たまに

あの頃の外の匂いに
今年も気づいてしまう
この風の吹くところに
僕は生きていたことを

朝を迎えて目をこすり
強く目を押さえて離した時
夜を越えて目をこする
少しだけ闇が残るあの感じ

たまに
嘘をついたり
たまに
笑ってみたり
たまに
泣いてみたり
たまに
明日を殺してみたり

この頃の外の匂いは
過去の受け売りばかり
あの花の咲く場所は
埋め立てられるそうだ

青い景色に目を開き
強く首を絞めて離した時
再び明日に目を開く
少しだけ光が点滅するあの感じ

たまに
騙されたり
たまに
笑われたり
たまに
虐められたり
たまに
昨日に殺されてみたり

たまに

たまに

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-03-01

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