いてしまった
キャラメルだけ
残った
ボルタレン一錠
で
傷み
消す
人生
が
本当
の
キャラメル
躓いたキャラメル
毎日詩作を続けた生活を終えて、なにも書けなくなった日を書いた
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