ときどきの沈黙

心の蓋を閉じると
目に見えない世界との繋がりが切れる。
お父さんとさようならをしなさい。と
言われた日
私も棺に入り
一緒に焼かれて骨になりたいと思った。

(あと何年、生きねばならないのだろうか?)
支えを失い
灰になり崩れてゆく
姿を思い浮かべる世界の中で
私はお父さんを呼んでいる。

抱きしめられている。
慰められている。
感覚がして
目には見えなくなっても
声が聞こえなくなっても
そこにいるという暖かさだけが
灰になりそうな私を守り続けている。

ときどきの沈黙

ときどきの沈黙

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-03-07

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