十七歳

青いのに十七歳は大切なところを赤シートで隠してる


明らかに発注ミスと思われる大量のプリンをひとつ買う


グローバルスタンダードの規格外なのに世界の輪に入れられる


明け方のスクランブル交差点でも先頭に立てない人間です


高校の近くにコメダができたって へーそうなのへーそうなの


将来の夢は無印良品の家具を揃えて猫と住むこと


図らずもSEVENTEENにEばかりあって受験生を困らす


外からは光しかない時空型スノードームのような学校


JKです千円あればパンケーキじゃなくて本を買っちゃう系の


名前のないノートを開いてあの人のものだとわかってしまった しまった


結局はうさぎがふつうに走ったら努力したってかめは勝てない


捨てられた猫みたいな目を許してね失くせるものをなくしたいから


サイレンが小さくて避けてもらえない気弱な人が乗る救急車


傷つけてみたかっただけ自転車のタイヤは穴だらけで進まない


傷ついてみたかっただけ「好きだ」って遠回しに言ってみようゲーム


搾られるレモンみたいだ夜君の言葉を撫でるときのこころは


赤本と黄色チャートを混ぜ合わせ出来た夕空 ここはどこだよ

十七歳

十七歳

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-03-24

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