気づいてほしい
不器用な女の子のはなし
私は小学4年の時に病気で入院した。
そこで会ったのは五十嵐 塊心 (いがらし かいし)だった。
塊心の母は病気で余命1年といわれた。
それから塊心は毎日、母にマジックを見せて笑わせていた。
そこで私は恋に落ちてしまった。
一生懸命な塊心のことが好きになった。
ところが1年というのはあっという間でした。
塊心の母は亡くなり塊心は泣いていた。
そんな塊心を見ながら退院する準備をしていた。
準備が終わり部屋をでると塊心がいた。
私はつい抱きしめてしまった。
泣いている塊心のことを
塊心は驚いていたが抱きしめかいしてくれた。
「うぐ…ひっく…母さん…」
「塊心くん?」
「なんで…おれ…の…名前…を?」
「側でずっと見てたから」
「そう…なんだ…」
「大変だったね…よくがんばったね…」
落ち着いてきた塊心は
「ありがとう…」と言った。
それが塊心と交わした最後の言葉だった。
私の名前は佐々木 蒼空(ささき そら)
6年後、希翔(きしょう)高校にいきます。
入学式
学校に行く途中私は誰かとぶつかった。
「すみません。大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。お前こそ大丈夫か?」
私は驚いた。
私がぶつかった人は幼い頃の塊心に少し似ていたからだ。
「はい、大丈夫です。その制服、希高の先輩ですか?」
「ああ、まあな。お前は…1年生か。入学式遅刻するよ。」
「えっ!?本当ですか?」
「嘘ついてどうすんだよ。早く行け!!」
「はい、すみませんでした。」トコトコ
俺はあいつと一回会ったような気がする。
え…と…あ!!
病院だ。俺は名前も知らない年下の女の子に抱きしめられたことがあるんだ。きっとそいつだ。
印象強くて覚えてる
「はぁはぁ…ま…間に合った~よかった」
「よかったじゃないよ、蒼空。あと少しで遅刻だったんだから」
「えへへへへ」
「笑いごとじゃない」
と言ったのは泉 真鈴(いずみ まりん)だ
「だって朝ね男の人とぶつかったんだもん」
「まじで!かっこよかった?」
「そこ…?うん、かっこよかったよ」
「いいな~」
「そーらー」
「げっ!!時雨じゃん」
「本当だ~時雨~」
「おはよう。蒼空ちゃん」
この子は風間 時雨(かざま しぐれ)
「おはよう」
「ね、あたしに挨拶しないの?」
「いたんだ。おはよう真鈴」
「ひどっ、ずっといたよ」
「そうだったの!?全然気づかなかった」
「ちょっと、あたしを見てくれたっていいじゃん。いつも蒼空ばっかり…」
「なんか言った?」
「ううん、なにも」
「あのな、ここの希高に俺のいとこがいるんだ」
「その子の名前なんていうの?」
「五十嵐塊心っていうの」
「えっ!?いがらし…かいし?」
「うん、そうだけどどうしたの?」
「やー、えっとねー」
「「?」」
「あのね、私さ…入院してたときあるじゃん」
「「うん」」
「その時に五十嵐塊心って子がいてさ…この子が私の初恋の人なの。6年たったいまでも忘れられなくて…ずっと探してたの。ねぇ、時雨 塊心くんに会わせてくれない?」
「えっ…あ、うん」
「いこ?」
「今から?」
「うん!……ねぇ塊心くんって何年生?」
「たしか、2年生だよ」
「一つ上か…」
「ねえ、蒼空……いまでも………………」
「?」
「塊心のこと好きか?」
「えっ///……………わかんない……」
「そう…か…」
「…」
「着いたよ。ねえ、塊心いるか?」
「あ、うん。呼んでこようか?」
「お願い」
「おーい、塊心。お前にお客さんだぞ!」
「えっ?」
時雨が手招きをする
コイコイ
「わりイ、ちょっといってくるな」
「うん」
塊心が近づく
あれ?…あの人って朝ぶつかったひと…
「なした時雨?」
「俺は用事ない」
「そうか?じゃあ戻るぞ」
「まって、この子が用事あるって」
ちょこっと
「あ、あの…」
『わぁー』ざわざわ
『なにあの子、めっちゃかわいんだけど』
『まじでかわいい』
『めっちゃ美人だな』
『うん。めっちゃ…』
『こんな美人な子いったけ?』
『1年生じゃね?』
『そうか』
『いいな~塊心美人な子と話せて』
『いいな~』
「ここじゃあ、うるさいから屋上行こ?」
「はい」
「塊心なに言ってんだよ」
「いいじゃん。ちょっとくらい」
「いいけど…」
「じゃあ、行こーか」
「はい」
「はあー」
「で俺に話って?……………あー朝俺とぶつかった女の子だ!」
「そんなことは置いといて、本題に入れよ!」
「そんなこととはなんだ!」
「あ、あのーいいですか?」
「「はい」」
「6年前に病院で会いましたよね。」
「ああ、俺の母さんが死んだとき俺ば抱きしめてくれたひとだよね?」
「はい。そうです よかったー」
「なにがよかったの?」
「また会えて良かったと言う意味です。」
「そういうこと」
「あとは謝りたくて…」
「謝る?」
「はい、あの日上から目線で言ってしまったから…」
「いいよ、そんなこと」
「本当にすみませんでした」
「いいよ。あんたのおかげで俺は前に進めたから」
「あの時、よくがんばったねって言われたから…単純だよね」
「そう…なんですか」
「あんたの名前なんていうの?」
「私の名前は佐々木蒼空って言います」
「蒼空かー、いい名前だね」
「ありがとう塊心くん」
「塊心でいいよ」
「………塊心」
「はい、蒼空」
「///」
「テレれるね」
「はい」
「授業始まるから教室戻ろ?」
「はい」
「はやくいこ!!!」
「なんで怒ってるの?時雨」
「怒ってないよ」
「怒ってるよ…」
「まあまあ二人とも」
「塊心はのんきすぎるんだよ」
「そうか?」
「蒼空はわたさない」
「俺はとるきはない」
「言ったな。後悔してもおそいからな」
「ああ」
「じゃあな」
「どうだったの塊心君」
「蒼衣…小さい頃に会ったよねみたいなこと言われただけ」
「蒼衣俺ばうたがってんの?」
「いや、別に」
「俺が好きなのは蒼衣だから」
「うん」
この人は塊心と同じ学年で彼女の蒼衣 汐花(あおい ゆうか)
「そっか~塊心ってあの人なんだ~」
「ねえ、蒼空。」
「俺………蒼空が好きだ///」
「っっっ///!?」
「ずっと蒼空が好きだった。俺と付き合ってくれないか?」
「えっっっ!!」
「…」
「えっと、わかりました。私でよければ」
「お前でいいんだよ、蒼空。」おでこチュ
「はい」
「今日一緒に帰ろう」
「うん」
放課後
「そーら、帰ろ?」
「ちょっと待って」
「はやく」
「せかさないでよ。あ、塊心だ」
「ほんとだな。な、はやく行こ!デートつぶれちゃうよ?」
「うん」
塊心、さっき女の子といたな。すごいきれいだったな~
彼女かな?チクッ痛っ
なにこの痛み…胸がいたいよ
なんかモヤモヤする。この気持ちはなんだろう?
「ら…ぉら……そぉら…………蒼空!!」
「ふへっ?」
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ」
「考えごとしてた?」
「まあね」
「なあ、今日1日デートなんだからさ俺のことだけみてくれよ…」
「うん…」
「さっき塊心のこと考えてたんでしょ。俺に本当のこと言ってよ。お願いだから…」
「ごめん。もう考えないからな」
「ありがとう。どこか行きたいところある?」
「時雨のお家がいい」
「えっっ!?……」
「ダメ?」上目遣い
そんな目で俺をみんなよ…
「いやっ。いいけど…俺の家来てなにすんの?」
「うーーんと、わかんない。ただ行きたいなーと思って」エヘヘ
「そう、じゃあ行くか」
「うん」
「着いたよ、上がっていいよ」
「うん」
「俺の部屋二階だよ」
「うん、時雨の家大きいね」
「蒼空に言われたくないよ~」
「今飲み物もってくるね」
「うん」トコトコ
時雨の部屋どこだろ?
ウロウロ
「蒼空まだそこにいたのか。ほら行くぞ」
手首つかまれだ///
今日すごく意識してるよ。ドキドキする
「どこでもいいから座って」
「うん」っていわれてもどこ座ればいいのかわかんないよ。どうしよ、ベッドに座ろ
ドサッ
「そーらっ!?そこ?」
「ダメかな?」上目遣い
「いやいいけど」
「いいけど?」
「誘ってるみたいで少しエロい…」
「そうなの?」
「ま、まあ…」
「そのつもりはなかったんだけど」
「だよな」
「うん」
「俺…蒼空ば襲っちゃいそうだ」
「…///」
「なーんてな!」
「しーぐーれー怒」
「怒んなって俺が悪かったって」
「時雨のばか…キライ!」
「!?そんなこと言っていいのか?」
ドサッ
「しっしぐれ!?」
「本当に襲うかもよ」
「うそなんでしょ?」
「うそじゃないって言ったら?」
「…」
「…なにもしないから安心して」ニコッ
「…」
「…でなにするかきまった?」
「ううん、決まってない」
「んじゃ、ゲームしよっか」
「うん!!」
ゲーム中
「ねえ、なんで時雨は私を好きになったの?」
「えっ!?え~と」
「んで、私のどこが好きなの?」
「…全部」
「もっと具体的に!」
「…教えない」ニコッ
「なんで~」
「ダーメ、あ、そら!!!」
「え!?あー!!また負けた」
「よそ見してるからだ」
10分後
「うわー全部負けたし…」
「どんまい♪」
「ねえ、時雨…私ね、時雨のこと好きなのかどうかわかんない」
「…大丈夫。これから好きになってくれればいいよ」
「ごめんね」
「謝ることないよ」
「うん」
「あ!もうこんな時間だ。家まで送るよ」
「本当だ、ありがとう」
「今日はありがとう」
「どういたしまして、また、デ、デ、デート///しような!!」
「うん」
「じゃあね」
「バイバイ」
「あーもーーーどうしよう、これからも蒼空が向いてくれなかったら…他の人を好きになったら…なんだこれ俺じゃないみたい」
「あれ?塊心?なんでここにいるの?」
「蒼空を時雨から奪うためにきたんだよ」
「け、けど…」
はっ!!!
「なんだ夢か、そりゃそうだよね。塊心彼女いるもんね。」
はぁーなんでこんなにガッカリしてんだろう
母「蒼空~時雨くんきてるわよ~」
「いまおりる」
登校中
「ねえ時雨。好きってどんな気持ちなの?」
「どうしたんだよ、いきなり。」
「なんとなくだよ」
「どんな気持ちっていわれても…まぁ、ものすごく愛しくて、ものすごく会いたいっていう感じかな」
「そっか、ありがと」
「??」
「真鈴ーー泣」
「どうしたの?」
「私もしかしたら塊心のことが好きなのかもしれない」
「はっ!?」
「時雨に好きってどんな気持ちって質問したのそして時雨が言い終わった後に塊心の顔が頭に浮かんだの」
「そうなんだ。けどそういう気持ちっそれぞれ違うから」
「うん」
「…」
「私時雨の彼女失格だー」
「なら、別れちゃいなよ」
「え!?」
「あたし時雨のことが好きなんだ」
「そうなの!?」
「うん」
時雨
「はあ…どんどん蒼空が離れていく」
本当は知ってるんだ。蒼空が塊心にひかれはじめてんの…
けど認めたくなくて意地張ってるんだよね。
なんで俺はこんなに余裕がないのだろうか。
塊心はあんなに余裕そうだったのに。
「あーもーーー」
お互いの気持ちが交差する
「ねえ蒼空」
「なに?」
「俺…………」
「どうしたの?」
「お前を渡したくない!」
「ふぇっ!?」
「お前は俺のものだ!!」
「なしたの?いきっ!!??」チュ
「蒼空が好きだ」
時雨がキスをする。何度も何度も…………
「まって!!」
「またない。もう俺…我慢できない」
「ねぇ、どうしたの?」
「そら……………俺のこと好き?……」
「しぐ……れ……?」
「俺は…好きすぎてヤバい…」
「///す、すきだよ?」
「ほんと?」
「う…ん」
「ありがとう……」
「??」
「でも…ごめん……ずっとずっとお前がすきだ…お前といると苦しくて辛い」
「えっ??」
「別れよ」
「な、なんで??」
「だってお前ずっと塊心のことみてんだもん。これ以上お前といたら嫉妬してなにするかわかんない」
「そんなこと思ってたの?」
「まあね…蒼空が離れていっちゃうんじゃないかっていつも怖かった」
「わ、私ね、まだ時雨の気持ちにこたえられないの。答えがみつかるまでまっててくれないかな?」
「いや、またない。もう知ってるから……俺の気持ちきいてくれてありがとな」
「…」
「また、俺と友達になってくれないか?」
「……………うん」
「また来週学校でな」
「ばいばい」
周りは静かだった。まるで私たちを見てるみたいだ。
私の好きなひとだれなのかな、なんで時雨が知ってるんだろう………
今日の時雨、とても悲しそうだった。私があんなに傷つけたんだよね。
ごめんね…………ごめんね……
「真鈴?明日遊べる……わかった。また明日ね」
ねぇこれ以上俺を傷つけないで………
俺がお前を幸せにする…………
まただ時雨?塊心?
時雨には悲しみが溢れていた。
けど塊心には………………
母「お、は、よ、う怒、何時だと思ってんだ。もう昼だぞ」
「おはようございます。お母様」ヤバい怒ってる
あ、真鈴と遊ぶ約束してたんだ!!
「ごめん、おまたせー」
「ほんとにさ」
「いや、ごめんねテヘッ」
「キモいぞ」
「あは」
「テンションキモいぐらい高いよ」
「私の話きいてくれる?」
「わかったから、どっか店入ろ?」
「んでどうしたの?」
「うるるるる…………泣」
「は!!??」
「かくかくしかじか」
「はあーそっか、結局別れたのね」
「うん」
「うんってそれだけ?」
「そうだよ」
「気分転換に遊園地でもいきますか」
「うん」
「塊心君………」
「ん?」
「あの子に会ってから様子おかしいよ?」
「あの子?あー蒼空か」
「!?蒼空って!!なんで名前呼びなの?」
「いやーなんとなく…いや…なのか?」
「まあ…ね」
「ごめん、蒼空だけ許してくれないか」
「え…?」
「なんか名前で呼ばないと蒼空が消えていきそうだから」
「そ…か」
「……」
「ねえ、その子のことどう思ってるの?」
「なんでさ」
「気になって」
「わかんない」
「私はわかるよ」
「はっ!?」
「顔にでてるよ。ほっとけない子だってね」
「んなっ!!」
「ねえ、あの子とわたしどっちが大切?」
「そりゃ…………」
なんで………なんで蒼衣って出てこないんだ…
「ほらね、あの子が現れなかったら良かったのに」
俺は………俺は………蒼衣が好きなんだ。
なのになんで蒼空の顔がでてくるんだよ……意味がわからねえ
「なにしたの?」
「俺は………」手を入れていく
「いやぁ……やめて」
「はぁー?お前なに言ってんだよ。俺が好きなんだろ!?」
「好き……だけど……はぅ」
「ならいいじゃねぇか」
こわい…塊心君がこわい……
「やめ……て…………………やめて!!!!」
「……ごめん、俺……」
「あの子が好きなんでしょ!?」
「……」
「まぁいいや…別れよっか………」
「え…」
「私も最近、塊心君にあきてきたから」
「……」
こっちのほうこそごめん。なにもしてあげられなくて…ごめん
ありがとね。楽しかったよ。塊心君のこと今でも好きだよ……
「バイバイ」
ひきとめて……お願いひきとめて私の名前呼んでよ……
「……」
お願い……お願い……
「っ……………」
そうだよね……
「どうだった?」
「楽しかったよ、久しぶりの遊園地いい気分転換になったよ。ありがと」
「いーえ」
「なんかさ、もうどうでもいいやって思ってるんだ」
「なんで」
「こんなになやんで面倒くさいなって」
「なに言ってんの!?ねえ蒼空はどうしたいの?」
「わか……んない…」
「はあ、それを考えなさい」
「わかった」
私はどうしたい?だれと恋人になりたいの?
こんな私はキライだ。ウジウジなんかして気持ち悪い…
蒼空、蒼空の行動は人を傷つけちゃうよ。
傷つけるまえにわかってよ。
もうこれ以上色んな人を巻き込まないで苦しめないで気づいて自分の本当の気持ちに……
数日たった今でも蒼空は悩んでいる
そして時雨が言うには五十嵐の元気がないって言っていた
それからまた数日がたった。蒼空はなんかふっきれたようだ。
「真鈴、私、時雨に思いを伝えてくる」
「え、いきなりなしたの?」
「いや、なんか、塊心しか頭にないから、私は塊心が好きってことを時雨に伝える」
「……わかったよ」
放課後
「時雨!!伝えたいことがある」
「えっ、わかった。けどここじゃあれだから場所変えよっか」
「うん」
「ここでいいかな?」
「いいよ。あのね私、塊心が好き。いままで辛い思いさせてごめん。苦しい思いさせてごめん。傷つけて……ごめん」
「やめろよ」
「……………ありがとう」
はにかんだ笑顔が今までで一番可愛かった
「///もういいよ……けど俺お前がすきだ。いつでもあいてるから辛くなったらこい。」
「わかった」
「こちらこそごめん」
「なんで時雨が謝るの?」
「いやなんとなくだよ」
時雨は笑ったけどとてもつらそうだった。
そりゃそうだ振るのもこんなに辛いのに振られたらもっと辛いに決まってる。
こんな私を好きだと言ってくれてありがとう。
キツイな
振られるってこんなに悲しかったっけ?
いや、好きだからこんなに悲しいんだ
「///ヤベッ。なんかきいちゃいけないものきいちゃったよー」
今の声って蒼空だよな?蒼空さっきなんて言った?
俺しか頭にないとか言ってなかったか?
蒼空は俺が好きなのか?
いやいやいや。それはないだろ…
俺は………俺はどうなんだろう
俺は………俺は………あーわかんなくなってきた。
けど1つわかったことがある。俺は蒼空が大事だってこと…
それにどんな気持ちが入っているのかよくわからない
考えれば考えるほどわかんなくなる
もう少し気持ちを整理しよう
「真鈴ー泣」
「伝えれたの?」
「うん、伝えた。時雨とっても悲しそうだった」
「そっか」
「これで良かったんだよね?」
「うん」
「真鈴…時雨のこと頼みます」
「えっ!?」
「お願いね」
半年後
最近、塊心をよくみる。
その度、舞い上がってしまう。
好きってこういう気持ちなんだ。
塊心のこともっと知りたい
そんな感情が溢れてくる
あ、あれ蒼空じゃね
「おーい、蒼空」
「…!?キョロキョロ…は!!塊心」
「今帰り?」
「うん」
「家まで送るよ」
「ありがとう」
「家どこ?」
「○X町」
「えっ!?俺の家もそこなんだ」
「そうなんだ」
「……」
「……」
「俺さ…最近彼女とわかれたんだよね」
「え!なんで?」
「俺が違う女をみてるって言われて」
「そ…なんだ、私もちょっと似てるな」
「……俺達って似た者同士だね」
「うん、そうだね」
「でね、その女はねとても可愛くて、すっげー天然で……」
やめて……それ以上いわないで
「誰だと思う?」
「う………ん わかんない」
「そっ「あ、着いたよ。ここ私の家」ここなの?」
「うん」
あーそらだよって言えなかった………………
「バイバイ」
「次会ったら言うね、じゃあね」
塊心の好きな人の話ききたくなかった
どうしよ
胸が苦しい……
朝
「行きたくないな」
……はあ…………
「そら!!」
「!?なんだ時雨か…」
「なんだとはなんだ」
「いやなんでもない」
「そら」
「塊心…」にげる
「そら?」
「そら」
「塊心」にげる
「そら!!」
「なによ」
「いやなんでもない」
これが数日続いてる………
俺避けられてる?
「そら、今帰り?」
「塊心……うん」
「一緒に帰ろ?」
「やだ」
「え~なんで?」
「やだから…………じゃあね」
「そら!!待ってって」パシッ
「ねえなんで逃げるの?」
「……」
「ここじゃ話にくいなら俺の家にくるか?」
「……」
「いこ?」
「……」されるがまま
「着いたよ」
「……」
「きて…」
「……」
ガチャッ 鍵をしめる
「なんで逃げるの?」
「……」
「おい!!」
「……だって………次…会ったときに好きな人の話するんでしょ?」
「へ!?」
「この間言ってたじゃん」
「は!?」
「好きな人の話ききたくないの」
「あーそれか……」
「なによ」
「この間、俺が言いたかったのは……」
「……だから言わないで」
「きけ!!!」
「……」
「……蒼空のことが好きだってことだよ」
「……」
「……」
「えっ!?」
「俺、蒼空が好きだ」
「え………と、わ…私も好き!!」
「うわっいきなり抱きつくなよ」
「えへへへへ」
塊心がほほえむ
可愛すぎるでしょ、あーやっぱりすきだなー
「塊心……………好きだよ」チュ
「///………」ほっぺにキスされた
「蒼空……それは反則……可愛すぎるから」チュ
よくキスをするとチョコレートの味がするっていうけど本当だったんだ。
すごく甘いキスだった。
好きな人がいるってやっぱりいいな
「蒼空は俺のものだ」
「なに言ってんのさ」
こんな恋人たちの空は満点の星だった。
みとれるほどきれいな……
甘かった。とても………けどそれは長くは続かなかった
「真鈴!!話きいてよ!」
「なに?」
「最近ね、塊心がキスとかしてくれないの!」
「っ!!なにかと思えば、そんなこと」
「そんなことじゃないもん。いっつもキスしてくれるのに最近は全然してくれないの」
「いつもって、のろけかよ。蒼空がなにかしたんじゃないの?」
「ううん、なにも」
「じゃあ五十嵐君に我慢させてるんじゃなの?」
「して…ない…と…思う…」
「心当たりあるんだな?」
「ま、まあ…なんかね、塊心たまに甘えてくるっさ」
「…んで」
「私からキスする」
「蒼空……大胆ね」
「それで塊心に押し倒されて」
「て?」
「塊心がイヤらしい顔して迫ってくるんだけど、私が泣いちゃって……」
「うわーかわいそう。蒼空さ、自分から甘えてみたら?」
「え…………わかった」
「明日休みだから遊んでおいでよ」
「うん」
夜
「…もしもし、あのさ、明日家にこない?」
「なんで?」
「会いたくなったから///」
「///わかった」
「明日1時くらいに家にきて」
「おう」
ピンポーン
「はーい」
「……」
「どうぞ」
「あ、はじめてだよね?私の家」
「うん」
「今日親どっちも仕事で明後日まで帰ってこないんだ」
「そ、なのか」
「どうしたの?」
「いやなんでもない」
「ここ私のお部屋だよ」
「かわいいな」
「ふつうだよ」
「ねぇ…いきなり呼んでなしたの?」
「だから会いたかったから」
「……」
「う、うわ、どうしたの?」
「反則だよ///かわいいよ」チュ
「ねえもう終わり?」
「えっ!?」
「チュウ!!」
「///」チュ
ヤベッこれ以上やったらとまんなくなりそう
「塊心…好きだよ」
「俺も」おさまれ、おさまれ
「……ふぁ………大好き」
無理だ
「蒼空……かわいすぎ………」チュ
「はぁ……………んん!!」胸を叩く
「ご、ごめん。つい」
「ねえ」
「ん?」
「なんで最近触れてこなかったの?」
「……」
「??」
「蒼空に触れる度どんどん欲情するから」
「///」
「触れればとまらなくなる」
「いいよ。我慢しなくても」
「///……バカ」
そんなこと思ってたんだ
「俺さこういう感情あんまりなかったから、どうすればいいのかわかんなかった。」
「そっか……」
「けど、もう我慢しなくていいんでしょ?」
「そういうことになるね……」
「覚悟しとけ」ニコッ
うわー嫌な予感がする
ドサッ
「……ほへ?」
「ばーか」ニコッ
「大好き……」
「俺はもう大好きじゃ溢れる 」
「??」
「愛してる」チュ
「……うん私も…愛してる」
私は愛しい人と結ばれた
私はあなたに出会えてよかった。とても幸せだよ
俺もこんなかわいい嫁に出会えて幸せだ
よ、よめ?
俺と結婚してください
はい、喜んで
おわり
気づいてほしい
不満な点があるったら何なりといってください