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なんでいつまでおんなのこでいなきゃいけないんだ。腐っていく魂に絡みつく毛糸に足をとられて吐きそう。あいしてるはずの世界から隔絶されて、目の前にあるクソみたいな愛すべき現実を生きる。きもちわるいの、すごく。陶酔心酔浸水。わたしの絶対領域に許したくない賞賛が流れ込んでくる。きもちわるいの、すごく。すごくきもちわるい。逃げ出して投げ捨てた10代から追いかけれられている。死にたい。そんな感覚さえ超越したある種の明るさで世界を変えていく。怖いものは怖い。ほしい物はほしい。秩序の向こうのその先で君と待つ永遠。気違いじみた衝動をひた隠して、普通に生きているのだから。やさしさはその永遠の向こう。君のいない真実を悠長に待っていられるほど僕は強くなかった。ゆるやかに孤独になっていくこと。君は知らないでいてね。だって、ささやかに幸福でありたい。絡まる糸を一つ一つ解いてあなたの作ったおもちゃ部屋で遊びたかったな。対岸にて。憂鬱だけが唯一あの日の僕と君とぼくらとを繋ぐ橋。さよならなんて言わないで。明日が昨日になるまでは一緒にいようよね。


20161127

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-17

Copyrighted
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