綺麗事の穴に嵌る

春生志乃

人間は綺麗事が大好きだ。
型に嵌った何かを出来たり、したりすれば自分が正しいものだと思ってしまう。
自分だけが正しいのなら、今頃独裁政治なんかを始めているだろう。
周囲が正しくないと思ってるからこそ、そんな独裁政治が出来ない世の中になっているのだ。
それに気づけずに、一人の人間にのめり込んだり正しいと思って綺麗事をつらつら並べているから、どうにもならないのだ。
救済を求めるくらいなら、独裁が出来るほどのでかい人間になればいい。
全ての人に共感を得てもらえる人間になればいい。
それができないから、他人に陥って小さな独裁に嵌ってしまう。
小さな独裁になど意味はない。
その世界生きたいと思うのならそれでいい。
けれどもそこで終わってしまうのなら、それほど自分が、他人にとって何の価値もない人間ということだ。
それを理解したうえでそうなるのならなにも、誰にも文句は言われない。
けれど後に後悔するのは自分だ。
そんなこと気付けているのなら、現状のような綺麗事ばかり並べる、作家気取りなんかにはなっていないだろう。
自分の芯を貫いて、正しい道に進むからこそ、最後は人間として終われるのだ。
型に嵌った綺麗事ばかり並べて、理屈を言っているうちは人間なんかではない。
個性を失った何でもない屍なのだ。

綺麗事の穴に嵌る

綺麗事の穴に嵌る

型に嵌った綺麗事ばかり言う人間に物申すけれども、やはり自分も綺麗事に過ぎない。

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
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