空が泣いた日。

空が泣いた、ある日のこと。

約束

ある日、空が泣いていた。


静かな部屋に一人。蹲った少女は泣いていた。

真っ暗な中、どこか光はないか、と。

顔を上げ、近くにあった携帯を見やる。

時刻は午前1時。

少女は徐ろにある人からの連絡を確認する。

─電話していい?

なんて狡い人だ、少女は息を吐く。

耳元で聴こえる愛しい声は、彼女の暗く濁った心を溶かしていった。

─ねぇ私、いつも仲の良い人を好きになるの。そして後悔する。

─じゃあさ、もうそんなのやめるって俺と約束してよ。

溶かされた心は瞳から溢れ出て零れた。


『あなたのことが好きなの』


そんな言葉は喉の奥で詰まって息苦しい。

少女の吐く息は震え、

─うん。

守れもしない約束をしてしまった。



空は未だ泣き続け、

その泣き声が暗闇に溶けていった。

空が泣いた日。

作者は約束を破る人が許せない人間です。
守れない約束は、するものじゃありませんね。

空が泣いた日。

守れもしない約束をしてしまった、ある少女のお話。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-03-06

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