遠くの日には
幸福と不幸の始まり
病院内の音楽がやけに鼓動を早くする。
(ほんとに来てよかったのかな…
周りの人はどう思ってるんだろう…
嫌だ…帰りたい…)
わたしは心療内科を受診しに来た次第である…
自分が精神異常者だと言われらどうしよう?
でも私は追い詰められてかわいそうな人間なの…
悲劇のヒロインなの…
そんな風に頭をよぎるのはいつものことで、何かと脳だけはしっかり必要のない妄想をしてくれるのであった
まぁ簡潔に言うのであれば高校デビュー失敗。
どうしてこうなったのか聞いてほしいものだ。
1年前…
高校受験のために死にものぐるいで勉強していた。
中3の6月。クラスのみんなは最後の年だから体育祭を盛り上げようと授業中もそわそわしている最中私は一向に上がらない成績と今まで勉強してこなかったことへの後悔に浸っていた。
(どうしてさぼっていたのだろう…
1年生の時は賢かったのに…)
私は1年の時、学年で片手に収まる順位を誇っていた。数学は学年トップだった。
しかし今は…
考えているうちに中間テストが始まった。
そこで史上最低点を取ってしまう…
そこから私の受験勉強は始まった。
毎日学校が終わったら塾へ行き、平日は8時間、休日は12時間勉強した。
睡眠時間を削り、夢の中でも勉強し、邪魔な髪を40センチ切り、受験に臨んだ。
県では有数の進学校。専門的な分野の勉強をする。
手が霜焼けになり、小さなカイロを手に、母の弁当に愛を感じた。
結果は合格。
すごく嬉しかった。
合格は人生で1番幸せな瞬間だった。
この学校に合格してしまったことをあれほど後悔するとは思わなかった…
合格は人生で1番不幸な出来事だった。
合格してしまったこの高校が悪かったのか、それとも私が
遠くの日には