売れない作家の異世界録 プロローグ
はじめまして山男です
思い付きと趣味で書き始めたこの作品とも呼べない未熟な何かですが皆さんのほんの少しの暇潰しになれば幸いです
展開も設定もまだ決まりきっておらず、また初めての執筆となりますのでお見苦しい点多々あるとは思いますが何卒ご容赦下さいませ
プロローグ
薄暗い明りで目が覚める
全く見知らぬ白い場所。周りを囲う白い沢山の椅子。はて、ここはどこだろう?
最後の記憶は廃墟だった。足を踏み外してうっかり二階から落っこちたところまでは覚えている
「む?起きたか。また呑気にぐぅすか寝とったのう。えーと名簿名簿。江花 昌じゃな?ほぉ、作家じゃったのか。らいとのべる?とやらの作家なんじゃな。いやぁ最近多いな作家の自殺は。なんじゃ?流行っとるのかの?」
なんだ?みょうちくりんな幼女が椅子に乗ってくる来る回っとる。
やけに軽いノリの幼女だ。俺の妄想がとうとう具現化したのか?
「どうした?ハトが豆鉄砲食ろうたような顔して。まだ意識がはっきりせんのかのう。そりゃそうじゃろうなぁあれだけズッポシな死に方したら意識もふらつくじゃろうて」
「、、、、は?死に方?えどゆこと?」
「どういうもこういうも、お前は死んだんじゃってホントについ30分くらい前にな。死にたてホヤホヤじゃぞ?超新鮮じゃ」
何を言ってるんだこの幼女は?理解が全く追いつかない。俺は取材のために廃墟に忍び込んでそのまま落っこちて死んだってのか!?
というかノリ軽すぎて若干腹が立ってきたぞ?
「じゃ、じゃあ俺はあのまま転落死したのか!?嘘だろ!?」
「いや、落下した先にたまたまむき出しになってた鉄材が脳天に刺さって」
「グロ!?!?最悪じゃねぇかなんだその死に目!!」
「その衝撃で落ちてきた瓦礫に潰されてそれはそれは無残なことになっての。もう人の形を保ってるかどうか。なにもそんな壮絶な自殺を慣行せんでものう」
「自殺じゃねぇよ!そんなつもり微塵も無かったつうの!完全に不幸な事故だわ!!!」
しかもオーバーキル!?俺がなにをしたってんだよ!善良な(家からほぼ出ない)しがない作家(売れてない)をそこまで痛めつけるか!
「そ、それじゃあアンタは神様なのか?天国か地獄に導こう的なやつ?」
「だいたいそんなもんかの。私はユーティア。神様と言っても数ある管理神の1人じゃ。たまたま私の窓口にお前が来ただけじゃから私の他にもたくさんおるぞ?」
死後の世界って役所かなんかなのかよ。さっきから軽すぎるだろこの神様。人の死をもうちょっと大事に取り扱ってよ
「そんでの、お前を天国か地獄かどっちかに送るか。他にもお望みとあらば現世に転生もできるんじゃがどうする?」
「え、えぇー。本当に俺の人生終わっちゃったのか、、、?天国とか地獄とか急に聞かれても。や、やっぱりここは天国か?」
「天国のう。のんびり暮らすにはいいとこなんじゃがのぅ~ちょいと暇なんじゃよなぁ。いや行きたいなら全然かまわんぞ」
なんだよそれ?大体の人は天国いきたがるもんだろ?
「時間の概念もないから永遠にも近い時間心の清~い天国の住人と川のほとりでお茶でもすすりながら仏のように過ごせるぞ」
「いいじゃんそれ!なんだよ選べるなら絶対に天国だろ!先の見えない作家人生から一転して天国で悠々自適な生活かぁ~。父ちゃん母ちゃんには悪いけどそれもなかなか、、、」
「あぁ、悠々自適と言っても娯楽の一切がないからそこだけ勘弁してくれ?そういえば最近天界のアイデアで導入したゲートボールは流行ってるかのう。よかったな」
え、娯楽ないの?ネットもゲームも無いんじゃ俺の最低生活基準すら満たせてないじゃん?天国って老人ホームなの?
「一応聞いておくが地獄はどうなってるんだ?」
「地獄は最近人気じゃな。お前の世界から来たのはみな結構地獄に行きたがるのう。なんても「死後の世界とは言え働かないと落ち着かない。天国には仕事がないから行きたくない」だそうじゃ。地獄の労働なんて死ぬほど辛いのに奇特な奴らじゃ」
マジかよ。日本の社畜は死後ですら働こうとするのか。本当に労働環境どうにかしたほうがいいぞ日本。俺はもっぱら自宅からは出なかったわけだが
「地獄は地獄できついのかよ。どうすっかな、、、天国も地獄もあんまり行きたくねぇんだけど」
天国での隠居は魅力的だが俺の求めるものはほぼ無い。だからと言って地獄は死んでるのに死ぬほど辛い社畜生活が待ってるから論外。どっち選んでも地獄じゃね?
「となると転生しかないのう。今転生できるご家庭はどこじゃったか、、、げ。これは、、、」
「また転生出来るなら超絶イケメンでめちゃモテな高校男子とかにしてくれよ!もしくはアラブの石油王でも可!!」
「スラム生まれしかないの」
「なんでだよ!!!地球の人口どれだけあると思ってんだ!?広い世界のどこ探してもスラム生まれしかないとかありえねぇだろ!!!」
「そうは言われてもの~。スラム生まれか、もしくはそれに近しい相当過酷な出生しか手者にないんじゃから仕方ないの」
「もうちょいしっかり探してくれよ!わかった、この際贅沢は言わないから!もうごく普通の平平凡凡のご家庭でいいからぁ!」
「ごねられてものぅ。というかもう面倒になってきたんじゃよな。お前の後ろにもあとがつかえてるしもうスラムでいいかの?」
こいつ今なんつった!?
人の人生なだと思ってんだ!こら、お煎餅を食べるんじゃありません!むっかつく顔しやがって!!!
「ふむ、とは言ってもさすがに可哀想じゃな。日本ではないがまぁ特例で別世界に転生させる事も出来るには出来るのう。しかもその世界の魔王を倒せば願を何でも一つ叶えられるおまけ付きじゃ」
「なに!?別世界だと!?それって剣と魔法のファンタジー的な異世界か!!最高じゃないかそれ!オレツエーして世界救ってハーレムとか作っちゃったりグヘヘヘヘ」
「よく知っとるの。あまり人気のない世界なんじゃがその様子なら問題も無いじゃろ。決定でいいな?」
まさかラノベの王道展開異世界転生が実在した上にそれを体験出来るなんて、、、そのうえ魔王を倒せば目害をかなえてもらえる豪華特典付き!こういった展開は総じてチート能力貰えたりするし勝ち組確定!!
、、、待てよ?異世界を満喫した後この体験を俺の世界に持って帰って本にすれば他の作品なんて目じゃない超傑作が書けるんじゃないか?
「おい神様。その願いでまた俺の世界に転生とかって出来るのか?出来れば記憶もあると助かるんだけど」
「不可能じゃないぞ?世界一つ救うんじゃからそれくらいの我がままならどうとでもなるじゃろ」
「言ったな!言質取ったからな!これで2つの世界で勝ち組コース確定だぁぁぁ!!」
「転生する前に断っておくが特例じゃから外見とか記憶とか一切弄れんぞ?むこうの言葉は私がわかるようにしといてやるから頑張っての。はぁ~疲れた。もう帰ったらだめかのう」
ぬ、見た目とかは変えられないのか。まぁいい!そんなのもは些細な問題だ!それにしてもこの神様本当にやる気無いな。神様なのかすら怪しくなってきた
「ほい、書類は出来たぞ。ここにお前の名前書いといての。はーい次の人ー」
「こんなのでいいのか?もっとこう、ほら。あるだろ?儀式みたいなのがさ?俺に秘められた能力を引き出す的なさ」
「能力?無いぞそんなもの。お前はその身そのままで異世界に行くんじゃが」
「能力ないのか!?話が違うじゃねぇか!!」
「こら、引っ張るな!大丈夫じゃその世界のルールにそって生きていけばある程度は戦えるようになるから!おい、ちょ!やめろこのロリコン!はなせぇーーい!!」
「誰がロリコンだ!撤回しろぉ!だいたい戦闘どころか殴り合いのケンカすらまともにやったことないインドアっ子にどうやって強くなれってんだ!あれ?なんか浮いてね?」
白い光が俺と幼女を包み天井にある大きな門が開きだした。
「ぬわっ!?ちょっともうゲートが!マジで離さんかお願いします離してこのままじゃ私まで一緒に!あばばばばばば!!!」
「おい待て!まだ心の準備とかまだなんだけど痛って!!こんのクソ幼女が俺は女子供でも必要とあらば怒りを躊躇なく行使する男だぞ!暴れんじゃねぇ!おわぁああああああああああ!!!!!」
こうして俺は幼女と取っ組み合ったまま扉の中へと飲み込まれて行くのだった
売れない作家の異世界録 プロローグ