支え
人が怖くて助けてほしくて…。
こんな世界があったんだね。私にはあまりに酷な世界だった。
社会人になって早3年。
自分で言うのもなんだが私はすごくチャランポランな社会生活を送ってきた。
正職に就くわけでもなくバイト生活で、ただただ遊びのために仕事をしていた。
そんな中、なぜ自分に正社員の話が訪れたのかは定かではない。
なんとなくで受けて受かってしまった。
初めは3年遅れを取り戻そうと必死に働いた。
でも、身体はついてこず毎日が限界に達していた。
そんな時、上司にレイプされた。
ショックだった。
何をする気にもなれず、真っ暗の部屋の中でただたんたんと時間が過ぎるのを待っていた。
何時間過ぎただろうか?
ずっと携帯が鳴っていたことには気づいていた。
誰とも話したくなくて、気づかないふりをしていた。
携帯を手に取った瞬間、着信が入った。
好きな人だった。
なんとなく、電話に出てみた。
どーした?
声を聴いた瞬間涙が止まらなかった。
言いたくなくて何時間も沈黙を重ねていた。
彼はその間何も言わずに電話をしてくれていた。
言いたくなったら言いなさい。
たった一言。
そのたった一言だけだったけど、私には長文に聞こえた。
何時間経っただろうか?
彼が口を開いた。
言える気分になったか?
私は泣きながら話した。
職場のこと、上司のこと、全て。
もちろん、嫌われる覚悟で。
言い終わってスッキリした反面、すごく後悔した。
彼が何も言ってくれなくなかったからだ。
私は何も言えなくなってただ彼からの返答を待っていた。
お前、今どこいる?
彼が口を開いた。
家だよ。
少し間をおいて答えた。
今から行くから着替えとけ。
分かったか?
30分後、彼は本当に来てくれた。
いつもと同じ笑顔で。
私は泣き崩れてしまった。
泣き崩れた私を彼はずっと見守ってくれていた。
心から安心した。
彼は一週間もずっとそばにいてくれていた。
さすがに仕事があるからこれ以上は休めないといわれて自宅に帰ったけれど
それだけで私の心はだいぶ落ち着いていた。
自宅に帰っても尚、彼は合間合間に連絡をくれていた。
さすがに職場はやめてしまったけれど、彼のおかげでまた新しくスタートを切ることができた。
絶望の淵にいた私。
それを救ってくれた彼の存在があったからこそ、今私は笑っていられるのかもしれない。
そう思うと彼には感謝してもしきれないほど感謝している。
勇気を出して一歩踏み出すのも悪くない世界なのかもしれない。
支え
心からのありがとうを君に言うよ。助けてくれて、絶望から救ってくれてありがとう