土曜日の話


不可抗力の力に引き剥がされて、ヒラヒラと私が落ちる。

落ち続ける。着地せず。永遠と。


時たま、風に乗りふわりと上昇するが、雨に打たれてさっきよりも低い位置を舞う。

───低く

──────────────────低く


ペラペラの私。

これでもかというほど執着し、へばりついていると、気付いたら薄っぺらになっていた。

昔、駄菓子屋でねだって、母によく買ってもらっていたシートガムに似ている。ピンク色だった。



引き剥がされて、やっと気付く。

その時にはもう1人で立てぬ。


重力に身を任せ、押しつぶされるのを待つだけだった。

土曜日の話

土曜日の話

旅行に行った感想です。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-03-02

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