別次元の守り人
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キン、と。
薄紫の髪をなびかせた少女が、乾いた地面に黒紫のブーツを鳴らして着地し、
ワイン色の剣の柄を鞘に収めるのと、仁王立ちのゴツイ怪物が倒れこむタイミングは、全く同時だった。
少女は着地した地点から180度向きをかえ、怪物の方へと視線をやる。
全長5mはあるだろうと思われる怪物がソコに仰向けになっていた。
顔は人間とは程遠い、鬼の様であり、口の中はギラリと並んだ牙がこちらを向いている。
目は黄色く、今にも動き出しそうだった。
だがもうその怪物は動かない。
鼓動は止まり、指先はピクリとも動かない。怪物の傷口からはドロドロと赤い液が流れている。
しんと静まり返った空間の中、少女の声が響く。
「まあ・・・噂以下のザコね。」
少女はそういうと、また向きをかえ、コツコツとブーツの音を鳴らし――消えた。
そしてそこにあったのは元の静寂だった。
4月となると、進級だ。
そうなってくるとクラス替えだーっと、周りの男女は騒ぐが、そろそろ『慣れ』だ。
14歳となるとさすがに慣れてくる。むしろ、かったるい。万が一クラスに気が合う仲間が居なかったらどうなるのだ。
絶対に「去年の方がいい」というに決まっているだろうに。
そう思いながら、少年――仙道和也は少し長めの黒髪をワシャワシャと掻きながらクラス替えの発表がされている
グラウンドへ向かった。
天空中学は、膨大な敷地を満遍なく使い、全校生徒は全国トップクラスと言われている。
そのため一学年に600人というありえない数字が並ぶのは当然だ。
だからこそ。和也はクラス替え表が張り出されたときは驚いた。
男子が自分だけとか、担任が2年連続だからではなく。
純粋に、クラスメートに驚いてしまった。
星樹燐歌。
この天空中にその名を知らないものは居ないであろう少女。
和也も同じクラスになったことが無いため詳しくは知らないが、容姿端麗。スポーツ万能。オマケに友達関係には100点をあげれるほどの
人間関係を築き上げてる超人。
だがなぜか滅多に学校に来ないため、『激レア星燐』なんて噂があった。噂によるとその辺のチンピラを蹴散らしてるとか云々。
・・・意外に勉強はあまりできないらしい。
そんな星樹燐歌が、2年C組。和也と同じクラスで――って。驚かないわけがない。
まさかそんな超人様と同じクラスなんて、夢にも思わなかった。
と、そこに、聞きなれた声が仙道の鼓膜に響き渡った。
「よう!和也!!俺も2年C組!!2年連続で同じクラスなのは俺達しかいねーよ!」
そこには、茶髪にピアスと、制服を着崩したチャラい感じの少年がいた。
「音峰!お前もC組なのかよ!!!」
茶髪の少年、音峰優は幼馴染で去年も同じクラスだった。2年連続同じクラスなんて奇跡だ。
ちなみにピアスを見たのは初めてだったので最近つけ始めたに違いない。
「おう!!・・・さて、俺は女子のクラスメイトを見たいんだが・・・」
音峰はそういうと、クラス表を覗き込んだ。先に見てしまった仙道は腕を組み、ハッハーン。というようにつぶやいた。
「ああ、すごいのが居るぞ。」
瞬間、音峰の顔が硬直した。星樹の名前を見たのだろう。
数秒して、ようやく音峰は口を開いた。
「仙道・・・」「なんだよ」
「去年の星樹のクラスのやつら、全員揃って『星樹ファンクラブ』を作ったらしいぞ・・・」
「マジかよっ・・・こりゃあうちのクラス、雰囲気が決まったな・・・」
星樹一色になるぜ。
といいかけたとき、不意に、耳元で凜とした、心地よい声が響いた。
「私は、・・・2年C組か。女子の28番・・・ね。」
視線を向けたソコには、薄紫の髪を横で括り、ワイン色の瞳を持った――
―――星樹燐歌が、居た。
別次元の守り人
ここまでみてくれてありがとうございました!!
駄作でスイマセンonz