つまさき

赤らんだ擦り傷だらけの手の先には
垢抜けない薄桃が並んでいる

彼女は手爪を彩らない

けれど
機能的で土に汚れた靴の下には
サファイアが眠っている

彼女は足爪に彩を施す

無骨な手爪も鮮やかな足爪も
生き様を表す宝石だ

彼女はどの爪も
同じくらい気に入っている

つまさき

つまさき

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-02-15

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