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あじさいみたいに移り変わる髪色で
世界は変えられると彼女は信じている

君の後ろから歩いてくるゆううつを
振り払うように彼はウクレレみたいなギターを弾いて
薄っぺらさはきっと気のせい

なんにでもなれるという勘違いで
確かに世界は変わっていくのだから

皮肉屋には交わせない真っ当な嘘で
笑えるぐらいの誠実さを見せてくれる

すきなんでしょ、彼のこと
あなたのことなんて彼は絶対に知らないけど
きっと君のこと好きだよ

トマトと同じぐらい
好きだと思う。


20161211

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-17

Copyrighted
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