88

生真面目さに嫌気が刺しても
夜は明ける
無情な朝の光で目をこじ開けて
世界死ね
毎日呪っても輝いている
穴に落ちて僕だけが居残り
放課後を知らないまま大人になって
憧れたミュールで歩き続けた街は
あの子がいなくなっても
相変わらずゴミだらけのままであの場所にある
隠しきれない憂鬱で押しつぶされそうになって
絶望する希望
さよならなんて無意味
いがみ合うことすら無意味
誰も好きじゃないから
永遠に嫌いにならない
かごめかごめの外側で
鶴と亀が滑っているのを眺めている
希望は絶望 でも、ありえない
生真面目さに嫌気が刺しても
夜は明ける
無情な朝の光で目をこじ開けて
死ぬまで生きる
カーテンの向こう側
結露した窓の更に向こう
今日も今日が始まっている



20161115

88

88

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-17

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