たとえば

誰かのために犠牲になる話

大丈夫だとおもいたいから。

なんのために生きるの。
唐突に私はそんな言葉を投げ掛けられた。
「ええ、なんでって言われても。」
死ぬのが怖い?
「怖いわ」
もし死ぬのが怖くなかったら?
「それでも怖いわ」
なんで怖いの。
「例えば、私の幸せな時間って日の当たる窓辺で本をゆっくり読むことなの。」
「それが死んでしまったらなくなるの、そう思ったら怖いことだわ。」
そんなものなんだ。
「ええ、でもね。人にはやらなきゃいけないときだってある。」
ときって?
「それは、、とてもあやふやなものよ。でもね、ハッキリとわかるの。」
私はそれをわかってる。
「それが今なんだ」
ええ、そうみたいね。
「本当に私で大丈夫?」
大丈夫よ。
「彼は、ううん。何でもない」
そうしてくれると助かるわ。
「じゃあ、行くね」
今まで、私を守ってくれてありがとう。最期まで頼ってしまってごめんなさい。
「ううん、いいんだ。その為に私はいる。」
じゃあ。
「じゃあ。」

たとえば

そもそもがおとぎ話

たとえば

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-03-09

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