人生ゲーム!

こんな僕に生きている価値はあるのだろうか?
学校ではいつも1人、運動はまったくの苦手、学業もよくない。
大した取り柄もない自分は存在する意味があるのだろうか?

分からない。

いつも同じような事を考えながら、つまらない学校へ行く。      聞きたくもない授業を受け、昼休みには誰とも関わらずに昼食をすませる。
そうして、学校が終わったらまた1人で帰る。
毎日同じ事を繰り返し、僕は機械のように体を動かしている。
自分は居ても、居なくてもなにも変わらない。

何もかもが嫌だ。

家に帰ると、いつものように階段を上り自分の部屋に入る。
テレビのリモコンを手に取り、電源をいれた。
ちょうど夕方のニュースがやっていた。
画面には自分と変わらない年頃の人の顔が写真で映り、'通り魔に殺害'と書かれていた。
一度、チャンネルを替えようしたところで、ふと思った。

死ぬ

こんなにつまらない人生で同じような生活を永遠と続けるなら、死ねばいいんじゃないか?
何故気がつかなかったのだろう。
自分の中にあったモヤモヤ感が消え、新たにそれを打開出来る嬉しさが芽生えて来た。
僕はすぐに家を出て、学校に向かった。
こんなに学校へ向かう足が軽い事は一度もなかった。
いつも間にか僕は走っていた。
学校に着き僕は階段を勢いよく上り、一気に屋上まで来た。
初めて屋上に来た。
意外と広く景色が綺麗だった。
僕は一度深呼吸した。

 やるか!

僕は囲いのフェンスに足をかけ、一つ飛び越えた。
もう、あとは落ちるだけ。
僕は目を一度閉じ、今までの人生を振り返った。

この人生ともお別れだな。

目を開けた。
そして、体を上半身から倒れていくよう落ちた。

人生ゲーム!

人生ゲーム!

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-07-29

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