璃羽第5話
お久しぶりです^^
やっと璃羽、更新できました。
今回は璃羽の女の子らしい姿があると思います!!
ではでは
ごゆっくり…
――――冬が来た。
璃羽は広間の暖炉の前に穴が所々開いた毛布を包まっていた。
その暖炉はパチパチと音を立てながら赤々と燃えている。
「よう。」
声を掛けてきたのは、威羅だった。
真冬だというのに、いつもの半袖・半ズボン・裸足といった感じだった。
「なんだよ。」
「いいじゃねーか、俺も温まりに来たんだよ。」
「…鴉嵐は??」
「部屋で寝てる。」
「そっか……もう1ヶ月過ぎたね…。」
「…あぁ。あの意味分かんねえおっさんだろ??」
「でも、また来るよ。アイツは満足してない…。」
「ぜってぇな…。」
あの男は、あの場所に、あの日と変わらない可笑しな笑みを浮かべていた。
「ああぁーこの前は負けちゃったなぁ。威羅くん強かったな☆」
可笑しな声が薄暗い部屋一体に伝わる。
「威羅くんをを殺るためには、璃羽ちゃんを人質にしてぇ…
また、新しい子達を呼ばなきゃね…。」
夜狩は璃羽が死んでいないと確信していた。
「有り得ないもん…僕のこの手で殺らないと気がすまない。。。璃羽ちゃんが
いたら、僕の計画が台無しになっちゃう…あぁ嫌だ、嫌だぁぁぁぁ!!」
突然、夜狩は狂い始めた髪を掻き回し、机を叩き始める。
机にある少しの物がいろんな音を立てて落ちていく。
荒い息を立てながら、夜狩は呟いた。
「早く行かなきゃ…行って璃羽ちゃんと威羅くんの血で雪を紅く染めよう
いいねぇ…いいねぇ!!!!」
もう、夜狩に人のココロは無くなっている。
恐ろしい何かが生まれだしていた。。。。
外はどこも彼処も白く灰色の空があった。
璃羽はそこに出ていた。
少し震えながら、灰色の空を見上げる。
雪が璃羽の白い肌にのり、少しずつ溶けていく。
そのまま璃羽は、ぱたっと力が抜けたように倒れ、雪に埋もれた。
もう、消えてしまいたかった。本当は闘いも血を見るのも嫌だった。
でも闘わなければいけないとココロに言い聞かせていた。
そうしないと自分が育った、大好きな町が消えてしまう。
もうココロも身体もボロボロだった。。。
「璃羽…。」
「誰??」
急いでやって来たらしい、マフラーだけを巻いてかけて来たのは鴉嵐だった。
「鴉嵐か。」
「…璃羽大丈夫かよ。そんな雪に埋もれて…頭可笑しいよ。」
「うん、可笑しいかもね。」
「アイツみたいになんなよ。」
「なんねーし。」
「心配してんだからな…璃羽はもう1人じゃねーんだ。抱え込むな。」
「…おぅ。」
「アイツも俺もいるんだからな。」
「…おぅ。」
「…寒みぃよ!!早く家に戻ろうぜ。」
「…あぁ。」
白い雪に中に璃羽の涙が落ちていた…美しく儚い涙。
鴉嵐はそれに気付いていた。
璃羽第5話