青空
見る必要もないほどに
完成された心を持っていて
コバエを不思議がるような
楽し気な鼻歌が聞こえる
2017/3/11
偏り
その切実さを言うあなたに
どこか哀しさをみたような
無意と意の間の昇華を
感情を愛し 許し
決められた無意識を仰ぎ見る
ただ偏りは美しさを主張して
無と有の間で崩壊し続ける雲の
偏りに染まる不思議を
探す人が泣いている
2017/3/11
生の意味という
パキリとした絶壁は
前向きを
ただひたすらな生への執着に変える
暗さの怖さを思い知る
でもあなたは
その感情すらも
にこやかに
許してくれる
動悸
僕には 僕には
無機質だが
途方もない 愛に見えて
2017/3/11
付いていけないという僕の予感は
きっと
青年の未知への不安だ
言い聞かせてあおく染まる
布のしおりを
そっと指に絡ませてあそぶ
再び開けたら
ただ一人の青年が
歩いていた
2017/3/11
生きる方向だけを
見て生きている他人がいる
ただ崩壊だけを待ち
だた生きている雲がある
何になることも
許されない青年が泣いてる
やさしい
2017/3/11
つむぐ強さも賢さもバランスも
青年を見て
僕を振り返れば僕はゴミ虫以下で
ないようなものだが
生に 死に
殺すことに 殺されることに
狂い 恐怖している
同じ 生が
静かに休んだ
2017/3/11
無と有の
はっきりとした
さかいのその間に
世界へのすり合わせの
美しさを見続けている彼
その
無意識からの脱却の愛を
両親からも欲しかった
心のままの無関心と
心のままの殺害に
きっと両親は
一生気づかない
2017/3/11
また陽射しが注ぐ
どんな恥じらいも暗闇も
自分の事すら許してしまう
とどまらない愛を知りました
確かに彼の中にある
色のはっきりした怒り を
なぜ
そんなにも
いとも簡単に
彼の陽射しが輝かせて
ふわりと悲しみに変えて 空に返す
2017/3/11
パキーン カコーン
とか聞こえてきそうだ
数多の色で生の意味を
このもどかしさを塗りつぶし
死の恐怖 真っ黒に染め上げ
ただはっきりと進むと言った
つい笑ってしまう
生きる者の同じ繰り返しに
意識的な愛を意識する青年への憧憬を
ふと
心揺られるまま
青年が去ってしまった
知り得ない
ところに青年が去った
空を裏切った
ように見えた
去った青年が青空を見ている
去った青年は青空に似ていた
決めつけたのか 違う
青年の実感がほしい
愛の行きつくところに
空の青さを見たのかもしれない
君に詩が読めるのはここまでと
空は何も主張せずに
ただ僕には空があった
忘れる前に
洗濯をしよう
2017/3/11
青空
谷川俊太郎著
62のソネットを読んで 34