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朝焼けから
君の知らなかった駅にて

喧騒は学生の興奮
あとの人はしずかに
冬を耐えている

慣れない電車にゆられて
降りる駅のアナウンスを待ちながら
はじまりのなつかしさを感じていた

数えてきたさよならは
今だけ遠く
あの夜の東京タワーの中にある

君がいなくなったこと
ゆるせないままで
いまも生きている

お酒からこぼれた透明な本音は
ポロポロとこぼれてそれでも
君の頬を濡らすことはなかった

さみしさだよ
ただそれだけの白い部屋
僕だけがいる街が
君に繋がっていた頃の話



20170115

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-17

Copyrighted
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