夏子's summer night
黒点号(八咫烏)は散歩中に夏子と出会い、
幽霊に後を付けられて困っていると相談された。
黒点号は相棒のエムを呼び出し事件に挑む。
エムはテレパシーの使い手でもあった。
-夜更け、広い公園の入り口にて-
エム 「で、黒点号。ここに幽霊が居るんだな?」
黒点号 「うむ」
夏子 「そ、そうなんです。いつも私の後を付けてくるんです」
エム 「ふーん……見たところ何もいないけどな」
夏子 「急に現れるんです、その後、意識がなくなっちゃって」
黒点号 「この公園にたまたま散歩に来てな、相談されたんだ」
エム 「幽霊ねぇ、まぁいいや、このエムさまにまっかせなさい」
黒点号 「んじゃぁ夏子、いつものように」
夏子 「は、はい」
-公園に入っていく2人と1羽-
夏子 「ゆ、幽霊さぁん……い、いらっしゃいますかぁ」
エム 「試してみるか、リバレイティング!(精神感応発動)」
-ヒタヒタヒタ、夏子の後ろに響く不気味な足音-
夏子 「ヒッ」
エム 「ほ、本当だ、聞こえる!」
謎の影 「うがー!」
エム 「コラコラコラ、何しやがる!」
-謎の影をタコ殴りにするエム-
謎の影 「まいったぁ! もうしないから許してくれ!」
-逃げ去る謎の影-
黒点号 「夏子、もう大丈夫だ。あれは幽霊なんかじゃない」
夏子 「は、はい、ありがとうございます」
エム 「安心していけるね?」
夏子 「なんだか、ほっとしちゃいました」
-次第に姿が消えていく夏子-
黒点号 「おやすみ、夏子」
夏子 「おやすみなさい」
-夏子は微笑むと光に変わり空へ消えた-
エム 「黒点号には彼女の姿も見えたんだな」
黒点号 「ご先祖さんは伊達に神様の眷属じゃないってことさ」
エム 「ボクもリバレイティングで彼女の悲鳴が聞こえた時はびっくりしたよ」
-戻ってきた謎の影、リゾム-
リゾム 「ったく、少しは手加減しろよな」
エム 「フン、以前ボクに酷いことしたお返しだと思え」
黒点号 「まぁ、おかげで夏子は成仏できた」
黒点号 「彼女はこの公園で通り魔にあってな」
黒点号 「突然の出来事で死んだことがわからず、その日のことを何度も繰り返していた」
エム 「クソ、神様っているのかな」
リゾム 「そりゃぁ、いるさ」
リゾム 「それにここよりちったぁマシだろうよ、天国は」
~Fin~
夏子's summer night
エムは精神感応を発動するまで夏子の声は聞こえていません。
そして最後まで姿は見えていません。
トリック的な会話に挑戦してみましたがいかがでしたか?
最後に出てきた謎の影は「リゾム」と言うエムの知り合いで
黒点号から事情を聞いて一役買って出た良い奴なんですよ。