土曜日の話
不可抗力の力に引き剥がされて、ヒラヒラと私が落ちる。
落ち続ける。着地せず。永遠と。
時たま、風に乗りふわりと上昇するが、雨に打たれてさっきよりも低い位置を舞う。
───低く
──────────────────低く
ペラペラの私。
これでもかというほど執着し、へばりついていると、気付いたら薄っぺらになっていた。
昔、駄菓子屋でねだって、母によく買ってもらっていたシートガムに似ている。ピンク色だった。
引き剥がされて、やっと気付く。
その時にはもう1人で立てぬ。
重力に身を任せ、押しつぶされるのを待つだけだった。
土曜日の話