乱痴気アンナの生死の歌
黴臭い ノイズ
轟音は 淫売の唯一神
俺がウォトカに誘爆させるポエトリー
人生は欠落した断片の欠陥直列4気筒に過ぎない
むしろ沈んでやる
枯渇を満たしてやるさ
この廃墟の沈静レボトミンで
雨を名づける
神の名を消す
世界の濫造が この抑鬱の証明
乱痴気アンナが俺に命じる
「生きなさい」。
唯物論的モルヒネ宗教デモクラシーの修身スノビズムのくそったれ
地上は死んだ隣人は死んだ 詩が死んだ
俺だけが緩慢に死線を継続する
激甘ステロイドリビドー 鬱積する激雨の大陸間弾道ミサイル
もうここではない なぜおまえがいない
緩慢な死線の継続の俺だけが書かなければならない ちきしょう ちきしょう ちきしょう
誰ひとり残らないこの暗喩
乱痴気アンナが俺に囁く
「生きなさい」。
生き狂いの静脈コピー 根絶やしのアガペー
言葉を排泄しながら
混迷する生存者
「こんな腐れた母親の恥部は見たことがない」
モスクワ1919の憂鬱
ペンタゴン9191の殲滅
吐け 乗っ取られたパスワードでチンポ商売のジゴロを分けてやる
使い物にならないX-videoストリーミングと気分変調症ディスチミア人生をフォルダごとDelete
乱痴気アンナが俺に告げる
「生きなさい」。
「あなたはどんなリルなの?」
「おまえのオメコみたいなリルさ」
「詩の思想はあるの?」
「おまえが俺のアンチ思想さ」
「何を書きたいの?」
「俺は臭い豚ウヨメガネや汚いプロ市民のパトリズムや現代詩崩れのポカ世迷言を殲滅したい」
「どんなペニスが詩的に美しい?」
「入るならなんでもいい」
「あたしのオメコ好き?」
「オメコなら平等に好きだ」
「嘘つき」
「嘘しか言わない」
乱痴気アンナだけが知っていた
「生きなさい」。
騒擾する爆破テロのバルセロナ。
福音派ペンテコステを化けたイタリア女の膣に埋める顔。悶える声とマン臭は万国共通だった。
デパスが効いて射精できない。化粧が剥げた発情宣教者はただの国際痴情肉便器。
クリスチャニズムとペテン最終戦争を唾棄してやりたい死にやがれ牧師も聖書も法王もついでに天皇も焼いてやる血みどろの体言止めで包囲して捻り潰す。
女がイクがそれは詩情の欠片もない。
乱痴気アンナだけを信じた
「生きなさい」。
134回目のオーヴァードーズ
ただ
ただ
自分の
属性を
破毀したかった
昨夜の
電話で
死にたくなった
あの人の
裏切り
すべてに
背を向ける
どうせ
飲んでも
吐く
惰性
緩慢
死の
予行
それは
どこにも
自分がないのに
乱痴気アンナだけが見ていた
「生きなさい」。
殺す
梅田のボロアパート
屋上
生肉を抉るように殴打
頚椎を絞める
初めての殺人未遂経過5分16秒
この売女を突き落としたら
難波で売女の膣を突く
初めての殺人13秒前
あと40数センチで転落
殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。
正気に殺される
殺し損ねた女を離れて国道1号線を彷徨う
乱痴気アンナが降りてきたのだった
「生きなさい」。
どんな信条も詐欺的なロジック何も信じなかった右も左もたかだか買い被りの愛国心と敵愾ナショナリズムと無気力アナーキズムおまえの理屈は俺がケツ拭く紙わかるか?偽善者の押し売り英会話教室めが出て行け秩序よ裏切り者の脱構築スマホ薀蓄主義のウンコやろう何も聞きたくなかった全部意味ありげなエレメントを見せかけた異物の汚物の廃棄物すべて泣けてくる吐きたくなる誰かの排泄する排他的感傷テリトリーここから救ってくれだれでもいい違うだれでもよくないうちのだれでもいいほうのだれか救ってくれおれを救ってくれここから救ってくれどこかへ救ってくれもう救いようがないおれを救っておれだけ救って救っ救・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
乱痴気アンナが手を置いた
「生きなさい」。
詩がカタルシスを喰う
詩が同調圧量を恐喝する
詩が偏狭な恋愛を脅す
詩が腐肉の素朴で縛る
詩を嘔吐する
詩を絞める
詩は世界の限界
詩は狭小な知性
詩を放棄したい
詩へ死を・・・・・・・・・・
哀しすぎる世界 詩の自決
俺が潰す詩 夜が詩を潰す
乱痴気アンナが詩のなかにいた
「生きなさい」。
キャットフードの缶詰の底に書かれたペテロの言葉を眺めていた
宿命と思った
あの人はここにいなかった
「私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために・・・・・・」
虚ろに生きさせようとするキャッチコピー
虚ろに眺め
灰皿にポロニウム310の魂 散った
ここで終末
望まなかった
「求める」を止めた
無に無を描いた
乱痴気アンナだけが残った
「生きなさい」。
電気コード
首に巻いて
無言のうちに
過去も
いま
この時間も
もはや
消失
ドアノブに
巻く
力
こめて
引力を
下に
涙
毀れて
舌を
噛む
滲んだ
唇
も
う
こ
こ
に
は
罪
し
か
無
い
生に死が力尽きる
ここ。
乱痴気アンナが微笑した
「生きなさい」。
生き延びる交換血液
看護婦の微笑
死に損なって初めての罵詈雑言を唾を吐きながらバルーンに向けて呟く
精神医学が二度絶望させた
もう一度詩を拾った
もう一度書いた
呪詛を列挙した
渇望を連ねた
二度とそこにはもう帰らなかった
乱痴気アンナがキスした
「生きなさい」。
生に証を建てない
死に釈明をくれてやる
たかだかクソ詩をリボトリールの安息で払拭してから 八つ裂きに愛する
誰かが拾う結末も
ガス欠のフォード・マスタングも
軽量級の生涯も
ナパームゼリーも
相対する世界 その恥辱の極み 生き死にの線上 もはや振り返らない
ソーシャルメディアは死にます
クソ垂れウヨも愛国リベラルも同時多発手コキで逝け
すべての日本語を抱きしめて 存在のトーチカに投擲する
否定を肯定して逆説で生き切るからこの文字数制限の死をぶっ潰す
神を創造しない
乱痴気アンナが
俺を
赦すだろうさ
彼女が俺を救った
「生きなさい」。
乱痴気アンナの生死の歌
14時間以上眠らずに書いた。
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich
作者が所属するアートユニット「先端KANQ38」のアカウントを作りました。
映像製作を主に行ってます。遊びに来てください。
先端KANQ38ツイッター https://twitter.com/kanq38